口蹄疫で大変なことになっている九州・宮崎の畜産農家。
せっかく改良して作り上げた種牛までも殺処分の対象になり、例外を作らない方向で処分することに決った模様。生産者は断腸の思いで受け止めていることでしょう。
殺処分された牛の数は28万9000頭。半端な数じゃないですね。
美味しい肉を食べるために、手塩にかけて育てられる牛。捨て猫だって飼っていれば情が移るのだから、大きな体をして人懐っこい牛がかわいくない訳がない。
声を掛け、心を通わせながら育て上げた牛を売って生計を立てるという、畜産という仕事のむごさ。
”牛を食べる”と言えば野蛮に聞こえるものを、”牛肉を食べる”と言うように漢語を使うと柔らかくなる。外来語としての「漢語」を日本では上手に取りこんで、文章表現を豊かにしています。
短歌では、硬くなるということからなるべく漢語は使わないように、というのが基本的なスタンスです。漢語は便利だし格調も高くなる様な気がして、現代では使わずに置く事はなかなか難しい。
英語も同じ様に外来語を取り入れるのが好きな言語だそうです。
元々フランス語がベースになっている(60%を占める)ので、フランス語を使う事も多いのだとか。
ビーフとかポークとかマトンとかは全部フランス語で、外来語を取り入れる事で格調高い表現にしているところは、日本の大和言葉と漢語の関係に似ているんですね。
話がそれました。
それにしても人間は何でも食べる生きものだ。
牛を見て美味そうとは思わないし、泳いでいる魚を見てもそうは思わないのに、牛肉や刺身という食材になった途端に目つきが変わる。
なじみが薄い猪肉をボタン、鹿肉をモミジ、馬肉をサクラなんて呼んで食卓に載せる工夫もする。風にネーミングを変えるだけで、さも上手そうに感じるのだから人間の食の貪欲さが知れようというもの。
考えてみれば、雑食の人間って、野蛮だ。動物の中で一番野蛮な生物だと思う。
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