一面にピンクの絨毯を広げたように艶やかに歩道を染めた一角があった。夜来の強い雨と風に、遅れて咲いた八重桜も無残なまでに散ってしまった。
八重桜だけあって花びらの量がすごい。たった一本の木が散らせた花びらが辺り一面に散り敷いて、濡れた歩道はピンクの氾濫の体。
雨に溶けた塗料を無造作にぶちまけたようでもあり、壮絶な桜の最期を見るようで、ちょっとドキリとするような風情だった。
八重桜は咲いている時も厚化粧の花魁のようなイメージがあるが、散り際もさすがに迫力がある。咲いている時よりも、むしろ散っている時の方がいいかも知れないな。
春の嵐に遭って劇的な終わり方ではあったが、この地方の桜の季節はこれで本当に終わったね。
それにしても今年の桜は全国で様々なエピソードを生んだことでしょう。
また、写真でしか知りませんが、桜の花に雪が積もっている情景は哀れというより新鮮な感じがしたものです。
私が行った高遠城址の桜も、翌週に行った知人は雪で道路が封鎖されて途中で引き返したそうです。
桜の花が雪に覆われ見えなくなるような春の雪のことを東蒲原地方では「桜かくし」と呼び、十日町方面では、眠っていた木の芽を覚ますので、「木の芽さまし」と呼ぶらしい。
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