黄砂(つちふる=霾)が漂ってぼんやりと霞んでいる早春の日、木々は芽吹きの時を今や遅しと待っています。
桜もまたその花を咲かせるために、休むことなく命を燃やし続けてかわいい蕾を少しずつ膨らませています。
何にもしないのに毎年花を咲かせる木々は凄いなぁと思います。どこからその養分とエネルギーを吸収しているのか、不思議に思ったりします。
僅かな養分を吸収するために細い沢山の根を広く遠くまで張っているのでしょう。そうして何十年何百年と生き続ける木樹の姿を、人は時に畏敬の念を持って眺めます。
岡山県の天然記念物に指定されている「醍醐桜」は樹齢1000年といわれ、毎年4月10日前後に、かわいらしい微紅色の花を木いっぱいに咲かせます。
ヒガンザクラの一種、アズマヒガンで、後醍醐天皇がこの地に立ち寄られた際、「見事な桜じゃ」と賞賛したと伝えられています。
ただ一本、丘陵に咲き誇る桜が、武蔵の力強さと孤独を象徴しているということで、NHK大河ドラマ「武蔵」で武蔵が幼い頃を振り返る場面に登場したそうです。
他にも全国に有名な桜の沢山ありますね。
それらを誰もいないような静かな雰囲気で味わえたらどんなにか素晴らしい事かと思います。
しかし、現実は大渋滞と人人人で、押すな押すなの悲しい状況で観る事になるのでしょう。
僅か100年前まではそんな事もなかっただろうに。
あまりにも早い世の変化に桜は何を思いながら、毎年花を咲かせているのでしょうか。
PR
カレンダー
キーワードサーチ
サイド自由欄
コメント新着