わが実家では昭和50年の始めごろまで、茅葺の家で、土間にかまどのある生活をしていた。
薪で焚く風呂や離れにあった厠が、今では懐かしいばかり。半農半漁の効率を重視した暮らしは、確かに劣悪なものだった。ただ、七輪や火鉢、五徳や消壷という言葉を聞くと、昭和の、そして自分たちの礎となった生活そのものを思い出して、切ない気分になって来る。
戦後は何処の家も貧しかった。ただ、今思えば、上を向いて明るい坂の上に向かって生きて行くことは、漠然とはしていたが希望ばかりが待っていた。
まっとうな生活さえしていれば、欲しいものが一つ一つ手に入り念願が叶っていく生活は、文明の発展の素晴らしさを実感するものだった。
1970年(昭和45年)の大阪万博を前後にして、その文明は急速に発展し、多くの社会問題を引き起こすことになって行く。そして、その20年後にバブルがはじけた。
そして、空白の10年を経て、2007年のリーマンショック以降、再び空白の10年を継続中だ。
先の事は誰にも分からない。ペシミストかオプチミストかでその捉え方は違ってくるが・・・。
最近、映画の世界も原点回帰の傾向が見られる。
無声映画形式で話題を播いた「アーチスト」は、言葉が伝わらなくても心は伝わるということを実証して見せてくれ、とても良い映画だった。
1960年代の米ミシシッピを舞台に、白人女性と黒人家政婦たちの友情が旧態依然とした街を変革していく様子を描いた「ヘルプ 心がつなぐストーリー」も良かった。人が一人も殺されたりしない映画で、そんなシーンなどなくても感動をを与えられることを見せてくれた。
新作の007「スカイ・フォール」も、どちらかと言えばローテクを使った、今のハリウッド映画の逆を行くような創りになっている。もちろん見せ場は派手に展開されるが、ボンドのスコットランドの生家を舞台にしているだけあって、地味な演出も奏功している。
主役のダニエル・クレイグは「個人的には、今でもボンドは古き良き時代の最前線で戦う兵士であるべきだと思っているけどね。」と。
派手派手の”これでもか!”というようなものに、みんな辟易している。もっとゆっくり、ゆったりと感動を味わいたい。
それも単なるラブ・ストーリーやお涙ちょうだいのものではなく、往年のジェームズ・ボンドがヒッチコックのような心理的恐怖や笑いとペーソスを見せるような映画を待っている。
「三和土(たたき)」とは、「敲き土(たたきつち)」の略で、赤土・砂利などに消石灰とにがりを混ぜて練り、塗って敲き固めた素材。3種類の材料を混ぜ合わせることから「三和土」と書く。土間の床に使われる。
セメントがなかった時代に、地面を固めるために使われたとされる。現在では、コンクリート製やタイルを貼った土間なども三和土と呼ばれることがある。
「竃(かまど)」は、「へっつい」とも言い、「くど」と呼ぶところもある。
「十能」はスコップを小さくしたような、火鉢などの灰をすくったりするもの。
「五徳」は、火鉢の灰の中に刺して鉄瓶などを乗せる五本足の器具。
「消壷」は、かまどや七輪に残った炭火を、火を消して保存しておくための蓋付きの入れ物。
◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」と
タイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。
★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
◆ ジョーク、冗談、ユーモアは生活の調味… 2014.10.22
◆ 消えていってこそ虹 2014.10.21 コメント(2)
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