じゃんす的北京好日子 東京編

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第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ


第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ


  前回、欧米企業は自社の社会貢献活動のPRに積極的であるとお話しました。いくつか例を挙げて紹介したいと思います。

  欧米系企業では中国人従業員やマネージャクラスの社員に対してCSR研修を積極的に行っており、また、SA 8000(Social Accountability 8000)の認証取得の推奨も行われています。

  在中国米国商工会議所の上海事務所にはCSR委員会が設けられており、積極的に社会貢献活動を進めています。また、同会議所のウェブサイトでは社会貢献活動のコーナーが充実しており、「ファイザー社のシチズンシップレポート」「中国政府による募金活動」「NGO団体による貧困救済プロジェクト」といった社会貢献活動に関する情報を日々更新しています。「最近の活動報告」では、ボーイスカウトが現地の小学校を訪問し、交流会を行った写真が大きく掲載されています。2006年4月からは活動をまとめたニュースレターの発行を開始する予定です。

  1つ弊社の顧客の例を挙げますと、P&Gの自社の社会貢献活動に関するPRは徹底しています。P&Gは、自社の歯磨き製品の浸透を図るために、小学校の先生に正しい歯磨き方法を教えたり、子供たちが楽しく歯磨きの正しい方法を学べるように、歌も作りました。また、他にも、中国の「希望工程」(希望プロジェクト、貧困地域での小学校建設などに寄付する活動)に多大な寄付を行っており、中央政府衛生部や各種の協会とも良好な関係を構築しています。2003年10月末時点で1600万元の寄付、100校の小学校を設立しています。

  日本企業はより大胆に社会貢献活動についてPRしていくべきでしょう。まずは今まで行った社会貢献活動を中国語にし、ウェブサイトや会社概要に載せることから始めてみましょう。これは基本的なことではありますが、すでに取り組んでいる企業がある一方、まだ手をつけていない企業が多いことも事実です。その次のステップとして今後社会貢献活動を行う際にはプレスリリースを行ったり、記者発表会や、記者ツアーを行ったりというメディア戦略を考えていくべきでしょう。

  また、社会貢献活動というと寄付などの活動を行っている企業が多いです。もちろん寄付も立派な貢献なのですが、PR的な視点から言いますと、寄付という行為はすでに記事ネタとして取り上げられにくくなっています。自社の独自性が活かせる分野での社会貢献が望ましいと思います。

  日本企業の社会貢献活動をサポートする動きとして、最近「中国日企」という雑誌が創刊されました。日本企業の社会貢献活動を中国語で掲載している雑誌です。日本企業の社会貢献活動を中国にPRする新しい試みだと思います。このような動きが出てきていることは喜ばしいことです。


<全15回>
第1回:広報担当者必読の中国広報事情
第2回:広報活動にともなうチャイナリスク
第3回:チャイナリスクの対応方法
第4回:社会貢献活動をPRすべし
第5回:欧米企業の社会貢献活動PRに学べ
第6回:中国でプレスリリースを発送する
第7回:中国メディア、記者対応の注意点は
第8回:大きい中国、市場はたくさん
第9回:中国でのPR戦略は多様化が必要
第10回:W杯報道に見る中国メディア事情
第11回:広告合戦勃発!外資vs中国
第12回:新聞雑誌、中国人はどこで買う?
第13回:中国のネット人口1億2300万人に
第14回:広報とホステスの深い関係
第15回:靖国参拝への中国メディアの反応


中国広報担当者向けのおすすめ書籍:
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