北の大陸から、いよいよ本格的な寒さがやって来るようです。
これから春まで日本列島は、裏日本と表日本に色分けされて明と暗の二重構造と相成ります。
西高東低の気圧配置が顕著となって、天気予報の画面に北の夷人の襲来を思う。連日、あの縦じまの模様が日本列島を覆い、北海道には渦まで巻いていよいよ憎らしくなってくる。
ナポレオン軍を敗退させた冬将軍が、裏日本の人々を白い凶器で苦しめる。
今年の冬は厳しい予測が出ていました。あまり酷い大雪は遠慮してもらいたいものですね。
雪を思うと「白い恐怖」という映画を思い出します。
医師の白衣、白いテーブルクロスの筋、雪の上の橇の跡。フロイトの精神分析に基づく夢の分析、サルバトーレ・ダリ監修のシュールな映像。
長くのびた影、無限の距離感、あらゆる線がおどろくべき遠近法に収斂されて見事な空間をつくりだしている構図、形のない顔・・・・・。
悪夢のシーンにダリの美術を使った理由をヒッチコックは、視覚的にシャープで明晰なイメージ―それも映画そのものよりもシャープで明晰なイメージ―がほしかったから・・・と。
物理的に真犯人を追いかけるのではなくて、主人公の心と深層心理の中に事件の真相を追い求めるという、ヒッチコックならではのサスペンス映画。
白黒映画ならではの陰鬱で奇怪な、それでいて印象に残る映画でした。
好きなイングリッド・バーグマンが出ていることで、私のベスト20に入る映画です。
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