hongming漫筆

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2000.12.08
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カテゴリ: プロレス



 先頃引退を表明したスタン・ハンセンのレスラー人生回顧。
 プロレスラーになる前に中学教師だったことがあるというのには驚いた。
 もと教師レスラーは、馳浩だけじゃなかったんだ。
 出てくるレスラーは、知らない人の方がずっと多いのだが、どのエピソードも実に興味深い。

 アメリカでは、それぞれの地域にプロモーターがいて、独自のテリトリーを持ち、その中でサーキットを組んでいること。前座レスラーは給与が少なく、食うや食わずであること。
 ハンセンもブロディも、駆け出しの頃は貧しく、空腹に耐えかねて法に触れるようなこともしたという。
 テリー・ゴディが解雇であったこともはっきり書いてある。
 鶴田についても、鶴田の方ではよく、修業時代にハンセンが鶴田の持ってきたインスタントラーメンを食べてしまった、ということを言っていたが、この本の中では、鶴田の実力を高く評価はしているもののあまり触れていない。
 一度書き上げた後、鶴田の死を知り、書き加えた部分に、92年に鶴田が半引退状態になるまでは「私達はリングを降りた時に必ずしもベスト・フレンドと呼べるような関係でなかったが」と書いている。

 馬場さんに関しては全幅の信頼を置き、忠誠を誓っていたことはよくわかるが、義理人情というような湿っぽいものではなく、ビジネスを通じての信頼が基礎である点、やはりドライでアメリカ人らしい。
 ビジネスの話の窓口がはっきりしている、ということは、ウィリアムスも言っていた。
 また、シンは、「馬場と仕事をしてきたので、日本人は嘘をつかないのだと思っていた」と言っていたこともある。
 ビジネス面での信頼が、人間性への信頼につながっているのだ。
 ファンク兄弟には、プロレスラーにして貰ったという恩義は感じていても、ビジネス面とレスラーとしてのありかたに不満を感じていたので、リングの上でその不満を爆発させていたと正直に書いている。
 とにかく、何事も正直に書いてあるので驚く。
 その下で働いたことのあるプロモーターにつてい、尊敬も感謝もしていないとはっきり書く。
 日本に主戦場を移してから、意識してブッチャーやシンのヒールぶりを観察し、彼らに学んでヒールとしての自分を作り上げてきたことも正直に書いている。
 最後の最後に、全日本プロレスの分裂騒動についても触れているが、三沢たちの行動を非難したりはしない。
 自分も、よりよい条件の職場を求めて移籍を繰り返してきたのだから、三沢たちにもそうする権利がある、と割り切っている。
 それでも、全日本プロレスを「自分の会社」と思い、その復興に残りのレスラー人生を捧げる、という表明で終わっている。


 大変興味深く、また、感銘を受ける本なのだが、不思議でたまらないことがある。
 ハンセンがこの本を日本語で書いたはずはない。(奥さんは日本人だが)
 一体誰が日本語に訳したのかわからないのだ。奥付にも前書きにも訳者の名はない。どういうことなのだろう。





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Last updated  2005.04.01 20:56:28
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