先生たちの善意を信じた上での、話です。
また、警察の方を侮辱するつもりもありません。
ただ、子どもを主人公とした教育を良しとするなら、
おかしいことがあるのではないか、と思うのです。
たとえ、どんなに良い内容であっても、
「押しつけ」は、主人公に対する侮辱です。
たとえば、「発言しない権利」は、子どもに認められているでしょうか?
もし、大人同士の、講演会なら、
聴衆に対して
「~~君、今の私の考えについてどう思いますか?意見を言いなさい。」
とか、
「~~さん、次の問題の答えがわかりますか?」
と問いかけるでしょうか?
もし、参加者が、わからなかったら、モジモジしたり、
「わかりません。」
と、すまなそうに、謝らなければならないのです。
さらに、追い打ちをかけるように
「ちゃんと、私の言ったことを聴いてますか?
私が、今言ったことを、反復してもう一度言ってごらん。」
なあんて、言われたら、どう思います?
何て失礼な。ですよね。
これらは、精神論・技術論的なところがあるかもしれませんが、
授業で教わる用語、教科書に出てくる単語も、
本当に、児童生徒の立場に立って、使われているだろうか?
分数のかけ算での、言い回しはどうでしょう?
分数の割り算での、言い回しはどうでしょう?
「面積」とは「広さ」のことです。
と説明しながら、
どうして、二つの言葉を使うのか、説明がなかったりします。
子どもがイメージしやすい、「広さ」を使わせないなら、
なぜ、そうなのか、説明してやる必要があるはずです。
子どもの内心では、納得してないはずです。
きちんと考える子どもほど、論理のすき間に、敏感です。
しかし、その気持ちを捨てて、
とにかく、先生の話に合わせる、つまりおもねることを
学びます。
ちょっと、話は飛びますが、
実は、今日、地元学について研究している
小学校の総合学習のお手伝いに行き、
質疑応答してきました。
話ながら、「私は、一体、これらの話で、何を伝えたいのだろう?」
と考え込んでしまいました。
常識的には、
「川をきれいにしよう」
「昔は、もっときれいだった」
とか、
「昔の商店街は、活気があって良かった」
「中心商店街に、元気を取り戻そう」
という結論になるところでしょう。
美しい伝説を伝えて、めでたし、めでたし。
でも、中心商店街の歴史的使命は、
もう終わっているという見方もできるわけです。
また、昔の中心商店街でしか、買い物ができない時が、
ハッピーだったか?
有力な老舗に、ガッチリ押さえ込まれていた経済が
本当に、活気があったと言えるのだろうか?
宅急便や、ネットが発達し、
いつでも、誰もが、商売ができる現代の方が良くはないか?
川は、本当に昔はきれいだったのか?
その川で、洗濯や水遊びができた、というだけで、
昔の方が良かったと言えるのか?
もし、現代の子が、タイムスリップして、
昔の川に立ったとしたら、
やはり、水遊びできるだろうか?
水を飲んで、下痢をしないだろうか?
免疫力は低下していないだろうか?
下水が整備されている現代の方が、良いのではないか?
だったら、そこから、何をワクワクする部分として、
研究しようというのだろうか?
やはり、どうせ、貴重な時間を授業するなら、
教える側も
「これなら、教えたい、教えられる」
と思うものを教えたい。
子どもたちが、本当に
「これなら教わりたい、わかりたい。」
と思うものでありたい。
「これを学んだら、楽しいだろうなあ」
と予想つくものを、選んで教えたい。
漫然とした、植物の観察、昆虫の観察が
意味が無いように、
とにかく、地元の歴史を学ぶというものも、
私は、かえって、良くないと思うのです。
これは、私の反省ですが、
もっと、ワクワク・ドキドキする切り口を提示することができなかった。
考えるに値する、どんでん返しを提供できなかった!
ま、そもそも、今日は、質問に答えるというスタンスで来てしまったのが
間違いの元だった。
やはり、仮説を立てて、児童の問題意識を予想し、
新たな地平線を示せるように、してやりたかった。
今日の歴史、本当に、面白かっただろうか?
つまんなかったのに、無理矢理、よい子で聴いて、
まとめていたんではないだろうか?
地元学なんて、
いっぱいネタがあるようですが、
本当に学ぶに足る、教材というのは、「無い」という認識から
出発するべきだと、私は思います。
こんなもんが、歴史の醍醐味なんかじゃない。
地元の先人に対して、失礼じゃないか?!
って、思いで、真剣に教材開発をすべきだと
思った次第です。
地域の大人が、学校に入って、歴史を語る。
それは、それで、美しい絵になる光景ではある。
しかし、それは、ある意味、大人の押しつけではないか?
それが、つまらなかったら、どうなんだ?
それでも、立派に聞き続ける。
立派な子どもたちを見て、
「チクショー」と
思わず、学校を後にしてから、叫んでしまった寅さんでした。
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