外面の違いを排除して、同じ条件にすることで見えてくるもの。
制約を与える事でそこに潜んでいる純粋なモノを引き出す。
白い壁をバックにして、与えられるのは紺のスカートと白いブラウス、そして一個の丸い果物。
そんな、なかなか憎い写真集を出した写真家がいます。
ファッション、ポートレート、広告等で活躍する横浪修さんが二作目となる写真集 「100 Children」をリリース。
写真集 「100 Children」 横浪 修 発行:株式会社プランクトン
税込定価:3,800円 仕様:A4ヨコ変形(280×215mm)/上製本/左綴じ/128頁
「横浪修」氏のHPより
現代の子どもたちは個性豊かである。
その子どもたちから感じる個性とはどこにあるのか?
多くの割合が服装や髪型など外側によって演じられているのではないか。
そのことを一度、解放してすることで、本来の個性が浮かびあがるのではないか?
それを写し出すために、表層的な個性をなくしてみようと試みた。
まずはひとつの行為として、同じ服装をしてもらい、外側を均等化してみる。
この段階で既に外側の個性の半分は奪われ、本来の個というものがうっすら見えてくる。
次にその人が持つ行動を導き出すため「丸いもの」をいくつか使い、肌の色や顔立ちなど個々が持っている雰囲気で直感的にカテゴリーにわけてみる。
その平均化されたグループの中でも挟むという行為をすることで、さらにそれぞれの仕草や癖が浮かび上がりより違いを見いだすことができる。
この均等化された状態を標本的に見比べてみると個性の違いがはっきりと浮かび上がってくるだろう。
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同じ服、同じ光、同じ条件のなかでの個性 横浪修氏へのインタビュー
外面を飾ることが当然のような環境で生活をしていると、それを制限されることには大きな抵抗があります。
しかし、中・高校生やOLなどの楚々とした制服姿を見ると、何故かにホッとするような安堵感を持つことが有ります。
それは外面を化粧や服装で武装している姿にはない、個々人の純粋な素顔が見える安心感があるからではないでしょうか。
雑多な要素を排除され決められた制約の中にある対象物は、比較することで見出される個性が明確となって静かに立ち上がってきます。
この写真集は、少女たちの持つ”純真な飾り気のない個性”を引き出すという試みが、見事に成功しているのではないでしょうか。
プロならではの着眼と洞察に脱帽です。
「日歌」が千首を超えたのを機に、 「游歌」 とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選
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