「絶対に負けられない闘いがある」というフレーズが日本を覆うとき、
そういう時ほど、よく負ける日本ですね。
学校の部活にも「必勝」という言葉が踊っています。
教育現場では、この「必ず」や、「絶対に」という単語は、
頻繁に使われています。
受験生には、「絶対合格」というハチマキまで用意されます。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。
「必ず、こうなっている」と言った瞬間に
「こうなっていない」将来への連想が
「必ず」生まれてしまうのです。
すると、「こうなっていない」将来、
悲観的な結果への不安が浮かび上がってくるのです。
有名なエミール・クーエの「努力逆転の法則」です。
頑張れば頑張るほど、その努力とは反対になるという法則です。
1.意志力と想像力(イメージ)が相反した場合は想像力(イメージ)が勝つ。
2.意志の力で「努力すればするほど」想像力(イメージ)は強力となり、
その意志の努力とは反対の結果なる。
3.意志力と想像力が相反した場合は想像力の強さは意志力の二乗に正比例する。
想像力と意志力が衝突し、対立する場合、
勝利をおさめるのは常に想像力の方なのです。
そして、このことにいかなる例外もない。
エミール・クーエの言葉によりますと、
この法則は重力の法則と同じほど不変なものです。
このことから、学校教育を中心とした「お勉強」の問題点は、すぐに導き出されるでしょう。
子どもたちに、勉強を将来を左右する重大なもの、と意識させるとは、
たとえば、こういうことです。
60cm幅の一枚の木の板を地面に置いて歩いて渡ることは、たやすいのに、
同じ板を、二つのビルディングの谷間の空中10mの高さに
吊り下げて、
「さあ、渡れ! 君ならできる!君の運命はこれにかかっている!」
何て言われたら、なにかが起こるかおよそ見当がつきますね。
あなたは、板の端でふらつきながら体を後ろへそっくり返らせ、
歩道上に散った、とても無気味な赤い斑点のことを頭に描くことでしょう。
板の端で震えながらおそらく「風が吹いたらどうしょう!」と思うことでしょう。
板が床の上にある場合は、確かな足どりで威勢よく渡れます。
しかし10mの高さになると、足が震えるのです。
想像力と意志力との間に衝突が生じるからです。
意志力のすべてを動員しても板を渡ることはできません。
クーエの法則のために、想像力の方が勝利をおさめるからです。
本来の単なる学習は、ただの遊びにしか過ぎません。
ですから、抵抗なくできるのです。
しかし、大事な大事な「お勉強」となると、
10Mの高さになってしまうのです。
そもそも、「勉めて強いる」という言葉からして、プレッシャーです。
必死にがんばればがんばるほど、
達成はたぶん無理だろう」
と潜在意識に判断させてしまい
わざわざ目標を達成できなくさせているのです。
だから、寅さんは、勉強という言葉は、極力使いません。
「学問」そして、「遊び」です。
これだけで、どれくらい学習効果が違うかは、
驚くほどですよ。
これは、勉強の世界だけじゃないですね。
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