歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2008.06.10
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テーマ: 短歌(1717)
カテゴリ: 短歌



 おぞましい通り魔殺人がまた起ってしまいました。

 世の中から暗闇というものが無くなって、人は「孤」というものと対峙しなくなったような気がします。本来、人は孤独なものです。孤独を飼い慣らし孤独をペットとして共に生きていかなければなりません。

 魑魅魍魎の住む暗闇という存在を認識することで、人は目に見えない世界に怖れを抱いてきました。暗闇に一人佇んでいる時、無力感や底知れない孤独感を味わってきたはずです。
 その暗闇という世界が身近な環境から消えて久しい。
 今では「闇夜」というのをほとんど体験できません。星も月も無い夜も空は明るく、いたるところに街灯が灯り街を照らしています。
 停電があっても数分で復活します。自分が望めば暗闇を知らなくて生活できてしまいます。

 そういう明るい社会になって、人の心の闇は返って深まっているような気がします。
 孤独に苛まれ孤立感に打ちひしがれて喘いでいる。
 疎外感を強く感じていて、アイデンティティーを持てないまま虚無的に生きている人が増えているような気がします。
 情報という光に晒されて、孤独でいることを許されず、心の闇を抱えたまま疎外感を持って生きていくというのは残酷なことです。

 無差別に人を殺して自己を顕示しようとするのは、疎外感からくるものでしょう。生活に疲れたというのはその孤独感に耐えられなくなったということでしょう。
 自分という実態を実感できず、存在の意味さえ考えることなく、一見明るい社会に漂う浮き草の様な存在。
 善も悪も区別が付かなくなって、ただただ自分の存在を知ってほしいと叫んでいる。





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最終更新日  2020.07.23 11:38:09
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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