寒い冬の間も休むことなく営々と花を咲かせる準備をして、この絢爛の時を迎えた桜。
晴れやかに咲き誇って、満面の笑みを見せているようです。
しかし、あんなに待ち焦がれていた桜も、咲くだけ咲いてしまえば、もう誰も見向きもしない。何事も手に入れるまでが楽しいのであって、手に入れてしまえば急速にその情熱は冷めていき、興味は次の関心事へと移っていく。
平日の午後ということもあって、人っ子一人いないパークロード
☆
それにしても集まるところには集まるもんですね。上野公園は芋を洗うほどの混みようだったようです。人が人を呼ぶ連鎖反応と、人の多いところへ人が集まるという群集心理が働いている。
花を見るというより、人の渦にいることで自分の立ち位置を確認する行為と言えなくもない。
名古屋の鶴舞(つるま)公園では、花見客の注文を受けてピザの配達までしていたそうです。商魂たくましいと言うか、中々やるもんです。
注文主の手に届けるのも一苦労だったでしょうが、今はケイタイがあるので、意外とすんなりいくのかも知れない。
大阪・造幣局は種類が多いのが有名で、関山、普賢象、松月、紅手毬、芝山、黄桜、楊貴妃など125品種がそろい、約370本を数えるという。
大阪 造幣局
1週間の開催期間に70万人から80万人に及び、多い年では110万人を記録した年もあるとか。造幣局周辺は交通規制が敷かれ、観光バスで訪れた客も数キロ離れた駐車場から徒歩でこの地まで歩かなければならない。
一方通行の道を1日10万人以上が詰めかけるので、立ち止まって写真撮影をすることもままならず、まるで大混雑の繁華街を歩くよう。ゆっくりとした「花見」とはならないし、敷物を敷いての飲食などは当然許されない。
珍しい花の前で客が立ち止まると、警備員がつねに「立ち止まらない」ようハンドマイクで呼びかけているそうです。
いろんな桜には興味があるが、行ってみたいとは思わないね。
漲って咲き誇った桜も、ここへきてゆっくりと緊張の糸を緩め、サワガニが放卵するようにハラハラと花びらを散ってゆくのです。
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