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2013年01月26日
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日経平均は金曜続伸。前日のNYは新規失業保険申請件数が5年ぶりの低水準だったことからダウとS&Pが続伸。株価も5年ぶりの高値水準になってきました。一方、決算を受けてApple株が10%超の急落。時価総額が一日で600億ドル(約5兆円)近く減少し、NASDAQは下落となりました。実にソニー(6758)4社分の時価総額が一日で吹き飛んだ格好。

それを受けた日経平均は朝方から買いが先行。ドル円が一気に90円を突破してまた高値を付けてきたことから上げ潮ムードが鮮明に。全面高となりました。ただ寄り付き後は値動きが少なく、後場の途中まで値動きば80円程度の範囲に収まっていました。




投資判断は「やや買い」。金曜のNYは引き続き企業の決算が良かったことで堅調。S&Pは1500ポイントの大台を突破してきました。それを受けて日経平均先物は一時11000円を突破。ドル円は91円に突入と止まるところを知りません。ただシカゴ225は少し戻して10950円で終えました。

月曜の日経平均も寄り付きから堅調推移が予想されます。最初に11000円を突破してきて、さてその後どう動くかという流れになってくるでしょう。今週、先週と月曜寄り高→週央まで下落→金曜に急速に戻して高値を付ける、という流れになっているので、来週も下値をどこで拾っていくか、に神経を使う展開になりそうです。

チャートは2週連続で長い下ヒゲの微妙な形。俗に言う「首吊り線」が続いており、セオリー通りならば売りのタイミングです。

為替に関しても90.75円のところにオプション絡みの強い抵抗力があり、この辺りを天井と見ていた向きも多い様子。それでも金曜夜間の段階では先物・為替共に強い動きを見せて、節目を突破してきています。ただそれも第一段階で、その上には91円、91.5円のところにまたオプションの抵抗力があるらしいです。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE90O02H20130125

これで来週11000円を抜けてくると、チャート的には1月のボックス圏相場(10500円~10900円)を上抜け、次なる上昇波動入りする格好になります。今後は10900円を下値に、強い波動が出そうな感じです。しかし、為替の円安進行に抵抗力があるため、片方で上値も重く、一気に上放れるというのは難しそうです。

では次の上昇波動の目標地点は?私は恐らく10年4月の11408円を狙ってくると見ます。これは民主党政権下における最高値でもあります。自民党にしてみればここを超えることで「やっぱり自民党に変わって良かったね」キャンペーンを張りたいのだと思いますから、その辺りまではとにかく株高誘導してくるものと見ます。

為替に関してもまだ円安の流れは続きそうです。ドイツのメルケル首相は日本の円安を非難していますが、あんたに言われる筋合いは無いよ、という感じです。日本はオイルショック以来の貿易赤字になっているわけですし、これで円安にならなかったらいつ円安になるのか。ユーロ圏に比べて金融緩和も控えめですし。アホかと言いたい。

私は前回も書きましたが、何よりアメリカの強さに注目しています。今の相場は「アベノミクス」だなんて書き立てられていますが、4割程度は正解でしょうが大部分は外部環境の好転によるものだと思っています。

そもそも今の上昇は大型株に関しては明らかに外国人買いによるもの。彼らの10週連続の買い越しが10週連続の上昇に繋がっています。そして今週で日経平均の上昇が11週となったわけですから、来週発表される今週の投資主体別売買動向において外国人の買い越しが11週連続になっているであろうことは容易に想像が付きます。

外国人も母国の経済状況が安定していないと、例えばヘッジファンドなどにも資金が入ってこないわけですから、なかなか日本株買いには繋がりません。そんな中でアメリカの債務上限引き上げの話が実質的に5月まで先延ばしになりました。少なくとも目先の不安要因は無くなったので、当面リスクオンの状態が続くものと思われます。

一方、外国人から見た日本株のリターンは、円安効果に打ち消されて日本の投資家程のリターンにはなっていません。円ベースでの日経平均は解散宣言前の11/14からの上昇率が実に26.3%。それをドルベースで見ると15.2%。その間為替が80円→90円まで円安が進んだわけですから、その上昇率分が相殺されています。



それに気付いた外国人投資家の姿勢がどう変化するか、これを今後一層注意深く監視する必要がありそうです。変化が生じた時には、一旦急速な調整をはらむ可能性は常に念頭に置いておくべきでしょう。

ただ、株式市場全体を見渡すと、もう一つの主役となっている新興市場は完全に個人投資家の独壇場。上述の日本株上昇の理由の1割くらいは、信用取引の無制限回転が大きく市場に影響しています。

松井証券(8628)の公表によると、信用取引の売買代金は前月比2.3倍に膨らんでおり、この無制限回転とそれに伴う証券各社の手数料割引合戦が個人投資家のトレード熱を刺激していることがわかります。足元では中堅証券会社の数字も出てきましたが、12月単月で一気に黒字化してきた証券会社が目立ちます。

その信用取引に関して見ておかなければいけない数字は二つ。東証の空売り比率と信用取引評価損率でしょう。空売り比率に関しては一般的に20%~25%辺りで推移していますが、もし30%に達すると今までの経験則的に間違いなく買い戻し圧力が強まりますから、一段の上昇が見込まれます。

一方、信用取引評価損率は直近でマイナス1%台にまで改善しています。実質的にはほとんどの人が利益を出している感じ。信用取引評価損率がマイナス5%に近づく局面では警戒感が高まり、プラス圏ともなると天井が近いとも言われています。



その代わり、信用取引の比率が高い(=個人投資家の多い)新興市場などはこの影響を大きく受けるでしょう。ですから、新興市場を選好している投資家は、特に注意を払うべき数字だと思われます。

それでも足元の11週連続の上昇は1971円以来ということで、今の相場の特異性を示しています。今までの常識が果たして当てはまるのかどうか。この前まで「40数年ぶり」というと、家電株の安値などで良く聞かれましたが・・・。

話が長くなりましたのでまとめますと「とりあえず上値追いの動きはまだ続くものと見られるが、為替の上値が重いので、じわじわとした緩やかな上昇トレンドが続く。外国人買いが指数の押し上げ要因になっているのは間違い無いので、外国人の姿勢の変化点に注視。目標としては11400円辺りを目指す」という感じだと思います。


新興市場は「強気の買い」。金曜は両指数共に堅調。引き続きバイオ株の熱がすさまじく、朝方は一旦冷え込みかけた銘柄もありましたが、結局引けでは切り返してストップ高となったりして、とにかく強い。個人投資家の熱が未だ冷めやらないことを示しています。

短期的な過熱感は確かに否定できませんが、引き続き長期的なトレンドを見ると新興市場の上昇には大きな余地があります。7年間遠ざけられた鬱憤は相当なもの。この辺りは「下がるまで付いていく」というようなスタンスで、乗った者勝ちのような気がします。

新興市場の方は上述したように個人投資家の信用評価損率に特に注目でしょう。05年辺りの新興バブル時においても、急速な冷却(ストップ安連続)などがあった後に再度息を吹き返したりして、最終的にあのバブルを作り出しました。

本当に終わる時には、ライブドアショックのようなイベントや規制などが必要のようにも思います。いずれにせよ、あの当時を経験した私としては、今の状態がバブルとはまだ言えないと思います。

確かに一部の銘柄はバブル化していますが、その他の新興銘柄で安値圏で放置されている銘柄が結構残っています。アンビシャスやQボードなども上昇してきたら初めてバブルを警戒すべきでしょう。

来週からは東証1部で決算シーズンも始まりますから、一旦は好決算を出した大型株に資金が移るタイミングかも知れません。そこで新興市場の熱が冷めたら、再度押し目を拾うチャンスがやってくるものと見ています。


【ポートフォリオ銘柄】
NECネッツエスアイ(1973) は続伸。地味に上昇が続いていたこの銘柄も、無事目標株価1700円に到達したので卒業となりました。通信各社の旺盛な設備投資意欲や、消防・防災システムのデジタル化などで引き続き業績は上向き。株価も今後どこまで伸びていくか楽しみですが、こちらでは一旦終了とします。


フジ・メディア・HD(4676) は続伸。目標とした15万円にあと100円まで迫りましたが1tick届かず。金曜は同社以外にも テレビ朝日(9409)や東京放送(9401) など、やたら値を飛ばした放送局株。理由はよくわかりませんが、出遅れ感と売り長による好需給が原因と思います。

その空売りも日証金の貸株残高を見るとまた一段と増えています。空売りという燃料を注入しながらロケットはまだ飛び続きそうな感じです。


【注目銘柄】
インタースペース(2122) は大幅続伸。こちらは23日より有料メルマガにて取り上げましたが、以後大きく伸びています。アフィリエイト(成果型広告)の大手ですが、足元では円安が進行してFX絡みの広告が増えているのだとか。株関係も増えてそうですけどね。

マザーズ市場を見るとバイオがやたら強いので他の銘柄が霞んで見えますが、IT系も次第に物色される地合になってくると思います。引き続き要注目の銘柄です。


もっと色々と書きたいことがありましたが、いつものパターンで文字数オーバーになったのでこの辺で。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2013年01月26日 14時16分42秒
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