若い頃にした放浪の旅は、4月の九州がスタートだった。そこから順に北上していった。
行くところ行くところ桜が咲いていて、何だか不思議な気分がしていた。ちょうど桜前線と同じペースで移動していたことになっていた事に、後になって気づいた。
どこもかもすごい人出で、桜の国を旅しているような気分がしたものだ。当時(1970年)、岩国の錦帯橋のすぐ近くに文人にゆかりの古いユースホステルがあった。
そこへ泊まるのは若い女生ばかりらしかった。普段は用心が悪いので夜に外へ出掛けることはないのだが、たまたま私が泊まったということで夜桜見物と相成った。
宿とは対岸になるので、錦帯橋を渡っての夜桜見物。寝袋担いでの金のない一人旅の身、女子学生に囲まれて桜見物なんて夢のような一夜だった。
その当時のなんとか亭というユースは今はもうないらしい。直営らしいホテルのように豪華な「 岩国ユースホステル 」というのがあるらしく、ホームページがあったので覗いてみた。
一人で人生を考える、自立のための一人旅、なんていう時代ではなくなって久しい。ユースも今はみんな個室になって、安価な家族のための宿泊施設のようになっている。
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