我が家の庭の片隅には、めだかを飼っている手こね鉢が二つある。一つは黒メダカで、もう一方は白メダカだ。
姫水連が植わり、水草やホテイアオイが浮かび環境的には申し分ない。餌は、定期的に上から落ちてくるという幸せな状況だ。
半日かげのこの場所は、朝の光も射せば、雨だって降り注ぐ。外敵もいないこの環境は彼らにとって、将に天国だ。
中国の故事に「壺中天」というのがある。
後漢時代、費長房という役人が二階の窓から眺めていると、一人の老商人が、商売が済むと店頭に掛けていた壺の中に、いつも飛び込んで姿を消していく。不思議に思って費長房がその老人に頼み一緒に壺の中に入れてもらったところ、その壺の中には宮殿があり、酒や肴のたくさんある別天地であったと言う話(後漢・費長房伝)。
「めだか」達にとって、俗世から切り離されて、食いっぱぐれもなく外敵もいない上に、自然の恵みも満喫できるこの環境は「壺中の楽園」だ。
「壺中天」とは、俗界と切り離された別天地、別世界のこと。仙境でもある。
”壺中天有り”とは、自分だけの内面世界を持つこと。人と比べるのではなく、自分にとっての仙境をもつこと。
それが”幸せ”の根幹を成すものでしょう。
あなたは、どんな”壺中の天”を持っていますか?
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