キオクの断片ノート

キオクの断片ノート

Dec 19, 2004
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カテゴリ: 史料
綾川武治『近代思想と軍隊』(兵書出版社、1929)より、
社会主義 について(11-12頁)。




即ち、資本主義の社会では、財産の私有を許すから財産を余計に持つたものと殆ど之を持たないものと区別、金持と貧乏人との区別、大地主と小作人との区別が出来、かういふかけへだたりが出来るところからいろいろな社会の不幸が生れて来る。

それで此の私有財産といふものはやめなければならぬ、土地や、資本の生産手段(工場とか機械とか)を個人の私有とすることをやめて之を国家なり社会なりの公有若くは共有に帰してしまはなければならぬ。

又今までの社会では、個人の自由は競争に放任したから、資本のあるものは資本の力で益々金持になり、貧乏人は一層貧乏人になる。即ち金持ちと貧乏人とのへだたりが益々大きくなつて来る。政府が個人の競争を制限しないで自由に放任して置けば資本の無いものは資本を豊富に持つて居るものにかなひつこない。

であるから、国家なり社会なりの力で自由競争を制限するばかりぢやない、一そこんな自由競争といふものを絶対に禁止してしまつた方がよい、そして生産も分配も、国家や社会の公けの力で行つて、今までのやうに個人の自由にまかせ置いてはならない、とかう主張するのである。

即ち社会主義は、今日の資本主義制度の根本をなして居るところの、私有財産を廃止し、自由競争を禁止し、土地や生産手段の公有を実現して、この基礎の上に新しい社会を打ち建てやうとする思想である。



◎社会主義
私有財産の廃止
自由競争の禁止
→土地や生産手段の公有へ





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Last updated  Dec 19, 2004 11:41:17 AM
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福井浩一@ 粟野茂夫  粟野茂夫さんてひょっとして大阪の人で…
ゆう@ とうとう出ちゃったね うわさは本当だったよ。 http://himitsu.…
通りすがり@ だからどうした。 そんなもん、アメリカ、イギリス、オラン…
upyopyo5 @ ご指摘ありがとうございました。  私が本文で「事実」に踏み込まなかった…
ヒゲ太 @ Re:近代史(11/25) 国際政治と言うと、法学部でしょうか。 …

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