歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2025.02.16
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♪ 右顧左眄しつつ自分の生きざまを記して生きる証の雲子(うんこ)



「名古屋短歌会館 第十八回短歌大会」の表彰式。名鉄+地下鉄で40分ほど。どんな会なのかも知らないので一度くらい参加してみようかと、いういつもの野次馬根性で・・。

 まあただの佳作入選だし、選者が誰だかも知らない。
 名札が用意してある席に着く。すでにほとんどの人が着席していた。予定の時間になり、中部日本歌人会の事務局長・田中徹尾氏、事務局次長・細溝洋子氏が紹介される。



 表彰式 総応募数:516首
   「名古屋市短歌会館賞」1首
   「中部日本歌人会賞」「青木穠子賞」
     (各一首)賞品 図書カード(五千円分)
   「選者賞」
     (八首)賞品 図書カード(五百円分)
    佳作が何首なのか分からないが、入選が31首。

 驚くのはその出席した受賞・入賞者の住所が、鹿児島、愛媛、兵庫、大阪、石川、東京と遠方から来ていて、応募者が全国に及んでいること。応募数も去年は200台だったものが今回は500を超えていて、ネットから応募できるようにしたことが奏効したらしい。

 また若い人が多く、世代が大きく入れ替わっているという。受賞者も若い女性が何人かいて、今の短歌ブームを反映しているようだった。



 田中徹尾氏と細溝洋子氏によって受賞作品の講評があり、入選作の中からも幾つか講評があった。私の 「北鮮の番兵のごとく真夜中を立ちつづけおるコンビニ店員」 についても、講評を頂いた。




 講評の後は河田育子氏( 「音」会員、1954年京都府生まれ。1977年早稲田大学第一文学部卒業。1982年「音」創刊に参加。現代歌人協会会員・日本文藝家協会会員 )による基調講演があり、和泉式部の歌について、(私には縁遠い世界の話だったが)興味深かった。

 予定の式次第が終わり、懇親会の準備の間に会館の中を散策して時間をつぶす。ロビーには応募作品のすべてが張り出されていて、そんな風に観る機会はないので面白かった。



 会館はかなり古く、歌人 青木穠子 氏(故人)が、文化向上および振興のため名古屋市に寄付された由緒ある建物とあって、1階中庭には青木氏の胸像・歌碑が刻まれて設置されている。



 そして懇親会。如何にもおっとり名古屋の感じがあって、ローカル丸出しのところが面白い。

 お茶を飲みながらの交流会で、折角なのでそばに居た男性に声を掛けた。ちょっと珍しい名前だったので訊くとペンネームだという。
 短歌結社「 未来 」に所属していて、この短歌会の母体である中部日本歌人会の会員でもあるらしい。「未来」は、会員数約800人、近藤芳美や岡井隆によって1951年に結成されたもの。

 新聞の歌壇にはなかなか採用されないとか、かと言って自分を偽って歌を詠むことはしたくないし出来ないなど、思いは同じだというようなことで話が弾む。
 そこへ同じ仲間の人が来て会話を始めたので名札を見ると、朝日新聞の東海歌壇でよく見かけた名前だったので意外な気がした。今は中日歌人会の副委員長をしているらしい。

 閉会となって帰る支度をしている時に、短歌会館賞を受賞した若い女性が目の前にいたので声を掛けた。
「幾つ、学生さん?」
  「はい、大学生です」
 「短歌歴は長いの?」
  「高校の時に短歌に嵌りました」「短歌甲子園にも出ました」
 「どうりで、凄いね」「競争相手がいると、上達も早いね」
  「そうなんです。面白いです」

 この彼女は鹿児島から来ているようで、短歌が面白くてしょうがないのだろう。今回、最高賞を受賞したことでますます自信を付けて、飛ぶ鳥落とす勢いで突っ走っていくのだろう。

 先の会話を交わした男性の言うように、賞を取るために歌を詠んでいるわけでもないし、自分の好きなように詠んでいくことが持続する秘訣でもある。
 結社「未来」は年会費1.1万円もするし、会員数も多くて提出した歌もなかなか選ばれないという。東京で開催される会に出席すれば時間と金も掛かる。出席してみれば女性ばかりで、有閑マダムの集まりのような会は、重荷でしかないという。

 さもありなん。選ばれた歌に納得が出来ればいいが、そうじゃないことも多く、あまり有意義なものとは思えないともいう。



 参加してみて、この年になって第三者の目や意見に囚われることなく、自分の目で新しい発見をし新しい表現を見つけていくことこそが一番いいことだと再認識した次第。

 賞などはたまたまそのポケットに嵌っただけのこと。自分を偽ることなくマイペースで、今までやってきたように好きに歌っていけばいいと思う。





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最終更新日  2025.02.16 09:07:27
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
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