花鳥いろいろ(四季の野鳥たちとの出会い)のブログ

花鳥いろいろ(四季の野鳥たちとの出会い)のブログ

PR

×

プロフィール

kachoiroiro-rakuten

kachoiroiro-rakuten

カレンダー

コメント新着

kachoiroiro-rakuten @ Re:毎日、綺麗な写真に癒されています。(12/15) Bぃさんへ ご覧いただき、ありがとうござ…
Bぃ@ 毎日、綺麗な写真に癒されています。 素敵なお写真、いつもありがとうございま…
まりも@ Re:秋終盤の茨城県浮島のシギ・チドリ観察記(10/23) ご返信ありがとうございます! 風が強かっ…
kachoiroiro-rakuten @ Re[1]:秋終盤の茨城県浮島のシギ・チドリ観察記(10/23) まりもさんへ ご覧いただき、ありがとうご…
まりも@ Re:秋終盤の茨城県浮島のシギ・チドリ観察記(10/23) 私も今日行きました! 夕方でしたが、ヒバ…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2026.09.07
XML
3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックにケリは情報不足と区分され掲載されています。
情報不足との区分となった理由について「生息状況をはじめとしてカテゴリーを判定するに足る情報が得られていない」と記されています。また、概要で「繁殖地として農耕地をよく利用するため、耕作方法や耕作時期の変化などが、繁殖成績に影響を与えている可能性がある」と報告しています。
前記の「生息状況をはじめとしてカテゴリーを判定するに足る情報」について、鳥友とやりとりをしていたところ、採食行動やどのような環境を選択しているか掘り下げてみようと文献などの知見を復習してみました。
(視覚に頼った採食と休耕田の存在)
兼島ほか(2012)は、岐阜県岐阜市の水田地帯において採食行動や環境選択に関して調査を実施し、採食行動や捕食物について報告しています。
(1)採食行動について
獲物を見つけて立ち止まり、走り出して、嘴を突き出してくわえ採る、つつき採食を基本としていたと述べています。周囲をよく見て獲物に狙いを定めて捕獲することから視覚に依存した捕食である点が特徴と記しています。
さらに、72%の確率で停止したあと4歩進んで捕食行為を行うことが判明したと述べています。
歩行前から捕食地点までの距離、4歩あまり前方までの視界が開けていることが採食環境のひとつとして考えられると報告しています。
(2)捕食物にについて
調査ではカエル6回、ミミズ39回、カタツムリ11回、水124回、不明644回との結果だったと記していますが水については同時にプランクトンや小型の水生昆虫を捕食している可能性を上げてます。
また、水田のステージ別にみると、田植え前はミミズやカタツムリ類、田植え後期から中干前には前者にくわえてカエル類を捕食、中干期には小さな餌生物、収穫期にはミミズ類、カタツムリ類などを捕食していたと述べています。なお、草丈が40cmをこえて採食が困難となる中干期以降で休耕田に分布が移動していたと記しています。
(帰還性の強さ)
私共が2009年秋に千葉県流山市に広がる水田地帯でケリ11羽の姿をみつけて以来、2026年2月までの17年にわたりほぼ同じエリアでその姿を見かけています。
しかし、物流団地の建設が進行中で隣接する水田地帯も売却され、次から次に造成がされているため、越冬地が風前の灯です。ケリは帰還性が強いのかもしれないと思い、文献で同様のことが記されていないかを調べてみました。すると毎年定期的に同じ営巣場所に帰還すると記載されている文献を見つけました。
新保ほか(1999)は、1998年に野田市今上でケリが繁殖した件を報告しています。
2009年秋から2026年2月の間の冬期に観察しているケリは、前記繁殖地から2km程度の距離しかなく、ほぼ同一エリアとみて差し支えないと思われます。繁殖期、冬期ともに生息していることになります。
一体に広がる水田地帯であることがその生息を支えているとも考えられます。
このほか、次の文献が同じ営巣場所で営巣、帰還性の強さにふれていました。
脇阪ほか(2018)は、京都府京都府の巨椋池干拓地でケリに関して寿命と繁殖能力の調査を行った結果を報告しいます。報告の中に「毎年定期的に同じ営巣場所で営巣する帰還性の強い個体がいる 一方で、必ずしも営巣場所に毎年戻らずに、空白年を経て帰還する個体も存在した」「早成性のヒナは親鳥から給餌を受けずに自ら採餌する 。そのため ヒナが成長に必要な餌量を確保するには、同一田面に留まるよりも隣接田面へ移動する方が有利なのかもしれない」と報告しています。
河地(2018)は、栃木県北東部で行ったケリの調査結果を報告しています。
報告では「ケリは、年を隔てても同じ営巣場所を利用し続ける帰還性の強い鳥であることが確認された。
しかも、雌よりも雄にその傾向が強く見られた。同じ営巣場所を継続して利用した年数は,雌が平均2.4年に対して、雄は平均6.1年で有意差が認められた」と報告しています。
(ケリの生息を可能にする環境)
環境省(2026)の冒頭に「各地域で積極的な生息・生育地の保全活動等が展開され、対象種の保全が進むことが期待されます」と記されています。前進させていくためには、レッドデータブックが種の基礎的情報を提供する役割を果たすことが重要と考えています。
(引用)
新保國弘・柳沢朝江・片山真智子・北城道夫・柄澤保彦・桑原和之.1999.
千葉県におけるケリの繁殖記録.Strix.第17巻.p93-99.日本野鳥の会.
水田地帯におけるケリの採食行動と採食環境の選択.農業農村工学会論文集.no279.pp81-88
脇坂英弥・脇坂啓子・中川宗孝.2018.巨椋池干拓地におけるカラーリングをつけたケリの観察.pp1
河地辰彦.2018.ケリ Vanellus cinereus のつがい関係の継続年数および離婚再婚の例.
鳥類標識誌.第30巻.p71–79.
環境省(編).2026.第5次レッドデータブック
:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.
(写真)
1枚目:2019年11月17日、2枚目:2020年11月7日、3枚目:2021年12月16日、4枚目:2021年11月10日
いずれも流山市(いずれの撮影地も物流団地造成工事中で立ち入りができないところがほとんど)













お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2026.09.07 12:04:18
コメントを書く
[Bird's Cafe(鳥の話題のいろいろ)] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: