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歌舞伎座に「想い出の歌舞伎俳優」の写真の展示がありました(2023年7月)『想い出の歌舞伎俳優』写真伝説となったレジェンドたちから展示が始まります天国の「新春大歌舞伎?」は豪華な出演者です。写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.12
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十三代市川團十郎白猿さんと、市川新之助くん、市川ぼたんちゃんがお正月から新橋演舞場で平家女護嶋を演じておりますどんなお話なのでしょうか? へいけにょごのしま『平家女護嶋』いつの世も 自らの運命は自ら切り拓くいつの世も 親が子を思う気持ちは変わらない―2024年の初春は、古典歌舞伎の名作に新たな息吹を加えた『平家女護嶋 恩愛麻絲央源平 -SANEMORIPARTⅡ-』を上演。襲名以降もこれまで以上に“伝統の継承”と“新時代の歌舞伎の創造”を胸に飛躍を続ける十三代目市川團十郎。今回は、歿後300年となる近松門左衛門の名作『平家女護嶋』を新たな解釈と演出で練り直しております。本作は・・・現在も上演が重ねられている「鬼界ヶ島の場(『俊寛』)」をはじめ、『平家女護嶋』という外題のもととなっているものの、歌舞伎公演では200年以上ぶりの上演となる「朱雀御所(しゅしゃかごしょ)の場」を復活。近松が全5段の人形浄瑠璃で描こうとした源平の物語に迫ります。時代を越えて胸を打つ家族の情愛の物語。【あらすじ】平家打倒のクーデター(鹿ヶ谷事件)は失敗に終わり、俊寛僧都らは鬼界ヶ島に流されてしまいます。俊寛の妻のあづまやは、平清盛に言い寄られますが操を守って自害するのでした。その後、高倉帝の后であり清盛の娘・徳子が懐妊し、都では安産祈願のための大赦が行われます。俊寛にもその知らせが届き、鬼界ヶ島に迎えの船がやってきます。しかし妻の死を知った俊寛は、流人仲間である少将成経が島で契った千鳥を代わりに船に乗せ、自らは島に留まることを選ぶのでした。好色な清盛は、平治の乱で滅した源義朝の妻・常盤御前を、その子・牛若丸の命と引き換えに、愛妾としていました。しかしその常盤御前には、病に伏せる清盛の目を盗み、自分の住む朱雀御所へ夜な夜な男を引き入れていると噂がありました。さらには、僧侶の修行のため鞍馬寺に預けられていた牛若丸が行方をくらまし、時を同じくして笛竹という女童が朱雀御所に奉公するようになっていたのです。 朱雀御所を詮議の役目を命じられたのは斎藤実盛。元は源氏の武将でありながら今は平家に従っている実盛は、源氏の妻で現在は平家の愛妾となっている常盤御前と奇しくも同じ立場です。実盛に命じられた詮議には、常盤御前の本心を探らせると同時に、実盛の平家への忠誠を試そうという平家方の思感があったのです。 実盛には、源氏と袂を分かったときに離別した源氏筋の妻との間にひな鶴という娘がいました。ひな鶴は、幼いときに別れ顔も憶えていない父・実盛に会うために都へ向かっています。そうとも知らぬ実盛は、町人に身をやつし、詮議のため朱雀御所にやって来ますが…。 解説文:松竹様より写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.11
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十三代目市川團十郎白猿さんは、令和六年初春歌舞伎を新橋演舞場で講演中です團十郎さんのインスタグラムより初春歌舞伎公演「平家女護嶋 へいけにょごのしま 恩愛麻絲央源平」 おやこのきずななかもげんぺい東京・新橋演舞場、1月25日までの初日が無事に終わったことを伝えた 團十郎はインスタグラムに「無事に初日終わりました、ホッときますね、初日終わると」と記し、舞台衣装での楽屋ショットを投稿。「色んなところぶつけていて 終わってから痛っ、ってなってます笑、 これからメンテよって 早めの晩御飯いこかーとなってます。 明日明後日は2回公演ですから体調気をつけなくてはです」とつづり、新之助とぼたんがピースサインをする2ショットもアップした。初春歌舞伎公演「平家女護嶋 恩愛麻絲央源平 -SANEMORI PARTII-」その内容は・・・家族の絆という普遍的なテーマを描いた近松門左衛門の「平家女護嶋 恩愛麻絲央源平-SANEMORI PARTII-」を、藤間勘十郎による演出・振付で新たな解釈と演出で立ち上げるもの。歌舞伎公演では200年以上ぶりの上演となる「朱雀御所(しゅしゃかごしょ)の場」も見どころ。劇中では・・・市川團十郎と市川ぼたんが斎藤別当実盛とその娘・ひな鶴、團十郎と市川新之助が常盤御前とその息子・女童笛竹実は源牛若丸でそれぞれ親子役を勤める。また、團十郎は2役に加え俊寛僧都も演じる。新たな解釈の『平家女護嶋』とは?令和6(2024)年、年明けの新橋演舞場では、歿後300年を迎えた近松門左衛門の『平家女護嶋』を、石川耕士による新たな解釈と演出で上演します。團十郎は・・・「源義朝、 常盤御前の夫婦の子どもである牛若丸。 彼を守るために、常盤御前は、 平家になびいて生きていきます。 さらに、 源氏方でありながら平家でいる実盛など、 さまざまな人間模様が背景としてあるうえで、 実盛は娘のひな鶴と、 常盤は、息子の牛若との 親子関係の情愛を描く、 しっかりとした 骨組みのある題材になっております」演出の石川は・・・「以前、新橋演舞場で團十郎さんが『俊寛』に出演された際(令和元年)に、その後の『春興鏡獅子』で、まったく違うお小姓の弥生の姿で美しく出てきたのがとても印象的だと思いました。今回は團十郎さんが2役を演じ、女性の役(常盤御前)のときには(市川)新之助さんが息子の牛若丸。男性の役(実盛)のときは、(市川)ぼたんさんが娘のひな鶴の役をやると、とてもいいのではと思いました」と、今回の配役について明かしました。(昨年、夏の写真)稽古の開始を前に、ぼたんは・・・「歌舞伎らしい物語、 お芝居を演じることがあまりなかったので、 心配も強いですが、 これからたくさん物語を読み込んで、 好きなせりふや、 心に残る部分を見つけていきたいと思います」と、語ります。新之助は・・・「牛若丸で、このような新作を勤めさせていただけるのは、 すごく貴重なことだと思います。 精一杯お稽古して頑張ります」と、 それぞれが公演への強い思いを述べました。市川團十郎家族の愛と絆の物語古典のせりふ劇への、三人そろっての出演は今回が初めてになるとのこと。「台本をお見せしたいぐらい、 お芝居のなかでたくさんせりふを喋っています。 せりふ劇で、 全員が丁々発止のやり取りなのです。 今までにやったこととは違う難しさがございますが、 これまで二人とも、 年齢にそぐわないハードルの高い場面を きちんと乗り越えてきているということを 親目線でも感じますので、 あえてプレッシャーをかけると言いますか、 二人なら乗り越えられるだろうと思っています」と、期待を込めます。テーマである、「家族の愛と絆の物語」にちなみ、家族の愛を感じる瞬間を問われた團十郎は・・・「最近は、襲名披露興行などで 長期間家を空けることがありますが、 戻ったときにぼたんが笑顔で待っていてくれること。 また、 倅は博多座での襲名披露公演に出演しましたが、 ずっと一緒に過ごし、一所懸命、 舞台に向かう後ろ姿を見ていますと、 幸せを感じます」と、語ります。ぼたんは・・・「みんなで自転車で出かけるのが好きで、 先に自転車を漕いでいる父と一緒に話をしているとき、 これって幸せだなという風に感じます」、新之助は・・・「朝起きて、みんなとご飯を食べて、 何気ない一言が愛を感じるひとときだと思います」と、答え、会場は温かな空気に包まれました。「伝統文化のなかで歌舞伎をやり続けることは、 我々の義務でもあります。 毎年、お正月に新橋演舞場に出演しておりますが、 演劇を、歌舞伎を楽しんでくださる方々を大切に 公演をしたいと考えています」と、團十郎が結びました。團十郎さんのインスタグラムより写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.10
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初春歌舞伎公演「平家女護嶋 恩愛麻絲央源平-SANEMORI PARTII-」新橋演舞場にて1月6日からさて間違えずに行けるかしら?『新橋演舞場』への行き方とは?104-0061 東京都中央区銀座6丁目18−203-3541-2600(代)電車での行き方・・・とは?JR「東京駅・四谷駅・新橋駅」下車してバスに乗り換える。 バス乗車【都03】【都04】【都05】【業10】築地で下車。 または、駅からタクシー利用地下鉄での行き方とは・・・?東京メトロ日比谷線&都営浅草線 「東銀座駅」6出口から5分 東銀座駅と言えば・・・歌舞伎座の下です。都営大江戸線「築地市場駅」A3出口から3分 築地市場に寄るのもおススメです。バスでの行き方・・・とは?都営バス停留所「築地」で下車3分築地を通るバスは・・・【都03】四谷駅→晴美埠頭【都04】豊海水産埠頭→東京駅丸の内南口【都05】春海埠頭→東京駅丸の内南口【業10】新橋→とうきょうスカイツリー駅前車での行き方・・・とは?首都高速「銀座出口」から150m新橋演舞場1階受付で駐車割引券をGET!!・・・これで安心新橋演舞場に到着です初春歌舞伎公演「平家女護嶋 恩愛麻絲央源平 -SANEMORI PARTII-」2024年1月6日(土)~25日(木)東京都 新橋演舞場作:近松門左衛門補綴・演出:石川耕士演出・振付:藤間勘十郎【出演者】俊寛僧都 / 常盤御前 / 斎藤別当実盛:市川團十郎実盛娘ひな鶴:市川ぼたん女童笛竹実は源牛若丸:市川新之助能登守教経 / 腰元白菊:中村児太郎海女千鳥 / 伊勢三郎:大谷廣松御厩喜三太:市川男寅丹波少将成経 / 荒熊団右衛門:市川九團次平判官康頼 / 姉川平次:片岡市蔵茶亭文治:市村家橘熊野の僧湛増:大谷友右衛門瀬尾太郎兼康:市川男女蔵丹左衛門尉基康 / 武蔵坊弁慶:市川右團次俊寛妻あづまや:片岡孝太郎写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.09
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十三代目の市川團十郎白猿さんについて、ざっくりと知っておましょうパネル撮影は、故:篠山紀信さまいちかわだんじゅうろうはくえん十三代目 市川團十郎 白猿・・・とは?1977年12月6日生まれ(46歳)(昭和52年)歌舞伎役者&俳優本名:堀越 寶世 ほりこし たかとし出生時:堀越 孝俊 いちかわ しんのすけ旧名:七代目 市川新之助 いちかわ えびぞう旧名:十一代目 市川海老蔵屋号:成田屋定紋:三桝替紋:銀杏牡丹歌舞伎名跡:市川團十郎株式会社成田屋:代表取締役。十三代目市川團十郎白猿の名は・・・2020年5月に襲名予定であったが、新型コロナ・パンデミック騒ぎで延期になり2022年10月31日に正式に襲名した。身長:176.0cm体重:80kg血液型:AB型愛称:海老さま 海老ちゃん。妻:小林麻央(こばやし まお)元アナウンサー長女:四代目 市川 ぼたん長男:八代目 市川 新之助父:十二代目 市川 團十郎 いちかわ だんじゅうろう十二代目 市川 團十郎1946年8月6日〜2013年2月3日(66歳没) (昭和21年〜平成25年)歌舞伎役者。日本芸術院会員。位階:正五位本名:堀越夏雄写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.08
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今年も新春大歌舞伎の季節がやって来ましたね〜歌舞伎の基本から学んでゆきましょう市川團十郎・・・とは?いちかわ だんじゅうろう市川 團十郎市川團十郎は・・・歌舞伎役者の名跡。屋号は「成田屋」なりたや定紋は「三桝」みます替紋は「杏葉牡丹」ぎょうよう ぼたん役者模様は「鎌輪ぬ」かまわぬ歌舞伎座で売っていました当代の十三代目市川團十郎まで十三代である。市川團十郎家は・・・歌舞伎の市川流の家元であり、歌舞伎の市川一門の宗家でもある。その長い歴史と数々の事情から、市川團十郎は、歌舞伎役者の名跡の中でも最も権威のある名とみなされている。市川團十郎の家系図團十郎と関わりの深い名跡に市川海老蔵がある。前期の市川團十郎→海老蔵と襲名する例が目立ち、後期には、これが逆転して、海老蔵→團十郎と襲名する例が目立つようになる。先代の十二代目團十郎が、最初に襲名したのが市川新之助その子で当代の海老蔵が最初に襲名したのも市川新之助だったため、市川宗家では、新之助→海老蔵→團十郎と襲名するのが通例だと誤解されがちだが、実際にかつて新之助を名乗った者が、のちに團十郎を襲名したのは、この十二代目の他には、七代目と、八代目があるのみである。その圧倒的な存在感の一方、團十郎の名跡は、代々のうち半数が何らかの形で、非業の最期を遂げていることでも知られる初代は・・・舞台上で共演の役者によって44歳で死殺され、三代目は・・・公演先の大阪で病を得て江戸には戻ったものの2ヶ月後に、21歳で死去。六代目は・・・風邪をこじらせて21歳で急死。八代目は・・・公演先の大阪で謎の自殺を31歳で遂げた。十一代目は・・・團十郎襲名後わずか三年半で56歳の時に病死。十二代目は・・・白血病を患い、9年間におよぶ闘病の末66歳で死去。代々の墓は、青山霊園にあります。写真撮影:ほしのきらり。世界遺産にぽち
2024.01.07
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昭和時代の初めには、どんな歌舞伎役者さんが活躍したのでしょうか歌舞伎座:第三期 歌舞伎座のあゆみ【第三期】昭和時代前期の歌舞伎座俳優たちの動向・・・とは? 文:石橋健一郎さまより歌舞伎座の座頭だった五世中村歌右衛門は、若年からの鉛毒のため、昭和期に入ると、座ったままで演じられる役のみを勤めるようになる。代わって、帝劇から来た六世尾上梅幸が、立女方の役割を勤めたが、昭和9年に没。座付きの十一世片岡仁左衛門、七世市川中車、関西の初中村鴈治郎らも、前後して他界した。一方、座付きの十五世市村羽左衛門は永遠の二枚目スタートして若さと美貌を保ち、二世市川左團次、六世尾上菊五郎、初世中村吉右衛門は、それぞれ一座を持って単独でも公演が打てる実力者となるほかに、帝劇系の七世松本幸四郎、七世澤村宗次郎、関西から迎えられた女方の片岡我童(十二世仁左衛門)らが、昭和10年代の歌舞伎を支えた俳優で、前記の豪華版公演には、揃って出演したのである(現在の歌舞伎座)椅子席ができたのは第三期である。松竹は、歌舞伎座でも新作の上演には相変わらず意欲的だったが、この分野で後世に残る仕事をしたのは、二世左團次と、六世菊五郎である。早くから新歌舞伎の旗手だった左團次は、岡本軌道に続いて真山青果と提携し、歌舞伎座では『頼朝の死』や、『元禄忠臣蔵』の連作のうちの「南部坂雪の別れ」、ふしみしゅもくまち「伏見撞木町」を初演している。菊五郎も、昭和期に入ると長谷川伸の股旅物で新境地を開き、歌舞伎では、いれずみちょうはん『刺青奇偶』を初演。さらに、昭和10年9月のこうだんよみやのあめ『巷談宵宮雨』以来、宇野信夫の作品をたびたび歌舞伎座で初演した。・・・おわり・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.12
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大正時代から昭和時代にかけての歌舞伎座の第三期には、どんな興行があったのでしょうか 歌舞伎座のあゆみ昭和時代前期の歌舞伎座第三期歌舞伎座の興行・・・とは?松竹は、錚々たる名優たちを、巧みに各座に振り分けたが、とりわけ歌舞伎座では、毎日、変化に富んだ座組みと、豪華で隅々まで、適材適所を揃えた名舞台が見られるようになったしかし、関東大震災を機に、観客が歌舞伎に馴染みの薄い山の手の新興富裕層へと変わったこと、昭和4年に始まる世界恐慌で、不況が慢性化したことなど、厳しい環境があった昭和3年8月に上演された『東海道中膝栗毛』は、3月に歌舞伎座で宝塚少女歌劇団が上映した日本初のレビュー『モン・パリ』に着想を得たものだが、二世市川猿之助と、六世大谷友右衛門の弥次喜多コンビによるテンポの早い喜劇は、大評判となり、以後、盛夏の歌舞伎座の名物として、昭和12年まで続く。同じ昭和3年には、「お子様方のお芝居」という子供向けの公演も企画され、第二回には、名子役、大谷広太郎(四世中村雀右衛門)の『天下太郎』が評判となって、これも連作を生んだ。こうした大衆化路線とあわせて、昭和7年6月には、「短い時間で顔揃いの芝居を安く見せる」という主旨で、昼夜二部制興行も試行されている。一方で、歌舞伎座ならではの特色を発揮したのが、歌舞伎座系、帝劇系、市村座系の俳優を、一堂に揃えた豪華版興行である。正月、3月〜4月、10月〜11月などには、いつも大一座の興行が行われたが、とりわけ昭和7年11月の「九代目團十郎三十周年追悼興行」、昭和10年3月の「五代目尾上菊五郎三十三回忌追善興行」、昭和11年11月の「三代目中村歌右衛門建碑記念興行」などは、盛大に挙行され、大入りを収めた。戦後に復活された「團菊祭」も、昭和11年4月以来、毎年の恒例となった。・・・つづく・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.11
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現在の歌舞伎座が開場してもう10年!昭和の初めころの歌舞伎座について詳しく知りましょう銀座・歌舞伎座 歌舞伎座のあゆみ昭和時代前期の歌舞伎座・・・とは? 文:石橋健一郎さまより『歌舞伎座の復興と松竹による歌舞伎界統合』関東大震災で罹災(りさい)した歌舞伎座の再建には、多くの難関があった。大谷竹二郎は、それらを克服し、大阪の白井松次郎の協力も得て、大正13年(1924年)12月15日、歌舞伎座(第三期)は、施行の日を迎える第三期外観は、奈良朝風宮殿造りに桃山風の破風を戴いた純和風のデザイン場内は、白木の檜造り、一、二階は、左右の桟敷を除いて、初めて椅子席となった。舞台の開口は、十五間(約28m)、廻り舞台は、二重になっていて、外輪と内輪が逆方向にも回る「蛇の目」。これを備えたのは、歌舞伎座では第三期のみである。客席後方には、ガラス張りの小部屋(監事室)が備えられ、舞台のすべてをチェックできる体制にした。東京の新名所となったこの劇場には、昭和期にさまざまな国賓や、チャールズ・チャップリン、フョードル・シャチアピン、ジャン・コクトーなど、国際的な芸術家も来訪している。大正14年1月からの本公演は、順調な興行成績を続けた。他方、市村座は、震災から復興したが、主な俳優の退座で孤塁を守っていた六世尾上菊五郎の奮闘も空しく、昭和3年(1928年)1月から松竹合名社の経営に移る。同じく復興した帝国劇場も、昭和5年から、10年契約で松竹が借りるとともに、専属俳優を引き受けることになった。新富座や、本郷座は、復興後、映画館に転身したが、昭和3年には、明治座が再開場し、昭和5年には、松竹が自前で作った東京劇場が開場。ここに松竹は、小芝居を除く全ての劇場と歌舞伎俳優を傘下に収めた。なお、松竹は昭和3年に「松竹興行株式会社」となった。・・・つづく・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽちm
2023.08.10
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現在の歌舞伎座は、第五期なのです。古い歌舞伎座内部を知らない私なのですが・・・現在の歌舞伎座は、開場十周年です。【第五期】歌舞伎座平成25年(2013年)4月〜現在格調と典雅と異空間への入口歌舞伎座の玄関口である大広間は、吹き抜けの空間が広がり、濃朱の丸柱が聳え、足元には熟練の織手によるめでたい昨朝模様の美しい赤い絨毯が敷かれ、劇場を訪れた人々を優雅な世界へと誘う。歌舞伎の礎 樹齢百年の檜舞台檜の床三千枚が敷き詰められる歌舞伎座の舞台の寸法は、第三期からほぼ変わっておらず、歌舞伎俳優の演技には、そのスケール感が染み付いている。歌舞伎座の定式幕は・・・左から、黒・柿色・萌葱色の配色。歌舞伎座のコーヒー販売機も・・・黒・柿色・萌葱色の配色ですこだわりの客席 快い芝居体験の追求1階から4階まで、全ての階から花道を見ることができるようになった第五期歌舞伎座の客席は、試作を繰り返し快適さが追求されている。音響の観点からも材質をこだわり抜いた設計が、芝居世界への没入を促す。屋上庭園・五右衛門階段第五期歌舞伎座の大屋根部分に設置された屋上庭園。桜や、紅葉など季節ごとに楽しめる和風の庭園になっている。庭園と4階を結ぶ五右衛門階段は、「絶景かな」の名台詞にちなんで、名付けられた。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.09
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歌舞伎座の歴史を見てきました〜それでは、現在の第五期歌舞伎座について案外知らないです現在は、歌舞伎座タワーとの複合施設全体を撮影するのは難しいですね〜【第五期】平成25年(2013年)4月〜現在まで現在の第五期歌舞伎座は、オフィスビル歌舞伎座タワーとの複合施設(GINZA KABUKIZA)として平成25年に開場した。設計は、隈研吾。外観の唐破風など、第四期歌舞伎座デザインを踏襲しつつ、細かな改善によって現代風な建築物として生まれ変わっている。新開場式には・・・歌舞伎俳優が勢揃いし、華々しく歌舞伎座は新たな歴史を刻み始めた。以降も、世界唯一の歌舞伎専門劇場、芸の継承と革新を行う歌舞伎の殿堂として、良質な舞台を生み出し続けている。・・・つづく・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.08
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歌舞伎座の歴史を追っております〜この第四期の歌舞伎座を壊している様子をチラチラ見ておりますが、現在の歌舞伎座(第五期)【第四期】昭和25年(1950年)12月〜平成22年(2010年)4月第二次世界大戦後、GHQの占領政策で、封建的な内容の演目が上演禁止となるが、理解者の尽力により徐々に上演が解禁。歌舞伎座の再建工事も、昭和24年に開始される。物資が乏しい時代であったため、焼け残った第三期歌舞伎座の資材を再利用するなど難工事の連続だったが、昭和15年12月に第四期歌舞伎座竣工。高度経済成長期の歌舞伎ブームを巻き起こし、昭和39年の東京オリンピックでは、「ナイト・カブキ」公演も行う。平成2年から、一年を通して歌舞伎興行が行われるようになった。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.07
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歌舞伎座の歴史を語るには、戦争による影響も考えられますが〜その時どのようなことが現在の歌舞伎座(第五期)【第三期】大正13年(1924年)12月〜昭和20年(1945年)5月火災で消失した第二期歌舞伎座の跡地に再建された第三期歌舞伎座外観は・・・奈良朝の典雅、桃山朝の豪壮な様式を取り入れた物で、建物全体は鉄筋コンクリート造。桟敷席から椅子席に改められるなど、より近代的な劇場に生まれ変わった。十五世羽左衛門、六世菊五郎、初世吉右衛門などの名優が活躍し、日本を代表する劇場としての地位を揺るぎないものとした。第二次世界大戦の戦況の悪化にともない昭和19年2月興業を最後に休場。翌年の空襲で戦火に包まれる(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.06
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歌舞伎座が10年前に改築されましたが、それまでの歌舞伎の歴史と共に知識を深めましょう現在の歌舞伎座は、第五期になります。【第二期】明治44年(1911年)10月〜大正10年(1921年)10月外観が洋風だった第一期歌舞伎座から、外観、内観ともに純然たる日本風の劇場へと改築され、第二期歌舞伎座は落成した。明治44年に開場した帝国劇場との差別化が図られ、外観は・・・純日本式の奈良朝宮殿風の檜造りに改められた。客席天井は・・・金箔置二重打上げの格天井となり、二個のアーク灯を設置したのをはじめ、無数の電灯を備えた。開場初の興行は・・・「五代目中村歌右衛門襲名披露」。大正2年に松竹の創業者:大谷竹二郎が経営を任され、当時の松竹合名会社が、一手に工業を担うようになる。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽちm
2023.08.05
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歌舞伎座に行くと興味深い展示がありました〜なるほど「歴史」ちょっと知りたいです歌舞伎座には、こんな歴史があるんですね〜「歌舞伎座の軌跡」第一期〜第五期まで【第一期】明治22年(1889年)11月〜明治44年(1911年)7月第一期歌舞伎座は・・・明治の演劇改良運動の中、江戸時代に芝居町のひとつとして賑わった木挽町に開場した。外観は・・・洋風三層の煉瓦造り、内観は・・・純和風の造りで、歌舞伎ならではの舞台構造である廻り舞台や、花道を生かしたうえで、西欧の劇場建築を参照し設計され、灯火も電気式になり場内に設置されたシャンデリアも評判となった。開場初日は、興業界の駆け引きや、日清戦争による一時休場など波乱の幕開けだったが、九世團十郎、五世菊五郎、初世左團次らを中心として、多くの優れた舞台を生み出した。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.04
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歌舞伎座に新しい緞帳がかかっていました(^0^)いっぱいの牡丹うぁ〜華やかですね。東京「歌舞伎座」折角の良いお席のはずが・・・ありえない前には異常に座高がデカイ日本人と縦横大きな外国のお客様がずら〜り!!満席。見えないです〜全然、見えない!!しかし、花道の横なのでまぁ〜いいか?新開場十周年を記念して、新緞帳をお披露目いたします。作品名は・・・ ふうきかきょうえんず『富貴花競苑図』作者:中島千波寄贈:株式会社 伊藤園制織:株式会社 龍村美術織物なるほど〜有名な会社なのですね【作品のご紹介】競い合うように咲き誇る色彩鮮やかな牡丹、その調和した端正な佇まいは、優雅な気品と揺るぎない風格で満ち溢れ、静かな感情の余韻を残している。本作「富貴花競苑図」は・・・歌舞伎座新緞帳のための描き下ろし作品。絢爛な花姿は、歌舞伎座を象徴的に表現しており、満開の花と蕾には伝統芸能の永続、安寧への願いが込められている。【画家略歴】作者:中島千波・・・とは?昭和20年(1945年)、日本画家である中島清之の三男として長野県小布施に生まれ、横浜市で育つ。昭和46年(1971年)東京藝術大学大学院終了。在学中より、日本美術院展覧会を中心として数々の作品を出品し、既成の枠にとらわれない独自のスタイルを確立。昭和53年(1978年)より、日本各地の桜を描く。花鳥画や人物画を得意とし、大作を発表しながら、襖絵や壁画、装幀や挿絵、舞台美術まで多様なジャンルで活躍。平成4年(1992年)「おぶせミュージアム・中島千波美術館」開館。現在は・・・東京藝術大学名誉教授、日本美術家連盟常任理事を務める。平成8年(1996年)、平成25年(2013年)と続き、歌舞伎座の緞帳を手掛けているのは、今回で三度目。伝統を重んじながらも鮮やかに表現される作品は、国内外の多くのファンを魅了し、日本画壇を代表する作家として活躍している。【中島教授からのコメント】此の度、伊藤園様より、歌舞伎座緞帳を以来されました。再びご依頼を受けることになり、大変光栄なことと思ったおります。今回の図柄は、年間を通して豪華で華やかに歌舞伎座が末長く繁栄される事、又、俳優の方々が牡丹の花のように益々花盛りになりますことを願っております。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.03
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歌舞伎座2023年7月大歌舞伎夜の部最後の演目は、成田屋さんのなんと豪華な舞踊でした歌舞伎座【夜の部】三、九世市川團十郎没後百二十年 新歌舞伎舞十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』かまくらはちまんぐうしずかのほうらくのまい作:松岡亮・・・あらすじ・・・ここは、鎌倉の外れにある荒れ寺の近く。先頃よりこの荒れ寺にちみもうりょう魑魅魍魎が出現し、人々を悩ましているという訴えがあったため、鎌倉極楽寺の僧である方便坊(種の助)、普聞坊(廣松)、寿量坊(男虎)、随喜坊(玉太郎)たちが法力で退散させようとやって来る。更け行く空も星月夜 鎌倉山の山の端も、怪しの魔風沸き起こり 怪しの魔風湧き起こりやがて夜も更けると、荒れ寺の主である老女に味方する物の主である老女(團十郎)が姿を現し、この老女を現し、この老女に味方する物の怪のうぶめ姑獲鳥(児太郎)や、じゃこつばば蛇骨婆(九團次)たちも出現する。そして老女たちは、ひと指し舞を踊って見せると、他の物の怪にも披露するように促し、姿を消していく。この言葉を受けて最初に現れたのは、提灯(新之助)で、提灯は、自らの謂れを語っていく。ご利生深き浅草寺 たずねる先祖の八代目 寄進なしたる謂れあり・・・続いて姿を見せたのは、 しろぞうず狐の白蔵主(團十郎)。白蔵主は、狐を狩る猟師を懲らしめようとしたものの、きつねわな狐罠にかかってしまった失敗談を話す。白蔵主と入れ替わるようにして、三ツ目(ぼたん)が駆け付けると、三ツ目は可愛らしく踊っていく。わしが在所は深川の 木場の方かたへのわび住まい 御贔屓(ごひいき)ありつき名取草・・・そこへ「油のご用はござりませぬか」と声が掛かり、あぶらぼうず油坊主(團十郎)がやって来る。油坊主は、京都八坂神社の灯籠に油を差そうとして、かえって油をこぼした様子を物語る。油坊主が足早に去ると同時に現れたのは、三途の川の船頭(團十郎)、町娘(ぼたん)、若船頭(新之助)の親子。姑獲鳥や蛇骨婆はこれに驚きながらも、船頭親子が揃ったからは共に踊ろうと申し出て、一同は賑やかに踊り始める。折しも鐘の音が響き、主の老女の舞が始まる時刻となるので、船頭を始めとした物の怪は、これを見物するためにその場を後にする。まもなく、老女は在りし日の静御前(團十郎)の姿になって現れかつて鎌倉八幡宮で披露した法楽舞を踊ってみせる。 しずやしずじずのおだまき くりかえし賎や賤しずの苧環繰り返し、 昔をいまに なすよしもがなそこへ幻の源義経(團十郎)も現れ、ふたりは、華麗に舞う。いつしか義経の姿も消え、ひとり残った静御前は、戦のために義経のみならず、我が子まで殺されたことや、仏法にすがった物の救われなかった思いなどを振り返り、恨みの念を強くしていく世の中への呪いの思いも抱く静御前に、平知盛や平家の官女、さらに戦いのために死んだ民の霊が憑依していくうちに、静御前の姿は化生(團十郎)へと変じる。この様子を見守っていた方便坊や普聞坊たちは、祈りの力で化生を退却させるべく挑んでいくものの、恨みの念が強く圧倒されてしまう。ここへ二宮姫(ぼたん)と竹抜五郎(新之助)姉弟が駆け付け、化生と対峙する。大力無双の力を持つ、二宮姫と五郎のために、さしもの化生も怯み、ついには退散させられるのであった。・・・おわり・・・歌舞伎座公演は、7月に終了しました。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.02
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歌舞伎座七月大歌舞伎も終わってしまいましたが、どんな内容だったのでしょうか?東京・歌舞伎座にて【夜の部】三、九世市川團十郎没後百二十年 新歌舞伎舞十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』かまくらはちまんぐうしずかのほうらくのまい作:松岡亮本作は、平成30年(2018年)1月に、当代市川團十郎(当時:海老蔵)によって復活上演されたもので、九世團十郎が選定した歌舞伎十八番のひとつ『静の法楽舞』を原点としています原作は・・・明治18年(1885年)2月、東京千歳座で上演されたせんざいそがげんじのいしずえ『千歳曽我源氏礎』の一場面であり、静御前を九世團十郎が勤めました。九世三十郎は、静御前を勤める上で、ゆうそくこじつ有職故実に則った扮装としたことが、写真集「舞臺之團十郎」からも窺われますが、復活上演にあたっては、その写真を基に、静御前の鬘(かつら)、衣装が作られました。また使用する音楽も團十郎家に所縁のある古曲(こきょく)の河東節(かとうぶし)を始め、常磐津、清元、長唄、箏曲と、六方掛け合いというこれまでにない編成での上演が大きな話題を集めました。この度は・・・さらに演出、台本を練り上げての上演となりました。舞台は、鎌倉外れの荒れ寺。その主の老女が仲間の物の怪たちを呼び寄せそれぞれに舞を披露するように命じます。すると提灯を始め、はくぞうず白蔵主、三ツ目、あぶらぼうず油坊主、船頭親子が次々と現れて踊っていきます。この白蔵主と油坊主は、新歌舞伎十八番のつりぎつね『釣狐』『油坊主』に因むものです。中でも、油坊主、三ツ目、提灯から、船頭親子への早替わりは、前半の眼目でもありますやがて、老女は若き日の静御前の姿となり、鎌倉八幡宮で披露した法楽舞を舞い、その場に現れた幻の義経とのつれまい連舞となりますが、この場面は本作の大きな見どころています。そして、静御前にちみもううりょう ひょうい魑魅魍魎が憑依し、その姿は、化生へと変じ、これを僧たちが、法力で祈り伏せようとします。この化生と僧たちの群舞もまた見せ場のひとつです。なおも抗う化生を二宮姫、竹抜五郎姉弟が押し戻し、幕となります。劇聖と謳われた九世團十郎没後百二十年の節目を飾るに相応しい、華やかな舞踊の一幕でした(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.08.01
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歌舞伎座新開場十周年「七月大歌舞伎」夜の部最後の演目は、成田屋さんの華やかな舞台ですかまくらはちまんぐうしずかのほうらくのまい【夜の部】鎌倉八幡宮静の法楽舞令和五年7月3日(月)〜7月26日(金)東京・歌舞伎座【夜の部】三、九世市川團十郎没後百二十年 新歌舞伎舞十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』かまくらはちまんぐうしずかのほうらくのまい作:松岡亮【出演】市川團十郎の七役1、静御前2、源義経3、老女4、白蔵主5、油坊主6、三途川の船頭7、化生市川ぼたんちゃんの三役は、1、三ツ目2、松娘3、五郎姉二宮姫市川新之助くんの三役は、1、提灯2、若船頭3、竹抜五郎僧寿量坊:市川男寅 僧隋喜坊:中村玉太郎 蛇骨婆:市川九團次 姑獲鳥:中村児太郎 僧方便坊:中村種之助 ・・・素晴らしい舞台でした(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.31
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團十郎さんの「め組の喧嘩」もいよいよ『大詰』となりました最終回現在の芝神明社【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作大詰 第一場 神明町鳶勢揃いの場大詰 第二場 角力小屋前の場大詰 第三場 喧嘩の場大詰 第四場 神明社境内の場・・・あらすじ・・・大詰 第一場 神明町鳶勢揃いの場芝神明町の普請場の空き地では、藤松(九團次)をはじめ、山門の仙太(新之助)ら、揃いの火事場装束で身を固めた鳶の者(竹松、男虎、玉太郎、橘太郎)たちが勢揃いをしているが、その様子を力士が窺っていたと知らせがあり、一同はいきり立つ。そこへ亀右衛門(市蔵)が駆け付け、辰五郎が来るまで待つようにと宥める。続いて、辰五郎がやって来ると、一同と水盃を交わし、角力小屋へと向かって行く。m大詰 第二場 角力小屋前の場角力小屋の前では、九竜山(男女蔵)を筆頭に、田毎川浪蔵(市村光)ら大勢の力士たちが顔を揃えている。そこへ辰五郎以下、鳶の者がやって来て喧嘩が始まる。大詰 第三場 喧嘩の場激しく渡り合う鳶の者と力士たち。傍の小屋の屋根に上がった鳶の者は、屋根の瓦を引き剥がして、力士に向けて投げつける。こうして、両者の喧嘩はなおも続く。大詰 第四場 神明社境内の場激しい喧嘩の中、辰五郎と四ツ車(市川右團次)が、雌雄を決そうと対峙するところへ喜三郎が駆け付ける。喜三郎は、町方を取り締まる町奉行、角力を取り締まる寺社奉行それぞれから賜った法被を見せる。これを見せられた辰五郎と四ツ車は、これ以上は争うことが出来ない。また、両奉行が出向くとの知らせも入り、喜三郎の仲裁を受けて、両者はその場を引き下がるのであった。・・・おわり・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.30
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さぁ〜め組の喧嘩となる経緯がわかった来ました〜江戸っ子って面白いですね東京:歌舞伎座【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場(昨日)三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場・・・今日はここ浜松町辰五郎(團十郎)・・・あらすじ・・・三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場一方その頃、浜松町の辰五郎(團十郎)の家では、背高の竹(歌昇)と、三ツ星半次(廣松)が鳶口を磨く傍らで、又八(宿屋蒼真・本宮在真・交互出演)が遊んでいる。そこへお仲(雀右衛門)が戻り、帰りの遅い辰五郎を案じていると、酒に酔った辰五郎が帰ってくる。日頃、飲めぬ酒に酔った辰五郎は、又八に枕を持って来させて横になろうとする。これを止めて、喜三郎(又五郎)の許を訪れた理由を尋ねるお仲に喜三郎に短気を起こすなと意見されたと答える辰五郎。それを聞いたお仲は、何故、昨日の一件の仕返しをしないのか、このままだで済ますつもりかと詰め寄る。さらには、喜三郎を訪ねる辰五郎の後を付けて行き、始終の話を聞いたと明かすと、鳶と男の面子を立てようとしない辰五郎の意気地の無さを責める。その様子を門口で窺っていた亀右衛門(市蔵)も、お仲に同調し、辰五郎に仕返しをするように勤める。しかし、辰五郎は相手にせず、又八に水を持って来させると、酔い覚ましの水だと言って一口飲み、又蜂とお腹にも飲ませる。そうした中、お仲は辰五郎に離縁して欲しいと願い出ると、驚く辰五郎に向かい、惚れて一緒になったが、これほど不甲斐ないとは知らなかったと、愛想を尽かす。亀右衛門もまた、兄弟分の付き合いを止めると言い出し、お仲は又八を連れて、家を出てゆこうとする。すると、辰五郎はお仲を呼び止め、望み通りに夫婦の縁を切ろうと離縁状を投げ渡す。実は、辰五郎は死を覚悟の上で、四ツ車たちに仕返しするつもりであり、最前お仲と又八と共に水を飲んだのは、別れの水盃の代わりだったのだ。辰五郎の覚悟を知り亀右衛門と共に不心得を詫びたお仲は、辰五郎の発奮を促すための離縁だと言って、離縁状を戻そうとする。これを辰五郎が受け取らずにいると、又八が取り上げ破り捨ててしまう。程なく、角力が終わると七ツを告げる鐘の音が聞こえる。見物客を巻き添えにしてしまうことを恐れていた辰五郎だが、もう憂慮することはない。亀右衛門は若い者が早まらぬようにと一足先に駆け出して行く。そして半纏を見に纏い、白鞘の短刀を腰に差した辰五郎を、お仲は切り火を切って送り出すのだが、又八が一緒に行くと我儘を言い出す。その姿を見て、さすがの辰五郎も涙を流すが、角力の打ち出しの太鼓の音が聞こえると、勢いよく駆け出していく。三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場・・・おわりお話はいよいよ『大詰』へつづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.29
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大評判の歌舞伎座へ行って来ました〜7月大歌舞伎は新歌舞伎座が出来て十周年を記念するもの東京「歌舞伎座」【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作二幕目 神明社内芝居小屋の場三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場・・・今日はここ三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場その翌日、数寄屋河岸の喜三郎(又五郎)の家では、遊びにやって来た品川の芸者おせん(芝のぶ)と取的(とりてき)のゆで蛸八右衛門(新蔵)を、喜三郎と女房のおいの(萬次郎)が迎え入れる。ふたりは、一昨日の錦木と四ツ車の大一番の話などをして帰って行く。折からここへ、辰五郎(團十郎)が訪ねて来る。これを迎えた喜三郎に対し、甲州身延山の五重塔の足場をかけに行くことになったが、命がけの仕事なので、万一の場合には女房子供を頼むと暇乞いをする辰五郎。しかし、これまでついぞ遠出をしたことのない辰五郎故、これは四ツ車らの力士相手に命がけの喧嘩をするつもりに違いないと覚った喜三郎は、側にいるおいの(萬次郎)や、手代の茂助(京純)を退らせた後、身延山へ行くというのは嘘だろうと聞く。これを拒否する辰五郎であったが、さらに喜三郎は、八ッ山下の海岸で拾った煙草入れを餞別と言って辰五郎に見せる。なおもはぐらかそうとする辰五郎に対し、喜三郎はその場のいきがかりで騒動を起こせば、女房子供ばかりでなく、火消一同にも迷惑がかかるのだから、よく思案するようにと意見する。兄貴分である喜三郎の真情のこもった忠告を辰五郎はありがたく聞き入れ、一旦は思い留まると言う。一方、門口ではお仲がふたりのやり取りを聞き、そっと立ち去って行く。おいのに酒を持って来させた喜三郎は、辰五郎の覚悟を見抜き、口にこそ出さぬが、改めて別れの意味を込めた盃をかわすのであった。三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場・・・おわり三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場へ・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.28
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いつも江戸っ子がお参りに行ったという「芝神明社」に行って来ました。お芝居の前に團十郎さんと新之助くんもお参りしたそうですここである事件が・・・芝神明社 2023年6月【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作二幕目 神明社内芝居小屋の場・・・今日はここ三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場三幕目 第二場 浜松町辰五郎の場・・・あらすじ・・・二幕目 神明社内芝居小屋の場ここは、芝神明社の宮地芝居小屋の江戸座の前。ここへ、辰五郎の女房のお仲(雀右衛門)が、 交互出演倅の又八(宿屋蒼真・本間在真)とお供のおもちゃの文次(種の助)を連れてやって来る。三人が茶屋でひと休みしていると、小屋の中が騒がしくなる。め組の若い者が騒いでいるのではないかと案じるお仲に対し、組の者は今日は芝居には来ていないはずだと言う文次。そして、又八が吹き矢を欲しがるのでお仲たちはその場を立ち去る。ところが小屋の中から現れたのは、亀右衛門(市蔵)と長次郎(右左次)。ふたりは酔って騒ぐ職人たちの髻(もとどり)を掴んで連れ出したのだ。これを四ツ車の弟分の九竜山浪右衛門(男女蔵)が、宥める隙に職人たちは逃げてしまい、それを九竜山のせいだと亀右衛門と長三郎は食って掛かる。そこへ、四ツ車が現れると、品川での遺恨もあり、いきり立つ亀右衛門と長次郎。さらに、ここへやって来た辰五郎は、ふたりから力士たちに恥をかかされたと聞き、先日の遺恨も手伝い双方は睨み合う。そこに姿を現した九郎次が見物する中、一触即発の双方の間に割って入ったのは江戸座の座元喜三郎(権十郎)。自分の顔を立てて引いてほしいという喜太郎と四ツ車も無碍(むげ)には出来ず、角力の興行が終わったら決着をつけようとその場を後にする。二幕目 神明社内芝居前の場・・・おわり三幕目 第一場 焚出し喜三郎内の場・・・につづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.27
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歌舞伎座開場十年七月大歌舞伎の夜の部は、成田屋さんの江戸情緒たっぷりの演目です焚出しの喜三郎役(又五郎)さん【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作序幕 第一場 島崎楼店先の場序幕 第二場 島崎楼広間の場序幕 第三場 八ツ山下の場・・・今日はここ・・・あらすじ・・・序幕 第三場 八ツ山下の場夜明けのこと。先程の一件を遺恨の思う辰五郎(團十郎)は、八ツ山下で、四ツ車(右團次)を待ち伏せている。そこへ、おくら(魁春)と共に四ツ車がやって来る。辰五郎は、おくらが持つ提灯を蹴落とすと、四ツ車屁と突きかかり、さらには、通り掛かった駕籠の提灯も打ち落とす。その駕籠の中から現れたのは、焚出しの喜三郎(又五郎)。辰五郎、四ツ車、おくらは、闇の中を探り合うが、やがて逃げ去る辰五郎が、落とした煙草入れを喜三郎が拾うのだった。序幕 第三場 八ツ山下の場・・・おわり二幕目 神明社内芝居前の場へ・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.26
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新歌舞伎座十周年の七月歌舞伎(夜の部)は、め組の喧嘩という江戸情緒たっぷりの演目です大きなお相撲さん役の右團次さんは、肉布団が暑くないのかしら?力士役の四ツ車大八(右團次)さん【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作序幕 第一場 島崎楼店先の場序幕 第二場 島崎楼広間の場・・・今日はここ序幕 第三場 八ツ山下の場・・・あらすじ・・・序幕 第二場 島崎楼広間の場第一場から舞台は廻って、島崎楼の広間の賑やかな様子。尾花屋女房おくら(魁春)が控える中、四ツ車大八(右團次)らお抱えの力士を連れた江戸留守居役の葉山九郎次(家橘)と、三池八右衛門(齊入)が島崎抱えのおさき(廣松)らを相手に賑やかに遊んでいる。宴が盛り上がる頃、酒に酔って踊っていた力士の勇野初右衛門(蝶十郎)と荒浪亀之助(左升)が障子を倒してしまう。その隣の座敷に居た、め組の鳶の柴井町藤松(九團次)は、最前からの騒ぎに腹を据え兼ねていて、座敷に押しかけると四ツ車(右團次)たちが、詫びるまでは帰らないと啖呵を切る。これをおくら(魁春)が、取り成そうとするも、藤松(九團次)は、耳を貸さない。その上、亀右衛門(左升)や、長次郎(右左次)が加勢するので喧嘩となってしまう。そこへ、め組の頭の浜松町辰五郎(團十郎)が割り入るが、喧嘩の相手が、出入りの屋敷の八右衛門(齊入)の一行と知って丁重に詫びる。そして、藤松たちを嗜めてこの場を収めた辰五郎(團十郎)は、四ツ車に向かい、八右衛門たちの顔を立てるために詫びたのであり、また、今度の春角力(はるすもう)が行われる芝神明社は、め組の持ち場故人気力士の面目に傷が付いてはいけないと思って止めたのだと告げる。すると、九郎次が呼び止め、屋敷の抱え力士と鳶とは身分が違うと嫌味を言う。これには辰五郎も腹をたて、鳶も力士も同じ人間と言って反論する。そんな双方の間をおくらが取り持ち、辰五郎は怒りを抑えてその場を立ち去る序幕 第三場 八ツ山下の場・・・へつづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.25
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歌舞伎座七月大歌舞伎「め組の喧嘩」は、成田屋さんが演じていますお話の舞台になった芝神明社へ行って来ましため組が奉納した大きな狛犬が迎えてくれましため組「浜松町辰五郎」は(一三代目團十郎)【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作序幕 第一場 島崎楼店先の場序幕 第二場 島崎楼広間の場序幕 第三場 八ツ山下の場 ・・・あらすじ・・・序幕 第一場 島崎楼店先の場舞台の幕が開くと・・・ここは、品川の遊廓「島崎楼」新年を祝う獅子舞が威勢よく繰り込むなど、賑やかな様子。若い者の左助(菊伸)が、芸者のおせん(芝のぶ)や、おなべ(春之助)に、尾花屋の客の座敷へ行くよう声をかけているところへやって来たのは、町火消め組の鳶の露月町亀右衛門(市蔵)と宇多川町長次郎(右左次・名題昇進)。ふたりとも大層酒に酔った様子だが、め組の頭の辰五郎(團十郎)が、この島崎楼で遊んでいると聞きつけ、迎えにかこつけて自分たちも遊んでやろうという算段。ふたりは足元もおぼつかないままに、店の者に座敷へ案内させる。・・・・第二場「島崎楼広間の場」へつづく・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.24
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東京歌舞伎座の七月大歌舞伎【夜の部】は、成田屋さんです今回は、13代目、ぼたんちゃん、新之助君も出ています。歌舞伎座新開場十周年『七月大歌舞伎』【夜の部】 かみのめぐみわごうのとりくみ二、神明恵和合取組 めぐみのけんか め組の喧嘩 四幕 竹柴其水 作『神明恵和合取組』は・・・明治23年(1890年)三月、新富座で初演されました。作者の竹柴其水(きすい)は、河竹黙阿弥の高弟で、本作は、其水の代表作である文化2年(1805年)に芝神明社の境内で実際に起こった鳶と力士の喧嘩を素材にしており、『め組の喧嘩』の通称で、知られる全四幕の世話物です。江戸庶民の人気の対象であった鳶と力士の生活や、心意気が生き生きと描写され、“火事と喧嘩は江戸の花” と言われる江戸情緒の味わいに満ちた作品です序幕の「島崎楼」では・・・品川宿の遊廓の正月風情が溢れる中、鳶と力士の喧嘩の発端が描かれており、傲然とした力士と、喧嘩っ早い江戸っ子気質の鳶との対比が眼目です仲裁に入る鳶頭の辰五郎は、粋で鯔背な江戸っ子の代表であり、頭としての貫目と侠気の魅力溢れる役どころ。その辰五郎が、侍や力士に見下された悔しさに耐える心情を、引っ込みの内に描き出します。続く「八ッ山下」で、遺恨を晴らすため、辰五郎が力士の四ッ車大八を襲う件は、暗闇の中で互いが探り合う“世話だんまり”となっています。二幕目の「芝居前」では・・・宮地芝居の賑わいを背景に、鳶と力士との二度目の達引が描かれます。辰五郎と力士たちとの間に交わされる七五調の台詞が聞きどころです。三幕目の「喜三郎内」では・・・力士への仕返しを心に決めた辰五郎と、辰五郎を案じて意見する兄貴分の焚出し喜三郎とのやり取りが描かれます。そして、「辰五郎内」では・・・辰五郎の苦悩と、夫婦、親子の姿が、竹本を巧みに用いて繊細に描かれます。やがて、本心を明かす辰五郎の心情と決意、女房のお仲、息子の又八との別れの場面がこの作品の山場となります。大詰では・・・火事場装束を身に纏った鳶が勢揃いし、力士との大立ち廻りが展開されます。梯子を使った身のこなしや、迫力ある喧嘩の様子は、本作ならではの見どころです。そして、激しく争う鳶と力士の間に喜三郎が割って入り、大団円を迎えます。粋な江戸風俗を巧みに取り入れた世話物の名作をお楽しみましょう(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.23
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歌舞伎座七月大歌舞伎【夜の部】最初の演目は、神霊矢口渡ですどんなお話なのでしょうか? 一番右ですしんれいやぐちのわたし『神霊矢口渡』・・・あらすじ・・・時は南北朝時代。南朝方の勇将新田義興は、朝敵である足利尊氏討伐の勅命を受け、武蔵野の戦いへ出陣した。そして、獅子奮迅の働きを見せた義興だったが、家臣の竹沢監物(けんもつ)の謀(はかりごと)により、矢口の渡しで敢えなく落命したここは、矢口の渡し守りで、渡し守をしている頓兵衛の家この家の主の頓兵衛こそ、監物の謀に加担し、六郷川を渡ろうとした義興を、船底をくり貫いた舟に乗せ命を奪った張本人。この働きにより頓兵衛は、大枚の褒美を賜り、渡し守りには不釣り合いな豪奢な家で暮らしている。折りしもそこへ、義興の弟である新田義峯(九團次)とその恋人の傾城うてな(廣松)がやって来る。ふたりは、義興の最期の地である矢口の渡しで、義興の菩提を弔った後、新田家の本領である新田の庄を目指している。だが日が暮れると渡し舟を出すことができない掟のため、ふたりは頓兵衛の家に一夜の宿を乞う。すると中から、頓兵衛のひとり娘のお舟(児太郎)が現れこの家は宿屋ではないと、つれなく断る。しかし是非にと頼む義峯の姿を見たお舟は、義峯に一目惚れ喜んでふたりを我が家に泊めることにし、一間へ案内する。お舟が、連れの素性を機にするところへ、義峯が現れ、癪(しゃく)を起こしたうてなのために、白湯を所望する。そこでお舟は、白湯の用意をしながら義峯に、うてなのことを尋ねる。すると義峯は、妹だと言い繕う。これを聞いて安心したお舟は、自らの恋心を明かし、義峯へ心の丈をかき口説くお舟の思いにほだされた義峯が、お舟の手を取ると不思議なことに義峯とお舟は、気絶してしまう。 うてな 義峯中央の赤い着物がお舟 下は父の頓兵衛ここへ奥からうてなが現れ、ふたりの様子を見て驚くうてなは、お舟の色香に迷った義峯の心の穢(けが)れを、義峯の所持する新田家の御旗が咎(とが)めたのであろうと推量し、義峯の懐中から御旗を取り出す。そして、御旗を開くと、義峯とお舟は気を取り戻す。今の奇跡的な出来事から、この家の様子を怪しむ義峯は、何か仔細があろうと、うてなと共に奥へと立ち去る。この様子を窺っていた下男の六蔵は、新田の御旗を所持することから、旅人が義峯であることを覚り、この事を監物に訴人する事を止めて、自らの手で義峯を捕らえようとする。これに気付いたお舟は、かねてからの六蔵の望み通りに妻となるので、義峯のことは、頓兵衛と相談の上で決めてほしいと訴える。思いもかけないお舟の言葉に驚きながらも、にやけた表情の六蔵は、頓兵衛の許へと向かい、ひとり残ったお舟は思案に暮れる。時刻は移って、その日の夜六蔵から義峯のことを聞いた頓兵衛(男女蔵)が姿を現し六蔵に表の見張りを命じると義峯の命を奪おうと我が家へ忍び入る。やがて頓兵衛は、義峯の休む座敷の下から刀で突き刺すものの、座敷にいたのは・・・義峯ではなくお舟であったお舟が兄の仇の娘と知った義峯は、頓兵衛と異なる心を見せれば、お舟と来世こそは夫婦になろうと約束。これに応えるためにお舟は、夜陰に紛れて義峯たちを密かに落ち延びさせ、義峯の身代わりとなったのである。しかし、強欲な頓兵衛は、お舟の諌(いさ)めの言葉に耳を貸さず、義峯を取り囲む合図ののろしを上げて、義峯の後を追って行く。虫の息となったお舟は、義峯を救おうと、落人(おちうど)を生け捕った合図に鳴らす太鼓を打ち、囲みを解こうとする。これに気付いた六蔵が、お舟を遮るが、お舟は六蔵に一太刀浴びせ、太鼓を打ち鳴らす。(この時、私の前の外国人たちが大拍手)一方、頓兵衛は、舟を漕ぎ出し義峯の後を追おうとするが、一筋の矢が頓兵衛の喉を貫く、この矢こそ、頓兵衛に惨殺された義興の霊が放った恨みの一念による矢であったのだ。・・・おしまい・・・二、め組の喧嘩に・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.22
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歌舞伎座新開場十周年七月大歌舞伎に「昼の部」&「夜の部」にも行って来ました東京「歌舞伎座」2032年7月7日(金)夜の部梅雨のはずが・・・夕方なのに猛暑でした【主な出演者】左上傾うてな「廣松さん」、右上新田義峯「九團次さん」中央の赤い着物娘のお舟「児太郎さん」下渡し守の頓兵衛「男女蔵さん」浄瑠璃 竹本翔太夫三味線 鶴澤 薫浄瑠璃 竹本愛太夫三味線 鶴澤 繁二時は、南北朝時代、南朝方の勇将新田義興は、朝敵である足利尊氏討伐の勅命を受け、武蔵野の戦いへ出陣した。そして、獅子奮迅の働きを見せた義興だったが、家臣の竹沢監物(けんもつ)の謀(はかりごと)により、矢口の渡しで敢えなく落命したちょっと待ってくださいよ!!南北朝時代(なんぼくちょうじだい)・・・とは?1336年〜1392年、56年間。足利尊氏が武士の地位が下がっていくことを危惧し、次の天皇を光明天皇とし「室町幕府」を樹立。これに対抗した後醍醐天皇は、京都を抜け出し、奈良の吉野へ行き「南朝」を開く。京都の「北朝」と吉野の「南朝」が並立することになる。それぞれが正当性を主張して衝突!!全国の武士たちが「北朝」と「南朝」に分かれ、激しい戦乱が起きます。・・・そんな時代のお話です・・・舞台の花道には、二人連れ・・・イケメンと美女がどんな関係が・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.21
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歌舞伎座新開場十周年「七月大歌舞伎」一、夜の部・・・最初の演目です7月7日観覧しました東京「歌舞伎座」にて「神霊矢口渡」は、一番右です→ね七月大歌舞伎 7月3日〜7月28日福内鬼外 作しんれいやぐちのわたし『神霊矢口渡』 一幕『神霊矢口渡』は・・・明和7年(1770年)正月、江戸外記坐(げきざ)で、初演された全五段の時代浄瑠璃です。作者の福内鬼外は・・・電気を起こすエレキテルの復元で知られ、本草学者、蘭学者としても、優れた功績を残した平賀源内です。源内は・・・この名で八編の浄瑠璃を書いており、本作は、その代表作と言えます。鎌倉幕府滅亡から南北朝時代を描いた軍記物語「太平記」を素材に、新田義貞の一族を扱ったもので、新田義興(よしおき)が、矢口の渡しで戦死した後、遺子徳寿丸を守り育てる苦心と、義興の弟義峯を巡る悲劇を中心に描かれています。この物語の内、「頓兵衛住家」は・・・四段目の切にあたあたり、単独での上演を重ねています。どんな・・・お話?このお話は、歌謡曲で有名な矢切の渡ではなく「矢口」なので間違えないように物語は・・・「義峯」と恋人の「うてな」が、義興を死に追いやった渡し守の「頓兵衛」の家へ、そうとは知らず、一夜の宿を求めにやって来るところから始まります。前半は、頓兵衞の娘「お舟」が、義峯の姿を一目見た途端に喜んで宿を貸すことにし、白湯を沸かしながら、義峯をかき口説く“クドキ”がみどころですこの件(くだり)の詞章には、「右よ左とつけ廻す 琥珀の塵や磁石の針」という、化学に通説した源内らしい表現が、用いられています。後半の見せ場・・・とは?義峯の命を奪おうとする頓兵衞と、義峯の身代わりとなったお舟との立ち廻りや、頓兵衞の鳴鍔(なりつば)を鳴らしながらの“蜘蛛手蛸足”(くもてたこあし)の引っ込みなど、見せ場が続きます。お舟は・・・恋と孝との板挟みで苦しんだ挙句、父親の手に掛かるという、義太夫狂言では、数多く扱われる恋に身を焼く娘の役柄です。前述のクドキに始まり、手負の様子や、報せの太鼓を打つ終段まで、娘の情熱を哀れ深く表しています。一方、頓兵衞の人物像は・・・結末に至っても善人に戻ることなく、徹底して極悪非道の人物として描かれているところに大きな特徴があります。原作では、端敵的な役柄でしたが、七世市川團十郎が、独自の工夫で加えて演じて以降、今日のような大役となりました。幕切れに向かい、廻り舞台を使って効果的に川を表現する演出も見どころです。義太夫狂言の名作をご覧ください(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.20
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歌舞伎座の昼の部は11時の開演でした〜2023年7月15日(土)観覧です東京・東銀座『歌舞伎座前』歌舞伎座新開場十周年七月大歌舞伎昼の部(11時開演)三代猿之助四十八撰通し狂言きくのえんつきのしらなみ菊宴月白浪忠臣蔵後日譚市川中車 両宙乗り相勤め申し候序幕 甘縄禅覚寺の場より大詰 専蔵寺大屋根の場まで大詰 第一場 本所石原町石屋の場第二場 牛の御前祭礼の場第三場 専蔵寺大屋根の場・・・最後です 浅草の浅草寺のこと舞台いっぱいに浅草寺の大屋根が広がって迫力満点です。舞台下手(花道側)から凧に乗った澤瀉屋(中車)さんは、花道の上高く凧に乗って空を飛びます。それは、3階席の上へと消えるので、今回のお芝居は3階席がお勧めです。そして、上手側の3階から凧に乗って現れ、3階席の目の前から飛んで舞台へと中乗りします。3階A席の中央より少し右側の席だった私は、中車さんの額にある小さな汗の一粒まで、はっきり確認できました・・・あらすじ・・・大詰 第三場 専蔵寺大屋根の場専蔵寺の大屋根に逃れた直助(歌之助)であったが、星五郎(中車)が大凧に乗って追って来るのに気づくと、星五郎から奪った一巻を用いて、大凧を落とそうとする。ああああ・・・っ。中車さんが凧から落ちたきゃ〜嘘でしょ?凧に乗っている場所が、あまりにも危うい場所だと目の前で見ていた私。すると星五郎(中車さん)は、傘を開いて大屋根へと降り立つ。傘を広げえた途端、もう1本のロープが付いていて、傘を見事に広げたので・・・大笑いこれが、澤瀉屋さんの宙乗りなんですね。こうしてふたりが互いに斬り結ぶところへ、おかるも現れて直助を討ち取り、各々の恨みを晴らすのであった。大屋根にあった瓦屋根をどんどん投げ合う楽しさお客さんの方まで瓦が飛んできます。舞台いっぱいの大屋根なのですごい迫力でした。澤瀉屋さん皆さんが力を合わせて作り上げた舞台。もう〜本当に素敵でした。おすすめは、3階席!!ははは、それは私の好みです。・・・昼の部おわり・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.19
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また歌舞伎座へ行ってきました〜おばあちゃんへのお土産を買いましたレーズンサンドと金平糖DENHI BRAN 電気ブラン レーズンサンド浅草のお菓子で・・・お芝居との関係は?このお祭りが浅草の浅草寺のお祭りなので、売店で売ってたのかしら?【昼の部】11時開演 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作大詰 第一場 本所石原町石屋の場第二場 牛の御前祭礼の場・・・ここから第三場 専蔵寺大屋根の場お話は、浅草の浅草寺の大屋根だそうです。・・・あらすじ・・・大詰 第二場 牛の御前祭礼の場今日は牛の御前祭礼の日。その祭礼の一番の見どころになるよう用意された大凧を、一文字屋お六(笑三郎)たちが見物している。ここへ忍び姿でやって来た石堂数馬之助(門の助)に向かい、縫之助(種之助)は、星五郎(中車)によって取り戻した花筐の短刀(はなかたみのたんとう)を手に渡すこうして塩谷家は、お家再興を許され、縫之助らは喜び合う折からそこへ直助(歌之助)を追った星五郎ら暁組一党がやって来るが、星五郎が捕手に取り囲まれる隙を窺い、直助は、星五郎が所持する一巻を奪い、その秘術を駆使して専蔵寺の大屋根へと逃れてしまう。すると、星五郎は、世話人の寿作(寿猿)らに許しを乞い、大凧に乗って直助を追って行く。大凧は、舞台の花道側から中車さんが乗り、宙吊りになって3階席の観客の上まで飛びます。今回のお芝居では、3階席のチケットが一番最初に売り切りました。それは、澤瀉屋さんの宙乗りを一番近くで見たいから・・・ふふふっ。私も初めて歌舞伎座の3階席のチケットを買いましたもう、残り少なくて驚きました。「大詰」第二場 牛の御前祭礼の場・・・おわり第三場 専蔵寺大屋根の場・・・へつづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.18
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地下鉄「東銀座」で下車するとそのまま歌舞伎座の地下1階入口に売っている先週、買いそびれたものですが・・・15日に買いました。大詰の前の20分休憩の時食べましたよ〜めっちゃ美味しかったちゅうしんぐら「せっぷくもなか」忠臣蔵「切腹最中」そうです〜今回のお話は・・・忠臣蔵で四十七士が切腹し、その一周忌のお墓参りのシーンからはじまりまたね。主役は、写真右下「市川中車」さんです。歌舞伎座新開場十周年 七月大歌舞伎【昼の部】11時開演 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作大詰 第一場 本所石原町石屋の場・・・今日はここ第二場 牛の御前祭礼の場第三場 専蔵寺大屋根の場・・・あらすじ・・・大詰 第一場 本所石原町石屋の場おかると仮の夫婦となった権兵衛は、本所石原町で石屋を営んでいる。そんな権兵衛とおかるが、一緒に寝ないことをからかう丁稚の伊吾(玉太郎)をおかるが窘(たしな)めている。そこへ、姿を現したのは、先頃この家へ飯炊きとして雇われた直助(歌之助)である。塩谷家に奉公していた頃から、おかるに心を寄せていたと語る直助は、出先から戻った権兵衛に向かい、おかるを自分の女房に貰いたいと申し出る。これに対して、五十両の金を出すならばおかるを譲ると応える権兵衛。すると直助は、五十両が入った縞縮緬(しまちりめん)の財布を渡すそれを見た権兵衛は、与一兵衛を殺害したのが直助であり、さらには、人相書を証拠に加古川殺しの下手人に違いないと問い詰める。そして、権兵衛は、直助が加古川を手に掛けて立ち去る際に手に入れた守り袋を出し、さらに直助に詰問する。すると、直助は自らの素性を打ち明け、主筋の身の上を盾に権兵衛に迫るので、権兵衛は返す言葉を失う。暁星五郎(中車)そうした中、星五郎が家の内へと忍び込み、これをおかるが見咎める。一方、おかるが頭に挿した笄を見た星五郎は、その片割れの笄を取り出す。実は・・・おかるが操を立てた相手は、星五郎だったのだ思いも寄らぬ再会を遂げたふたりは、互いの素性を打ち明ける。ここへ権兵衛が現れ、取り出した星五郎が盗んだ管家の正筆を渡すようにと迫り、元は、高野の館に所縁あることから直助に加担すると告げる。こうして、ふたりが言い争う中、花筐の短刀を、星五郎が箱の中から取り出していると、菅家の正筆を取り落としてしまう。権兵衛は、これを拾うと2階で、この場の様子を窺っていた直助へと投げ渡すこれを受け取った直助が去るのを、伊吾が追って行く実は・・・伊吾は星五郎の手下であった。一方、星五郎と権兵衛は斬り結ぶ。おかるが間に入って止めようとするも聞き入れず、激しく争うのだが、やがて権兵衛は槍先のようになった竹を我が腹に突きたて深傷を負う。止めを刺そうとする星五郎に対し、権兵衛は、自分が星五郎の双子の兄であると素性を打ち明ける。そして、直助となった与五郎が、与一兵衛を手に掛けた証拠となる財布また、直助が高野家を相続するために無くてはならない守り袋を星五郎に託すと、息絶えるのであった・・・「大詰」第一場は、おわり・・・「大詰」第二場となりまするドキドキ(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.17
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2023年7月15日(土)歌舞伎座【昼の部】に行ってきましたよ!良かったです〜澤瀉屋さんさすがです先週は【夜の部】成田屋さんに行った時に買ったのは、浴衣の生地(手ぬぐい扇子)でできているのです。おもだかや澤瀉屋さんの「三つ猿紋」です歌舞伎座にしては・・・お値段も1100円とリーズナブルせっかく、澤瀉屋さんの歌舞伎を観るなら「三つ猿紋」が良いですよね市川猿之助さんが、舞台で小道具として登場する紋です。歌舞伎に行くと、紋を見つける楽しみもありますそれでは、澤瀉屋さんの歌舞伎のお話・・・続きです。歌舞伎座新開場十周年「歌舞伎座七月大歌舞伎」【昼の部】 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作二幕目第一場 浅草新鳥越借家の場第二場 三囲堤の場第三場 小名木川隠れ家の場第四場 両国柳橋の場・・・・今日は、ここです ・・・あらすじ・・・二幕目 第四場 両国柳橋の場所は変わり、両国柳橋へ駆けて来たのは、角兵衛獅子の猪之松(竹松)。星五郎を捕らえるための捕り物があるとの噂を聞いた猪之松は、今宵は、両国の花火が打ち上げられるので、その花火の光に照らされ、星五郎も逃げることができないだろうと言ってその場を去って行く花火は、舞台奥のスクリーンに大きくドド〜ン!ドド〜ン!と上がりました感動です良いですね〜澤瀉屋さんらしい演出その猪之松の言葉通り、花火が打ち上げられる中、大勢の捕手に星五郎は囲まれるが、そこへ、加古川の亡霊が現れ星五郎を加護してその場を逃すのであった・・・第二幕は・・・おわり・・・「大詰」クライマクスとなりまするドキドキ猛暑でしたが・・・歌舞伎座は、ちょうど良い空調です。めっちゃ〜幸せな気持ち歌舞伎がこんなに幸せな気分にさせてくれるって澤瀉屋さんありがとうございます(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.16
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東京「歌舞伎座」に行くと見事な新しい緞帳が・・・ぼたんが咲き誇って伊藤園の金文字が、 ふうきかきょうえんず「富貴花競苑図」歌舞伎座新開場十周年「歌舞伎座七月大歌舞伎」【昼の部】 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作二幕目第一場 浅草新鳥越借家の場第二場 三囲堤の場第三場 小名木川隠れ家の場・・・ここから第四場 両国柳橋の場 ・・・あらすじ・・・二幕目 第三場小名木川隠れ家の場ここは、小名木川の近くにある諸芸指南の遊芸師匠が住む家。手習をする娘たちが近頃、市中を騒がす盗賊の暁星五郎の噂をしている。素性を隠して住む隠れ家その星五郎は、権兵衛に肩先を斬られた縫之助を助けて匿っているのだが、その傷を治すには、二十両の薬が要るとのこと。その上、その薬は、辰の年月が揃った生まれの者の血汐で服用しなければならないという。その話を聞いた貞九郎は、妻の加古川が、辰の年月の揃った生まれであることを思い出すのだが、その行方が知れず、思案に耽る。一方、消えた死骸を探す罪人たちが、この家を怪しみ窺(うかが)っている。そうした中、家の門口へとやって来たのは、加古川である。これを招き入れた星五郎は、縫之助に勘当を許されたので、晴れて夫婦になれると告げる。そして加古川が、辰の年月が揃った生まれであることを確認し、夫婦固めの盃を交わすと、いきなり加古川に斬り掛かる。しかし、加古川はかき消すように姿を消してしまう。その様子を星五郎が訝(いぶか)しむところに、再び加古川が姿を現して、与五郎に殺害された経緯と与五郎の素性を語る。そして、自分の身体を役立ててほしいと願うところへ、その死骸が流れ着く。星五郎は、その言葉に従って加古川の胸元から血汐を柄杓に受けると、加古川の亡霊と死骸は共に消え去るその様子を窺い、星五郎に打ち掛ろうとする非人たちを小源太らが阻む中、手に入れた薬を加古川の血潮で服用させると、縫之助は忽(たちま)ちに本復する。折から、ここへ捕手たちが現れるが、星五郎たちは、これをあしらい、その場を去ってゆくのであった二幕目 第三場小名木川隠れ家の場・・・おわり二幕目最後の 第四場 両国柳橋の場・・・につづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.15
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お話は、だんだんサスペンスのようになって来ましたね〜ドキドキあらすじを続けます。東京「歌舞伎座」1階観覧席の様子(2023年7月)歌舞伎座七月大歌舞伎 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作二幕目第一場 浅草新鳥越借家の場第二場 三囲堤の場・・・・ここから第三場 小名木川隠れ家の場第四場 両国柳橋の場・・・あらすじ・・・二幕目 第二場 三囲堤の場夜の隅田川沿いの三囲堤。ここにやって来たのは・・・花筐の短刀(はなかたみのたんとう)をはじめ、加古川や与五郎の行方が分からなくなり、女伊達の金笄のおかるの世話で、今は芸者となった浮橋と、三味線の箱持ちとなった縫之助である。おかるが来るのを待つふたりの後からやって来たのは、おかるの財布を盗み出した父親の与一兵衛である。その与一兵衛に声をかけたのは、今では直助と名乗る与五郎で、与一兵衛が持つ財布を奪おうとする。ふたりが争う内、直助は与一兵衛を締め殺して財布を奪う。そこへやって来たのは、浮橋と兄の仏権兵衛だが、突然、権兵衛が浮橋を斬り付ける。高野家の家臣である板垣伴内の息子として育った権兵衛は、敵方である縫之助と恋仲となりその胤(たね)を宿した浮橋を、主家への忠義のため手に掛けようとしているのだ。さらには、そこへ駆け付けた縫之助の肩先を斬りつけ、その弾みで縫之助は、川の中へと落ちてしまう。一方、浮橋は苦しい息の中、権兵衛が実は、塩谷家中の斧九郎兵衛の双子の息子の片割れだと告げ、息絶える。自らの素性を知った権兵衛が、浮橋の市街を川に沈めてその場を立ち去ろうとするところへ、金笄のおかる(壱太郎)が現れ父親の死骸に気付き悲嘆に暮れる。その様子を見た権兵衛は、以前からおかるに心を寄せていることから、おかるに女房になってほしいと告げ、その代わりに親の仇を討つための助太刀をすると語る。これに対しておかるは、塩谷家に奉公していた折に出会った相手に心を寄せており、また会う時の印に貰った笄を挿して、相手へ操を立てていると、権兵衛の願い出を拒む。その話に心打たれた権兵衛は、上辺ばかりの夫婦になり、与一兵衛の仇討ちの助太刀をしたいと願う。これには、おかるも抗うことは出来ず、権兵衛の願いを聞き届けるのであった。一方、同じ三囲堤では、芸者屋一文字屋のお六(笑三郎)が抱の芸者たちである浮橋の行方を捜すのであった。二幕目 第二場 三囲堤の場・・・おわりいよいよ第三場 小名木川隠れ家の場へ・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.14
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歌舞伎座にも多くの外国人が押し寄せるようになりましたね〜さてお話は、二幕目です。東京・東銀座『歌舞伎座』歌舞伎座七月大歌舞伎 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作二幕目第一場 浅草新鳥越借家の場・・・ここから第二場 三囲堤の場第三場 小名木川隠れ家の場第四場 両国柳橋の場二幕目 第一場 浅草新鳥越借家の場斧家に仕えていた与五郎は、定九郎の妻で、今は、病床に伏している加古川(笑也)の世話をしながら、浅草新鳥超の借家に住んでいた。そこへ、浮橋が加古川の見舞いに訪れる。そんな浮橋に向かい、縫之助のことを思い切ってほしいと願う加古川。それというのも、紛失した花筐の短刀の詮議もままならぬ縫之助に対する「放埒者」という世間の誹(そし)りを免れたいという考えからであった。しかし、浮橋が容易に納得するはずがなく、傍らの与五郎が差した刀を抜いて自害しようとする。ところが、その刀が行方の知れぬ花筐の短刀であることが明らかになり、与五郎は、禅覚寺で六太夫が、自分の刀と宝の刀を掏り替えたのであろうと推測する。折からここへ、与五郎が洗濯物を頼んでいたおとらがやって来る。そして、与五郎から預かった洗濯物の袂(たもと)の中に桐唐草の錦で出来た守り袋があったことから、与五郎は、高野師直の御落胤であると告げ、盗まれた菅家の正筆を探し出し、御家再興をするように促す。おとらの話を聞いても、初めは取り合わぬ与五郎であったが、忠義を尽くして世を送るのも、大名になって暮らすのも同じ一生と思案し、花筐の短刀を携えて家を出ようとする。そして、これを見咎めた加古川を手に掛け、その死骸を川へ流そうと布団にくるむところへ、門口へとやって来たのは、仏権兵衛(猿弥)そして、提灯の火を借りようとする権兵衛の声を聞いた与五郎が行燈の火を吹き消すので、辺りは暗闇に包まれる。これを不審に思う権兵衛は、すれ違いざまに、与五郎の腰の守り袋を抜き取るのであった。・・・二幕目 第二場 三囲堤の場・・・につづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.13
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「きくのえんつきのしろなみ」は、忠臣蔵から忍者のお話に変わって来て面白くなります七月大歌舞伎東京:日本橋「歌舞伎座」にて7月7日撮影歌舞伎座七月大歌舞伎 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作序幕 第一場 甘縄禅覚寺の場第二場 伊皿子町九郎兵衛浪宅の場第三場 山名館の場・・・・・ここから斧定九郎(中車さん)は暁星五郎と名前を変えました序幕 第三場 山名館の場降り頻る雪の中山名館へ押し寄せたのは、暁星五郎となった定九郎に従う小源太ら元塩谷の家臣たち。館に討ち入った面々は、北村内膳ら山名の家臣と激しく渡り合う。こうした中、山名が携えた管家の正筆を包んだ袱紗(ふくさ)が、宙へと舞い上がる。これは・・・家伝来の忍びの一巻を手に入れた定九郎が、会得した妖術によるものであった。山名を討ち取り、宝を手に入れた定九郎は、悠然とその場を去るのであった。序幕 第三場 山名館の場・・・【幕】・・・二幕へつづく・・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.12
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歌舞伎座7月大歌舞伎「昼の部」第一場を昨日ご紹介してかなり面白い第二場につづきましょう〜東京銀座:歌舞伎座歌舞伎座七月大歌舞伎 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作序幕 第一場 甘縄禅覚寺の場第二場 伊皿子町九郎兵衛浪宅の場第三場 山名館の場斧定九郎役中車さん第二場 伊皿子町九郎兵衛浪宅の場・・・あらすじ・・・さて、伊皿子町の九郎兵衛の浪宅を定九郎(中車)が訪れると、毛利小源太(中村福之助)たち塩谷家の浪人が集まって酒宴の最中。その様子を見た定九郎は、大星たちの一周忌に酒を飲み、酒肴(しゅこう)の蛸を食べようとする斧定九郎兵衛(浅野和之)を諌(いさ)める。折からそこへ、上使として師泰と六太夫が現れると、水裃(みずかみしも=水色の裃:武士が切腹の時に着た)の死装束姿となった定九郎が、切腹の座に座に臨む。すると、九郎兵衛は、畳が血で汚れては迷惑だと言い、古畳みを運ばせて、その上に大風呂敷を敷かせるなどし、定九郎に「尋常の最期を致せ」と迫る。すると、定九郎は一刀の下に師泰と六太夫を斬り下げる。そして、九郎兵衛に対し、師泰を討ったのは、高野家の再興を阻むという仇討ちに劣らぬ手柄となり、これを行ったのが九郎兵衛であると言って切腹すれば、「不義士」の汚名を雪ぐことが出来ると語る。これに対して、仇討ちに加わらなかったのは、万が一、亡君の仇である師直を討ち漏らした時のことを考え、大星と相談の上、後詰の役を引き受けたという真実を明かした九郎兵衛は、大星ら四十七士が見事に本懐を遂げたので、自らの出番が無くなり、不義士の汚名を受けて、法埒(ほうらち)を尽くしていていたという経緯を語る。さらに、定九郎には双子の兄がおり、高野家の家臣板垣坂伴内の養子としたが、子供の頃に行方知れずになっていると語り、もし巡り会った折には、今の経緯を伝えてほしいと願う。父の本心と双子の兄の存在を聞いた定九郎は、紛失した宝の花筐(はなかたみ)の短刀の詮議と、高野家の重宝の菅谷の正筆を奪い取るために盗賊となることを決意し、亡君の尊霊に恥辱を与えないために名を変えようと考える。と、俄に(にわかに)空に五星が輝く。これを見た定九郎は、「暁星五郎」と名を変えて、塩谷家再興を志すこと告げる。その言葉を聞いた九郎兵衛は、傍らの松の木についた蜂の巣に隠していた斧家に伝わる忍びの一巻を与えると、自らの腹へ刀を突き立てる。これを見届けた定九郎は、山名の館へと向かう・・・・ううう面白くなって来ました第三場 山名館の場へ・・・つづく(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.11
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東京・歌舞伎座で上演中の市川猿之助さんの休演で市川中車さんが演じることとなった歌舞伎のあらすじです東京:歌舞伎座にて歌舞伎座七月大歌舞伎 きくのえんつきのしろなみ『菊宴月白浪』四世:鶴屋南北作序幕 第一場 甘縄禅覚寺の場第二場 伊皿子町九郎兵衛浪宅の場第三場 山名館の場・・・あらすじ・・・序幕 第一場 甘縄禅覚寺の場ここは、甘縄禅覚寺にある塩谷判官とその仇討ちを果たした大星由良之助以下、四十七士の墓前。大星たちが仇である高野師直を討ち、切腹を命じられて一年が経った。幕府の重臣である石堂数馬之助(門之助)、山名次郎左衛門(由次郎)、塩谷判官の弟の塩谷縫之助(種の助)、山名の実子で師直の養子となった高野師泰(青虎)が、一同に会し、塩谷家の家宝である花筐(はなかたみ)の短刀、高野家の重宝の管家(かんけ)の正筆(しょうひつ)を将軍家に献上することを条件に、両家の再興が許されることになった。そうした中、ここへやって来たのは、腰元の浮橋(男虎)。浮橋は縫之助と恋仲になりその胤(たね)を宿しているが、高野家の家臣垣坂伴内の娘であったため、縫之助と逢うことはままならなかった。ふたりが暫しの逢瀬を楽しもうとその場を立ち去ると、塩谷家の家老であった斧家に仕えた下部与五郎(歌之助)が現れる。さらに高野家の家臣の種ヶ島六太夫が姿を現し、縫之助が亡兄の墓前に供えた花筐の短刀(はなかたみのたんとう)を盗もうとする。これを与五郎が見咎めて争うところへ現れたのは、元塩谷家家老の斧九郎兵衛の息子の斧定九郎(中車)。定九郎は、桃井家の娘の加古川と恋仲となりその不義の罪により家を勘当された身の上であった。やがて、献上の二品の検分が行われるが、花筐の短刀が、鈍刀(なまくら)に摺り替えられていたことから、その申し訳に縫之助は、切腹をしようとする。すると、以前から勘当を許される機会を窺(うかが)っていた定九郎は、亡君の仇討ちに参加せず、「不義士」と呼ばれるようになった父の九郎兵衛の汚名を雪ぐ(そそぐ)ことにもなると考え、縫之助の身代わりとなって切腹すると申し出る。その訴えが聞き届けられ、定九郎は、父の浪宅で切腹することになる。・・・序幕 第二場につづく・・・(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.10
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市川中車さんが演じることになった「菊宴月白浪」について更に予備知識を深めてみましょう〜15日観覧予定東京:歌舞伎座 七月大歌舞伎撮影:2023年7月7日(金)きくのえんつきしらなみ『菊宴月浪』・・・見どころとは?『菊宴月浪』は・・・歌舞伎の三大名作のひとつである『仮名手本忠臣蔵』の書替狂言として、文政4年(1821年)9月、河原崎座で、三世尾上菊五郎の斧定九郎、二世関三十郎の仏権兵衛、初世嵐冠十郎の与五郎、三世市川門之助の金笄のおかる等の与五郎の役で、初演されました。“大南北”と呼ばれる四世鶴屋南北による全11段の本作は・・・『忠臣蔵』では悪人である斧定九郎が、塩谷家再興に尽力するために盗賊暁星五郎となる大忠臣蔵として描かれているのが特徴です。物語は・・・大星由良之助(史実での大石蔵之介)ら四十七士が、塩谷半官(浅野内匠頭)の恨みを晴らすために高野師直(吉良上野介)を討った後に切腹、その一周忌を迎え、改易となっていた塩谷、高野両家の御家再興が取り沙汰される「禅覚寺」の場面から始まります。作中では・・・『忠臣蔵』の大序の鶴岡八幡社頭を、この甘縄禅覚寺の義士たちの墓前に置き換えた上、“兜改め”ならぬ“宝改め”にするのをはじめ、『忠臣蔵』の各場面のパロディが織り交ぜられています。その他、「九郎兵衛閑居」は、4段目の「半官切腹」や2段目の「松切り」、さらには『忠臣蔵』の全11段の各々の裏に書き替え狂言や新作を加えて22場とした『裏表忠臣蔵』にある「蜂の巣」の件を取り入れたり、また「両国橋」では、5段目の鉄砲と猪(二つ玉)の代わりに花火と角兵獅子を出すなど、南北らしい巧みな技巧と楽しい趣向をちりばめているのが魅力のひとつです。初演時に大評判となりながら・・・以降、再演の機会を得ていませんでしたが、昭和59年(1984年)10月、歌舞伎座で三代目市川猿之助(現:猿翁)が復活上演し、大きな話題を集めました。花道上を大凧に乗り、さらには、傘を差して本舞台へ戻るという大掛かりな、“両宙乗り”をはじめ、大屋根での立ち廻りや花火など、スペクタル満載な作品に仕立てられ、二度の再演を経て「三代猿之助四十八撰」のひとつに加えられました。当月は、新たに台本に他を入れ、よりスピーディーに物語りが展開します。32年ぶりの上演となる復活狂言の醍醐味を存分に堪能したいと思います。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.09
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昨夜、歌舞伎座夜の部へ行ってきました歌舞伎座新開場十周年「七月大歌舞伎」です〜次は・・・昼の部にもゆきます2023年7月3日(月)〜28日(金)中車さんの・・・【昼の部】は、午前11時開演昼の部 三代猿之助四十八撰の内『通し狂言 菊宴月白浪』忠臣蔵後日譚 市川中車両宙乗り相勤め申し候作:四世鶴屋南北 脚本:奈河彰輔 脚本・演出:市川猿翁、石川耕士 演出:藤間勘十郎 歌舞伎の三大名作狂言の一つ『仮名手本忠臣蔵』本作は、そんな赤穂浪士の討入り事件を描く「忠臣蔵」では、悪役として描かれる斧定九郎がお家再興を目指す忠義者として登場します。原作の設定を巧みに用い、名場面の数々を彷彿とさせる構成で、鶴屋南北により独創性豊かに描かれた物語は評判となり大当り昭和59年には、初演以来実に163年ぶりに三代目猿之助(現:猿翁)により復活された後、「三代猿之助四十八撰」の一つにも選ばれました。花道上を大凧に乗って飛び去ったかと思うと、たちまち反対側から本舞台へ向かって舞い降りる劇場空間をいっぱいに使った両宙乗りや、大屋根の立廻り、花火など、スペクタルで波瀾万丈な物語りが息をつく間もなく展開されていきます。32年ぶり・・・待望の上演です【出演】斧定九郎:市川中車 金笄のおかる:中村壱太郎 塩谷縫之助:中村種之助 腰元浮橋:市川男寅 角兵衛獅子猪之松:市村竹松 毛利小源太:中村福之助 丁稚伊吾:中村玉太郎 下部与五郎:中村歌之助 高野師泰:市川青虎 山名次郎左衛門:澤村由次郎 世話人寿作:市川寿猿 一文字屋お六:市川笑三郎 加古川:市川笑也 仏権兵衛:市川猿弥 斧九郎兵衛:浅野和之 石堂数馬之助:市川門之助 【菊宴月白浪】忍術!大凧の宙乗り?スペクタルな展開で描く忠臣蔵の後日談塩谷の浪士が、高野師直を討って一年余。君主の敵討ちを果たした四十七士は、義士として讃えられるなか、塩谷の家老斧九郎兵衛の息子、斧定九郎(市川中車)は、敵討ちに加わらず不義士の汚名を着せられた父に代わり、せめて自分は亡君への申し分けを立てたい忠義の心を持っています。そんなある日、塩谷判官の弟縫之助には、塩谷家の家宝・花筐の短刀を、高野の養子島五郎には高野家の家宝・菅家の正筆を献上すればお家の再興が叶うとの沙汰が。しかし、縫之助が差し出した花筐の短刀は偽物。定九郎は申し分けに切腹しようとする縫之助の身代わりを買って出ます。いざ、切腹、と思われたその時、定九郎は・・・。盗まれた家宝を奪い返すため、定九郎は、父九郎兵衛から斧家に伝わる忍術秘法を記した秘書こふさきの忍びの一巻を授かります。忍術を手に入れた定九郎は、“暁星五郎”と名乗り、仲間と共にお家再興に立ち上がります。定九郎の妻:加古川、かつて塩谷に奉公していた過去を持つ女伊達・金笄のおかる、縫之助の子を宿す芸者浮橋、浮橋の義理の兄仏権兵衛・・・。お家再興を巡り、それぞれの想いが入り乱れ、花筐の短刀、菅家の正筆は様々な人々の手を渡っていきます。果たしてお家再興は叶うのか・・・。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.08
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東京・歌舞伎座「七月大歌舞伎」午後の部・・・最後3つ目の演目は静の法楽舞です九世市川團十郎歿後百二十年劇聖と謳われた「九世團十郎」が制定した新歌舞伎十八番のひとつ。平成30年に新たな着想により復活上演された本作を、九世團十郎の歿後120年という節目の年に上演します。河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子の五重奏など、豊かな音楽性とエンターテーメント世溢れる、目にも耳にも楽しいひと時を堪能しましょう松岡亮作三、歌舞伎十八番の内かまくらはちまんぐうしずかのほうらくのまい鎌倉八幡宮静の法楽舞趣向を凝らした迫力溢れる新歌舞伎十八番夜な夜な物の怪が現れるという鎌倉の荒れ寺に、怪しい風と共に現れたのは、一人の老女。以前は、都の白拍子であったと語る老女は、舞を舞い始めます。やがて老女の姿が見えなくなると、次々と物の怪が集まり・・・。三、「九世市川團十郎歿後百二十年 新歌舞伎十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』」作:松岡亮 【出演】静御前 / 源義経 / 老女 / 白蔵主 / 油坊主 / 三途川の船頭 / 化生:市川團十郎 三ツ目 / 町娘 / 五郎姉二宮姫:市川ぼたん 提灯 / 若船頭 / 竹抜五郎:市川新之助 僧普聞坊:大谷廣松 僧寿量坊:市川男寅 僧隋喜坊:中村玉太郎 蛇骨婆:市川九團次 姑獲鳥:中村児太郎 僧方便坊:中村種之助【こんな・・・お話】歌舞伎十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』音楽は、河東節、常磐津、清元、竹本、長唄囃子5つの音楽の掛け合い特に、河東節(かとうぶし)は・・・「助六」舞踊は、早替わりをふんだんに取り入れた変化舞。團十郎さんの7役の早替わりがお見事お話は・・・源平の合戦、源義経と妾の静御前の物語。義経の兄、源頼朝に捉えられた静御前は、鎌倉の鶴岡八幡宮で、舞を舞うように所望されます。最初は、團十郎さんが、老女に扮し、能のような所作で登場もとは、都の白拍子だったと、語るこの老女が舞う。舞は、どんどん変化してゆき、最後に、化生(けしょう)・・・お化けになる音楽は、常磐津と清元の掛け合い。次々と物の怪も登場します。ぼたんちゃん&新之助くんも・・・登場「我らが父十三代目にさも似たり」のセリフもあり、竹本のリズミカルな音楽が楽しい。白蔵主、白狐のような團十郎さんが登場ここは、新歌舞伎十八番『狐釣』が引用された踊り。音楽も、河東節、長唄と次々登場。早替わりで、『油坊主』が引用された踊り花道で、油坊主にぶつかったと思ったら、早替わりで、三途の川の船頭(團十郎さん)の登場しずやしず、しずのおだまきくりかえし、賤や賤、しずの苧環繰り返し むかしをいまになすよしもがな昔をいまになすよしもがな静御前が、愛する 源義経を思って鎌倉鶴岡八幡宮で、詠んだ歌ですいよいよ團十郎さんの静御前の登場烏帽子を被った義経の團十郎さんが、見事な早替わりで登場静御前が、義経との別れや、我が子を頼朝に殺されたことなどを悲しんでいると、次第に化生に変化してゆく・・・。音楽は、五重奏となり厚みを増す。最後は、幕外からの引っ込み・・・おわり。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.07
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2023年7月3日(月曜日)から歌舞伎座新開場十周年「七月大歌舞伎」が始まりました東京「歌舞伎座」夜の部(午後4時開演) しんれいやぐしちのわたし一、心霊矢口渡純粋な娘が命を懸け、極悪非道な父に立ち向かう作:福内鬼外【出演】娘お舟:中村児太郎新田義峯:市川九團次傾城うてな:大谷廣松渡し守頓兵衛:市川男女蔵江戸時代に活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」というペンネームで、義太夫狂言として書いた傑作である。1770年(明和7年)に江戸で人形浄瑠璃の作品として初演。1794年(寛政6年)に歌舞伎に。長いお話ですが歌舞伎の演目としては、「7代目:團十郎」が頓兵衛を演じるようになってから第4段「渡し守の頓兵衛の住処」が多く演じられる。極悪非道な渡し守の父と、一目惚れした男を命懸けで守る娘:お舟を中心に描いた。そのお話は・・・渡し守の頓兵衛は、足利と新田の争いで、渡し舟に穴を空けて新田義興の命を奪い褒美の金で立派な家を建て暮らしていた。・・・ここからが頓兵衛の家の・・・一幕ある日、義興の弟:義峯が恋人の傾城うてなと一緒に兄の亡くなった渡し場を通りかかり、近くの民家に一夜の宿を乞い偶然にも頓兵衛の家を訪れると頓兵衛の娘:お舟は、気品溢れるイケメン:義峯に一目惚れ一緒に連れている傾城うてなを見てこの子は、妹なら良いけど・・・もしかして彼女?心は、もやもや一方、義峯の素性を知った頓兵衛は・・・。ざっくり、こんなお話。 【出演者のプロフィール】せつない恋を演じる娘役「お舟」は中村児太郎さんろくだいめ なかむらこたろう六代目 中村児太郎屋号:成駒屋生年月日:1993年12月23日(29歳)本名:中村優太出身:東京都祖父:七代目 中村芝翫父:九代目 中村福助名門・成駒屋(中村歌右衛門家)の嫡流として、五代目歌右衛門から成駒屋に代々伝わる女方芸を継承イケメン「新田義峯」を演じるのは・・・市川九團次さんよだいめ いちかわくだんじ四代目 市川九團次屋号:高島屋生年月日:1972年4月4日(51歳)本名:鈴木道行襲名歴:坂東竹志郎→四代目坂東薪車→市川道行→四代目市川九團次出身地:千葉県五代目坂東竹三郎の芸養子だったが、現在は、十三代目市川團十郎の門弟となっているその恋人「うてな」を演じるのは・・・大谷廣松さんにだいめ おおたにひろまつ二代目 大谷廣松屋号:明石屋生年月日:1993年7月21日(今月で、30歳)祖父:四代目中村雀右衛門父:大谷友右衛門(その次男)優しい顔立ちで、女方を軸に活躍する花形で立役も近年、市川團十郎との共演が増えている強欲な渡し守「頓兵衛」を演じるのは市川男女蔵さんろくだいめ いちかわおめぞう六代目 市川男女蔵屋号:滝野屋生年月日:1967年10月9日(55歳)本名:荒川謹次襲名歴:六代目市川男寅→六代目市川男女蔵出身地:東京父:四代目市川左團次子:七代目市川男寅主に立役。荒事やどっしりとした悪役から、三枚目までをこなす演技派である (写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.06
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歌舞伎座七月大歌舞伎の夜の部の演目二「神明恵和合取組」通称“め組の喧嘩”の舞台となった場所へしばだいじんぐう芝大神宮2023年7月1日(土)朝訪問小雨東京都港区芝大門1−12−7033-3431-4802営業時間 9:00~17:00都営地下鉄:大江戸線『大門』駅・・・1分社伝によれば・・・かんこう寛弘2年(1005年)鎮座。もとは、赤羽橋の近く、小山神明という所にあったが、慶長3年(1598年)増上寺が、当該地を含む敷地に移転して来る関係で、現在地に移動。徳川幕府の保護を受け、境内や門前には、茶屋、芝居小屋等が並び、相撲や富くじの興行も行われ、賑わいをみせた。その賑やかな芝大神宮の境内で・・・「め組の喧嘩」と称される事件が起きます。時は、文化2年(1805年)2月16日、芝神明社境内で開催された相撲の「春場所」で、警備を管轄している「め組」に相撲側からあいさつが無かったことや、相撲小屋警備のための無銭入場を力士の「九龍山扉平」に咎められ相撲を終えた「四ッ車大八」と「九龍山扉平」が別の芝居小屋で芝居見物をしていた所に因縁をつけて大喧嘩・・・。芝大神宮にあったパンフ江戸の男たちが、火花を散らす、鳶と力士の真剣勝負歌舞伎座七月大歌舞伎では・・・夜の部二、『神明恵和合取組』通称:め組の喧嘩鳶の頭:め組辰五郎を「市川團十郎」が演じます。 (写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.05
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『歌舞伎座』七月大歌舞伎の演目“め組の喧嘩”の下調べで「芝大神宮」に行ってみました2023年7月1日(土)→→しばだいじんぐう芝大神宮東京都港区芝大門1−12−7033-3431-4802営業時間 9:00~17:00都営地下鉄:大江戸線『大門』駅・・・1分地下鉄『大門』駅を出ると右に見えるのが大門 大門の方向に行かないで・・・芝大神宮です。こちらへは、行かないで、右へどうも道を間違えたらしく・・芝大神宮「東京十社めぐり」のひとつです東京十社(とうきょうじっしゃ)・・・とは?神田神社・稗田神社・根津神社・亀戸天神社・白山神社王子神社・芝大神宮・品川神社・富岡八幡宮・赤坂氷川神社(まだ、行っていない神社ありますね〜)この上がまさに「芝大神宮」なのです。この細い道を進むと「七夕飾り」が・・・織姫と彦星・・・「七夕さま」縁結びの御利益があるらしい お参りの作法をよく知らないので・・・皆さん、ここで一例していらっしゃるので、私も深く一例し、階段を登ります9月11日〜21日までの祭礼は・・・生姜市が立ち、土生姜が売られたことから「生姜祭」期間が11日間にもわたることから、「だらだら祭」とも呼ばれる歴史ある神社です。祭礼では縁起物として、赤飯など食べ物が入った千木ちぎ箱(杉を薄く削いで瑞円形に曲げ、 赤、緑、青で模様を描いた小びつ)が売られた。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.04
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歌舞伎座「七月大歌舞伎」は今日から始まります〜楽しみな演目は歌舞伎座新開場十周年「七月大歌舞伎」2023年7月3日(月)~28日(金) 東京都 歌舞伎座 昼の部「三代猿之助四十八撰の内『通し狂言 菊宴月白浪』 忠臣蔵後日譚 市川中車両宙乗り相勤め申し候」【出演】 斧定九郎:市川中車 金笄のおかる:中村壱太郎 塩谷縫之助:中村種之助 腰元浮橋:市川男寅 角兵衛獅子猪之松:市村竹松 毛利小源太:中村福之助 丁稚伊吾:中村玉太郎 下部与五郎:中村歌之助 高野師泰:市川青虎 山名次郎左衛門:澤村由次郎 世話人寿作:市川寿猿 一文字屋お六:市川笑三郎 加古川:市川笑也 仏権兵衛:市川猿弥 斧九郎兵衛:浅野和之 石堂数馬之助:市川門之助 夜の部 一、「神霊矢口渡」作:福内鬼外 【出演】 娘お舟:中村児太郎 新田義峯:市川九團次 傾城うてな:大谷廣松 渡し守頓兵衛:市川男女蔵 二、「『神明恵和合取組』め組の喧嘩」 作:竹柴其水 【出演】 め組辰五郎:市川團十郎 女房お仲:中村雀右衛門 江戸座喜太郎:河原崎権十郎 四ツ車大八:市川右團次 九竜山浪右衛門:市川男女蔵 背高の竹:中村歌昇 おもちゃの文次:中村種之助 山門の仙太:市川新之助 島崎楼抱おさき / 三ツ星半次:大谷廣松 伊皿子の安三:市村竹松 芝浦の銀蔵:市川男寅 御成門の鶴吉:中村玉太郎 左利の芳松:市村橘太郎 田毎川浪蔵:市村光 柴井町藤松:市川九團次 露月町亀右衛門:片岡市蔵 三池八右衛門:市川齊入 葉山九郎次:市村家橘 喜三郎女房おいの:市村萬次郎 焚出し喜三郎:中村又五郎 尾花屋女房おくら:中村魁春 三、「九世市川團十郎歿後百二十年 新歌舞伎十八番の内『鎌倉八幡宮静の法楽舞』」作:松岡亮 【出演】静御前 / 源義経 / 老女 / 白蔵主 / 油坊主 / 三途川の船頭 / 化生:市川團十郎 三ツ目 / 町娘 / 五郎姉二宮姫:市川ぼたん 提灯 / 若船頭 / 竹抜五郎:市川新之助 僧普聞坊:大谷廣松 僧寿量坊:市川男寅 僧隋喜坊:中村玉太郎 蛇骨婆:市川九團次 姑獲鳥:中村児太郎 僧方便坊:中村種之助(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.03
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いよいよ「歌舞伎座」7月大歌舞伎が始まります〜楽しみです歌舞伎座へ行く方法とは?東京「歌舞伎座」への行き方・・・とは?東京『歌舞伎座』104-0061 東京都中央区銀座4丁目12−15 JR「東京駅」からタクシー 10分JR「有楽町駅」から徒歩 10分雨でも猛暑でも大丈夫な行き方とは? 地下鉄:東京メトロ・日比谷線「東銀座」駅 3番出口すぐ 地下鉄:都営浅草線「東銀座」駅 3番出口すぐ歌舞伎座の下が「東銀座駅」なのです。改札を出ると・・・直結歌舞伎に関するグッズ&お店&お土産屋さんが並びます・・・入場チケットが無くてもお買い物や飲食ができます歌舞伎観劇をする場合は・・・ここから上には上がれません一度エスカレーターで上って外へ出てから正面玄関からの入場ですちょっと歩いても大丈夫な方は・・・東京メトロ:銀座線「銀座駅」A7出口から5分東京メトロ:丸の内線「銀座駅」A7出口から5分東京メトロ:日比谷線「銀座駅」A7出口から5分到着です『歌舞伎座』付近の地図気をつけて転ばないように行きましょう2023年7月3日〜28日までの演目は・・・楽しみですね〜7日に行く予定ですふふふっ。(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.02
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歌舞伎が大好きです〜いよいよ7月からは「歌舞伎座」大歌舞伎が始まりますが・・・遡りると2023年5月19日早朝、たまたま「明治座」前に市川猿之助さん「明治座150周年記念」の歌舞伎静かです・・・角にはお稲荷さんが・・・正面玄関「明治座創業150周年」記念の歴史ある歌舞伎が公演中。大好きな猿之助さんの歌舞伎・・・「不死鳥よ波濤超えて」 これは難しい漢字ですね「濤」・・・とは?トウ・なみ(意味)1.なみ2.大きな波3.波立つ張り紙があり大きな波を超えて・・・復活を祈っております(写真撮影:ほしのきらり。)世界遺産にぽち
2023.07.01
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相生獅子の内容を昨日理解した上で、歌詞を読んで見ましょう中村勘九郎 中村七之助 春暁特別公演2023 あいおいじし『相生獅子』の歌詞享保19年(1734年)春、江戸中村座にて初世瀬川菊之丞が初演。作詞:不詳作曲:七世杵屋喜三郎と伝えられる。花飛び蝶驚けども人知らず我も迷うや様々の蝶や胡蝶のせめて暫しは手に止まれ見返れば花に紛れて見えつ隠れつ色々の姿やさし夏木立花に戯れ枝に臥し男獅子女獅子の彼方へひらり此方へひらりひらりひらりひらりと舞い遊ぶ八識九識(はしきくしき)の奮迅の乱拍子はそれで我々も心乱れて足もたまらず滝の音の下は泥犂(ないり)も白波の虚空を渡るが如くなり夏の夕暮れに山々を見渡せば折しも松風に青空涼しく吹き誘うはらはらはらと鳥の群れ居るは時もこそあれ一入(ひとしほ)扨(さて)も面白や人目忍べは怨みはせまじ為に沈みし恋の淵心がらなる身の憂さをやんそれそれはそれはえ誠憂やつらや思いまわせば昔なり牡丹に戯れ獅子の曲げに石橋の有様は笙笛琴箜篌(せうちゃくきんくご)夕日の雲に聞ゆべき目前の奇特あらたなり獅子団乱施(とらでん)の舞楽のみぎん牡丹の英香い満々大巾利巾の獅子頭打てや囃せや牡丹芳芳黄金の橤(ずい)あらわれて花に戯れ枝に臥し転びげにも上なき獅子王の勢い演じるのは・・・「藤姫」のちに獅子の精になる二代目中村七之助「鶴姫」のちに獅子の精になる二代目中村鶴松後見は・・・中村小三郎澤村國久中村仲之助中村仲四郎長唄獅子連中2023年3月11日(土)東京「ティアラこうとう大ホール」にて世界遺産にぽち
2023.04.09
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