全2140件 (2140件中 1-50件目)

7月3日千葉県印旛沼でオシドリ雄成鳥を観察しました。越夏個体の観察は、大塚ほか(2022)が「換羽の時期や越夏個体の存在によって、換羽の時期や様式、繁殖行動、育雛行動などの一端を日本で直接観察できる機会が提供される」と述べているような意味あいを持っています。(越夏するカモの繁殖地は主にユーラシア中央部から北部)大塚ほか(2022)が、「越夏するカモの繁殖地は主にユーラシア中央部から北部」、と報告しているほか、「植物を主食とする種(オシドリ、ヨシガモなど)から雑食傾向の強いキンクロハジロ」が観察されるフィールドは多様な餌環境が存在していると指摘しています。印旛沼のほか印西市内の河川で6月にハシビロガモ、7月にホシハジロを観察したこともあり、いずれも水棲植物、植物の種子が存在している環境でした。今回のオシドリが何を採食していたかは観察にいたりませんでした。(1)オシドリの換羽時期氏原(2015)が述べているように、雄生殖羽ではエクリプス羽を10月頃から生殖羽に換羽をはじめ6月頃まで生殖羽で過ごします。そして7月頃から地味で目立ちにくいエクリプス羽に換羽をはじめ10月頃までエクリプスで過ごします。(2)雄の銀杏羽の抜け落ちる時期と雌と見分けがつかなくなる時期)飼育下のオシドリについて横浜市野毛山動物園と仙台市八木山動物園が、観察した結果をそれぞれホームページに掲載しています。・野毛山動物園の飼育個体は、6月中旬に銀杏羽が落ち、それから数日の間に胸元の羽根も次々に抜け落ちていた。おまけに冠羽も少し抜け落ちと報告されています。https://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/・八木山動物園の飼育個体では、6月初旬にはメスと対照的にカラフルで特徴的だったオスの羽模様も、7月には一見メスとは見わけがつかない位に地味な色合いになりましたと報告されています。https://www.city.sendai.jp/zoo/sns/blog/20240726_mizudorikannu.html(3)印旛沼のオシドリ雄個体写真1枚目から4枚目が印旛沼で観察した越夏個体です。・生殖羽では後頭に橙色の冠羽がありますが、印旛沼の個体では脱落していました。・嘴は汚れた鈍い印象の赤色でした。・三列風切の1枚である橙色の銀杏羽も脱落しています。・黒に白い帯が目立つ胸の羽根も脱落しています。・肩羽や雨覆にバフ色の羽縁はありませんでした。・雄幼羽から第一回生殖羽で見られる細い脇の淡色斑はありません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p42-48.誠文堂新光社.大塚 攻・西本悟郎・上野吉雄・佐伯昌彦・住田代志也・渡辺健三・西田雄介・近藤裕介.2022.広島県東広島市七ツ池におけるカモ類の出現記録:特に,希少種メジロガモ,トモエガモの出現及び3 種の越夏や渡りの遅れについて.広島大学総合博物館研究報告.第14巻.p17-24.
2026.07.06
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アオバズクは、夏季に都市部の公園や社寺林で繁殖するフクロウ科の鳥類です。日本国内では甲虫や蝶を主な餌としており、それらが減少する冬季には東南アジアに渡ると考えられています。しかし、具体的な渡り経路はほとんどわかっていませんでした。先月11日に東北大学が発表されたプレスリリースは、アオバズクの渡りルートを解明した画期的なものです。内容の一部を紹介します。(アオバズクの渡りルート)東北大学が、2024年から2025年にかけて宮城県に生息するアオバズクにGPS記録計を装着し調査したところ、秋にカリマンタン島まで移動し、春には中国を経由して繁殖地に戻ることを突き止めたと旨を同学が発表しました。内容は「アオバズクに2024∼2025 年の一年間装着した GPS 記録計1台を解析したところ、秋の渡りでは 10 月下旬に日本列島を南下したのち、鹿児島県佐多岬~フィリピン・ルソン島の間のフィリピン海上を 1848km にわたって昼夜を問わず飛行し続けていたことが分かりました」、「その後、11 月下旬にインドネシア・カリマンタン島に到達しました。春には、3 月下旬にカリマンタン島を出発した後、海南島に到達するまで南シナ海上を 1500km 近く飛行しました。その後、中国大陸部を北上して東シナ海を渡り、4 月下旬に前年と同一の繁殖地に帰還しました」というものです。(過去のアオバズクについての標識調査)竹田山原楽(2026)は、「1961年から2023年にかけて実施された鳥類標識調査における、アオバズクの放鳥記録と再回収記録を整理すると、63年間で放鳥された747羽のうち、1000km以上離れた場所で再回収された例はいずれもフィリピンのルソン島が関与していました(計4例:「日本国内→ルソン島」の移動が3例、「ルソン島→北朝鮮」の移動が1例)」と報告し、「今回のGPSデータで特筆すべきは、春の北上ルートが秋の南下ルートと大きく異なる点です」と記しています。(清棲が報告している国外の分布)清棲(1952)が国外の繁殖地として、報告しているのはつぎのとおりです。韓国中部以南(1883/8-/11)、京畿道海城(1927/10)、京畿道水原(1909/6)、京畿道金村(1889/5、1913/5、1914/7)、慶尚南道釜山(1884/5-6、1885/11、1886/6)、済州島(1929/11)、台湾台北(1896/12)、台湾台中(1931/12)、台湾台東(1911/3、1908/5、1917/2、1925/1、1928/3)、台湾紅頭嶼(1929/4、1933/7)、台湾火焼島(1933/7)をあげています。冬季は中華民国南部、比津實諸島(パラワン島、ルソン島、ミンダナオ島、フガ島、キュヨ島、カラヤン島、カミグイン島、ミンドロ島、パシラン島、マスペート島に渡来すると述べています。竹田山原楽(2026)の調査でルソン島から北朝鮮への移動や日本国内からルソン島の移動が明らかになり、清棲(1952)が越冬地としてあげている島との往来が裏付けられたことになります。(アオバズクの翼形態と飛行でのエネルギー効率)竹田山原楽(2026)が「フクロウ類のなかでも特に細長い翼を持ちますが、こうした翼形態は翼面荷重を下げエネルギー効率の良い飛行を可能にします」と述べており、1500~1800kmの海上移動を可能にしているひとつの要因と考えられます。(引用)清棲幸保.1952.日本鳥類大図鑑.第2巻.p433.大日本雄弁会講談社.国立大学法人東北大学.2026.海を越えるフクロウ類:アオバズクの渡り経路を解明 ―世界最長の海上移動と、その先に待つ大規模プランテーション―.プレスリリース.2026年6月11日.竹田山原楽.2026.海を越えるフクロウの旅 アオバズクの渡り経路解明.バードリサーチニュース 2026年6月29日.(写真)1枚目:;2022年6月22日、2枚目:2016年7月2日、3枚目:2020年7月19日、4枚目:2017年7月19日いずれも千葉県で撮影
2026.07.05
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先月まで見守りをしてきた林と別の場所にツミが営巣し、幼鳥が誕生し生育を続けています。26日の第二綿羽に包まれた幼鳥を観察し、合計4羽の幼鳥が誕生しているのがわかりました。昨日の観察で2羽が巣から離れ近くの枝に移動し巣立ちとなり、2羽は巣の中にいるのを目撃しました。ただし、巣立ちした幼鳥も成鳥から餌をもらうと巣に戻り、休んでいます。巣の厚みは4羽が腹ばいとなって休んでいても体が隠れるので外敵が襲来しにくいようです。(幼鳥の羽衣のいろいろ)ヒナ(幼鳥)は、白いふわふわとした第一綿羽に包まれています。1週間程度で第二綿羽に換わります。頭頂、背、翼などがバフ色を帯びています。誕生後2週間ほどで幼羽が現れます。4週ほどで生えそろいます。写真1枚目の個体は、頭頂、背や腹に綿羽が残っています。2枚目の個体は、頭頂に綿羽が残っていますが、上面は幼羽となっており、背や腹には綿羽がありません。3枚目、4枚目の写真は、2羽ともほぼ幼羽となっている個体です。風切基部に白いパッチが現れ、羽先がバフ色に見えます。なお、パッチの出方は個体により差があります。(雄成鳥は空中で獲物の小鳥を雌成鳥に渡す)6月には雄成鳥が獲物をぶらさげて林に帰還し、枝で雌成鳥に餌を渡していました。しかし、帰還の度、オナガが執拗に襲いかかったり、追尾するのに飽き飽きしたようで、7月に入ってはほぼ毎回空中で餌の受け渡しが行われています。森岡ほか(1995)が報告しているように、空中で餌の受け渡しをするワシタカ類としてチュウヒ類をあげ、雄のところに雌がむかえに飛んでいくと雄は獲物を落とすと記しています。今朝の観察では、雌が下方向から接近し雄の足のそばに接近するという離れ業でした。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p439.文一総合出版.(写真)2026年7月4日撮影(3枚目、8枚目は2026年7月3日撮影)
2026.07.04
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7月に入るとヌマアジサシの1種クロハラアジサシが姿を見せる頃なので、印旛沼沿岸を探索しました。気温は23℃前後なのに湿度が高く遊歩道で風が抜けるところ、風が抜けないところでは体感温度に雲泥の差。(お目立てのクロハラアジサシは沼の水面遠くを飛翔)広大な水面を探索していくと、対岸の成田市松崎先から酒直先の水面に体下面が黒色のクロハラアジサシがひらひらと飛翔する姿を見つけました。そばに黄色の嘴でクロハラアジサシに比べてサイズが小さめのコアジサシも飛翔。そのあと、カワウの群れが止まる近くの杭に2種とも降り立ちました。体のサイズ、嘴や足の色の違いを観察できました。写真5枚目がクロハラアジサシとコアジサシが杭に止まった光景、写真6枚目がクロハラアジサシが飛翔している姿、写真7枚目は手賀沼に2020年8月飛来した時の画像です。参考としてアップしました。(オシドリ雄成鳥の姿を発見)クロハラアジサシを観察していた折、船着き場にオシドリ雄成鳥の姿を見つけました。頬から下に橙色の羽が残っており、嘴は真冬の紅色が色あせた感じで、銀杏羽はありませんでした。また、肩羽、雨覆にはバフ色の羽縁はなく、成鳥であることがわかりました。(その他の鳥たち)岸辺近くの船の上に頭部と胸部が茶化していたカルガモ、遊歩道近くの土砂置き場の上を悠々とキジ雄成鳥が移動する姿、沼の水面の杭にとまり、餌の魚を平らげていたミサゴ、テリトリーに侵入してきたオオヨシキリを追い払ったモズ若鳥と思われる個体、葦原で自慢の喉を披露していたホオジロの姿を堪能しました。この他、ヨシゴイが葦原の上を飛翔する姿もありました。(写真)2026年7月3日撮影
2026.07.03
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昨日、柏市のオフィス近くのお宅の一角でカビチョウが出現し囀っていました。柏市ではこれまで侵入の観察報告がなかったのではじめての観察です。川上(2003)が、中国南部を中心に自然分布する種と述べ、中国、東南アジアで非常に人気のある飼い鳥と記し、1980年代から九州北部、関東地方、福島県などで野生化し、分布は拡大中と報告しているチメドリ科の鳥類です。地上で昆虫、果実を食べるウグイス、ホオジロなどの在来種を圧迫する懸念があります。(ガビチョウの観察記録)国立環境研究所作成の侵入生物データベースを調べてみると、「江戸時代から輸入の記録があるが、野外では1980年代に北九州で観察されたのが最初である。関東では1990年に山梨で最初に観察された」と報告されていました。令和7(2025年)度環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況のアンケートの結果もあわせて閲覧してみました。関東地方での侵入記録を確認してみると、つぎの通りでした。関東地方では、神奈川県、東京都、埼玉県で侵入した市区町村が大半を占めているのに対し、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県では限られた市町村で侵入している結果でした。ガビチョウは、下層植生の発達した環境を好みますので、そうした環境があるところでは侵入しているところが多いのてはないかと思われます。(*)低木や草本(草)、シダ植物などの総称です。(関東地方の侵入している市区町村)茨城県2023年(土浦市、笠間市、常陸大宮市のみ)栃木県2023年(佐野市、鹿沼市、小山市、真岡市、那須塩原市、市貝町は2023年宇都宮市、足利市、大田原市は2024年)群馬県2023年(前橋市、桐生市、東吾妻町は2024年)埼玉県2023年(川越市、熊谷市、本庄市、東松山市、狭山市、鴻巣市、深谷市、上尾市、朝霞市、桶川市、北本市、富士見市、日高市、伊奈町、毛呂山町、越生町、滑川町、嵐山町、小川町、川島町、吉身町、鳩山町、ときがわ町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村、美里町、神川町、寄居町は2023年、さいたま市、秩父市、飯能市、戸田市、入間市は2024年)千葉県2023年(野田市、佐倉市、我孫子市、四街道市、一宮町、袖ケ浦市のみ)東京都2023年(目黒区、杉並区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、立川市、武蔵野市、府中市、調布市、町田市、東村山市、国分寺市、国立市、あきる野市は2023年、八王子市、東大和市、多摩市、瑞穂町は2024年)神奈川県2023年(川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市、大和市、伊勢原市、座間市、南足柄市、綾瀬市、葉山町、寒川町、大井町、山北町、箱根町、愛川町、清川村は2023年、横浜市、相模原市は2024年)(高山帯にも生息域を広げている)昨年山梨県が、2024年に中央アルプス国定公園の高山帯で本種の鳴き声を初めて記録し、中央アルプスの亜高山帯の複数個所でもガビチョウのさえずりを確認したとの発表をしています。富士山、アルプスなどの高山帯での侵入が注目されます)(引用)川上和人.2003.私たち、中国から来ました-森林性移入鳥類の現状-.自然科学のとびら.第9巻第2号.p12-13.山梨県プレスリリース 令和 7 年 12 月 15 日特定外来種ガビチョウが生息域を高山帯へ広げていることを確認.pp1環境省国立環境研究所 侵入生物データベース令和7(2025)年度環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」 https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx(写真)2026年3月6日茨城県で撮影
2026.07.02
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今日から7月。野鳥たちの子育ても終盤にさしかかっています。谷津田のサシバ、トビ、手賀沼の水鳥などを探索して歩きました。スタート地点では、コブハクチョウ、カルガモ、カワウの姿を観察。コブハクチョウは片脚だけを背中に乗せて休んでいた個体を1羽見つけました。水の抵抗をさけて移動する知恵なのでしょうか、また、カルガモは胸が茶化し、嘴先端の黄色部がより濃い印象のある個体でした。(絶滅危惧種チュウサギを支える谷津田)2026年3月に発表された第5次レッドデータブックに準準絶滅危惧と区分されたチュウサギが複数姿を観察できるのが谷津田とその周辺の水田です。今朝は、水田の畦をゆっくり歩きながら餌探しに集中していて観察している私の姿はまったく眼中にない様子。動きを観察していると、ドジョウと思われる獲物を丸のみしている光景を観察できました。谷津田にはカナヘビ、トカゲも生息していてこちらもチュウサギの大切な餌です。(サシバの繁殖ステージのいろいろ)複数の谷津田を訪ね、サシバを観察。最初に訪ねた谷津田では、風切羽が脱落している成鳥が鳴きながら 飛翔する姿を見つけました。左右対称に抜けて生え変わると言わりています、そのあと、立ち寄った谷津田では、電柱に止まり水田をじっと凝視していたと思ったら水田に降り立ちヤマカガシと思われる餌を捕食。(谷津田の一角または村落の屋根などで繁殖するセグロセキレイ)電線にセキレイが降り立ち、姿を確認すると耳羽が黒色で上面が黒色のセグロセキレイ雄成鳥でした。セグロセキレイの1回の繁殖には約二か月半が費やされると言われており、まだ家族生活を営んでいる雄個体ではないかと思われました。(写真)2026年7月1日撮影
2026.07.01
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流山市市野谷調整池とおおたかの森駅周辺を探索しました。先日、鳥友からイワツバメと思われる鳥が駅上空を飛翔していたとニュースをもらい、遠足気分で現地を訪ねました。また、帰り道、柏駅近くで誕生したチョウゲンボウの様子を見に立ち寄りました。(市野谷調整池について)当初は、雨水を貯めて坂川に放流する下水道調整池として整備される計画だったものが、貴重な水鳥の飛来もあり、環境影響を軽微にする保全の要素を取り入れ、ヨシやガマなどの水生植物を植えるなどの整備が行われたところです。面積は33,120㎡(約3.3ha)です。(市野谷調整池は子育てする夏鳥でにぎやか)遊歩道沿いを探索していくと、水路にはカルガモ親子、キジ雄成鳥、葦原に複数にオオヨシキリ、空中で採餌したり泥玉を採取している複数のツバメ、電線で盛んに囀っていたホオジロの姿を観察しました。(オオヨシキリ幼鳥を観察)成鳥が葦原に止まってギョウギョウシと囀る姿を見かける方は多いと思いますが、幼鳥の姿を観察する機会はなかなかないもの。ここでは、葦原に複数のオオヨシキリ幼鳥が登場。嘴の淡色部が広く、ピンク色、まだ眉斑は見えておらず、目の上がに白っくなっていました。(柏駅前のチョウゲンボウ)前回18日に訪ねた折には、幼鳥3羽の姿を観察しました。今回は、2羽が巣から離れた施設屋上に設置されている太陽光パネルの一角にありました。(写真)2026年6月30日撮影(オオヨシキリ成鳥は2026年5月31日吉川市で撮影)
2026.06.30
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春先に渡ってきたツバメは、葦原に小規模のねぐらを作り、4月に入ると住宅街に集まり、人家などの建築物に造巣、営巣し産卵しています。その後、6月以降では規模の大きなねぐらを作るようになります。幼鳥の割合が7月以降増加していく傾向にあることを報告している文献もあり、ねぐらの規模、成鳥と幼鳥の割合を把握し、成鳥と幼鳥が時期をずらして渡っているのかを把握できたらと思います。(集団ねぐらが作られる環境)環境省(1991)は、7月から9月にかけて形成されるつばめの大規模ねぐらの調査結果を整理し報告しています。報告によると、個体数が10000羽以上の大規模な集団ねぐらは、ツバメがねぐらをとる範囲は数10~数100m四方のせまい範囲であるにもかかわらず,面積が10000㎡以上のヨシ原でのみ確認されたと記しています。なお、個体数1000羽以下の比較的小さな集団ねぐらが、関東平野南部に多数確認されたとも述べています。また、集団ねぐらのほとんどが、平野部にあるヨシ類を優占種とする湿性草地で確認され、ガマ類やカヤツリグサ類などが優占する植生はあまり利用していない、湿性草地は、利根川や多摩川などの比較的大規模な河川の中流から下流域、霞ケ浦のような湖の岸などに成立しているものが多い結果だったと記しています。(集団ねぐらにおけるツバメ成鳥と幼鳥)小林ほか(1992)は、1982年から1991年の間で山口県および広島県で行ったツバメの集団ねぐらを調査した結果を報告しています。報告では「ねぐらの利用は早いところで5月下旬から、多くは6月初旬にはじまり10月中、下旬ごろまで続き、ピークは7月中旬から9月初旬」と報告しています。あわせて、期間調査期間内のでの幼鳥の割合は6.3%、6月前期は幼鳥比は39.1%、6月後期には幼鳥比69.9%と幼烏の割合が多くなり、7月前期(70.8%)、7月後期(74.2%)、8月前期(85.4%)、8月後期(89.0%)、9月前期95.0%期、9月後期(98.2%)と幼鳥の割合が増加したと述べています。ツバメの成鳥は幼烏よりも早く、8月から越冬地への渡去をはじめ、9月にはほとんどの個体が渡去し、幼烏群は遅れて9月に渡去のピークがあると思われ、成鳥と幼鳥が別々に時期をずらして越冬地へ渡ることを示唆されると述べています。(手賀沼沿岸でのねぐら)我孫子野鳥を守る会(1974-2026)で手賀沼沿岸とその周辺地域での観察記録を振り返ると、4月から5月に手賀沼の水域を飛び交う姿を見かけ、7月に入ると水田地帯で20~30羽前後の群れか飛翔します。その後、8月半ば前後に柏市大井新田から戸張新田にかけての葦原にツバメの群れが集合するようになります。我孫子野鳥を守る会の観察記録によると、個体数の報告のあるデータでは2021年8月19日の約2000羽が最も多いものでした。なお、成鳥と若鳥の割合についての継続的な観察記録は見当たらず、小林ほか(1992)が報告している季節がすすむにしたがって幼鳥の割合が増える点の評価については、情報が不足しています。ただし、観察記録を見て個別に見ていくと、1995年9月15日我孫子市内若鳥100羽、1996年9月15日若鳥50羽、1998年7月10日柏市内巣立ち直後の幼鳥22羽、2005年8月13日柏市内幼鳥27羽、2008年7月26日柏市内幼鳥70羽、2020年6月18日柏市内幼鳥10羽、2021年7月18日柏市内7羽、2022年6月30日柏市内若鳥1羽、2022年7月17日柏市内若鳥28羽、2022年7月20日柏市内若鳥40羽、2021年8月5日柏市内若鳥12羽、2023年8月8日柏市内12羽といった報告があり、季節がすすむにしたがって幼鳥の個体数が多い傾向にあることは読み取れます。(成鳥と幼鳥の特徴)小林ほか(1992)が「成鳥は額とのどは赤褐色、虹彩は赤っぽい茶色、翼と尾を含め上面はすべて青色光沢のある黒色、尾は長い燕尾で特に両最外側が長く先が細い。これに対して幼鳥は額と喉は黄褐色やこれに薄茶色の混じったものなどがみられ、成鳥よりもかなり淡い。虹彩は赤色味の乏しい暗灰褐色で、翼と尾をふくめた上面は灰黒色で金属光沢は目立たない。尾が成鳥に比べてかなり短かく、また先がやや太い」と報告しています。(引用)我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.no1-n311.1974年11・12月号-2026年7-8月号.環境省自然環境局.1991.ツバメの集団ねぐらの現状と動向.pp4小林繁樹・武下雅文・村本和之.ツバメHZrzmdbrustjcaの集団ねぐらにおける成鳥幼烏比の季節変化.Strix第11巻.p219-224.日本野鳥の会.(写真)1枚目成鳥:2020柏市2020年5月17日柏市若柴、2枚目成鳥:2023年5月18日柏市若柴、3枚目幼鳥(巣立ち直後):2023年6月15日柏市岩井、4枚目幼鳥:2019年6月16日柏市柳戸で撮影
2026.06.29
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先月まで見守りをしてきた林とは別に6月20日にツミが営巣し、第二綿羽につつまれた幼鳥の姿が見られるようになっています。雄成鳥は林の外に出かけ獲物を捕獲し帰還した後、雌成鳥に渡す光景が頻繁となっています。(ツミとオナガの敵対関係)ところが、ツミとオナガの関係が今まで見てきたものと全く違いがあるのに気がつきました。ツミの巣の周囲にオナガは巣を作り、ツミがカラスを追い払ってくれる防衛行動をとるとされています。ところが、目の前で展開されるのは、雌が雄からの餌を受け取った瞬間からオナガがその近くにジェージェーと鳴きながら接近し、巣に移動しようとするとそれを妨害する行動が見られます。見かねたツミは、巣の近くと周囲からオナガを追い払う行動を何度となく展開しています。くわえて、オナガが巣に瞬間的に降り立ったところをツミ雌が反撃し、追い払うといった光景も目撃しました。(見張りをする電柱と羽繕いをする電柱の使い分け)今日は、巣の幼鳥の様子を一望できる高さの電柱のてっぺんに止まり、オナガが巣に接近しようとすると猛スピードで追い払いを行っていました。追い払いが完了すると、今度は別の電柱に移動する姿を観察しました。すると今度は、翼、尾羽を広げて羽繕いをはじめました。高さの違う電柱を用途により、使い分けしているようでした。(写真)2026年6月28日撮影
2026.06.28
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この時期は、野鳥たちの繁殖期に入っており、雌雄が卵やヒナの子育てを行う姿を目のあたりにします。一夫一妻が多いと言われている野鳥ですが、種類によっては配偶システムを調べてみるとさまざまなものが存在しており、餌の関係や個体同士の競争、行動圏の関係で変化することを報告している文献が存在します。(同一種で4タイプの配偶様式)浦野(1992)が配偶システムについて知見を整理し報告しています。中でも興味を持ったのが、ヨーロッパカヤクグリの同一個体群の中に一夫一妻、一妻多夫、多夫多妻の4つのタイプの配偶様式が見られ、餌の分布や個体の競争能力などの行動圏面積により変化することがわかっていると記している点です。鳥類の子育てをめぐる雌雄の関係について、繁殖の基本にある子育て、多様な配偶システムなどの視点で整理し述べています。そして、「配偶が可能な個体がこれから繁殖しようとする異性と出会わなければ複婚は成立しない。(中略)配偶可能な個体の性比も重要となる。実行性比が雄に偏れば一夫多妻が、雌に偏れば一妻多夫が生じやすくなる」と結んでいます。(配偶様式のタイプ)一夫一妻以外の配偶様式を持つ種類を整理したものを紹介します。(1)一夫多妻西海(2007)が、一夫多妻のオオヨシキリについて「オスの20~30%が2~3羽のメスとつがう半面,なわばりを持っても1羽のメスともつがえないオスが15%前後いる。同一なわばり内で複数のメスが別々に順次営巣する」、「4月中に渡来したオスは一夫多妻になる傾向が強く、5月中ごろ以降に渡来したオスはメスを1羽も得られないことが多い」と報告しています。(2)連続的一夫多妻上田(2006)は、連続的一夫多妻のセッカについて知見を整理し、報告しています。「オスは繁殖期間中に次々と巣をつくっていき、多いときには20個もの巣をつくる」、「一つの巣ごとにメスを誘っては交尾し,卵やヒナの世話をメスにまかせ、次のメスを誘う巣づくりに励む.これまで知られている限りでは一夫十一妻になった例があるが、一夫多妻になれるのは全体の4割程度」と記しています。(3)日本の戦国時代の勢力圏拡大のような婚姻形態斎藤(2016)は、ミソサザイについて知見を整理し報告しています。「配偶システムは一夫一婦かまたは一夫多妻。最多で一夫四妻まであることが羽田・小堺(1971)の志賀高原の亜高山帯針葉樹林帯で行われた研究で報告されている。また。つがった雌の数とオスの行動圏には正の相関関係があり、つがうメスが増える毎にオスは行動圏を拡張させていくことが明らかとなっている」と述べています。(4)番いでいる期間が短い特殊な一夫多妻制のタマシギ米田(2015)が「オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしていると言えます。他の一夫一妻制の生態を持っている種類の場合でも、次の年には番い相手を変える鳥はたくさんいます。タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違う所です」と報告しています。(引用)浦野栄一郎.1992.鳥の配偶システムと子育て.週刊朝日百科.動物たちの地球.鳥類Ⅱ(5)通巻第836号.p158-160.朝日新聞.上田恵介.2006.セッカ Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.西海功.2007.オオヨシキリ Bird Research News Vol.4 No.8.p4-5.米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥類研究所HP 読み物コーナー.2015年8月6日掲載.斎藤武馬.2016.ミソサザイ Bird Research News Vol.13No.7.p1-2.山階鳥類研究所.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.ヤマケイ文庫.p146-148.(写真)1枚目:2025年6月2日稲敷市、2枚目:2016年7月10日稲敷市、3枚目:2022年5月26日長野県、4枚目:2023年2月22日都内で撮影
2026.06.27
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先月まで見守りをしてきた林ては別に6月20日にツミの営巣と成鳥雌の姿を観察できました。その様子をリポートします。(第二綿羽につつまれた幼鳥)その後、行動を観察してきた結果、23日に巣の中にヒナが動いているのを発見し、24日に訪ねた際には第二綿羽(*)となっている幼鳥の姿を観察しました。なお、綿羽に包まれた幼鳥は2羽以上動いているのが見えますが、待機時間が長くなると親鳥の育児放棄を招くため短時間としているので確認にいたらず。(*)幼鳥の第一綿羽の個体は一週間ほどで第ニ綿羽に生え変わり、頭頂、背、翼など上面がややバフ色を帯びるとされています。幼鳥は、孵化後2週間程度で幼羽が生え始め約4週齢で生え揃うと言われています。観察できた幼鳥は孵化後10日以上経過しているのではないかと思われます。(成鳥ペアの給餌)雄成鳥が獲物を捕獲し雌成鳥に受け渡しを行い、雌が巣から離れた木に止まり解体した後、巣に運搬しちぎって与えています。植田(1992)が報告しているように、ヒナがふ化するまでははば一定し1日に約3羽の獲物を運んでいると思われますが、育雛期では獲物の運搬回数が増加していきます。ただし、ヒナ(幼鳥)の数は運搬回数には影響を与えていない模様です。今朝、雄成鳥が雌に渡した羽はスズメの先端に白色がある雨覆と思われるもの(写真7枚目)、外弁が茶色に見える次列風切と思われるものでした。獲物は、季節が進行していくと変化していきますので地面にも注目していくのも楽しい時間です。(雌はヒナへの給餌が終わった後の羽繕い、巣とヒナへの警戒)幼鳥への給餌が終わると、雌成鳥は巣から離れた電柱に止まり羽繕いを行っています。しかし、その視線は常に雌の方向を凝視し、巣に接近するオナガ、カラスなど姿がないか見守っています。また、雄成鳥は林全体を見渡せる高圧線に止まり、特にカラスが接近すると猛スピードで追い払う行動をとっています。(写真)2026年6月26日撮影(引用)植田睦之.1992.ツミが繁殖期に捕獲する獲物数の推定.Strix.第11巻.p131-136.日本野鳥の会.
2026.06.26
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ヤマケイ文庫「山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書」の読書会に参加したメンバーから、タマシギについて質問をもらいました。内容は、その婚姻形態についてでした。(質問内容)山階(2023)にタマシギに関して「雌はつがいになって3~4日はずっと雄と一緒に行動し離れることはありません。ところが4個の卵を産み終えるすぐに雄からもそのからも離れていき戻ってくることはありません」と記されている。それは観察データにもとづくものなのかとの内容でした。(鳥類の繁殖形態)米田(2015)は、鳥類の繁殖形態についての知見を整理し報告しています。( )内は鳥類の中での比率その報告によると、(1)一夫一妻90%以上、(2)一夫多妻約2%(資源防衛型ハーレム(メス防衛)型、レック型)、(3)一妻多夫1%以下(資源防衛型 共同的一妻多夫型)、(4)多夫多妻(十数種)、(5)托卵(約3%、種内托卵 真正托卵)、(5)共同繁殖(数百種)(1)一夫一妻:世界の鳥類1万種のうち90%以上は一夫一妻で、オスとメス1羽ずつで番を作り子育てを分担します。(2)一夫多妻:1羽のオスが数羽のメスと番いを作り、子育てはオスはほとんどしないものも多いですが、分担する場合もあります。オオヨシキリ、セッカが含まれます。(3)一妻多夫:1羽のメスが複数のオスと番いを作り子育ては主にオスが行いますが、メスが分担する場合もあります。クイナ類、ミフウズラ類、レンカク類、ヒレアシシギ類がここに含まれます。(4)多夫多妻:複数のオスと複数のメスが一つの共同繁殖群を作り、一つの巣に共同産卵する場合や複数の巣を作る場合もあります。メスが主に子育てをして、オスは縄張りを守りますが、雛の世話をすることもあります。(5)托卵:ほかの鳥の巣に卵を産んで雛を育ててもらう形態です。(6)共同繁殖:自分の子供ではないヒナの世話をそのヒナの親と一緒にする形態です。(タマシギの一夫多妻の変わった生態)山階(2023)が記している内容は、米田(2015)に報告されている滋賀県琵琶湖のほとりと愛媛県の瀬戸内海沿岸での調査結果にもとづく報告です。報告では、「産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をしますが、メスはどこかに飛んでいくことが多く」、「4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続けました。この結果オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮すことが分かりました」と記されています。さらに、「個体識別して観察をすると、メスは「コーンコーン」と聞こえる良く通る大きな声で鳴きながらオスを求めて飛び回ります。オスと番いになったメスは約1週間はそのオスと一緒にいますが、そのあとはまた次のオスを求めて飛び回ります。(中略)1羽のメスは少なくとも4羽のオスと7回以上番いになった」と述べています。興味深いのは、米田(2015)が「オスも何回かメスを変えて繁殖するため、私は一妻多夫とは言えないのではないかと思っています。むしろ産卵前3~4日から産卵中の4日間はずっと番いで過ごすことからこの期間は厳密な一夫一妻制の繁殖生態をしていると言えます。他の一夫一妻制の生態を持っている種類の場合でも、次の年には番い相手を変える鳥はたくさんいます。タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違う所です」と報告している点です。多くの図鑑がタマシギに関して一夫多妻で繁殖との解説をしていますが、番いでいる期間が短い特殊に一夫多妻制の鳥類と表現すべきものです。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥類研究所HP 読み物コーナー.2015年8月6日掲載.山階鳥類研究所.2023.山階鳥類研究所のおもしろくてためになる鳥の教科書.ヤマケイ文庫.p146-148.(写真)2023年2月22日都内水元公園で撮影した雄成鳥頭央線があり、目の周囲に勾玉模様が見られ、下面の白色が肩まで食い込んています。頭の色はこげ茶のように見えたので頭の色が淡い若鳥との違いがあります。
2026.06.25
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6月に入り、はじめて野田市のコウノトリの里を訪ねました。大ゲージに飼育されている「カナタ」「ミライ」がクラッタリング(*)するので上空を見上げたらヤマトとひなたが北北西方向から帰還しました。(*)上下の嘴を叩き合わせて「カタカタカタ」とカスタネットのような音を出します。パートナー同士での意思疎通で行うことが多いようですが、コウノトリの里では野外で暮らすペアとコミュニケーションをとるのによく使っています。帰還した後、飼育施設の一角に止まり羽繕いをし、向かい合ってクラッタリングを披露。写真右側の個体が雌のひなた(足環:右 青・黄色、左 緑・緑)、左が雄のヤマト右 黄色・黄色、左 黄色・黒)です。その後、水田に降り立ち、2羽ともに餌を物色。その後、林でサシバ2羽が登場し、1羽が鳴き声をあげ1羽が中に入っていきました。このペアのほかに南側の林上空にもサシバペアが登場。このほか、電線に止まっていたツバメ成鳥と若鳥が一斉に道路に降り立ち、日光浴を開始。気持ちのよさで悶絶するような表情を見せていた若鳥、巣材を物色していた幼鳥、その近くの水田で巣補強用の泥玉を採取していた成鳥の姿を観察しました。(写真)2026年6月24日撮影(足環情報:愛称の次は上部、下部の順)ヤマト:右 黄色・黄色、左 黄色・黒、ひなた:右 青・黄色、左 緑・緑
2026.06.24
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鳥友で鳥類に関する書籍・文献を読みあう読書会を開催しました。今回は、6月19日に記した記した婚姻色が現れるカワウについて学習を鳥友と一緒に読書会を開きました。読書会で用いたのは、バードリサーチがデータを提供している加藤かなえさんのカワウのほんです。(以下、加藤(2014)と記します)(1)カワウの繁殖羽について加藤(2014)は、羽色に関して「繁殖期の成鳥は,頭から首の部分と腿の部分に白色の細い羽毛が生じる。皮膚の裸出部は黄色から黒ずんだ色に変わり、目の下には紅色の斑紋がでる」と述べています。婚姻色について整理したものを提供した折、カワウの婚姻色について触れたのはこの目の下の紅色の斑紋です。写真1枚目:頭部全体に白色の羽毛が生じていて、目の下に紅色の斑紋があります。写真2枚目:後頭に白い羽毛が生じていて、目の下に紅色の斑紋があります。写真3枚目:頭部全体に白い羽毛が生じていますが、目の下には紅色の斑紋はありません。写真4枚目:目の下に紅色の斑紋がある個体です。写真5枚目:目の下に紅色の斑紋がない個体です。(2)喉の皮膚裸出部分の斑点とその色、目の下に現れる婚姻色が見られる期間)加藤(2014)は、目の下の婚姻色が見られる期間について、次のように報告しています。「喉の黄色い皮膚裸出部には黒い斑点がプチプチ出てきて、黄色と黒が混ざり合って全体としては暗いオリーブ色に見えるようになります。運が良ければ、エメラルドグリーンの目の下に出る鮮やかな赤い斑点の婚姻色を見ることができるかもしれません。福田道雄さんの観察によると、この赤い色は10日間くらいで消えてしまうそうです。頭部から頸部にかかる部分と腿の外側の白い糸状の羽も1~2 ヶ月の内にどんどんと擦り切れるように抜けていき、ヒナが孵ってしばらくすると繁殖羽の鮮やかな時期は終わります」と述べています。(3)白髪鵜(しらがう)の現れ方繁殖期には頭部が白くなり足の付け根に白斑が出ます。現れるタイミングについて加藤(2014)は、「営巣に先立って現れます。頭部と同時か、もしくはやや早く腿の外側も白くなります。この白い部分は、普通の羽とは異なり糸状の細長い形をしていてそれが黒い」と述べています。(4)巣に座っているカワウの姿勢でわかることカワウが巣に座っている姿勢を観察していると、ただ座っている、抱卵している、ヒナを抱いていることがわかることを加藤(2014)が紹介しています。抱卵している時には尾羽を上げており、小さなヒナを抱いている時は背中と翼に注目すると少し膨らんで見えると記しています。(5)その他冊子に整理されている内容ヒトとカワウの関わり、カワウの分類、形態、採食、繁殖、移動、生態系における位置と役割、過去の個体数と個体数の変動について、季節的増減について、カワウによる被害、個体群管理、人との繋がりと多岐にわたる記事が満載です。(引用)加藤かなえ.2014.カワウのほん.pp131.バードリサーチ.(写真)1枚目:2023年3月27日手賀沼、2枚目、3枚目:2021年11月23日水元公園、4枚目、5枚目:2026年3月14日吉川市で撮影
2026.06.23
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朝の天気予報では、北の風が入るが蒸し暑い日になるとの予報でした。ところが印旛沼にヨシゴイや夏鳥を探索しに出かけ現地に到着すると肌寒さを感じました。北の風が入れば、気温は上がらないはずと昔の気象予報で学んだ通りでした。(ヨシゴイの姿は限られたものを観察したのみ)お目当てのヨシゴイの姿は、抽水植物帯(根を水底の土に張って茎や葉の一部が水面上に突き出ている植物が群生している中を茎につかりながら移動していました。かつて、ヨシゴイを目当てに撮影者が集中した葦原では複数のヨシゴイの鳴き声はするものの、飛翔する姿は限られた個体のみでした。2022年まではほぼ同一時期に8個体程度が葦原の上を頻繁に行き来する姿を目撃しましたが、75%程度減といった状況です。(オオヨシキリは抱卵真っ最中)オオヨシキリは、西海(20007)が報告しているように最初のメス(第一雌)がなわばり内に入るとオスはさえずりをやめメイトガードを行ないます。今日観察していたエリアでは葦原に止まっていたオオヨシキリ雄のうち盛んに囀っていた個体よりさえずっていない個体の方が多い印象があったのはそういった影響かもしれません。アップした写真でおわかりの通り、雄個体では眉斑が目の後方まで続いています。(セグロセキレイはどこで繁殖しているの)吉高機場近くで、セグロセキレイと思われる個体が嘴に虫をくわえて降り立ち、その後巣にむかって移動していきました。倒れた草の下や倒木の下、橋桁、建物の隙間などに巣をつくると聞いています。セグロセキレイの抱卵は14日前後、ヒナ誕生後は3週間程度親鳥から給餌を受けると言われていますので、まさに育雛期なのだと思います。(引用)西海功.2007.オオヨシキリ Bird Research News Vol.4 No.8.p4-5.(写真)2026年6月22日撮影
2026.06.22
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昨日、5月12日に観察したのを最後に渡去し行方不明だったツミの姿を目撃したことをリポートしました。今朝は朝まで雨が降っていたものの、やみ間がありこんな日はツミの日光浴を観察できる可能性が高くなります。同時に初列風切の状態を確認できる絶好のチャンスでもあるのでうきうきしながら現地に向かいました。複数のオナガが鳴きながらツミを追尾している姿を目にしたので、落ち着くまで林の一角で待機していると、電柱の上に雌成鳥が止まり、望んでいた通りの日光浴を披露してくれました。今朝観察した限りでは、換羽ははじまっていないようでした。(初列風切の状態)ツミの初列風切は11枚あります。初列風切は内側から外側にむかって数えます。研究者はP1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、P10、P11と表しています。(ツミの複数の換羽様式を持つ)産卵前の時期は、ツミの羽の状態を注目する絶好の時期です。森岡ほか(1995)が「ツミは年一回完全換羽する、5月頃から体羽から換羽を開始し少し遅れて風切の換羽が続く、雌は雄より早く抱卵を開始すると同時に換羽」と報告していることを考えると、換羽がどのようにスタートするかを観察できるチャンスと考えられるからです。井関ほか(2012)は、ツミに関して一般的なタカ科とは異なる換羽をしている、ハヤブサ科と同じタイプの換羽パターンであったと考えられたと報告をしています。報告では、「換羽の開始時期が早く、渡る前に越冬地で一部を換羽しているという共通点」があり、「P1 のみ換羽した個体(愛媛・繁殖 1 個体)、P1 は不明だが P2~P4 が換羽した個体(沖縄・繁殖 1 個体)、P6 のみ旧羽の個体(福岡・渡り 1 個体)、P6,7 のみ旧羽の個体(福岡・渡り 1 個体)など計 6 個体である。これらの個体が同一の換羽をしているとすると、P1 からP5(内から外)に向って順番に換羽するとともに、P10 から P6(外から内)に向って換羽している」「6月末にもかかわらず初列風切羽根を 1枚しか換羽していない、秋の渡り時期に換羽が終了していないといった換羽の時期が遅いという特徴を持っている」と記しています。前記に加え、初列風切を最内側のP1から最外側のP10へと順番に換羽する標準的な換羽様式の個体が存在していることから複数の換羽様式を持っていると考えられたと記しています。なお、前記報告後、井関ほか(2021)が「換羽様式は全容解明には至っておらず,更なる調査が必要」と指摘し、「換羽における性別,時期別,地理別の違いの有無を調べるために統計解析を行った。これらの解析により,ツミの独特な換羽様式が得られた」と報告しています。(写真)1枚目から4枚目は2026年6月21日撮影、6枚目から8枚目は観察地は違いますが、羽の状態に関する資料として添付します。(引用)森岡照明.叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p480-486.文一総合出版.伊関文隆・佐藤達夫・三上かつら・片岡宣彦・梶田学. 2012.ツミは複数の換羽様式を持つ非常に稀な鳥だった-ツミには2つのグループがある?.日本鳥学会2012年度大会報告資料.pp1
2026.06.21
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今季、観察を続きて来た林のツミ、5月12日に観察したのを最後に渡去し、行方不明でした。今朝、林から1km弱離れた林でツミ雌成鳥が鳴きながら移動しているのを見つけました。個体を観察していると、肩羽、次列大雨覆の内側羽と三列風切に白い羽央が見えましたが、先月まで観察していた雌とは白い羽央の現れ方が違うので同一個体ではないと思われました。林の中を見ていくと、一角にツミのものと思われる造巣中の巣を発見しました。巣の中には巣に敷くものと思われる青葉のついた枝が認められました。近くの枝で雌成鳥が胸から腹の羽根を膨らませる(膨羽・ぼうう)行動が見られました。(膨羽について)リラックスしている時に一時的に胸のあたり全体を膨らませたと思うと腹のあたりに空気を入れるように膨羽行動。羽と羽の間に空気の層を作り、体温が逃げないようにするのに膨らませるものです。なお、鳥類がずっと膨らませているのは病的な現象です。平年のこの時期はヒナが誕生し雌雄ペアがひっきりなしに餌を運搬する時期ですが、今朝個体は造巣または産卵に失敗し場所を変えて造巣したものと思います。その様子をしっそりと見守りたいと思います。(写真)2026年6月20日撮影
2026.06.20
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カワウについていくつかの図鑑で「繁殖羽に見られる婚姻色では頭部が白くなり、足の付け根に白斑が出る」と解説されているが、先日研究者から聞いた話しでは繁殖時期の一時期に嘴、目先、足など露出部に現れる鮮やかな色のことを指すとの内容でした。どちらが正しいのでしょうかと質問をもらいました。(図鑑類によって違う婚姻色の意味)統一された定義がないので、図鑑により婚姻色は繁殖期になると現れる特有の色と記されていまるものとくちばし、目先、足などの露出部に現れる特に鮮やかな色のことと記しているものがあります。前者の記述は永井(2014)、石田(2015)や叶内(2020)は繁殖羽に見られる色ということで記され、後者の記述は、遠藤(2005)をはじめ藤岡(2006)、海老原(2009)、平野(2011)、益子(2014)が繁殖期または求愛期、つがい形成期に嘴と虹彩、目先の裸出部の色が変わることを報告しています。このうち、海老原(2009)は、「一般的に動物に関する「婚姻色」とは、魚、両生類、腿虫類などで繁殖期に現れる平常時とは違う色べ紋様のことを言いますが、野鳥の場合は、夏羽の中でも繁殖直前4繁殖中の一時季、くちばし、目先、足などの露出部に現れる特に鮮やかな色のことを言います」とより具体的に報告しています。(サギの婚姻色)海老原(2009)は、サギ科の婚姻色について、次のように記しています。なお、夏羽の中の一時季に婚姻色が現われると述べています。ゴイサギ 虹彩:赤みが強い。目先:赤緑色。足:鮮紅色・濃紫赤色。ササゴイ 目先:青。足:赤み。アマサギ アイリング:赤み。目先:赤紫色。くちばし:朱赤色。足:朱赤色。ダイサギ(亜種チュウダイサギ)虹彩:赤橙色。目先:コバルトブルー。足:赤み、濃いピンク色。チュウサギ虹彩:赤橙色。目先:黄緑色。足:少し赤み。コサギ 虹彩:青緑色。目先:赤。足指:赤。アオサギ 目先:赤。くちばし:赤みの強いピンク。足:赤みの強いピンク。(カワウの婚姻色)カワウ成鳥繁殖羽は、頭から首の部分と腿の部分に白色の羽毛があります。くわえて、繁殖期の成鳥では皮膚の裸出部が黄色から黒ずんだ色に変化し、目の下に紅色の斑紋がでます。これも婚姻色と範疇です。(キジバトの婚姻色)キジバトでは1月以降春先にかけて目の周りの赤い裸出部分が大きくなる個体を見かけます。(写真)サギ科の鳥については、基本的な海老原(2009)が整理している内容にそって写真をアップしています。1枚目:ゴイサギ、2025年5月20日埼玉県越谷市、2枚目:ササゴイ、2015年7月4日東京都、3枚目:アマサギ、2023年5月28日埼玉県越谷市、4枚目:アオサギ、2022年3月30日千葉県、5枚目:ダイサギ、千葉県習志野市、6枚目:ダイサギ、埼玉県吉川市、7枚目:2026年6月16日手賀沼沿岸、8枚目:コサギ、埼玉県越谷市、9枚目:2016年7月12日東京都江戸川区、10枚目:カワウ、手賀沼沿岸、11枚目:カワウ、2026年3月14日埼玉県吉川市、12枚目:キジバト、柏市で撮影上記のうち、ダイサギは目先がコバルトブルーで足がピンク色の個体(5枚目)、目先はコバルトブルーなのに足は黒色(6枚目)の2枚、コサギについては婚姻色が現れる時期に開きがあるので8枚目の個体は5月末、9枚目の個体は7月半ばに見られた個体の2枚をアップしました。このほか、カワウは、頭部が白くなり、足の付け根に白斑があり、目の下に赤い裸出部分が大きい個体(11枚目)、目の下に赤い裸出部分のみ(12枚目)の個体の写真をアップしました。(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.pp327.遠藤菜緒子.2005.ゴイサギ Bird Research News Vol.2 No.8.p4-5.藤岡正博.2006.フィールドワーカーが語る野生生物 サギ類.pp9.かながわ野生生物リハビリテーター養成フォローアップ講座 資料.海老原美夫.サギ類の婚姻色を楽しむ.日本野鳥の会埼玉県支部報しらこばと.2009年5月号.no301.p2-3.益子美由希.2014.チュウサギ Bird Research News Vol.11 No.3.p4-5.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.pp399.文一総合出版.石田光史.2015.野鳥図鑑.pp399.ナツメ社.叶内拓哉.2020.山渓ハンディ図鑑日本の野鳥.pp655.山と渓谷社.
2026.06.19
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2001年に姿を見かけてから25年目となったチョウゲンボウ、巣立ちとなり営巣場所近郊を飛び交う幼鳥2羽、営巣場所の反対側や対角線上の建物への移動が精一杯の幼鳥1羽と行動範囲に違い出ています。(幼鳥による行動の違い)一枚目の写真は、到着直後に見かけた近距離の移動が精一杯な幼鳥がテレビアンテナに止まっていた光景、二枚目は親鳥が餌をぶらさげて巣の方向に帰還する姿を見つけるといち早く営巣場所に戻り翼を広げて親鳥に猛アピールしていた光景、三枚目は近郊を飛翔していた2羽の幼鳥が営巣場所に戻り3兄弟が勢ぞろいした光景です。(外敵カラスの接近に身を潜める姿勢)短距離の移動が精一杯の幼鳥にとっては近くにカラスが接近してくると、身を低くして潜むような素振りを見せていました。(行動が活発な幼鳥は高層マンションのベランダのフェンスで餌を食べる)親鳥並みの飛翔が可能となっている幼鳥は、営巣場所から離れた建物最上階で獲物を受けとりどこで食べるのかと注視していたら、マンションのフェンスに止まり翼でバランスをとりながら餌をついばみ始め、食べ終わるとご満悦の表情のように見えました。その後、短腕の翼を羽ばたかせて移動し違うマンションの屋上階に移動。(写真)2026年6月18日撮影
2026.06.18
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ヨシゴイの雌雄について、どんなポイントを確認したらよいかと質問をもらいました。いくつかの文献に記されている内容を整理してみました。(ヨシゴイの特徴についての記述について)1980年頃までは高野(1980)が「雄の頭上は黒く雌では暗黄褐色、雌の下面には褐色の縦斑(中略)、幼鳥は下面に黒褐色の縦斑がある」と述べているような解説が多かったものの、以降は頭上の色、前頭から胸にかけての縦斑に関する記述がされているものを見かけるようになっています。桐原(2000)は「雄は頭上が黒い。(中略)前頭から胸にかけて黒い縦斑が数本見られるが中央の1本しか見られない個体が多い」、雌については「頭上は赤褐色。前頭から胸にかけて5本の淡褐色の縦斑が入る」と記しています。叶内(2011)は、成鳥雄は「額から後頭は青みのある黒色。頭から後頭は褐色。(中略)「喉から体前頚の中央に暗色の縦斑が1本ある」、成鳥雌は「全体に淡色で前頭の黒い部分はないかあっても縦斑となる」「頚の茶色の線は中央と両側に2本の計5本。成鳥雄は1本か複数あっても中央以外は淡い」と記しています。永井(2014)は、雄成鳥の頭上はキャップ状で暗色、頭上は濃紺色、雌成鳥は頭の暗色部が前頭に及ばない。後頭部のみ青黒色と記しています。(ヨシゴイの雌雄識別のポイント)(1)雄成鳥について複数の図鑑に雄成鳥の頭上は黒い点を指摘しています。(2)雌成鳥について複数の図鑑が雌成鳥の頭上は褐色または全体に淡色または前頭の黒い部分はないことを指摘しています。(写真で頭上の色に着目すると)・写真1枚目から3枚目:頭上が黒く、頭から後頭が褐色であり、雄成鳥と思われます。・写真3枚目から5枚目:頭上の暗色部が前頭に及ばず後頭部のみ青黒色であり、雌成鳥と思われます。4枚目と5枚目は先日6月13日に上州で観察した個体です。(写真で前頭から胸にかけての縦斑に注目すると)・写真6枚目、7枚目:前頭から胸にかけて5本の縦斑が入っており、雌成鳥と思われます。・写真8枚目:前頭から胸にかけて中央に1本縦斑が入っており、雄成鳥と思われます。(雄成鳥の繁殖期の嘴基部の色)佐原(2013)が「繁殖期にクチバシ基部が特にオスでは顕著に赤くなる」と報告しています。写真9枚目、10枚目の写真がそれに該当するものです。(写真)1枚目:2021年6月5日印旛沼、2枚目:2013年7月13日埼玉県越谷市、3枚目:2024年6月13日群馬県、4枚目、5枚目、6枚目:2026年6月13日群馬県、7枚目:2025年7月7日群馬県、8枚目:2024年8月13日群馬県、9枚目、10枚目:2025年7月7日群馬県、(引用)高野伸二.1980.野鳥識別ハンドブック.p51-53.(財)日本野鳥の会.桐原政志.2000.日本の鳥550水辺の鳥.p71-71.文一総合出版.叶内拓哉.2011.山渓ハンディ図鑑.日本の野鳥.p196-197.山と渓谷社.佐原雄二.2013.ヨシゴイ Bird Research News Vol.10 No.1.p4-5.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑670.258.文一総合出版.p258
2026.06.17
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朝から青空が広がる梅雨の一日、手賀沼沿岸の谷津田を訪ね、サシバの登場を待ちました。沼西端から東端の水面を探索した後、複数の谷津田を一ヶ所ずつ見て回りました。(サシバペアによる繁殖ステージの違い)一ヶ所目の谷津田では、雌雄ペアと雄成鳥の姿を目撃しました。雌雄ペアの雄(写真6枚目、7枚目)は、谷津田を見渡せる木のてっぺんと餌場の水田を一望できる電柱に止まり餌を待伏せ、雌(写真8枚目、9枚目)は雄とは別の木のてっぺんに止まり近くを旋回しているトビに警戒しながら水田の小動物の動きを見ているようでした。ペアで採餌に出ている場合、ヒナが誕生している可能性が高いと言われています。前回も同様の行動てしたのでヒナが誕生しているとしたら20日齢程度経過しているものと思います。なお、雌個体後頭に点々とした白斑が認められました。後頭に白いパッチがあるのは雄個体が多いと聞いていますが、雌にも小さな白斑があるのだと再認識しました。二ヶ所目の谷津田では道路沿いの電柱に、頭が灰色で眉斑がなく、胸が褐色の雄と思われる個体が止まっていました。こちらは、雌は登場せずでした。(水鳥たちの姿)手賀沼の水面には水鳥の姿はカワウ以外にはありませんでしたが、水田にはコブハクチョウ、水路脇にカワウが小魚の動きを凝視する姿、水田ではアオサギと背中に細く長く伸びた蓑毛が素敵なチュウサギの姿を見つけました。繁殖期だけに見られる蓑毛は、細毛でありそれをサケと呼んだことがサギの名の由来となったと聞いたことがあります。(小鳥たちの姿)ある谷津田の電線には、複数の亜種カワラヒワの姿を見つけました。全体的に黄緑色が目立ち、冬に見かけていた亜種オオカワラヒワの頭から後頸にかけての灰色とは違うのを改めて観察しました。このほか、沼の遊歩道脇の電柱には複数のホオジロ雄成鳥の姿があり、縄張りの見張りをする姿を見かけました。(写真)2026年6月16日撮影
2026.06.16
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手賀沼沿岸と周辺地域では、ホトトギスの鳴き声は聞くのにカッコウの鳴き声は聞かない。元々いないエリアなのか、それとも減少したのかと質問をもらいました。(結論)・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。周辺地域の観察記録を確認してみても我孫子市北部に広がる水田地帯である北新田で5月から7月に鳴き声が観察されていますが、こちらも2021年6月9日を最後に観察記録が途切れています。北新田では、大部分が水田であり託卵相手であるモズ、オオヨシキリの個体数が限られていること、台風などで増水すると水田が冠水してしまう年もあること、餌の毛虫が少ないことなどが影響しているのではないかと考えられます。(明治以降の手賀沼沿岸の観察記録)我孫子市(1995)が明治時代以降の鳥類の観察記録を整理し報告しています。ホトトギス目について、カッコウ、ツツドリ、ホトトギスの記録が認められたのは1970年代以降と述べています。(全国のカッコウの分布)全国の繁殖期におけるカッコウに関する分布調査では、1978年までは千葉県北西部で繁殖の可能性があるとの報告がありましたが、1997年から2002年、2016年から2021年では観察記録が限られたもののみとなっています。草原や開けた林、牧草地を好むと言われているカッコウですが、千葉県では他地域と比べるとそれらが少ないことによるのではないかと思われます。(近隣の都県でのカッコウの動向)朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大、神奈川県(2022)では箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向がある、茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。(引用)我孫子市.1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.pp168.東京都.2020.レッドデータブック.p447-506.神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書.茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7.(写真)1枚目:2017年7月19日栃木県奥日光、2枚目:2018年6月2日栃木県戦場ヶ原で撮影
2026.06.15
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5月18日にコチドリの3羽のヒナをはじめて見つけ、その後の様子を観察しています。昨日、成鳥1羽と幼鳥3羽の姿があり、採餌したと思うと親子で上空を飛翔したり、幼鳥が初めて水浴びをしている光景を目撃しました。今朝、訪ねると親子とも姿がなく、畑地を後にした可能性が高いと思われました。一番大きい幼鳥が37日齢、最も小さい幼鳥で29日齢での誕生地からの出発となりました。(幼鳥の水浴び)ダイナミックに翼を広げ、全身でばしゃばしゃと水浴びする光景と思っていたら、幼鳥のそれは餌をたいらげた後に水たまりに移動し静かに腰を下ろす動作でした。最終的には下面がすべて水たまりの中に浸るようなものでした。(秋の渡り)笠原(2020)が述べているように、秋の渡りは日本の繁殖地を出発した後、中国や台湾を経由してフィリピンに南下し、ルソン島、ミンドロ島、ミンダナオ島と広い範囲で越冬していると言われています。また、繁殖地から越冬地までは32日から136日、距離3100kmから4220kmあまりです。どのあたりを経由して越冬地に向かうのか興味のあるところです。成鳥がピッピッピッと鳴き、幼鳥を励ましながら移動していくのかと想像を巡らせています。(写真)2026年6月13日撮影
2026.06.14
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上州自慢の遊水地にヨシゴイ、渡良瀬の一角で子育てをしていたトラフズクの様子を観察に出かけました。ヨシゴイの飛来地は、ガマやカヤツリグサに注目し待機しているとヨシゴイが舞い降りてくれるフィールドです。このほか、オオバン、バンの造巣し抱卵していると思われる個体、日光浴をしていた個体を見かけました。(ヨシゴイの羽衣)頭上が黒っぽく、前頚から胸にかけて黒い縦斑が数本あった成鳥雄、上面に縦斑があり、前頚から胸らかけて黒い縦斑があった若鳥雄と思われる個体を観察できました。写真は、すべて成鳥と思われる個体です。抽水植物の茎につかまりながら忍者のように移動する姿、遊水地の隣りのある水田に降り立ち餌探しをしていた光景など時間を忘れて観察に没頭した時間でした。(トラフズク親子)渡良瀬のトラフズクは、成鳥2羽、誕生した幼鳥4羽のうち1羽の姿を観察できました。成鳥は下面の縦斑が太い印象のある雌と思われる個体と雄と思われる個体の姿がありました。圧巻だったのが地面に降り立ったカラスが接近してきた折、トラフズク幼鳥がその方向に視線を向けたと思ったら嘴を開けて鳴き声を出した模様でした。声は風にかき消されて聞き取りができず、次回の宿題となりました。(写真)2026年6月13日撮影
2026.06.13
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2001年に姿を見かけてから25年目となりました。今朝、様子を見に出かけましたら巣がある換気口から3羽の幼鳥が顔を出し、成鳥雌雄各1羽、若鳥1羽の合計6羽のチョウゲンボウの姿を観察できました。イトーヨーカ堂柏店が2024年11月に閉店してからは、残ったテナント店が入っているので幸い取り壊されずに建物は残っています。チョウゲンボウのペアからすれば人間の都合など関係のないことなので、今シーズンも春に姿を見せ、産卵、ヒナ誕生となりました。換気口から顔を出したヒナの様子を観察すると、頭上に綿羽が残っているのみなので22日齢前後と思われました。綿羽が脱落すると巣から外に出て、31日齢前後で巣立ちを迎えます。来週から再来週には巣立ちとなるものと思います。幼鳥にくわえて、若鳥と思われる個体が何度も巣のそばに降り立ち、羽づくろいを披露。尾に灰色味がないので若鳥雌ではと思われました。(写真)2026年6月12日撮影
2026.06.12
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今シーズン、出会えていない絶滅危惧種アマサギを求めて、千葉県流山市、野田市、埼玉県吉川市、松伏町を探索。流山市内でツミ雄成鳥が捕獲してきた小鳥の羽をむしり雌とヒナのもとに運搬する直前の姿を目撃してからスタートとなりました。(アマサギ探索の途中で遭遇したアカハラツバメ)埼玉県側を探索しましたが、アマサギの姿はみつけられず。それでも、途中の電線にツバメ4羽が止まり、うち1羽が胸から脇と下尾筒が赤褐色の亜種アカハラツバメ(Hirundo rustica saturata)でした。この他、アオサギも観察。(背の亜麻色の飾り羽が素敵なアマサギ)その後、千葉県野田市と流山市の境にある水田地帯でようやくアマサギの姿を見つけました。ゆっくり歩きながら餌を探していました。バッタ類が元来の主食で、水田でオタマジャクシやカエルを採ると聞いていますのでそれらを探していたものと思います。観察した個体は、頭と背がオレンジ色で、嘴に婚姻色の赤みが残っている夏羽でした。背にはうっすらと亜麻色の飾り羽があり、風になびいて素敵でした。(写真)2026年6月11日撮影
2026.06.11
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。前回は強風で成鳥の巣への出入りや巣から幼鳥が顔を出す光景も確認できずじまいだったので、様子を見に出かけました。(幼鳥の様子)複数個所の巣から顔を出したのは、頭上に産毛のある幼鳥1羽のみでした。このほか、巣立ちして巣から離れて餌探しをしていた幼鳥が2羽、成鳥3羽を観察しました。なお、他の巣への成鳥の出入りや幼鳥が顔を出すのは観察できませんでした。(チョウゲンボウの生育)チョウゲンボウのヒナは、日齢8日前後で尾羽が生え、翼に羽鞘が現れて、耳孔が開くと言われています。12日齢前後で立ち上がって餌をとることが可能となり、綿羽が灰白色となると聞いています。22日齢前後で綿羽が脱落し、27日齢前後で巣の外で活動するようになり、31日齢前後で巣立ちを迎えると言われています。巣から離れて活動していた幼鳥は31日齢を過ぎている個体、巣から顔を出していた個体は、頭上以外の綿羽はなかったので22日齢前後と思われました。(幼鳥の雌雄について)森岡ほか(1995)が尾の黒褐色の横帯で雌雄が識別できることを述べています。その内容は、「上面の黒褐色の横帯は雌成鳥より幅が広く、上面全体がより暗色に見える。多くの個体で黒褐色横帯は赤褐色(橙褐色)の横帯より横幅が広い」、「雄幼鳥は茶褐色の横帯より黒褐色横帯の方が幅が広い」というものです。アップした写真のうち2枚目、3枚目の幼鳥は、上面の黒色横帯の幅が広く見えたので雌と思われました。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.図鑑 日本のワシタカ類.p617.文一総合出版.(写真)2026年6月10日撮影
2026.06.10
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坊主頭と黄色の虹彩が特徴のフクロウ科アオバズクについて、成鳥はヒナの成長とともに与える餌の内容を変化させていると書籍で読んだが、もう少し詳しく知りたいと質問をもらいました。(とりあげていた書籍)mililie(2025)は、研究者の報告や知見、ニュース報道などで取り上げられていた鳥類について報告しています。アオバズクについて、ヒナの成長とともに与える食べ物を変えていることがわかったと述べています。この記事の元となったのが、溝田ほか(2020)が報告している論文です。内容の一部を紹介します。溝田ほか(2020)は、兵庫県神戸市で昆虫類の翅や頭胸などの残し餌を回収しその種類を同定し、アオバズク成鳥がヒナに給餌した結果を整理し報告しています。回収した残し餌1,452 個体のうち、コウチュウ目のオオクロコガネの回収個体数は最も多く、その値は269個体(18.5%)であった.次いでコウチュウ目のノコギリカミキリが216 個体(14.9%)、コウチュウ目ドウガネブイブイが 114 個体(7.9%)、チョウ目モモスズメが74 個体(5.1%)コウチュウ目クワカミキリが 56個体(3.9%)、チョウ目のアケビコノハが 51個体(3.5%)、コウチュウ目クロシデムシ41個体(2.8%)、マルオクコガネが39 個体(2.7%),オオコフキコガネ Melolontha frater が34 個体(2.3%)、およびコフキコガネが 33 個体(2.3%)の順だったと述べています。(主要給餌生物と育雛期の進行での餌の変化)溝田ほか(2020は、「育雛期に回収した残し餌は多様な餌種で構成されていた」、「育雛期におけるアオバズクの主要な給餌生物がコウチュウ目およびチョウ目」と記し、「コウチュウ目およびチョウ目の個体数の割合は,コウチュウ目では、アオバズクの育雛期の進行に伴って増加したのに対しチョウ目では減少」と報告しています。さらに、興味深いのは育雛後期では、チョウ目からコウチュウ目へ推移したと報告し、さらに「コウチュウ目の頭部、胸部、および腹部といった体部位のうち、硬い外骨格に覆われた頭部および胸部を除去し、柔軟な外骨格を有する腹部のみを特異的に給餌」、「アオバズクは、育雛期間を通して,チョウ目あるいはコウチュウ目の腹部を選択的に給餌し、ヒナに柔軟な外骨格のみを与えていると推察された.実際に、アオバズクの成鳥の胃内容物において、コウチュウ目の頭部および胸部が確認されているにもかかわらず、それらをヒナに与えなかった」と述べている点です。前記のうち、注目されるのは、消化器官が未発達なヒナに柔軟な外骨格を有する腹部を与えていた点、成鳥がコウチュウ目の頭部や胸部を食べているのに、それをヒナに与えなかった点です。mililie(2025)が「甲虫類でも特に硬い部分を取り外し腹部のみを与える。ヒナが食べやすいように下処理して食べさせている」と記しているのは、前記報告を読者向けにわかりやすく表現したものです。(引用)溝田浩美・布野隆之・大谷 剛.2020.育雛期間の進行に伴うアオバズク Ninox scutulata japonica の給餌内容の変化.日本鳥学会誌第69巻.第2号.p223-234.mililie.2025.子供の食事に気を遣う、夏に見られる小さなフクロウ.身近な鳥の素顔名鑑.p122.SBクリエイティブ.(写真)1枚目:2017年7月15日千葉県、2枚目:2016年7月2日茨城県、3枚目:2022年7月9日茨城県、4枚目:2020年6月27日茨城県で観察・撮影2枚目、4枚目は下面の斑が太く濃いことから雄個体、3枚目は下面の斑が褐色に見えることから雌個体ではと思われます。
2026.06.09
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鳥友から今シーズンのホトトギスの渡来について質問をもらいました。今シーズンと過去の初認日の推移を整理してみました。(2026年ホトトギスの初認)5月28日に手賀沼沿岸で鳴きながら移動するのを目撃しました。ほぼ平年並みの初認でした。(過去の手賀沼とその沿岸でのホトトギスの初認)柏市と手賀沼とその周辺地域の初鳴き日に関して推移を整理してみました。(1998年から2025年の初鳴き日:2000、2005は観察できず)・5/20までに観察した年:2008/5/18、2013/5/17・5/21-/31までに観察した年:1999/5/24、2001/5/23、2002/5/22、2003/5/28、2010/5/21、2014/5/31、2021/5/24、2024/5/27、2026/05/28・6/1-6/10までに観察した年:1998/6/4、2006/6/4、2011/6/3、2023/6/1・6/15以降に観察した年:2007/7/9、2009/6/18、2017/7/2(ホトトギスの初鳴き日の年変動)バードリサーチ(2020)は、ウグイス、ツバメ、オオヨシキリ、カッコウ、ホトトギスといった春の鳥類について初認の進み方や年変動に異なるパターンがあると報告しています。報告では「初認の遅いものほど年変動が小さくなる傾向がありました。気温の年変動が大きい 春早い時期の鳥の初認もそれに応じるように年変動が大きくなり、遅い初認の鳥たちは小さくなるのだと思われます」と述べています。くわえて、ホトトギスについては年による変動が大きいと記しています。(ホトトギスと森林率)バードリサーチ(2023)が「農地・住宅地などの森林でない低標高の場所で、ホトトギスの分布が拡がっていた」と述べ、ホトトギスが託卵するウグイスについて「森林率が50%以下の調査地では、ウグイスの個体数が増加している場所が多かったのに対して、50%より高い場所では減少している場所が多い」とその背景について記しています。オフィスのある柏市の森林率は約10%、千葉県の森林率は28.8%、日本の森林率は67%ですから森林率の低い柏市ではウグイスが増加し、ホトトギスの飛来数はもっと増えるはずです。手賀沼沿岸に注目すると、2001年に開発総面積約49haの宅地造成があり、谷が住宅地となりました。雑木林が消失し、一時的にウグイスの繁殖可能な環境となり、2005年から2008年の間で記録できた件数が増加しました。しかし、宅地増加と共に藪が減少し、ウグイスの生息場所が減ったためホトトギスの観察件数が減少しました。(写真)ホトトギス:2023年10月13日松戸市で撮影ウグイス:2022年2月4日都内で撮影(引用)バードリサーチ.2020.種や時期により違う初認のパターン.バードリサーチニュース 2020年5月.バードリサーチ.2023.日本の森の鳥の変化:ホトトギス.バードリサーチニュース 2023年4月.
2026.06.08
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オフィスの最寄り駅周辺にイソヒヨドリペアの様子を見に出かけました。前回(5月27日)は成鳥雌雄が給餌していましたが、今朝は雌が餌を捕獲し帰還後、何度も換気口の中に入っていきました。餌はヤモリが一回、ブユのような虫が数回でした。(写真6枚目、7枚目を参照)伊澤・松井(2011)が「鱗翅目幼虫、ゴキブリ類が多く、甲虫目、コオロギやバッタなどの直翅目、ミミズ類、ムカデ、ヤモリ、アオカナヘビ、カエル、クワやガジュマルの実」と報告しています。ヒナの成長伴う餌の変化も注目していきたいと思います。(雄成鳥の嘴の長い個体とそうでない個体)観察した雄成鳥2羽のうち1羽は嘴の長さが長く、上嘴が下嘴よりも長く先端が下方向に垂れている個体でした。(5月13日に観察した個体と同一と思われます)1枚目、2枚目の写真の個体が嘴の長さが長い個体、3枚目の個体は別のビルの屋上階に止まっていた雄成鳥です。なお、嘴の長さが普通のイソヒヨドリ雄成鳥の個体の写真を4枚目にアップしました。(雄成鳥のお尻フリフリダンス)嘴の長い個体が駅舎の屋根で餌を捕獲した際に、極楽鳥のようにお尻を振りダンスをする仕草を披露。求愛ダンスを踊ることは目撃したことがありますが、餌捕獲でご満悦での動きははじめて目撃しました。写真5枚目がその光景の一部です。(引用)伊澤雅・松井 晋.2011.ヒヨドリ Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.(写真)2026年6月7日撮影(4枚目は2025年5月2日撮影)
2026.06.07
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5月18日にコチドリの3羽のヒナをはじめて見つけ、その後の様子を観察しています。幼鳥たちの成長ぶりには目を見張るものがありますが、週末から週明けにかけて大雨の可能性ありとの予報が出ていて心配はつきません。(成鳥の動き)活発に動き回る3羽のヒナの最も近くにいるのが雌成鳥です。(写真2枚目参照)鳴き声が聞こえる範囲にヒナたちの姿があることが多いのですが、畑地の端まで移動すると先回りして見張る位置をかえています。このほか、外敵のカラスが畑地に降り立った時には、雄成鳥(写真1枚目)がまず矢面に降り立ち追い払い行動をはじめています。同時に雌成鳥がヒナたちに集まれとばかりに鳴き声(*)を出して招集しています。(*)警戒している時にはピゥ、ピィまたはピピピと早口で鳴いています。カラスが飛来した際の擬傷行動では濁ったピッピッピと連続した大きな声で鳴いています。(幼鳥のいろいろ)a.最もサイズの大きい幼鳥は、29日齢前後と思われます。(写真3枚目、4枚目)嘴は成鳥並みの長さで、目を縁取る黄色の皮膚の輪(アイリング)が目立ち、下嘴基部が肉色、足は肉色です。b.前記以外の幼鳥は、顔が褐色で各羽はバフ色の羽縁を持ち、羽の先端が毛羽立っています。(写真5枚目から8枚目を参照。)畑地を独力で活発に動きまわっており、21日齢を過ぎた個体でと思っています。aの個体は黒みを帯びた褐色ですが、顔がより褐色かがっているように見えました。胸の帯模様が淡い褐色で輪郭がぼやけている印象があります。動きが活発なため、特徴を観察しているとすぐ移動してしまい、見極めに難しさがあります。(写真)2026年6月6日撮影
2026.06.06
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印旛沼沿岸に姿が見られるモモイロペリカン(通称ガー君またはカンタ君)は、2002年に姿を観察して以来、早25年が経過しています。それ以前に姿があった可能性もありますから、年齢は25歳以上ということになります。先週5月29日に観察した際は、体が濃いピンク色となっていました。これまで観察した際に撮影した画像を使って羽色のいろいろを整理するとともに知見を整理してみました。(ピンク色への変化)サンシャイン水族館オンラインショップが紹介している中に、羽の色の変化について次のように記されています。羽の色が変化する仕組みには諸説あり、食べる餌の成分により羽の色が変わるともいわれています。モモイロペリカンのお尻の近くにある尾脂腺からは、防水効果のある油脂が分泌されており、それを羽に塗ることで際にピンク色に変化します。(https://onlineshop.sunshinecity.jp/blog/post-3828/)写真1枚目は2026年5月29日の撮影したもので体が濃いピンク色、写真2枚目は漁師の船に同乗しているもので体は白色です。(モモイロペリカンの喉袋)前記ホームページには、喉袋についても解説があります。内容は、「喉袋の皮膚はゴムのように柔軟に伸び、なんと最大で10Lほどの水が入ります。喉袋に入った水はくちばしの端から排水。上下のくちばしがうまく噛み合う様になっていて、中のものを出さず、水だけ出すことができ、魚だけを飲み込める仕組みになっています。大きなくちばしと喉袋を広げて魚を捕まえる様子は、なかなかの迫力です」と記されています。写真3枚目は2024年7月3日に撮影の姿、写真4枚目は2019年7月29日撮影の姿です。(印旛沼のモモイロペリカンの雄それとも雌?)外観からは雌雄の識別をするには難しいと聞いていますが、外観から識別する方法がないかと調べてみました。日本平動物園のホームページに「繁殖期の間、オスは顔の皮膚が黄色がかったピンク色になり、メスは明るいオレンジ色になる。脚はかすかに茜色を呈する」と記されていました。多磨動物園のホームページにも同様の解説がありました。(https://www.nhdzoo.jp/animals/naka.php?animal_uid=168)(https://www.tokyo-zoo.net/tama/encyclopedia/great-white-pelican/index.html)(風切について)モモイロペリカンの幅広の翼を広げると黒い風切が見えます。写真5枚目から8枚目が翼を広げた際に見えた黒い風切です。桐原(2000)が述べているように、風切は翼下面でもはっきりと黒く、雨覆の白と黒との境が明瞭です。印旛沼の個体では観察したことがありませんが、ヨーロッパの集団がアフリカのに渡り越冬をする際に幅広い翼を広げて遠くまで出かける姿が文献で紹介されています。(冠羽について)後頭部に房状の冠羽があります。寝かせている時と冠羽を起こしている時の形状の変化があります。写真9枚目、10枚目がその光景です。(ダイナミックの水浴び)船着き場近くの水域で水浴びをする光景を見かけます。写真11枚目がその光景です。船着き場から水をすーと移動し、大きな翼を羽ばたき水浴びを行っていました。(引用)長谷川博.1991.カツオドリ、ペリカンの仲間たち.朝日百科 動物たちの地球.p6-61.朝日新聞社.(写真)1枚目:2026年5月29日、2枚目:2021年10月30日、3枚目:2024年7月3日、4枚目2019年7月29日、5枚目:2025年3月10日、6枚目:2021年10月30日、7枚目:2021年6月5日、8枚目2021年3月6日、9枚目2018年12月2日、10枚目:2018年12月2日、11枚目:2021年3月6日撮影
2026.06.05
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筑波山麓の神社を起点とする林道に夏鳥を探索しに出かけました。しかし、台風6号の影響で複数の倒木があり、ホトトギスとキビタキの鳴き声を聞いたのみでした。そのため、山麓の建物に営巣しているコシアカツバメの姿を観察しに移動。ただし、建物の老朽化に伴う工事中でコシアカツバメが営巣しているのは限られた箇所だけとなっていました。入口がとっくり型をした巣、入口の間口が広いタイプ、造巣したのにスズメに乗っ取られている巣がありました。(コシアカツバメ成鳥が同じ巣に出入り)入口がとっくり型をしている巣には3羽の成鳥が出入りをしている姿を目撃しました。中にヒナがいて食欲旺盛なのか建物周辺で餌をとり、運搬しているのではないかと思います。ただし、巣に入りしばらく顔をみせず入ったままも何度も目撃。巣が子育ての場でもあり、休憩の場ともなっているようでした。くわえて、巣から出る時の仕草も独特なことに気がつきました。周囲の左右、上下を見渡してから外へ出る動作をしていました。なぜだろうと思ったら対角線上にある照明の隙間にスズメが虎視眈々とコシアカツバメの巣を凝視していたのです。あわよくば乗っ取ろうとしているものと思われました。(写真)2026年6月4日撮影(6枚目、7枚目は2023年5月同所で撮影)なお、コシアカツバメの営巣場所は、撮影者が殺到すると支障があることから地名などは非公開とさらてもらいます。あしからず。
2026.06.04
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに掲載されている種類について注目される種類について紹介します。今回紹介するのは、2024年2月から春先に都内複数個所で観察されたミゾゴイです。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「20世紀後半に日本各地で観察記録が少なくなっており、全国的に個体数が減っている。保護収容個体数の推移を調べた結果から1960年代以後に継続的に減少していると考えられている」と述べ、個体数について「国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは近年の成熟個体数を5,000-9,999個体と推定している」と報告しています。(生息の現況)環境省(2026)は、「低地の広葉樹林や針広混交林を好み、人工植林地はあまり営巣に利用しない。国内では20世紀後半に人工林面積が増加し、天然林面積が減少傾向にあったことから、この時期には繁殖地が減少した可能性がある。21世紀に入り国内の天然林面積は増加傾向にあるが、太陽光発電施設や竹林の拡大などのためミゾゴイが好む低地林は減少している可能性がある」と記しています。(手賀沼とその周辺地域での記録)我孫子市(1995)は、我孫子市における調査結果と標本および文献記録を整理し報告しています。その中でミゾゴイについては、「1984年5月に確認されている」と述べています。くわえて、隣接する柏市でミゾゴイの生態と一致するヨシゴイの誤認の可能性がある観察記録があると指摘しています。(かつては日本の代表的な夏鳥で昼行性の鳥)川上(2013)は、ミゾゴイの生態、森との関わりなどについて知見を整理し報告しています。その中で、「韓国と台湾でわずかな記録がある以外は日本国内で記録されています」と述べています。くわえて、「夜になくものの、雛の餌探しは主に昼間行っている」と記しています。野外では日没から朝方までさえずりが聞かれることからいつの間にか夜間の鳥というイメージが定着してしまった印象がありますが、タカやカラスなどの天敵から攻撃を避けつがいを形成するのに有利だったと評価する研究者か多くなっています。(引用)我孫子市1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.p61-62.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)1枚目、2枚目:2024年4月25日都内、3枚目:2024年2月29日都内で観察・撮影
2026.06.03
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6月に入りはじめて手賀沼沿岸の谷津田を訪ね、サシバの登場を待ちました。複数の谷津田では雄成鳥が電柱にとまり餌をねらう姿がありましたが、一ヶ所は雌成鳥が電柱に止まり水田の畔を凝視していました。抱卵は雌がメインに担当しますが、孵化したと同時に雌が餌探しに登場しますから、ヒナが誕生した可能性があります。(サシバ雌の眉斑のいろいろ)同じ谷津田に複数のサシバペアが造巣しているところもあり、姿が登場した際には細かい点を観察する必要があります。でも単独で姿がある場合には雌雄をいつも識別できるとは限らないいですし、雌老鳥では雄のように見える場合があり奥の深いところです。さて、今日観察したサシバ雌成鳥では眉斑が認められたものの、多く図鑑類にあるような雄より眉斑が長く幅広いというのではなく、目の上から後頭にかけて細い眉斑があるだけでした。頭頂は褐色で雄のように灰色味はありませんでしたので間違いなく雌なのですが、個体によって違いがあります。写真3枚目と4枚目は今日観察した個体、写真5枚目は目の上から後頭にかけて白くて幅広い眉斑のある個体(2024年6月19日手賀沼沿岸)、写真6枚目は眉斑が長く、後頭にいたる長い個体。(2019年6月2日手賀沼沿岸)、写真7枚目は6枚目と同様に長い眉斑が後頭まで及んでいました。(日中からフクロウの鳴き声)サシバの登場を待つ時間帯で同じ谷津田がフクロウの鳴き声が複数回聞こえてきました。フクロウといえば夜のイメージがありますが、ここでは日中でもその鳴き声をよく聞きます。今年生まれの幼鳥と共に狩りをしているのかと想像を巡らしました。(すすきにホオジロ)すすきと言えば、秋のイメージですが、調べてみると暑さにも強く、水はけのよいところであれば育つとありました。成長期は4月から11月とありますからまさに成長の時期。そこに千葉県の県鳥ホオジロが止まって囀る仕草を目撃しました。(水田地帯では婚姻色のサギがあちこちに)手賀沼沿岸には水田が広がっていて、あちこちにサギの姿を見つけました。眼先が緑青色の婚姻色となっているダイサギ、眼先が黄色で黒い嘴のチュウサギの姿がありました。(写真)1枚目から4枚目、8枚目から10枚目は2026年6月2日撮影その他は文中に撮影日を明記
2026.06.02
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5月18日にコチドリの3羽のヒナを今シーズンはじめて見つけ、その後の成長ぶりを観察しています。20日に観察したヒナのサイズの大きい個体が外観から12日齢前後と思われ、誕生は5月8日前後と思われます。今朝、現地に立ち寄ると3羽のヒナ、成鳥雌雄は健在で、活発に畑地を移動するヒナとその動きを見守る成鳥雌雄を観察してきました。(A)ヒナたちの日齢(1)20日に観察した12日齢前後と思われる個体写真3枚目から5枚目の個体が、3羽のヒナの中成長が最も早いと思われる個体で、24日齢前後と思われます。嘴は黒色でほぼ成鳥と同程度の長さで、目を縁取る黄色い皮膚の輪(アイリング)が目立ってきました。下嘴基部が肉色、足が肉色に見えます。頬は黒っぽく見えるので雄ではないかと考えています。(2)3羽のうち2番目に成長が早い個体写真6枚目から9枚目が2番目に成長が早いと思われる個体です。(1)の個体と比べると、嘴が少し短い印象で、嘴基部に黄色味があり、アイリングが細い印象があります。足が山吹色に見えます。(3)3羽のうち最も小さく感じる個体写真10枚目が最も小さく感じる個体です。羽衣の特徴は(2)と同様に見えます。雄または雌成鳥に従って畑地を移動しおり、張(2000)が述べている特徴から16日前後と思われます。(B)直射日光をさける行動3羽のヒナは、採餌をしてはサトイモの葉の影に入り、腰をかがめて休憩したり、羽づろいをしたり、くつろぐ様子を見せていました。日光をさけるのはもちろん、強風やカラスをはじめとする外敵襲来の時のシェルターの役割をしているようです。(写真)2026年6月1日撮影(参考文献)張(2000)が報告しているコチドリの日齢と各器官のサイズを紹介します。(コチドリの日齢とサイズ)1日齢では体重7.4g、体長42mm、嘴峰7.1mm、跗蹠18mm、尾長5.2mm、翼長19mm、2日齢では体重9.8g、体長70mm、嘴峰8.9mm、跗蹠22mm、尾長10mm、翼長20mm、5日齢では体重13.2g、体長82mm、嘴峰9.2mm、跗蹠23mm、尾長16mm、翼長37mm12日齢では体重22g、体長100mm、嘴峰9.5mm、跗蹠25mm、尾長25mm、翼長45mm16日齢では体重27g、体長126mm、嘴峰10mm、跗蹠26mm、尾長31mm、翼長76mm21日齢では体重30g、体長130mm、嘴峰12mm、跗蹠27mm、尾長40mm、翼長90mm成鳥は体重30g、体長172mm、嘴峰13mm、跗蹠28mm、尾長63mm、翼長118mm(*)嘴峰(しほう):嘴の先端から基部、跗蹠(ふせき):鳥の脚のまん中にある後ろ向きの関節から趾が分かれる場所の関節までをつなぐ跗蹠骨の長さ、尾長(一番長い羽の先端)、翼長(たたまれた翼の全長)(引用)張青霞ほか.2000.コチドリの繁殖習性.動物学雑誌.第35巻.第5号.p1-2.
2026.06.01
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5月ラストの日曜、吉川市吉川美南駅近郊の調整池を訪ねました。中央公園前の調整池には水鳥の姿が皆無だったものの、コアジサシが飛来し池の上空を旋回する姿と葦原で行々子とにぎやかに囀るオオヨシキリを観察できました。(サギ類の婚姻色)その後、東口の第一調整池近くの水田地帯に移動し、サギ類の姿を探しました。眼先が青緑色のダイサギ婚姻色、眼先が黄色のチュウサギ婚姻色を観察できました。婚姻色は2010年以前は、海老原(2009)が述べているように、5月末から6月初めでしたが、2015年以降は3月に入るとアオサギの婚姻色、4月半ばにダイサギの婚姻色を観察しています。婚姻色は、短い期間見られるものと言われてきましたが、春先から繁殖期まで見られるようになってきました。個体によって婚姻色の出る時期がずれていて一定期間見られるのか、またはもともと婚姻色は短期間ではないのかなど興味のあるところです。(引用)海老原美夫.2009.サギ類の婚姻色を楽しむ.日本野鳥の会埼玉県支部報しらこばと.第301号.p2-3(ツバメの若鳥登場)東口では電線にツバメ成鳥1羽と幼鳥6羽の姿を複数見かけました。4月に産卵した卵から孵化した第一回目の幼鳥たちと思われます。一腹卵数は3~6卵と言われていますから、カラスやネズミによる捕食もされず全員無事誕生ということになります。こうした水田地帯の原風景が楽しめるのが吉川美南の醍醐味です。(スズメ若様とハクセキレイ若様登場)東口の水路のネットの上でスズメ幼鳥が少なくとも10分前後、日光浴をしていました。嘴の基部が黄色で上面は淡色なので幼鳥とわかりましたが、まわりに成鳥の姿はなかったので独り立ちして間もないのかしらと思いました。このほか、上面が灰色で黒味はほとんどないハクセキレイ幼鳥も登場。東口の草地、水田、水路といった環境がその生活を支えているのでしょう。(写真)2026年5月31日撮影
2026.05.31
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに掲載されている種類について注目される種類について紹介します。掲載されている中に嶋田(2008)や石田(2015)やはじめとする図鑑類に「最もよく見かけるサギ類」と報告されているコサギが含まれています。多くの方がそんなはずはないのではとお感じになると思います。(概要)環境省(2026)は、「かつてはシラサギ類の中で最も普通に見られる種で、個体数は1970年代以降に一時増加傾向にあったとされるが、1990〜2000年代からは減少傾向に転じている」と報告しています。減少傾向については「全国鳥類繁殖分布調査では1990年代と2010年代にほぼ同じコースを調査できた全国1947地点のうち、コサギの記録は239地点から93地点に減り、全国での減少傾向が伺われる」と記しています。注目されるのが、「例えば茨城県内では、2000年代前半まではほとんどのコロニーで営巣林に竹を含んでおり、どのコロニーでも一定割合でコサギが存在したが、アオサギの増加が顕著になってきた2005年頃から営巣林が樹木のみのコロニーが増え、コサギを構成種にほとんど含まないコロニーも散見される」との点です。コサギの営巣木の嗜好性や繁殖が最も早いアオサギがコロニーを先導するようになっていることでコサギが影響を受けていることも要因として考えられます。(ホームグランド手賀沼とその周辺地域)通年観察されていますが、2008年頃まではほぼ通年観察され、繁殖期にも姿を目撃したものの、2010年以降は秋と冬に観察される個体数が増えています。(引用)嶋田知英.2008.「サギ類の生態」.pp10.埼玉県環境科学国際センター.石田光史.2015.野鳥図鑑.p100.ナツメ社.環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2026年3月柏市内撮影
2026.05.30
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北西の風が強いにもかかわらず気温が30℃をこえ5月としては異例の暑い一日でした。ヨシゴイと出会える時期となりましたので、印旛沼沿岸の吉高機場から印西市下井を探索。スタート地点の吉高機場近くの船着き場でモモイロペリカンのかんちゃんの姿を見ると、桜の花のようなピンク色の体と喉袋あたりが赤っぽい色の生殖羽となっていました。(ヨシゴイは葦原の突端を何度も飛翔)日本のサギ類中でも最小サイズのヨシゴイが葦原と沼の水面の境目あたりを何度も飛翔。風が弱い条件では軽々と飛翔と時折滑空をまじえて飛行する姿を目撃しますが、強風の影響で滑空は見られずじまいで次回のお楽しみとなりました。記録写真は距離の遠さでななわなかったので昨シーズンのものをアップしました。(繁殖期でもミサゴの姿あり)ミサゴをほぼ通年姿わ見かけます。はるかかなたの水面の杭に止まり、捕獲した魚をついぱんでいました。(遊歩道近くではカワセミ、オオヨシキリの姿を堪能)水路ではカワセミが何度も登場し、嘴よりサイズの大きい魚を捕獲し丸のみ。お見事でした。機場から下井にかけての遊歩道脇の葦原では、あちこちにオオヨシキリの姿を見つけました。早く渡来したオスはアシ原の密度が高い場所を選択して穂先や高所でさえずります。雄の20-30%が複数の雌とつがう半面、なわばりを構えても1羽もつがえない雄も相当数いると言われます。どのような要素が影響しているのかと興味のあるところです。(写真)2026年5月29日撮影
2026.05.29
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早くも5月もおわりとなります。3月27日にシーズン初認だったサシバの様子を見に複数の谷津田を訪ねました。印西市と柏市の境の手賀川でコブハクチョウ、オオバンの姿を観察し、今日の探索をスタート。水面に姿のあるコブハクチョウは、ほとんどが若鳥で瘤が小さく嘴の色も淡い個体でした。成鳥はペアとなって川の岸辺近くや沼の葦原に分散し営巣しているので、このような状況となります。(サシバ、抱卵期間中はとまり場に姿があるのは雄)サシバは、雄が1~3回短時間の交代して抱卵をしますが、大半は抱卵・抱雛はメスが担当しています。雄は、開けた環境に接している木や電柱にとまり、アオダイショウやシマヘビやニホンカナヘビなどの爬虫類、カエルトノサマバッタやアブラゼミ、ヤママユガの幼虫などを見つけて飛びかかり足で捕らえています。複数の谷津田にそれぞれサシバの姿がありましたが、同じ環境にオオタカ、トビ、フクロウなどが生息していると獲物をめぐり争奪戦が展開されます。写真6枚目のサシバは競合関係がないので圃場の餌の動きを凝視して捕獲していましたが、写真7枚目の個体はトビが同じ圃場で餌を捕獲して追い払われた後電柱に退避していた光景です。写真8枚目は、往来の激しい道路沿いの電柱に姿があったサシバで、こちらは他の競合する猛禽類はいないので眼下の餌の動きを注視していました。道路沿いに姿があるときは、思うような撮影条件を確保できず、鮮明な画像となりません。あしからず。(複数の谷津田でホトトギスの声を聞く)サシバの姿を観察した谷津田すべてでホトトギスの鳴き声を聞きました。渡来の早い年は5月半ば、大半は6月初旬に鳴き声を聞きます。5月のうちは日中または夜にその声を聞きますが、6月以降は日中に鳴き声を聞くことが多いです。宿主のウグイスの行動にあわせてなのでしょうか。(俊敏に動き回っていたヤマガラ)写真6枚目のサシバの姿を観察した谷津田で、電柱のてっぺんから林の中に出入りを繰り返していたヤマガラを観察しました。嘴と足を使って餌となる昆虫や実を引っ張り出し、地面や枝に止まりたたき割ったりする姿を見かけます。ところが、猛禽類のすむ谷津田ではサシバなどに捕獲されるリスクがあるからなのか、動きが俊敏でした。(写真)2026年5月28日撮影(10枚目のヤマガラは2022年1月撮影)
2026.05.28
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今シーズンもオフィスの最寄り駅周辺にイソヒヨドリペアの様子を見に出かけました。到着した際には、雄成鳥が駅前ロータリーの最も高いアンテナの上に止まり、周囲を監視していました。その後、餌捕獲のために渡去したようで姿を見せるまで時間があきましたが、嘴に餌をくわえて営巣しているビルの反対側の屋上階にとまり、巣のあるビルの換気口に入っていきました。その後は、雌雄それぞれが餌を嘴にくわえて頻繁に巣に出入りする姿に遭遇しました。伊澤・松井(2011)が「親は巣の中にヒナがいる間はオスメス両方でヒナの世話をする。その際には巣内にいるすべてのヒナを区別せずに餌を与えている。巣内の糞の処理もオスメス両方で行う」と述べていますので、換気口内にヒナが存在しているものと思われます。ただし、ヒナの個体数については不明です。巣の外に姿を見せてくれるのが楽しみです。(雌雄それぞれの専属給餌)伊澤・松井(2011)が「ヒナが巣立ってからは給餌行動が変化する。この時期、オスによる専属給餌(オスだけがヒナに餌をやる)、メスによる専属給餌(メスだけがヒナに餌をやる)、ヒナ分け(ヒナによってオスによる専属給餌を受ける個体とメスによる専属給餌を受ける個体が異なる)の3つの給餌行動がみられる」と報告している行動が観察できるか心待ちにします。(引用)伊澤雅・松井 晋.2011.ヒヨドリ Bird Research News Vol.8 No.8.p4-5.(写真)2026年5月27日撮影(3枚目は4月14日、4枚目は4月3日撮影)
2026.05.27
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18日に今シーズンはじめてコチドリのヒナを見つけ、20日の真夏並みのお日様の下でも日陰に休んだり猛スピードで畑地を移動し餌探しをしたり元気です。畑地の草もぐんぐん成長しているのでコチドリのヒナがその陰に入ると姿が見つけられなくなります。今朝立ち寄った際も成鳥雌雄の姿は見つけられるものの、ヒナは2羽のみ姿を捕捉するのが精一杯でした。(12日齢前後のヒナの観察メモ)20日の見かけたヒナ1羽は頭上の羽毛ははえはじめた状態で側胸の黒襟は大きく細い過眼線があり5日齢前後と思われました。今朝姿を見かけた個体は日数経過だけから考えると、12日齢前後となります。うっすら黄色のアイリングが見えるようになり、細い過眼線があり、体色が灰色味が帯びているように感じます。行動では親に従うことはほとんどありません。そうはいっても親鳥は畑地で餌探しをしている時は、ヒナの20m程度付近にいて近くに外敵か接近していないかを見守っています。(日本で繁殖したコチドリの渡り)鳥友から図鑑類を見ても日本で繁殖したコチドリが、秋・冬にどのように移動していくかと質問をもらいました。ユーラシア大陸に広く分布している種でありながら、2017年以前ではその移動経路や越冬地は明らかではありませんでした。笠原ほか(2020)が、2017年に長野県でGPSを装着した個体の位置情報を収集し結果を報告しています。報告では「コチドリたちは日本の繁殖地を出発後、中国や台湾を経由してフィリピンに南下し、ルソン島からミンダナオ島まで、広い範囲で越冬していました。その移動距離は3000~4000㎞(中略)春の渡りでは、フィリピンの越冬地を出発後、秋の渡りを逆になぞるように台湾や中国を経由して日本に戻ってきました。渡りの際、台湾とフィリピンでは数週間滞在」と記されています。これまでは内陸の河川を移動しながら渡っていくと考えられていたものが、最も利用されていたのが水田と判明した点で貴重な報告です。オフィスのある柏市から日本列島を移動し、中国・台湾を経由し越冬地であるルソン島、ミンドロ島、ミンダナオ島にいたるということです。(引用)笠原里恵・森本元・北村亘・今西貞夫・東信行.2020.日本の河川で繁殖する渡り鳥、渡り時期と越冬期の利用環境は水田だった.信州大学、山階鳥類研究所、東京都市大学、弘前大学 プレスリリース.2020年3月6日.笠原里恵・森本元・北村亘・今西貞夫・東信行.Rice fields along the East Asian–Australasian flyway are important habitats for an inland wader’s migration.Scientific Reports.https://www.nature.com/articles/s41598020 60141 z.(写真)2026年5月26日撮影
2026.05.26
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水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。前回訪ねてから一ヶ月半経過してそろそろヒナが孵化する時期なので様子を見に出かけました。(チョウケゲンボウの様子)橋梁の複数個所で営巣していますが、うち3か所の穴に成鳥が出入りし中からヒナと思われる声が聞こえました。近くにハシボソガラスが接近すると親鳥がペアで追い払い、その後雄が餌を捕獲して巣に何度も運搬していました。来月に入ると、複数の親鳥が餌のハタネズミ類の活動時間に合わせて頻繁に狩りを行う光景を目撃できるものと思われ、楽しみです。え(橋梁の巣をめぐるチョウゲンボウとムクドリの争い)これまでチョウゲンボウは垂直の穴に入り営巣し、穴より少し上部の水平の位置にある穴は他の鳥たちが営巣することがありませんでした。しかし、今シーズンはムクドリがその穴を使い抱卵・ヒナ誕生となり、チョウゲンボウが餌を巣に運搬してきた際にその上にある穴にムクドリが入るタイミングが重なる光景を何度も目撃しました。(写真)2026年5月25日撮影1枚目から3枚目は雌成鳥、4枚目は雄成鳥、5枚目は橋梁上空を飛翔していた姿。(飛翔していた個体は、尾の黒帯の幅が広いので雄と思われます)6枚目はムクドリ幼鳥。
2026.05.25
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野田市生まれのヤマト(雄)と渡良瀬生まれのひなた(雌)と5月3日から6日にかけて誕生した3羽のヒナの様子を見に野田市江川地区を訪ねました。(ヤマトとひなたの近況)管理棟の観察ゾーンに用意されている椅子に腰かけると、巣台に姿がないのにクラッタリング(上下の嘴をたたくように音を出しているの)が聞こえていました。管理棟の観察ゾーンから周囲を見渡すと、近くの電柱にヤマトとひなたの姿がありました。しばらく羽づくろいをしたりして過ごしていましたが、13時頃ひなたが飛び立ち、ひなたが上空を旋回している中、今度はヤマトが巣台に移動しクラッタリングをはじめ、ひなたに一緒に餌探しに行こうと合図をしているようでした。(写真1枚目がヤマト、2枚目の写真は電柱に姿があるのがヤマト、電線に姿があるのがひなた、3枚目から6枚目がひなたの姿とヤマトより一足早く上空を飛翔しはじめたひなたです)(誕生したヒナの様子)多磨動物園生まれの雄カナタと野田市生まれのミライが抱卵してきた卵が孵化し、3羽のヒナが3日から6日にかけて誕生しました。8枚目の写真は、管理棟内に映し出されているモニター画面からの3羽のヒナです。写真真ん中が一番先に誕生したヒナと思われ大きさが最も大きく、羽の模様もはっきりしています。手前は二番目に誕生したヒナ、奥の寝落ちしているのが三番目に誕生したヒナと思われます。(コウノトリ以外の鳥たち)上空をチョウゲンボウ、サシバが飛翔し、水田には複数のコチドリの姿、管理棟の軒下ではツバメが造巣し抱卵中、近くの葦原ではウグイス、オオヨシキリ、セッカの鳴き声を観察しました。例年ですと、ホトトギスが鳴きながら移動する様子に遭遇するのですが、今シーズンは観察できずでした。(写真)2026年5月24日撮影
2026.05.24
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3月17日に環境省が公表した「第5次レッドリスト(鳥類及び爬虫類・両生類)」の解説版である第5次レッドデータブックに掲載されている種類について注目される種類について紹介します。(レッドデータブック概要)環境省(2026)は、「オナガは東北地方から中部地方にかけて分布し、林や低木林が散在する開けた環境に分布する種である。住宅地などにも生息する種だが、複数の調査で分布の縮小や個体数の減少が確認されている」と報告しています。(手賀沼とその周辺地域)手賀沼の鳥(2004)には「1972年以降、毎年観察されている」と記されています。記述だけみると、手賀沼とその沿岸で記録されていると誤解されてしまいますが、記録を見てみると、手賀沼本体でなく隣接する柏市の住宅街や林などでの記録が大半です。(柏市の市の鳥、オナガ)オフィスのある柏市では1994年(平成6年)11月に市制施行四十周年を記念事業として市民から募集し、市内の家庭の庭や市内の公園でも見られる身近な鳥として選ばれました。しかし、柏市の森林率は約8%程度、千葉県全体が30%程度と比べて低いレベルです。巣を常緑広葉樹、落葉広葉樹。針葉樹など多様な樹種の高さ1~13mの枝の又や若い枝が密生した場所につくるとされています。宅地化に伴い営巣林が消失すると個体数の減少につながる可能性が高いと言えます。(引用)環境省(編).2026.第5次レッドデータブック:絶滅のおそれのある日本の野生生物 鳥類.環境省.東京.911pp.(写真)2025年4月22日、2026年4月25日、2025年5月3日、2024年6月25日いずれも柏市内で撮影
2026.05.23
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夏鳥との出会いを楽しみにして上高地に出かけてきました。到着時の5時20分時点で雨が本降りで、雨装備をして探鳥をスタート。(雨の中でもコマドリの鳴き声を堪能)梓川左岸(河童橋から明神橋)をすすみますが、雨は本降りとなり明神館周辺は土砂降りとなり、小一時間程度公共施設のひさしの下で雨宿りをして鳥たちの鳴き声を聞くこととしました。ホトトギス、アカハラ、コマドリ、キビタキ、キセキレイ、アオジと鳴き声を堪能。(ミソサザイとキセキレイ)土砂ぶりに中でも最も姿を現してくれたのがミソサザイとキセキレイでした。・ミソサザイがチャッチャツと短く地鳴きしながら移動していきますが、時折雨音でよく聞こえません。それでも近くに来てピィッピルルルとキンキンに響く声で囀りを披露。・キセキレイは雨が小降りとなった時に明神館の屋根に止まり羽づくろい。胸から腹の黄色の艶やかさにうっとりとしてしまいました。このポイントにのほかにキセキレイの姿をじっくり観察できたのが環境省ビジターセンター裏の清水川。六百山の麓から湧き出した豊富な水が全長300m程の小河川となっていて梓川に合流しています。雨が本降りで何を食べていたのかはっきりしませんが、カゲロウやユスリカではないかと思っています。(キバシリとミソサザイ)河童橋から明神館までの途中の林で木をらせん状に上る鳥影を発見しました。そのあと、チーツリリルルルと早口で囀りはじめました。ミソサザイと比べると囀りと囀りの時間的間隔が長いように感じました。帰宅後、調べてみると、蒲谷(1996)が「ミソサザイを思わせる声で鳴き声と鳴き声の間隔がだいぶ長い」と報告し、北海道で記録した囀りを聞いてみると、上高地で聞いてきたキバシリのさえずりでした。(引用)蒲谷鶴彦.1996.日本野鳥大鑑下巻.p99.小学館.(写真)2026年5月21日撮影(コマドリは姿を一度見かけたものの撮影できず、2021年6月同地で撮影したもの)(熊出現情報)土砂ぶりだったので熊と遭遇することはありませんでしたが、途中何か所かに足跡を見かけました。環境省ビジターセンターHPの熊目撃情報を見てみると、明神橋周辺で餌を食べていた、歩いていたとの報告、徳澤方面でも同様の報告が掲載されていました。お出かけの際は、閲覧をおすすめします。https://www.kamikochi-vc.or.jp/discover/bear-sightings
2026.05.22
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21日早朝に上高地に到着し梓川左岸の河童橋から明神橋を探索しています。ただし、前線の影響で雨となり、夏鳥をどれだけ観察できるかは不透明です。雨音を楽しみながら、コマドリの話題を作成してみました。上高地の観察リポートは22日に配信予定です。(なぜ少ないか、減少傾向はなぜ)美しいさえずりから、ウグイス、オオルリとともに日本の三鳴鳥の 1 つとされています。さえずりを耳にする機会が少ないのはなぜかと聞かれることがあります。関(2016)はコマドリに関する報告や知見を整理し報告しています。ウグイスの分布に」関する違いについて次のように述べています。「山地帯上部から亜高山帯の夏緑樹林や針広混交林の林床植生が密生した場所に生息します。環境省が 1997 年から 2002年にかけて実施した自然環境保全基礎調査では、コマドリが記録されたのは全国の 5 万分の 1 メッシュ区画の約 15% の場所だけでした。本来、限られた山地の環境に各地の集団が隔離されて分布する鳥なのです」あわせて、コマドリが好むブナ林の関係で、「西日本では気候の変化に伴ってコマドリが好んで生息しているブナ林の衰退が予測されていますし、各地でコマドリの好むスズタケなどの林床植生がニホンジカの採食の影響によって衰退しつつあります。すでに林床植生が失われてコマドリ個体数の減少傾向が報告されている場所もあります。減少傾向が最初に報告されたのは九州や紀伊半島など日本の南部でしたが、近年では中部や関東でも減少しているとの報告が少なくありません」と述べています。(引用)関 伸一.2016、山地の小鳥.コマドリの保全に遺伝情報を役立てる 森林総合研究所関西支所研究情報 No.122.P2.(写真)2024年6月、2021年6月の上高地で観察したコマドリ
2026.05.21
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一昨日にもまして真夏のような日光が照りつけ、コチドリのヒナの様子が気になって現地に立ち寄りました。雄成鳥がピィオピィオと警戒の声を出すのが聞こえたのでその場で待機していましたら、4羽のヒナが畑地の何か所かある日陰に姿がありました。日陰に入って休み、親鳥より速足で動き回り、土の中をつついてし餌探し。4羽のうち1羽は自分の嘴より大きい獲物を丸のみしていました。4羽のヒナの行動範囲が広いので成鳥雌雄はその行く先に先回りして、ヒナの見守りをしていました。その途中、ハシボソガラスが畑地にあったバケツの水を飲みに飛来した時に近くにヒナ1羽の姿があり、成鳥雌雄でカラスの目の前に移動し警戒音を発出。3羽のヒナは我関せずとばかり動き回っていました。もちろん、こちらには雌成鳥が先回りしてヒナたちの見守り。親が警戒声を発している間、雛は地面に伏せてじっと動かないと研究者から聞いていますが、当地のヒナたちはそれとはずいぶん違いがあります。(写真)2026年5月20日撮影
2026.05.20
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サギのコロニーは埼玉県では久喜市と越谷市の2地区のみが残っているだけです。昨年レジ袋のようなものが、従来サギが餌をとるために飛来する木々に人為的に結ばれていました。今シーズンも同様のものが昨年と違う場所にセットされていました。その効果は絶大で越谷市中島の昨年まで営巣していた場所にサギの姿は皆無でした。かわって対岸の吉川市側の一角にサギの混群が造巣中でした。今後の推移を見守っていきたいと思います。(観察できたサギ科の鳥)真夏並みのお日様が照り付けるので混群の姿のあったエリアの木陰は快適そのものでした。ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギがそれぞれ造巣している姿を観察しました。嘴が黒色で目先が緑色のダイサギ、嘴は黒色で目先の裸出部が黄色のチュウサギ、黒い嘴と嘴が細長いコサギ、頭頂から背が紺色で光彩が赤いゴイサギ成鳥、全体に褐色で白と褐色の斑が入るゴイサギ幼鳥の姿を観察しました。なお、コサギの撮影は枝に隠れてしまったのでアップできずご容赦ください。(写真)2026年5月19日撮影(8枚目、9枚目が本日の越谷市側の光景、10枚目はレジ袋のようなものがセットされていた昨シーズンの光景)
2026.05.19
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先月30日オフィス近郊でコチドリを見かけ、今年も産卵・抱卵・ジュニア誕生となるかと期待していました。しかし、成鳥雌雄が畑地を移動する姿は見られるものの、産卵しているのかわからないまま5月も終盤にさしかかっていました。(コチドリ親子を畑地で発見)今朝、畑地の近くで早口で「ピピピピ」とコチドリの鳴き声がしていたので待機していると、成鳥雌雄の姿を発見。その視線の先を注目していたらヒナが登場しました。全部で3羽です。写真をアップしたたヒナは、頭上の羽毛ははえはじめた状態で、側胸の黒襟は大きく細い過眼線があるので5日齢前後と思われました。(日齢については、昨年7月6日付ブログを参照)観察していた11時前後の気温は28℃前後、畑地は遮蔽物がありませんからコチドリの体感温度はもっと高いものと思われました。コチドリ成鳥があまり濁らないピピピッと鳴いてヒナを日陰に呼び寄せていました。警戒する早口のピピピッの声と早口でなく濁らないピピピッの鳴き声の違いを学びました。(コチドリの換羽)今朝見かけたコチドリヒナは、綿羽に覆われていました。一ヶ月程度で全換羽となり、幼羽となります。これから換羽していくと、弱い黄色味のあるアイリングや上面各羽に淡褐色の羽縁が見えてくるものと思います。楽しみです。(写真)2026年5月18日撮影
2026.05.18
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