風狂夜話2

風狂夜話2

2007年10月27日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類


たとえ嫌いで嫌いでしようがなかった古里であっても。

あるいはそれがかなわぬ人は夢であっても帰還を成し遂げるものです。

回帰本能といいましょうか。

たとえば鮭が自分の生まれた川の源流に還り、産卵してその死を迎えると

いうのも自然の摂理なのでしょう。

哀れ深いものです。

人間は動物ではあるが、群れ行動を逸脱する人もときにいます。

どうしても孤立してしまう。



ここで突然戦後日本について異議申し立てをしたい。

戦後60余年日本はアメリカの核の傘の下、安全かつ機能的なシステムを

駆使し軍事なき経済大国となった。

そのおかげで民生は潤い、欧米からはエコノミックアニマルと呼ばれ、一時は

大国意識をくすぐられた事もある。

豊かな国ではあるが現今の毎日のように起こるモラルハザード(政・官・業・言論界

の不祥事や破綻)は怒りを通りこして、呆れているというのが国民感情であろう。

なぜこうなったか。

戦後の高度成長はいわば貧困からの脱却であり、いえば身もふたもないが、「自分さえ

よけりゃいい」という緊急事態であった。

毎日が「朝は朝星、夜は夜星」の明け暮れであった。



内部告発はきびしく処分された。

上司やトップの不祥事は見てみぬふりでお互いにもたれあい、登用されるためには

できるだけ慇懃に礼を尽くす。

近隣相和して貧困に立ち向かっていたのである。そして復活した。

それはたしかに「美しい国」への道程であった。



と憲法9条を錦の御旗にして反政府を貫きながらアンダーテーブルでは妥協していた

勢力のおぞましい実態に起因するのであろう。

戦後60余年の制度疲労とリーダー不在のなせる業である。

たとえばアジアの小国ブータンでは「国民の最大幸福量」を第1の国是としている。

それは経済大国を目指し、富の普及にのみ努力してきた日本に対するアンチテーゼとして

いまや大きな意義を突きつける。

私たちはブータンのような幸福をのぞんでいるのだろうか。

単なるノスタルジーにすぎないのか。じっくり考えるべきだ。

もうそんなに時間はないと思うのだが。


できれば美しい川の源流で死を迎えたい。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2007年10月27日 21時50分48秒
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

フリーページ

プロフィール

芳邑

芳邑

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

@ New!
うぼで@ Re:フランク永井の死(11/03) フランクさんの曲、再び聴きたくなりまし…
金田あわ@ Re:梟よつらくせ直せ春の雨(12/28) よいものを見せて頂きました。Thanks a l…
玄茶ー@ Re:淋しさに飯をくふなり秋の風(11/01) 感情的な文章です
http://buycialisky.com/@ Re:日経新聞社説の従米論(05/05) cialis e viagra assunti insiemecialis c…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: