>ああ、それはいけない。そんなに剛毅一点ばりで、心が充実している証拠と錯覚すれば、意気ばかりが盛んで、感情の動きも激しくなるばかりだ。それに向かっては、ふつうの人は反対も出来ない。それにつけ込み他人の感情を抑えつけ、心を思うがままにしようとする。このような行為のことを、「日ごとに少しの徳を完成することも出来ない。」と言う。ましてや大きな徳など。
そのような調子では、相手は自分の立場を堅く守り、お前の教化を受けようとはしないだろう。たとえ、外面で調子を合わせたとしても、内心では何を考えているか、わからない。だからそれでは無理だ。
{荘子・人間世篇より抜粋}

多分、その担任さんは、「正しい」と思っているのでしょう。
それが厄介ですね。 (2008.05.27 09:39:42)

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2008.05.26
XML

例の問題の学校では、今日運動会だったようで、
ありがたいことに、PTAの副会長さんが、
父兄を中心に、事情聴取をしてくれたようです。

(それだけでも、アピールになったぞ)

それによると、ほとんどの父兄は、その先生は、問題無いと認識していること。
かえって、それまで、言うことを聞かなかった子を、「おりこうさん」にした、素晴らしい先生と見ていること。

それから、自閉の子の「保護者」も、100%信頼し、先生にお任せしていること。
が、わかってきました。

その先生が特別支援教室を担当するようになって、3年目になるのですが
全く問題は、見つからず、模範的な先生ではないか、というのです。

それから、教頭先生も、

虐待の光景を見るに堪えないと、辞表を出された教員補助の先生に、
特別支援教育の特殊性を、
丁寧に説明することができなかったのが、残念である、

というコメントを出されたそうで

結論として、辞められたボランティアのお母さん先生が、

「無知で、独りよがり」だった、としています。


ハッハッハッ(^o^)

こりゃ、「学校の側の無知蒙昧」の典型的パターンですね。
経験のある先生なら、すぐに察しがつくでしょう。


私が説明するのまでも無いことですが、

まず、その子を専門の医療機関に診察させていません。
普通は、年に何回も診せて、教育方針が良い方向に向かっているか
問題が無いかをチェックしてもらうもんです。

それをしている形跡がありません。

自閉症児への対応なんて、特別支援教育の経験を積んだベテランの先生でも
独断で対処できないものです。

それを、経歴を聞くと、少なくとも、専門家ではいらっしゃらない、
担任の「講師」(まだ、教諭ではありません)と、
これまた、経験の薄い教頭先生が、「問題無い!正しい!」
と断言なさることこそが、墓穴を掘っています。


それに、その保護者も、別の情報源から聞くと、
少なくとも、教育熱心とは言えないご様子。
ただでさえ、難しい、特殊教育の成果判断を
教育に不熱心な保護者の「信頼」に、あぐらをかくとは。


そもそも、自閉症の子どもの指導のキモは、
コミュニケーションマインド醸成にありますよね。

これは、おわかりだと思います。

それを、軍隊方式の指導が、良い方向であるはずがありません。

自閉症児は、言語によるコミュニケーションが苦手です。


それに対し、

最近は、「しゃべれないなら気合いと根性でしゃべらせましょう」
という指導はさすがに目にしなくなりましたが、
「発声訓練」から行うような指導も絶滅させようとしているところなのです。

 重要なのは、コミュニケーションしたいという気持ち

(コミュニケーションマインド)を十二分に育ててやることです。

コミュニケーションしたい、という気持ちが起きてからはじめて、
何らかの行動を起こすのです。
特に、自閉症児は、自分の意欲が重要ですから。

 最もNGなのは、
「先生の言う通りに言いなさい。
ハイ、あめ!。。。。あめって言ってごらん、
ほら、あめ!言わないとあめあげないよ!」
といったパターンです!!

 常に、スキルよりもマインド先行を留意しなければなりません。
スキル先行で指導すると、
最終的に自発的なコミュニケーションが得られにくくなるからです。
大切なのは日本語をしゃべることではなく、
コミュニケーションできることでなのですから。

 コミュニケーションの成功体験が積み重なって、
毎日楽に生きられるようになって、
はじめて最も便利な「音声言語」を使いたいと思うのです。

 このことを踏まえた上で、
一番最初に教えるのは「要求(ちょうだい)」なのです。

次に教えるのが「拒否(イヤ)」なのです。

遊びの中でやりとりの経験、
伝達成功経験をたっぷり積み、
基本的な大人への信頼感を確実にしていかなければなりません。

その子は、大人や人間に対して、どんな思いを抱いて

大きくなっていくのでしょう。悲しく、恐ろしいことです。


それに対し、聞くところの、問題教師の指導は、
すべて、反対です。
そして、それで良いと思っている。

確かに、み~んながシロと言えば、黒猫もシロになります。
裁判でもビデオ録画でもなければ、最終的には勝つかもしれません。
しかし、それが教育者の取るべき態度かどうか。


特別支援教育に携わる教師の資質として、
少なくとも、こういうことは言えるでしょう。

肯定的なことばかけを、日常的に行っていること。
禁止の指示は肯定形に変換し、
成功体験を積めるよう配慮すること。
否定形の指示や失敗体験は行動の改善につながらないのです。

いかにこちらから送る刺激(受動的な刺激)を
能動的な形で受け取れるようにするかが課題なのです。



子どものペースを大事にし、押しつけに敏感であること。



自己選択、自己決定を重視することで
「とりあえず回避」傾向を回避させることに留意します。

教師からの指示ではなく
自分が予定表を参照して行動するよう仕向けます。

もちろん、 実は事前に裏で様々な策を、教師は講じているのですが、子どもにとっては、あたかも本人が自分のペースで行動しているように感じさせることに留意します。


などなど、いっぱいありますが、

何度もご紹介している小児科医の横山ドクターなどにかかると、
ベテランの教師も、もうボロクソに指摘されることが多いです。
ムカっとくるでしょうが、実際、もっともなことばかりです。


ですから、教師も一緒に修行なのです。

広く意見を聞く心をもっていなければなりません。

オープンマインドです。


それに、今回、最も臭いますのが、
内と外を使い分けていることです。

機敏な先生なら、誰でもできますよね。
そして、結構隠せるものです。
(でも、最終的には、わかります。
少なくとも、子どもにはネ)


さらに、教師というものが、
民主主義というものを教えることを是とするなら、
議論を歓迎するはずです。
もし、議論を避ける姿勢があれば、その人が教える民主主義は、
全く別物だと判断できます。

ま、どんなに理屈を言っても、

普通の主婦の目から見て、

耐えられない虐待というのは、虐待なのです。

虐待家庭への対処と全く同じです。

学校だからという理屈は、全く通じないのです。

人間はどこでも人間なのです。


ここまで、冷静に書いてきましたが、最後に
個人的な思いを書きます。

私は卑怯な人間は、大嫌いです。
その中でも弱いものイジメは、大大大嫌いです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.05.26 22:02:02
コメント(12) | コメントを書く
[学校のココを見よう] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


調教と教育  
森の声  さん
調教と教育の区別が付かない人が多いのです。
でも、調教の方が結果が早く、しかもはっきりと出るので“教育効果が高い”と思いこんでいる人が多いのです。
調教とはつまり、子どもの自発的な意欲を無視して、大人の都合に合わせてアメとムチを使う方法です。
(2008.05.26 22:03:38)

正しいことが・・・。  
忠武飛龍  さん

あと・・  
忠武飛龍  さん
発達障害や自閉症は、おおよそ脳のスタイルが遺伝するとか。

親御さんも、似た「ブレイン・スタイル」なり「シャドーシンドローム」で主張された「微細な脳の障害」なり「発達障害未満も偏り」があると思います。
よく「発達障害は遺伝することもある」とか。

ゆえに「教育に熱心では無い」と言える。またそれだけ「子供に正面から向かい合ってない」
なにせ子供と向き合うののは、親にとって自分の「見たくない面を見せられる」ようなものだそうで。

再見! (2008.05.27 09:44:59)

特別支援教室は普通教室に戻すためにある。  
satomuta  さん
>私は卑怯な人間は、大嫌いです。
その中でも弱いものイジメは、大大大嫌いです。

私も大大大嫌いです。私なんかよく学校に入って見ているせいか、そういう場面にはよく出くわします。本当のこれは虐待じゃないの?って、特に、特別支援教室の先生たちには感じますね。

でも、特別支援の先生方がそうしなくちゃいけない状態になっているのも事実なんです。

そういう子が普通の学級に入っておとなしく授業を受けれる子にする、学級に戻すのが、学校の特別支援教室の目的であって、決してその子に合った特別な教育をやっているわけではないんです。

ですから、そこの子たちは、どうしても普通の子達よりも怒鳴られ、怒られるそして叩かれたりしています。どうしても、そういう子たちは、そうしないとわからないと思っている先生たちばかりです。言葉では通じないと身体で教えないといけないと、思っています。まさに調教ですね。

それを堂々と私にも言われたので、私は息子を特別支援教室にやるのもやめたんです。

本当に、教育というものを、何もわかっていない人たちが先生になっているから学校は恐ろしいんです。







(2008.05.27 15:10:25)

Re:特別支援教室は普通教室に戻すためにある。(05/26)  
科学寅  さん
satomutaさん

お返事が遅くなってます。
素晴らしい先生がいることも事実です。

しかし、ぞっとする先生もいます。

だから、一律に学校にやるべきかどうか、や、
通級にすべきかどうか、じゃなくて、
先生の顔ぶれを見て、判断するしかありません。

校長・教頭の見識も重要です。

だから、学校選択制に、基本的に賛成です。 (2008.05.27 16:07:28)

Re:あと・・(05/26)  
科学寅  さん
忠武飛龍さん
コメントいつもありがとうございます。

ただ、自閉症が遺伝は、誤解を招きます。
ご家族を傷つけます。

これは、はっきりと否定した上で、
特別支援教育は、ご家族の上にまで、及ぶものでなければ実効性がないと、思い知らされています。

ご家庭で、気づかぬ中で、虐待が起きてしまいます。
(2008.05.27 16:12:06)

Re:調教と教育(05/26)  
科学寅  さん
森の声さん
>調教と教育の区別が付かない人が多いのです。

全くそうですね。 (2008.05.27 16:12:47)

Re[1]:あと・・(05/26)  
忠武飛龍  さん
科学寅さん
>忠武飛龍さん
>コメントいつもありがとうございます。

>ただ、自閉症が遺伝は、誤解を招きます。

無知蒙昧と言葉足らずを陳謝いたします。

自閉症・発達障害が、そのまま遺伝はしませんね。

ただ、私自身見聞したところ、成人の発達障害者で労苦している当人の親御さんに結構、両親・あるいは片親に発達障害・あるいは、それに似た「偉才・異能の人」が多いことです。

障害は遺伝しませんが、ブレインスタイルは遺伝する。それのスタイルが「天才・偉人」と出るか、「発達障害者・自閉症者」となるかは、親御さん・学校・地域の教育次第であると思ってます。

極論すると、学校のシステムやそれを押し付ける社会の、考えよう・あり方に問題があると思うのです。

いわば、発達障害も自閉症も、育ち方のスタイルの一種であるのに、ことさらに「障害」とレッテルを付けて、その養育を放棄する。この方が悪魔的でしょう。

人それぞれに成長するするスタイルが違うと思います。
それを無理に画一的なモノに押し付ける今の教育のシステムに私は恐怖を感じます。

「発達障害者・自閉症者」は、脳のスタイルの個性をネガティブに見た概念で、それをポジティブに捕らえると、「天才・偉才の卵」です。
その卵をつぶすのが、残念ながら現在の日本の教育行政でしょうか。

再見! (2008.05.27 21:21:15)

Re[2]:あと・・(05/26)  
科学寅  さん
忠武飛龍さん
私の方こそ、すみません。

十分、忠武飛龍さんの言わんとすることは、
わかっているつもりです。

が、言葉が一人歩きする心配がありますんで、
一言申した次第です。

正に、ネガティブに見るか、ポジティブに見るか、
それで、180度変わりますね。

日本の教育は、標準化教育ですんで、
いわば、田んぼや畑での作物育成です。

しかし、本当の生命や教育は、雑草や森林の中にあります。

天才は、雑草の一種です。
だから、農業技術では、面倒な引き抜くべきものになってしまうのでしょうね。
(2008.05.27 21:39:42)

Re[3]:あと・・(05/26)  
科学寅さん

>日本の教育は、標準化教育ですんで、
>いわば、田んぼや畑での作物育成です。

>しかし、本当の生命や教育は、雑草や森林の中にあります。

リンクさせて頂きました。よろしくお願い致します。

(2008.05.28 08:39:47)

Re:問題ないという、大問題(05/26)  
たまよ1066  さん
「それに、今回、最も臭いますのが、
内と外を使い分けていることです。

機敏な先生なら、誰でもできますよね。
そして、結構隠せるものです。
(でも、最終的には、わかります。
少なくとも、子どもにはネ)」

この文章良く判ります。
学校外のとあるところで 特別支援教育の生徒を
口汚く怒鳴りつけていた教師を目の当たりにしました。さすが 仲間の先生がたしなめていましたが
校長の前でしているとは思えませんでしたね。
へ~~ 教師ってこうなんだと思いました。

(2008.11.02 09:56:12)

Re[1]:問題ないという、大問題(05/26)  
科学寅  さん
たまよ1066さん
ありがとうございます。

結局、上から、教育してやるという立場である限り
そういうことは、常にあると思います。

自分の問題とできるかどうかですね。
(2008.11.02 11:21:09)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Freepage List

PTA行事と科学実験教室


悩ましいPTA行事


PTA行事の強みと弱み


PTA行事と科学実験の相性は?


ここに注意すれば、誰でも楽しめる


化学の学習関連


オール・イン・ワンの科学実験教室


平成19年度~直近の活動記録


18年度 出前講座記録


頒布します。「特別支援教育の基礎基本」


エコネシアカレッジ「和吉塾」


ドライアイスで魔法学校 テキスト頒布


私の「動機」と、子どもと接する心構え


まず感情を育てましょう


最高のプレゼント


やる気を出させる方法


起点を固定するな


子どもに旅をさせるのか、移動なのか


いろんな人がいていい。


「ねばならない」からの脱出


良かった探し


すべての学習は、遊びの中にある


学習の生理的メカニズム


愛の衣を着せて子どもを見る


愛は最高の姿を想像する


優秀さをほめることの危険性


子どもは責任を感じている!


子どもが最も傷つくこと、最も強くすること


「上手だね」は止めよう


予想したとおりの子どもになる


笑いの効用


<テレビ>2歳までは控えめにと提言 小児


障害児と接して教えられる宝物


ただ、喜び踊りましょう。


「こうあって欲しい」は、親子を縛る


恵み受信機


問題児の行動も生かして返す


教師や親は、まず自分自身になりきること


先生に意欲をもってもらうには


教えることについて(ジブラーンの詩)


科学寅さんのちょっとマジメなプロフィール


授業研究


癌になりやすさと心理タイプ


私メッセージの決意


読字障害の実例


子どものやる気を引き出す仕掛け大作戦


《受験勉強の裏技》脳ミソにだまされないよ


うまくいったらどうしよう


積極性を育てるには


イメージ訓練の威力


ライトスコープは不思議世界への特別入場券


自分で作った問題を絵馬にして奉納する


子どもに現金をもたせて、買い物をさせよう


渦巻き学習法・仕事術


みんなの輪(リンク集)


様々な教育メソッド


科学分野


社会分野


語学分野


数学分野


アート表現分野


スポーツ分野


医学から見た教育


精神・心理学から見た教育


家庭における教育


文部科学省・教育委員会関係


行政・法律関係


学校


幼稚園・保育所


公民館・コミュニティセンター


実験メモ


魔法学校


スライム


児童館の先生方の感想


「はてな?ランド」のメニューの一部


人気テーマ(フーテンの科学寅さんによる)


サイエンス・ショーの講師依頼はこちら


気になる講師料の話


楽しみとしての学校ボランティア 原メモ集


先生の側からのボランティアの見方


ボランティアという不思議な関係


学校という建物がなければ


すべてを包み込む


進路選び


Profile

科学寅

科学寅

Favorite Blog

シャクナゲのつぼみ… New! 只野四郎さん

「社会のリズムと命… New! 森の声さん

「知っている」と「… New! かめおか ゆみこさん

光への手紙 New! ひいちゃんファミリーさん

中国版半農半X、202… 塩見直紀(半農半X研究所)さん

まるちゃんのブログ まるちゃんshakeさん
子供と共に育つ "共… モアイ2463さん
8月のひまわり まちゃごん6042さん
知的障害児てつくん… てつの母さん
発達障害児が伸び伸… Akiko0314さん

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07

Comments

日立風流物@ Re:数学と感情(05/20) 美しさだけではだめだぞ。広がりがないと…
科学寅 @ Re[1]:軽く考えよう。(02/14) 伊藤走さん コメントありがとうございます…
伊藤走@ Re:軽く考えよう。(02/14) 相澤さんいつもお世話になっております。…
ゆうSAIEN @ 英語が嫌いになるパターン(01/26) こんにちは(*^_^*) でもね、もしこれで、…
すがきょん@ Re[2]:人工知能に奪われない職業(10/11) >科学寅さん ありがとうございます。近い…
科学寅 @ Re[1]:人工知能に奪われない職業(10/11) すがきょんさん コメントありがとうござい…
すがきょん@ Re:人工知能に奪われない職業(10/11) 先日、先生の科学実験に小学校の親子行事…
科学寅 @ Re[1]:ダイエットの秘訣(09/29) ありがとうございます。 そうですねえ。 …
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: