科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

科学はイタズラだっちゃ! 受験も科学!      科学実験教室&家庭教師  宮城県大崎市

2008.05.28
XML

この時期、中学校では、校内合唱コンクールの練習が

始まっている頃だと思います。

どちらの音楽の先生も、まず、生徒に声を出させること、

いや、歌わせること、いや、授業に参加させることに、

大変苦労されてるんじゃないでしょうか?

でも、考えてみれば、中学生の時期、

先生の指導で、一糸乱れず、声を張り上げるっていうのも、

かえって、どこか、異常かもしれませんね。

声を出すのが、道徳的ならば、

歌わないのは、確かに、不道徳で、怠慢です。

少なくとも、教師の指導に従っていませんから。

しかし、こと、「芸術」を授業していると捉えると、

私は、 芸術を、

「心の表現」、

「自分の深いところへの探検」 

だと思ってますんで

人それぞれ違って当たり前でいいと考えます。

そこには「歌いたくない自分」というのが、

厳然と存在しているのですから、

その「歌いたくない理由」に、真っ正面から向き合うのも

とっても大切な芸術教育だと思うのです。

いや、厳然と存在していないかもしれない。

子どもたちは、自分を自分でつかめているはずがないから、

絶えず変動しています。

自分で自分がわからない。

だから、今日、歌えたとしても、

明日は、また別な歌えない自分に出会ってしまう。

そこに、素直に向き合うことが、芸術であり、生きることじゃないでしょうか。

私たちは、芸術とか表現とかいうものを

前向きの、プラス思考の、民主的な、道徳的に正しいことと

当然のように、捉えてしまってはいないでしょうか?

特に、学校では。

しかし、真に感動的な芸術表現をふり返れば気づくように

芸術は、時には、反社会的であり、

ネガティブであり、ある時は、背徳的でさえあります。

芸術が、人間存在にかかわるものだとすれば、

人間は、無菌培養されているわけではないのですから、

多くの矛盾、葛藤の緊張状態の中からこそ、

芸術作品が生まれてくるのが、当然なのです。

むしろ、ニヒルな問題生徒や、絶望して、荒れるしかない生徒の中に、

芸術へのパワーが秘められているはずです。

一人の子どもがうつむいて、無言でいるとき、

その内部に、歌にならない、歌になれない、本当の歌が

流れているのではないでしょうか?

そういう無言の歌も、「表現」として捉えられる芸術教育って、

欲しいなあって思います。

もちろん、どうすれば、より良い合唱になるか、

技術指導することは、大切なことです。

文科省の指導要領も

「自らすすんで表現する工夫」などと、指標を出しています。

しかし、こと、「教育」としてするならば、

外に現れた形や結果よりも

「なぜ」が大切なんじゃないかな?

絵を描きたいという心、

歌いたいという気持ち。

その縦糸、横糸で、授業をしていくと

芸術鑑賞も、主体的な 表現であり、創造的なものだ気づき

その感動も、別の次元のものになると思います。

私は、科学教育をしていますが、

科学的な知識や技術の詰め込みによって、

科学するマインドを殺してしまうことを、最も恐れています。

同様に、芸術の科目で、高い成果を目指すことによって

「芸術する」という生き方に、触れないで終わってしまうんじゃないか

って心配をしてしまうのです。

寅さんの「ヒネクレモノ・バンザイ」でした。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.05.28 22:40:31
コメント(6) | コメントを書く
[学校のココを見よう] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


そのとおりだと思います  
kat1007  さん
>一人の子どもがうつむいて、無言でいるとき、
>その内部に、歌にならない、歌になれない、本当の歌が
>流れているのではないでしょうか?

我が家の「いかれゲージツ家」=娘を見ていて、そんなイメージを持っていたところです。言葉にしてくださってありがとうございます。いかれた部分を大切にしていきたいと思います。 (2008.05.29 17:14:45)

合唱コンクール  
satomuta  さん
科学寅さんの中学校時代はこの合唱コンクールってありました?私が通った学校(転校して2校通いましたが・・)でなかったんですよね。

だから、こういう行事があるのが当たり前だとは思わないし、何で、こんなことを行事にして子どもにたちに義務で押し付けるのかなぁ~って。。

丁度その頃って、男の子って変声期の時期でしょう?なかなか声が出ない子も多いのに、それでも張り上げろ!って言うわけですからね。息子もそれに反発しては声を出さなかったら、先生に対する反抗だと見られ(そうなのでしょうけど・・)、通信簿で音楽の評価はみごとに1にされてしまっていました~(笑

こうやって、行事にすることで、ただ先生たちの威嚇の材料を作っていっているだけじゃないかって思うのですけどね。

いつも、もうこういう行事はやめればいいのに・・・って思ってしまうのですが、それを言うと、これがあるのが中学校だ!って思っている世代の親たちが、また反対するんですよね。
(2008.05.30 09:40:27)

Re:そのとおりだと思います(05/28)  
科学寅  さん
kat1007さん
>いかれた部分を大切にしていきたいと思います。
-----
私もイカレタ部分を愛していますし、
誇りの思っています。 (2008.05.31 16:19:29)

Re:合唱コンクール(05/28)  
科学寅  さん
satomutaさん

率直な感想ありがとうございます。

ただ、ん~、私は、合唱コンクールそのものは、
大好きです。

そこには、いつもドラマがあります。

ただ、そのプロセスが、自然でないと。

教師の指導力が試されます。
そして、生徒への信頼力でもあると思います。

卒業しても残る、思い出の一つだと
私は思っています。

ただ、当然のようにやらせるのは、
せっかくのこの機会を殺してしまうので
残念に思っています。

変声期の子供への配慮は、当然で、
審査員はじめ、指導者は、
クラスの子供たちの内面にこそ、洞察を働かすべきでしょうね。 (2008.05.31 16:25:55)

システムの制ばかりではないと思うのですが・・・  
satomuta  さん
>変声期の子供への配慮は、当然で、
審査員はじめ、指導者は、
クラスの子供たちの内面にこそ、洞察を働かすべきでしょうね

こういうことをやれない先生に任せるのが第一おかしいですよね。小学校のうちならこういう行事、参加したくないものは(いろいろ嘘も方便で使えます(笑)参加させなくてもいいと思うのですが、なにせ、中学校のなると全ての行事に内申書というものがついて回ります。
確かにそれで、高校入学の時に得をする子もおおいのでしょうが、こうやって指導者の思いどうりに動きたくない子(信頼関係が出来ていない子)はいろんなところで損をするわけで、入りたい高校もその内申書のせいで断念せざるおえなくなってしまうことだってわるわけで、全てがシステムが悪いとは思いませんが、せめて、そうやって権力を振りかざすだけで、向上心のない先生たちを固定させてしまっているようなこのようなシステムは、なくなさなければ!って私は思うわけなんです。

寅さんの時代や私の時代にも確かに内申書はありましたが、それは下駄を履かせるための内申書だったでしょう?

こういう権力の材料にするような内申書システムいい加減に見直せばいいのに。。。そうしたら、学校でいじめなんて起きないのに。。。って私は思いますよ。 (2008.06.01 08:13:46)

Re:システムの制ばかりではないと思うのですが・・・(05/28)  
科学寅  さん
satomutaさん
いつもありがとうございます。

今日、民俗研究家の結城登美雄さんの講演を聴いてきました。
食の文化がテーマだったのですが、

大切なものほど、人任せにしてはいけない、
という話に、納得したところです。

人任せはできないけれども、
昔から、村落で、信頼関係を結んで、
助け合い・共同活動をしていました。

先生と信頼関係を結べるかどうか、
ここがポイントのような気がします。 (2008.06.01 17:39:11)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Freepage List

PTA行事と科学実験教室


悩ましいPTA行事


PTA行事の強みと弱み


PTA行事と科学実験の相性は?


ここに注意すれば、誰でも楽しめる


化学の学習関連


オール・イン・ワンの科学実験教室


平成19年度~直近の活動記録


18年度 出前講座記録


頒布します。「特別支援教育の基礎基本」


エコネシアカレッジ「和吉塾」


ドライアイスで魔法学校 テキスト頒布


私の「動機」と、子どもと接する心構え


まず感情を育てましょう


最高のプレゼント


やる気を出させる方法


起点を固定するな


子どもに旅をさせるのか、移動なのか


いろんな人がいていい。


「ねばならない」からの脱出


良かった探し


すべての学習は、遊びの中にある


学習の生理的メカニズム


愛の衣を着せて子どもを見る


愛は最高の姿を想像する


優秀さをほめることの危険性


子どもは責任を感じている!


子どもが最も傷つくこと、最も強くすること


「上手だね」は止めよう


予想したとおりの子どもになる


笑いの効用


<テレビ>2歳までは控えめにと提言 小児


障害児と接して教えられる宝物


ただ、喜び踊りましょう。


「こうあって欲しい」は、親子を縛る


恵み受信機


問題児の行動も生かして返す


教師や親は、まず自分自身になりきること


先生に意欲をもってもらうには


教えることについて(ジブラーンの詩)


科学寅さんのちょっとマジメなプロフィール


授業研究


癌になりやすさと心理タイプ


私メッセージの決意


読字障害の実例


子どものやる気を引き出す仕掛け大作戦


《受験勉強の裏技》脳ミソにだまされないよ


うまくいったらどうしよう


積極性を育てるには


イメージ訓練の威力


ライトスコープは不思議世界への特別入場券


自分で作った問題を絵馬にして奉納する


子どもに現金をもたせて、買い物をさせよう


渦巻き学習法・仕事術


みんなの輪(リンク集)


様々な教育メソッド


科学分野


社会分野


語学分野


数学分野


アート表現分野


スポーツ分野


医学から見た教育


精神・心理学から見た教育


家庭における教育


文部科学省・教育委員会関係


行政・法律関係


学校


幼稚園・保育所


公民館・コミュニティセンター


実験メモ


魔法学校


スライム


児童館の先生方の感想


「はてな?ランド」のメニューの一部


人気テーマ(フーテンの科学寅さんによる)


サイエンス・ショーの講師依頼はこちら


気になる講師料の話


楽しみとしての学校ボランティア 原メモ集


先生の側からのボランティアの見方


ボランティアという不思議な関係


学校という建物がなければ


すべてを包み込む


進路選び


Profile

科学寅

科学寅

Favorite Blog

シャクナゲのつぼみ… New! 只野四郎さん

「社会のリズムと命… New! 森の声さん

「知っている」と「… New! かめおか ゆみこさん

光への手紙 New! ひいちゃんファミリーさん

中国版半農半X、202… 塩見直紀(半農半X研究所)さん

まるちゃんのブログ まるちゃんshakeさん
子供と共に育つ "共… モアイ2463さん
8月のひまわり まちゃごん6042さん
知的障害児てつくん… てつの母さん
発達障害児が伸び伸… Akiko0314さん

Archives

2024.11
2024.10
2024.09
2024.08
2024.07

Comments

日立風流物@ Re:数学と感情(05/20) 美しさだけではだめだぞ。広がりがないと…
科学寅 @ Re[1]:軽く考えよう。(02/14) 伊藤走さん コメントありがとうございます…
伊藤走@ Re:軽く考えよう。(02/14) 相澤さんいつもお世話になっております。…
ゆうSAIEN @ 英語が嫌いになるパターン(01/26) こんにちは(*^_^*) でもね、もしこれで、…
すがきょん@ Re[2]:人工知能に奪われない職業(10/11) >科学寅さん ありがとうございます。近い…
科学寅 @ Re[1]:人工知能に奪われない職業(10/11) すがきょんさん コメントありがとうござい…
すがきょん@ Re:人工知能に奪われない職業(10/11) 先日、先生の科学実験に小学校の親子行事…
科学寅 @ Re[1]:ダイエットの秘訣(09/29) ありがとうございます。 そうですねえ。 …

© Rakuten Group, Inc.

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: