カフェ・ヒラカワ店主軽薄
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● 突然の退去依頼が 2014年3月より東急池上線荏原中延駅商店街の外れで営業してきた「隣町珈琲」は、地域のお年寄りや、主婦が気軽に憩える喫茶店としてスタートし、その後、講演会、勉強会、古典芸能のイベントやこども食堂、書店営業などを展開してきました。現在は、地域文化の発信拠点として、荏原中延という町のシンボル的存在になっています。 2020年には、地域文芸誌「mal”」を創刊し、大田区の作家にして旋盤工の小関智弘を特集しました。 同誌には、内田樹、岡田憲治、小田嶋隆、川本三郎、小池昌代、佐々木幹郎、関川夏央、鶴澤寛也、豊崎由美、中田考、名越康文、古屋美登里、三砂ちづる、宮内悠介、森本あんり、安田登(以上敬称略)ら錚々たる面々が寄稿してくれました。 何よりも、「隣町珈琲」の講座に集ってくれた地域の書き手の皆さまが作品を発表するなど、地域の文芸運動、文化活動の拠点としての役割を担えたことに意義があったと思います。 この度、「隣町珈琲」が入居している建屋の取り壊しが決まり、急遽移転を余儀なくされることになりました。建屋のオーナーが、売却によって突然変わってしまい、別用途で現在の建屋を使うということで、不動産業者より6ヶ月以内での退去の依頼があったのです。「隣町珈琲」のような施設は、不動産オーナーや地域の人々との良好な関係がなければ、安定的な経営は難しいと判断し、わたしはこの退去願いをお受けすることにしました。突然の決定で「隣町珈琲」としても、事業継続の危機を迎えました。 この危機をこれまで以上に「隣町珈琲」の活動の幅を広げ、地域文化拠点として、町の活性化にも寄与するために、より広く汎用性の高い場所を確保しようと決意したところです。幸い、荏原中延アーケード商店街の中に、格好の物件が見つかり、資金的な準備に入ることになりました。ただ、引っ越し、造作、内装、装備品などで、かなりの費用を工面しなければなりません。自転車創業の喫茶店には内部留保などありませんし、最近の著作にも書きましたが、わたし個人も蓄えがほとんどない状態です。● クラウドファンディング的な投げ銭による資金調達 これまで、日本全国から「隣町珈琲」を支援してくださった皆さまに、資金のご支援を賜りたく、ここに「隣町珈琲の会」を設立しました。簡単に言えば、喜捨の窓口を作ったということです。喜捨ですので、金額の多寡は問題ではありません。直接のリターンもありません。これまでの「隣町珈琲」の活動にご賛同していただける方、皆さまのご援助をよろしくお願い申し上げます。集まったお金は、全て、引っ越し、内装、備品、会場の設営に使い切ります。何故、クラウドファンディングのプラットフォームを使わずに、喜捨という形式を選んだのかは、ちょっと悩みました。ファンディングに伴う、投資&リターンという考え方ではなく、贈与に対する返礼は、面白い拠点を作ることでお返しするのが本筋だと考えました。贈与に対するお礼は、第三者への再贈与というのが贈与経済の基本であり、それに則りたいということです。偉そうで、恐縮なのですが、この喜捨の仕組みが、これから先の、成長なき社会を支える贈与経済のきっかけになったら、これほど嬉しいことはありません。ただ、何らかの形で、今回喜捨していただいた方々への具体的なお礼ができればとも考えております。勝手なことを書き連ねましたが、心情をお汲み取りいただきたく、よろしくお願い申し上げます。● 口座情報など ご寄付は、下記の口座へのお振込でお願いいたします。目黒信用金庫 荏原支店 エバラシテン普通預金口座番号 0162347口座名称 トナリマチコーヒーノカイ ヒラカワカツミなお、お振込の際に、お振込人のお名前が判るようにしていただけると幸いです。 コロナ禍で、ご不便な日々を送られている皆さまにおかれましては、このようなお知らせをすることは恐縮なのですが、よろしくご支援のほどお願いを申し上げます。 2020年6月22日合同会社 隣町珈琲 代表社員 平川克美
2020.06.22
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