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なぜか九州を中心にいま売れている、『小さいけれどみんなが好きになる モテる会社』川上徹也著(あさ出版)。モテる会社このたび、新たな企画を立ち上げたようです。―――――あなたの街の「モテる会社」大募集!続編『モテる会社2(仮)』の出版に向けて、日本全国から「モテる会社情報」を募集します。お客さんからも、従業員からも、地域からも、モテている会社があれば教えてください。自薦他薦は問いません(「うちの会社も結構モテてるぞ」という方も歓迎)。あなたの街から新たな「モテる会社」を発掘しましょう!http://moteru-kaisha.com/―――――自薦他薦を問わないのは、面白いですねー。どんな会社が集まるのか、見てみたいです。
2011.07.25
今日は、対談を行うために講談社さんに行ってきました。対談のお相手は、先日、『佐藤さんはなぜいっぱいいるのか? 身近な疑問から解き明かす「商標」入門』を上梓されたばかりの弁理士の茅原裕二さん。佐藤さんはなぜいっぱいいるのか?「商標」って、大企業やブランド企業しか関係ないと思うかもしれないけど、実は中小企業や自営業者にとっても死活問題なので、知識はあった方がいいですよ、という本。「大勝軒」や「家系ラーメン」、「スターバックス」VS「エクセルシオールカフェ」など商標権の問題・トラブルを通して、わかりやすい「商標権」の解説がなされております。知らないことが多いので、とても勉強になります。(茅原先生と)今日の対談の模様は、購入者キャンペーンで聴くことができるので、購入された方はぜひお聴きくださいませ。出版業界のリアルな話もしてますよー。購入者キャンペーン ~7月22日までhttp://pubca.net/warashibe/(対談が行われた講談社26階会議室からの風景。わかりづらいですが、意外と近くにスカイツリーが見えます)
2011.07.08
「彩雲国物語シリーズ」最終巻、 『彩雲国物語 紫闇の玉座(下)』(雪乃紗衣著)を読み終えました。ラノベなのに、少女小説と銘打っているのに、下巻だけでも526ページ。みなさま、お疲れさまでした。にしても、とんでもない少女小説でしたね。終盤のほうは、恋愛要素がほぼゼロで、ほとんどが政治の話。詳しい感想は、後日、「ベストセラーBOOK TV」(BS11)のほうでもするのでそちらに譲りますが、これだけ分厚い最終巻なのに、「あいつはどうなった?」など、まだちょっと消化不良感が残るのは、それだけキャラの数が多く、世界観も広大だったということなのでしょう。最終巻はシリアスな場面が続くのに、軽い会話も多かったですねー(特に敵側)。これはラストを含め、「少女小説」を貫いた結果なのでしょうね。ラストの数ページ、いろんな女性の話が出てきますが、これも「少女小説」だからなのかな。「少女が社会に対して夢と希望を持つ小説」、それが『彩雲国物語』が作りだした「少女小説」の定義なのかもしれませんね。いやあ、凄い作品が完結してしまいました。(上下巻を並べると1枚のイラストが完成)個人的には、『彩雲国物語 紫闇の玉座(上)』のほうが好きかな。ラストが大きく違いますからね。
2011.07.07
山田玲司先生の『非属の才能』(光文社新書)が「2011本屋大賞」の「中2男子に読ませたい!中2賞」を受賞していたんですね!http://www.hontai.or.jp/(本屋大賞HP)非属の才能受賞後、2回増刷を重ねているそうです。そもそも、「中2賞」自体を知らなかったのですが、『多感な時期でありながら本から遠ざかっている中学2年生男子に、発行日やジャンルを問わず薦めたい本』なのだそうです。ちなみに、この『非属の才能』の本文中には、山田真哉もちょこっと登場しております。まさか自分も、本屋大賞にちょこっと関わる事ができたとは(^^;(左が受賞記念帯。帯というか、ほとんどカバー^^)
2011.05.19
『テルマエ・ロマエ』3巻を読みました。テルマエ・ロマエ(3)言わずと知れた、お風呂ファンタジーマンガですが、笑える歴史マンガとしても一級品だと思います。ローマ帝国・五賢帝時代のことをここまで再現できているマンガも、他を知りません。3巻まで来ると、五賢帝のハドリアヌスやマルクス・アウレリウス・アントニヌスがキャラとしてちゃんと立っていますし。世界史の勉強にも、最適なマンガだと思います。2巻を読み終えた段階では、「実はルシウス(主人公)が、後のアントニヌス・ピウス(皇帝)になるっていうオチ?」と邪推していたのですが、3巻のラストを見ると、そうじゃないみたいですね。いやはや、歴史改変は行わない素晴らしいマンガです。阿部寛・上戸彩による夏公開の映画版は、どうなるんでしょうねぇ。『トリック』みたいになると、面白そうですね。
2011.05.07
3月11日からのあの時の気持ちは、いまでも薄らいでいませんか?3月11日直後、ネット上には心温まる話が数多く流れていましたが、最近ではすっかり見かけなくなり、以前のような刺々しい話題も増えてきました。『YELL! 東日本大震災チャリティーブック』(アスコム編)には、あの時の心温まる話がたくさん掲載されています。いま読んでもいいし、もっと後になってから読んでもいい本。あの時の気持ちを、思い出すためにね。YELL!(エール!) 東日本大震災チャリティーブックもちろん、全額義援金として寄付されるそうです。
2011.04.27
『アイデアを形にして伝える技術』原尻淳一著(講談社現代新書)、本日発売です。アイデアを形にして伝える技術タイトル通り、『アイデアを形にして伝える技術』が書かれた本で、原尻さんのアイデアの出し方が手に取るようにわかります。はじめに本をたくさん読んではいけないエレベーターのなかでもガンガン会議を続けている会社のほうが「元気」といった名言とともに、有用なクラウドサービスの紹介など、Hack的な要素も入っています。原尻さんの盟友である小山龍介さんの新刊とも共通しているのですが、「どうしたら組織を元気にできるか?」という視点が入っているので、いま読むと元気が出ますねー。モチベーションを思うまま高める法 小山龍介著
2011.04.15
昨日に引き続き、本の感想。先日、「ベストセラーBOOK TV」」(BS11 金曜20時)にご出演頂いた誉田哲也さんの新刊『感染遊戯』(誉田さんの出演は4月15日放送予定です)。感染遊戯『ストロベリーナイト』から始まる姫川玲子シリーズですが、主人公であるはずの姫川玲子自身は完全な脇役で、あまり出てきません。でも、『ストロベリーナイト』より好きです。特に、その構成が。短編→短編→短編→中編という4連作なのですが、3つのバラバラの事件が最後の中編でちゃーんと繋がるんですよねえ。官僚への天誅モノなのですが、基本的にはカタルシスがある終わり方なので、とても後味は良いです。ちなみに、姫川玲子シリーズはこれからも続編が出るそうですよ。
2011.04.08
新刊『モチベーションを思うまま高める法』小山龍介著(三笠書房)を読みました。モチベーションを思うまま高める法 (単行本・ムック) / 小山龍介/著実用的な本が多かった小山さんにしては珍しく、心理的なことが書かれた本。小山さんの過去の経験が随所に書かれているのが良いですね。特に良かったのが、1章 モチベーションを高める──新しい時代の「新しい成功法則」と5章 さらなる効果──人生を「思うままコントロールする!」1章はやる気をどうやって上げるか、という話なのですが、「ハングリー精神は本当に必要か?」など従来とは違った視点が新鮮。5章は組織論。他人のモチベーションをどうやって上げるか、という話なのですが、「組織が一体感を生み、強いモチベーションを発揮するとき、 そこには必ず、組織内にいる「弱者への配慮」があります」「贈与の原理は、文化人類学などで発見された、人類普遍の論理」「労働は等価交換ではなく贈与」など哲学的な視点があり、とても刺激的です。震災後の空気に合っている話もあるので、やる気を引き出したい人にはちょうどいい本では。
2011.04.07
先日の「ベストセラーBOOKTV」(BS11 金曜午後8時~)の収録でゲストに来ていただいた、辻村深月さんの新作『本日は大安なり』はかなり面白いです!本日は大安なりそれぞれまったく別の結婚式を控えている美人双子姉妹、ウェディングプランナー、男子小学生、憂鬱な新郎らが織りなす群像劇です。4つの物語が、同時進行で進みます。舞台はホテルのブライダル部門なので、ちょっと『有頂天ホテル』っぽくみえるのですが、全然違います。中盤に大どんでん返しがあるのです。それも4つの物語全部に。いやぁ、完全に騙されました。中盤がこんなに面白い小説に出会ったのは初めてかもしれないです。なにを書いてもネタバレになりそうなので、紹介はこの程度で。なお、番組の合間に辻村さんがお好きだという「ターンAガンダム」の話をしたのですが、話が途中になってしまったのが悔やまれるところです (><;)本は、明日2月25日(金)の大安の発売。番組のほうは、3月4日(金)放送予定です。
2011.02.24
最近、本屋さんの前を通ると、自分の名前をよく見ます。といっても、自分の本ではありません。藻谷浩介さんの『デフレの正体』が売れに売れているからです。発売直後に、『読売新聞』の(いまは亡き)「ビジネス5分道場」に書評を書いたので、帯に名前が載ることになったのですが、この帯の名前がデカイのなんの。知名度でいうなら、池上彰さんだけでいいと思うのですが、池上さんだけだと「池上さんの本に見える」といった事情もあるんでしょうかねえ (^.^;)最近、この効果かどうか、「帯に推薦文を書いて」という依頼が増えました。縁起を担ぐ、といった意味でもあるのでしょうか。以前からあまりお受けしないようにしているのですが、それは今後も変わりませんので、ごめんなさい m(__)m【送料無料】デフレの正体
2011.02.21
直木賞を獲られたばかり、道尾秀介さんの最新作『カササギたちの四季』を読みました。カササギたちの四季久々のミステリーに戻ってきた道尾さんですが、今回はこれまでの道尾さんらしいミステリーはないです。つまり、かなり爽やかです(^^;)タイトルにもある「カササギ」は、店名であり、人名。「リサイクルショップ・カササギ」の華沙々木店長が探偵役なのですが、実は間違った推理ばかりする迷探偵。それを見事にフォローして、誰も傷つけずに真相を突き止め解決するのが、主人公である日暮さん、という構図。なので、謎が起きる → 華沙々木が解決 → 実は日暮が解決 という構成です。トリックも二重になるので「よく考えつくなぁ」と心底思いました。来週の「ベストセラーBOOK TV」(BS11 金曜20:00~)の収録に道尾さんがお越しくださることになったので、いろいろお伺いしたいと思います。
2011.02.19
ミステリー界のカリスマ、清涼院流水さんの『キング・イン・ザ・ミラー』を読みました。キング・イン・ザ・ミラーご存知、マイケル・ジャクソンの自伝的小説なのですが、マイケルの一人称語りです。つまり、「ぼくはマイケルです。」といった文体で語られます。「わしは坂本龍馬ぜよ~」といった文体の本は読んだことがありますが、最近死んだばかりの人でこのタイプはなかったですねぇ。あっ、幸福の科学の「霊言シリーズ」がありましたか!閑話休題。本人じゃない一人称自伝って、どうも幼く感じたり、違和感のある気持ち悪さを感じたりするものですが、その辺は一切感じなかったです。流水さんの腕の高さを示していると思います。また、「MJ」にまつわる話で、ちょっとしたトリックがあるのも流水さんらしさが出ていましたね。個人的には、「出版社は一体誰に向けて、この本を売りたかったのかな?」ということが最初に気になりました。直球でマイケルファンに売りたかったのか、成功本の要素もあるのでビジネス書として売りたかったのか、それとも小説の1ジャンルとして売りたかったのか、ちょっと気になる所ではあります。いくつかのサイトを見ていると、絶賛されている方もいるので、こちらなどもご参考までにどうぞ。19番の独り言 書評:『キング・イン・ザ・ミラー』 清涼院流水著
2011.02.16
先日番組にお越しくださった芥川賞作家 西村賢太さんですが、『苦役列車』はいまちょうど読んでいるところなので、個人的に好きな『二度はゆけぬ町の地図』をご紹介。二度はゆけぬ町の地図私にとって、最初に触れた西村賢太作品。特徴的な孤独と怨嗟の私小説なのですが、まず思ったのは「こんな罵詈雑言、読んだことない!」彼女に対して、雇い主に対して、老人に対して、善人に対して、あらゆる人に罵詈雑言を浴びせる(もしくは思うだけの)主人公・北町貫多。ひどい奴なんですが、「よくぞ言ってくれた」とも思ってしまうんですよねぇ。そんなシンパシー感じまくりのダメ人間小説です。タイトルも素敵なんですよねぇ。この文庫には、次の4編が収録されています。「貧窶の沼」 (彼女を見下す話)「春は青いバスに乗って」 (警察に捕まる話)「潰走」 (家賃を滞納する話)「腋臭風呂」 (とにかく臭い人たちの話)なんかもう、とにかく凄いっす (^_^;)
2011.02.10
『あの頃の誰か』(東野圭吾著)を読み終えました。あの頃の誰か全8篇が収録された短編集です。いろんな事情で収録されなかった「わけあり物件」だらけなのですが、それはそれで面白いのが東野さんの凄いところです。さて、1本目「シャレードがいっぱい」はバブル景気真っただ中に書かれただけあって、ヴィトンだの、アルマーニだの、ゴルフ会員権だの、とバブルの空気がキツくて、なんだか読んでいるこっちのほうが恥ずかしかったです (*^_^)自分自身はバブル期を全く経験していないのですが、何なんでしょうね、この恥ずかしさって…。ちなみに、その時代じゃないと成立しないトリックだったのはさすがです。あと、『秘密』や『名探偵の掟』の原型となる作品が入っているのは、お買い得感がありますね。
2011.01.23
昨日に引き続き、お正月に読んだら面白かったお薦めマンガ。『高杉さん家のおべんとう』(柳原望)高杉さん家のおべんとう(2)オーバードクターの30歳草食男子が、従妹の無口な12歳少女を育てることになる、というお話。毎回、おべんとうが鍵として出てくる、ほんわか系のハートフルおべんとうコメディです。ストーリーが素敵なんですよ。帯のコピーからもそれがわかると思います。「冷めているから あたたかいんだ」(第1巻)「離れてても、同じものを食べてる」(第2巻)いやぁ、お弁当は素晴らしい。ほんと、お弁当を作りたくなります。ま、私は超絶的に不器用なので、一切料理はできないのですが_| ̄|○
2011.01.04
お正月に読んだ、お薦めのマンガ。絹田村子さんの『読経しちゃうぞ!』です。 読経しちゃうぞ!お正月らしく、神社の息子と、お寺の息子と、教会の息子が主人公。なかなか顔もいいのに、宗教法人という事情もあってかなかなかモテないというお話。『動物のお医者さん』の佐々木倫子さん系のおとぼけコメディです。笑えますし、宗教の勉強にもちょっとなります。そういう意味では、『聖☆おにいさん』系なのかな。地鎮祭の話は、爆笑しました。続きは、『さんすくみ』として、『月刊flowers』で連載中だそうです。さんすくみ(1)
2011.01.03
先ごろ、連載が終わった、読売新聞日曜朝刊「ビジネス5分道場」。3年間、全34回の連載を振り返る、後半戦。前編はこちら下に行くほど、昔になります。――――2009/08/02【教訓】物語性で客の心を動かせ川上徹也著『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』(クロスメディア・パブリッシング)2009/07/05【教訓】聴覚のすき間時間を活用せよ上田渉著『脳が良くなる耳勉強法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、1500円)2009/06/07【教訓】勝機は取捨選択の決断にあり今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳』(新潮社)2009/05/03【教訓】給与明細から税を読み解け三木義一著『給与明細は謎だらけ サラリーマンのための所得税入門』(光文社新書、760円)2009/04/05【教訓】リスクと不確実性は別物だ土方薫著『リスクをヘッジできない本当の理由』(日経プレミアシリーズ、850円)2009/03/01【教訓】異動で新たな知恵を学べ齊藤正明著『会社人生で必要な知恵はすべてマグロ船で学んだ』(マイコミ新書)2009/02/01【教訓】法令用語の真意をつかめ吉田利宏著『ビジネスマンのための法 令体質改善ブック』(第一法規)2008/12/21【教訓】専門知識は低い目線で語れ河合克敏著『とめはねっ! 鈴里高校書道部』(小学館、1~4巻発売中)2008/11/23【教訓】若いうちは仕事にハマれ田島弓子著『ワークライフ“アンバランス”の仕事力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、1440円)2008/10/26【教訓】万人受けは信用あればこそ石渡嶺司著『転職は1億円損をする』(角川oneテーマ21、705円)2008/09/28【教訓】仏教に潜む企業活動の戒律ダライ・ラマ14世、L・V・D・ムイゼンバーグ著『ダライ・ラマのビジネス入門』(マガジンハウス、1600円)2008/08/24【教訓】温故知新は創造的知恵だ中村光著『聖☆おにいさん』(2巻まで、講談社モーニングKC、各552円)2008/07/27【教訓】大衆の側の視点から学べ桐山秀樹著『M&A残酷物語』(中公新書ラクレ、720円)2008/06/22【教訓】異端児の視点を生かせマーティ・フリードマン著『いーじゃん!J―POP』(日経BP社、1300円)2008/05/25【教訓】自社にあった組織論を杉山茂樹著『4―2―3―1 サッカーを戦術から理解する』(光文社新書)2008/04/27【教訓】貨幣は経済の本質である支倉凍砂著『狼と香辛料』(メディアワークス)――――ピンク色はビジネス書以外です。連載初期は、ビジネス書以外が多かったようです。『聖☆おにいさん』は、まだ2巻までしか出ていなかった頃に取り上げていたようで。聖☆おにいさん(2)太字は、特に反響が大きかったもの。『狼と香辛料』は、ライトノベルを新聞書評、特にビジネス書評として取り上げるのは当時珍しかったので大反響でした。『ダライ・ラマのビジネス入門』は、そもそも珍しい本でタイトルだけで大反響でした (^.^;)狼と香辛料(15)ダライ・ラマのビジネス入門
2010.12.29
先日、連載が終わった、読売新聞の日曜朝刊「ビジネス5分道場」。この際なので、全34回の連載をご紹介します。まずはその半分を。直近から遡って見ていきます。――――2010/12/19【教訓】逆転経済の流れに対応せよ坂口孝則著『1円家電のカラクリ 0円iPhoneの正体』(幻冬舎新書、740円)2010/11/21【教訓】物事を童話に置換して捉えよマネー・ヘッタ・チャン著『ヘッテルとフエーテル』(経済界、1000円)2010/10/24【教訓】理念追求にも資金が必要海堂尊著『ブレイズメス1990』(講談社、1600円)2010/09/26【教訓】非常識な正解が存在する佐藤啓二著『売れ続ける理由』(ダイヤモンド社、1429円)2010/08/29【教訓】女性誌はメークが上手川上徹也著『キャッチコピー力の基本』(日本実業出版社、1300円)2010/08/01【教訓】上手な返答には共感が必要梶原しげる著『即答するバカ』(新潮新書)2010/07/04【教訓】統計から真実を読み取れ藻谷浩介著『デフレの正体』(角川oneテーマ21、724円)2010/06/06【教訓】愚直な仕事にファンはつく坂本光司著『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』(ダイヤモンド社)2010/05/09【教訓】ズルイ!裏技を駆使せようちだしんや著『年収があがるしゃべり方。』(クロス メディア・パブリッシング)2010/04/11【教訓】世界中の文化と企業に学べヤマザキマリ著『テルマエ・ロマエ』(エンターブレイン)2010/03/14【教訓】問題社員 ルール明文化で対処田北百樹子(たきたゆきこ)著『問題社員の取扱説明書』(PHPビジネス新書)2010/02/14【教訓】裏知恵も蓄積すれば本質をつく岩波貴士著『人にはぜったい教えたくない 儲けの裏知恵』(青春文庫)2010/01/17【教訓】苦手な対象の本質を見抜け岩瀬大輔著『生命保険のカラクリ』(文春新書、780円)2009/12/06【教訓】続ける工夫 読ませる科学剣持まよ著、石田淳監修『脱・三日ぼうず!続かない女のための続ける技術』(サンクチュアリ出版)2009/11/01【教訓】シンプル・即時性ゆえの可能性コグレマサト・いしたにまさき著『ツイッター 140文字が世界を変える』(マイコミ新書) 2009/10/04【教訓】業界内部の説明は客観的にショーエンK著『「ぼうず丸もうけ」のカラクリ』(ダイヤモンド社)2009/09/06【教訓】理解を得るには擬人化が一番青春(あおはる)著『青春(あおはる)鉄道』(メディアファクトリー)―――――売れた本から売れなかった本まで、いろいろです。『デフレの正体』とかは、この掲載の文言が帯になっています。ピンク色になっているのは、ビジネス書・ビジネスマンガではなく、完全な小説やマンガです。いわゆる“ジャンル違い”。「ビジネス5分道場」なのに、こういうこともできて楽しかったです。(後編につづく)
2010.12.22
読売新聞の日曜朝刊で月1回連載していた「ビジネス5分道場」。ビジネスパーソンのために本を紹介するコーナーなのですが、実は、昨日で連載が終了いたしました (;。;)コーナー自体が年内いっぱいで終わりなのです。。。2008年4月からのこのコーナーの担当者の一員になったので、足掛け約3年。全国紙なので『狼と香辛料』をはじめ、もの凄い反響があったのは楽しかったです。時間があったら、これまで紹介した本をもう一度全部振り返りたいです。なお、最後に紹介したのは、坂口孝則さんのこちらの本↓【送料無料】1円家電のカラクリ0円iPhoneの正体
2010.12.20
遅ればせながら、『楊令伝』(北方謙三著)の最終巻、第15巻を読み終えました。楊令伝(15(天穹の章))いやぁ、まさかこんなオチとは。前に北方先生から「梁山泊は滅びるよ」と伺っていたので、覚悟して読んだのですが、こんな予期せぬ滅び方とは……。最後の10ページぐらいまで、「あれっ、本当に滅びるの?」と思っていたら、最後の最後に……_| ̄|○(以下、ネタバレのため文字反転。携帯からご覧の方は反転にならないので、見ないでね)楊令が最後の10ページで刺客に暗殺されてお終い、って……。ある意味、運命のような気もするけど、他の主要キャラ、武松や公孫勝らの死に方と比べると何もかんとも……。同じ敗北でも『水滸伝』とは全然違いますからねぇ。ただ、続編『岳飛伝』へのいい流れだったのでしょう。うん、そうに違いない。水滸伝からの生き残りである呉用や李俊らには、『岳飛伝』で岳飛を助けてあげてほしいです。――――今度、北方先生が「ベストセラーBOOK TV」(BS11 金曜20時~)のゲストとしてお越しくださることが決まったので、そのあたりもいろいろお伺いしたいと思っております。
2010.12.18
水嶋ヒロさんのポプラ社小説大賞受賞作「KAGEROU」(著者名は本名の齋藤智裕)、発売当日に読むことができました。【送料無料】KAGEROUさて、感想ですが、面白かったですよ。あらすじだけ読むと重い話のようですが、まさかの軽めのコメディです。自殺しようとしたら、謎の機関の人間に止められて、「その肉体を売ってくれ」と言われる話です。内容は、山田悠介さんの作品に近い感じかな。文芸というよりは、児童小説や自己啓発小説にテイストは近いです。どうして、文芸作品として売り出すんだろ?コメディって言い切ってしまったほうが、好感は持てると思いますが。「命」について感動できるかどうかは別にして、伏線の張り方とかオチは、私が大好きな部類です。若さ全開、勢い爆発な感じがして、(偉そうなことを言うと)自分の初期作品を思い出します。以下、ちょっとネタバレのため文字反転(携帯の方は見ないでね)――――最初から主人公がおやじギャグを連発する所や、「脳だけは自分そのものなので移植できない」といった話が最後のオチにつながるので、そのあたりは上手いなぁ、と。自殺を思いとどまらせるオチかと思いきや、そうではなかったあたりも意外性があってGOOD!――――全体的にみると、(自分の好みのタイプでもあるので)星4つぐらい。なお、文章力は、自分の『女子大生会計士の事件簿』と同じぐらいです。特に、人物描写、情景描写が不得手なあたりは (^.^;)
2010.12.15
私の本業(会計士業)のほうでお会いしたことがあるベレフェクトの太田彩子社長のブログの記事「「1億売るオンナ」制作舞台裏」がめっちゃ面白いです。1億売るオンナの8つの習慣いま発売10日で3刷、とベストセラーになりそうな予感の『1億売るオンナの8つの習慣』(かんき出版)が出版に至るまでの舞台裏が描かれているのですが、担当編集者のO編集長とのメールのやり取りがそのまま載っているあたりが秀逸です。出版業界ではよくあるやり取りなのですが、こうして客観的に読むと「本1冊出すのに、どれだけの人の想いがつまっているのか」ということが改めてわかります。出版に興味がある人はぜひご一読を。本のほうも実例がしっかりしていて、とても良いですね。ガツガツ系ではないので、共感できます。
2010.11.25
「ゲゲゲの女房」ならぬ、『メジャーリーガーの女房』田口恵美子著(マイコミ新書)が11月23日頃より発売されます。オリックスの田口壮選手の奥さまの本です。田口選手の奥さんって誰だっけ?と思ったら、「筑紫哲也のニュース23」のスポーツキャスターなどをやられていた香川恵美子さんだったんですね。読み始めたところですが、マイナーを含めた大リーグの裏側がわかりそうです。苦労しているんですねぇ……。(私がオリックスファンであることを知っている編集者さんから、 ご夫婦のサインボールを頂戴しました。ご夫婦のサインとは珍しい)
2010.11.20
『ツイッターってラジオだ!』吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)著(講談社)の感想です。ツイッターってラジオだ!ツイッター本が無数に出ている中で、『ツイッターってラジオだ!』というタイトルだとラジオに興味がないと食指がわかないって人が多いと思うのですが、この本はなかなか洞察の深い「ツイッター本」です。入門本ではあまりなく、社会論というよりは、哲学書に近いです。この装丁だと、まったくそんな雰囲気はないですけどね (^_^;)たとえば、こんなことが書かれています(文章は少し変えています)。 ネットは本質的に“寂しい”装置 一日中twitterをやってなさい、っていうのはつらくないけど、 一日中mixiやってろ、って言われたら、なんか精神的にちょっとキそう ツイッターはつぶやきがどんどん流れていってしまうため、 失敗のダメージが極めて少ないメディアです。 ツイッターの本質は、大量フォローにあると思っているので。 集合知、出会い、セレンディピティのメディアですよね。 ツイッターは「ポジティブなあきらめの文化」「ツイッターに似ている」という、ラジオについても本質的な話が多いです。 ラジオで好きな曲がかかると、CDやiPodで聴くより、 なぜかちょっとうれしかったりしませんか? あの「うれしさ」こそ、「ラジオ的な何か」なんです。 ラジオは「押しつけがましくなくわかってもらえる」仕組み ウェブサイトは訪れる人が多くなればサーバーの増強が必要になるが、 アナログラジオは何千万人が同時にアクセスしようと、基本的にダウンすることはない。 「ラジオをやっていると、味方ができる」多少でもツイッターについて語りたい人には、うってつけの本だと思います。これまで読んだツイッター本の中でも、良書ではないかと。ツイッター本の装丁って、難しいですね。本書の著者・吉田尚記さんとは、10月2日(土)19時~にジュンク堂池袋店さんで対談イベントを行うので、そこでツイッター論などをじっくりお伺いしたいと思っております。http://www.junkudo.co.jp/tenpo/evtalk.html#20101002ikebukuroお時間のある方は、ぜひぜひいらしてくださいね (・。・)/
2010.09.24
タイトルだけ大賞をやっていると、これまで“全く知らなかった本”との出会いが多くなります。『1084(to-san ya-yo)トーサンヤーヨ』 ビートたけし (著) ネコ・パブリッシング (2010/8/30) 最近出た本のようですが、話題になっていたのでしょうね。ちなみに、内容は「元祖毒舌漫才「ツービート」の伝説的なネタをありのままカタチで表現! 35 年前の結成以来、全国数々の寄席で展開されていた毒舌漫才、 その雰囲気をこの一冊に閉じ込めました。これぞ、ビートたけしの真骨頂! デラックス2大付録ペーパークラフト〔立体3D名古屋城&スケスケスコープ〕」だそうです。
2010.09.23
2008年に放送されたNHK土曜ドラマ『監査法人』。私も監修として携わった初めてのドラマですが、このたびノベライズ化されました!なぜこの時期に?という気もしなくはないですが、嬉しいことです。【予約】 監査法人書かれたのは、このドラマの脚本も手がけた脚本家・小林雄次さん。『オルトロスの犬』や『アイリス』といった多くのドラマのノベライズも、手がけられています。ドラマよりもノベライズのほうが面白いこともママあるので、ドラマを見ていない会計士業界の人には、ちょうどいいのでは。あと、会計士受験生もね。
2010.09.19
8月10日のブログで映画『カラフル』の試写感想を書きましたが、その後、原作を読みました。カラフル原作のほうがもっと深かった…… (;_;)もちろん、映画も悪くはないのですが、原作のほうがもっと設定も細かく、心理描写も多いので、感動するのは原作のほうですかね?自分も経験がありますが、映像化というのは尺的に省かないといけないものが多いので、原作と比べてしまうと、ちょっと物足りなくなる作品がどうしても多くなりますね……。
2010.08.13
『プラットフォーム戦略』平野敦士カール、アンドレイ・ハギウ著(東洋経済新報社)を読みました。 こちらの本、土井英司さんは大絶賛していましたし、アマゾンでは品切れになるほどいま売れていますね。プラットフォーム戦略「やっぱり“場”を制する者が世界を制するよねー」という内容。ここのところ、『フリー』『ストーリーとしての競争戦略』といった最先端で本格派のビジネス書が売れましたが、こちらの本もその流れです。ただ異なるのは、200ページほどでまとまっていて、文字数も少なくとっても読みやすいという点。これは素晴らしいと思います。物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、大事なことってこれくらい簡潔で十分だと私は思います。ページ数が少ないのに、ケーススタディが豊富なのがグッジョブですね!グーグルやアップル、アマゾン、フェイスブックといった成功した事例だけでなく、3DOやアタリ、トイザらスなどの失敗例がちゃんと入っているのが勉強になります。日本がダメな理由として、「モノづくりこそが主役であり、ソフトウェア開発は下請け事業、受託事業」という発想に問題があると指摘した点は、そうだよなあと私も実感しています。
2010.08.05
来週の「ベストセラーBOOK TV」(BS11 金曜20時~)は、「芥川賞・直木賞特集」ということで、いま出演陣が手分けして直木賞候補作を読んでいます。私が紹介するのは、惜しくも受賞を逃した姫野カオルコさんの『リアル・シンデレラ』。リアル・シンデレラ長野県諏訪のある女性の一生が、彼女の周囲の人に取材していくことで徐々に明らかになっていくというノンフィクション風な小説。Amazonのレビューではみんな星5つなのですが、実は私にはさっぱりわからなかったんです ( ̄_ ̄||)決して面白くないわけではないのですが、主人公の女性にあまり共感できないし、周囲の誰にも感情移入できないし、結局なにが言いたかったのかもわからないし…。私が男性だからわからなかったのか、世代的にわからなかったのか、私の感性に問題があるのか。うーん、ヤバいなぁ。みんなが褒めているものを褒められないのは、疎外感だけしかないです。構成自体は、凝っていて非常に面白かったんですけどね。詳しい感想は、来週の番組内で。
2010.07.17
浅田次郎さんの新作『終わらざる夏』(7月5日発売)を一足先に読みました。これは、とても良い作品でした。終わらざる夏(上)終わらざる夏(下)―――1945年8月15日――戦争が、始まる。稀代のストーリーテラーが挑んだ物語の舞台は、玉音放送後に北の孤島・占守島で起きた「知られざる戦い」。日本を揺るがす新たな戦争巨編、ここに誕生!!―――といった宣伝文なのですが、戦争シーンはかなり少なく、実際はど真ん中の人間群像ドラマです。第二次世界大戦を舞台にした小説は、なかなか次のページをめくりづらいものが多いのですが、この作品は次のページが読みたくて仕方がありませんでした。それは浅田さんの筆力もあるでしょうし、登場人物である老人・中年・主婦・青年・少年・少女・ロシア人など、それぞれが魅力的であったからでしょう。特に歴史上の有名人が出ていないのも関わらず、これだけ引きつけられた作品はこれまであまりなかったです。赤紙を出す人、赤紙を渡す人の辛さが描かれた小説も、あまりなかったと思います。第二次世界大戦モノでありがちな右寄りか左寄りかでいうと、右の人は左だと思うし、左の人は右だと思うような内容だと思います。つまりは、中ぐらい。「その立場だったらそう考えるだろうなぁ」という等身大の人たちが主人公です。負けるとわかっていて、死ぬのはいやだと思っていて、それでも戦争に巻き込まれてしまう人たちが主人公です。今週金曜日の「ベストセラーBOOK TV」(BS11 20:00~)では浅田次郎先生がゲスト出演してくださるので、この作品についてもいろいろお伺いしようと思っています。
2010.07.04
7月2日(金)放送の「ベストセラーBOOK TV」(BS11 金曜20時~)で斎藤広達さんが「この1年で一番面白かった!」と激賞していた伊藤計劃著『虐殺器官』を読みました。(「ベストSF2007」国内篇第一位、「ゼロ年代SFベスト」国内篇第一位作品)虐殺器官凄い、凄い作品ですね…。近未来、後進諸国では内戦や大量虐殺が急激に増加したが、その背後には一人の男による“虐殺の文法”が存在していた――という話で、詳細は番組に任せるのですが、とにかくSF小説というより、国際陰謀小説、いや、生と死の哲学書、といった印象が強い作品です。最近文庫化され、いまとても売れているので番組でも取り上げたのですが、著者の伊藤計劃さんは去年、癌ですでに亡くなられています。享年34歳。この『虐殺器官』も、闘病の最中に書かれたものです。その経緯が、翻訳家・大森望さんによる「解説」で書かれているのですが、泣きました (;_;)「解説」で泣いたのは、後にも先にもこの本が初めてです。「生半可な気持ちで本なんか書いちゃいけない、命を削って書くべきものが本なんだ」と個人的に強く感じた一冊でした。
2010.06.30
こんばんは。選挙フリークの山田真哉です。参院選も候補者が出そろいまして、マスコミも谷亮子さんをはじめいろんな著名人候補を追っていますが、マニア的にも注目の候補の方はたくさんいらっしゃいます。ドクター中松さん(ピョンピョンはねる82歳)がいつの間にか幸福実現党の特別代表になっていたり、鳩山太郎さん(鳩山邦夫氏の長男)がいつの間にか新党改革にいたり、おなじみ又吉光雄さん(唯一神・又吉イエス)が前回の5000票余りからどう変動するのか、など見所(?)は満載ですが、今回は「ビジネス書業界」的な視点でまとめてみます。まずは、いろいろあってPHP研究所の社長を辞められた江口克彦さんがみんなの党から比例で、成功の法則同じく、みんなの党からは福助の社長もやられていた藤巻幸夫さんも比例で出馬。茶色いクツをはきなさいまた同じくみんなの党からは、タリーズコーヒーの創業者・松田公太さんが東京選挙区から出馬(演説の背景がたまたまスタバだったのにはちょっと笑えました)。仕事は5年でやめなさい2ちゃんねるで人気だった経済評論家の三橋貴明さんは、自民党の比例で出馬。本当はヤバくない日本経済まあ、いろんなタイプの方が出られるわけですが、どれくらい票数を集めるのでしょうね。世間的な知名度は読みにくいですからねえ。これが参議院の「非拘束名簿式」ならではの選挙の楽しみ方です。
2010.06.26
昨日に引き続き、本の感想。『ビジネス本作家の値打ち』水野俊哉著(扶桑社)という新刊があるのですが、なんともまあ下世話な面白さがある本です。書評本のカテゴリーに入ると思うのですが、書評については本の批評というよりは「紹介+ツッコミ」という軽いノリ。なにが面白いのかというと「人気ビジネス本作家46人を斬る」というテーマで、その通りに実際にちゃんと斬っている点です。Mさんとかケチョンケチョンですからね (^^;ビジネス本業界内の楽屋オチ的な感じもするので、人に薦めにくい本ではあるのですが、ビジネス本ファンには面白いと思います。ええ、いろんな意味で。光栄なことに(?)、斬られる46人のなかに山田真哉も入っているわけですが、なんともまあこっ恥ずかしいものですね。自著が批評されたことは幾度もありますが、自分自身が批評されたことは初めてですから――。
2010.06.21
『勉強革命!』上田 渉 著(マガジンハウス)という本があるのですが、こちらは山田真哉が本の冒頭に推薦の文章を書いています。推薦文は通常、本の帯に載せるものなので、今回は珍しいケースです。いろんな事情があった結果なんですけどね。勉強革命!さて、中身ですが、勉強法自体は個人差があるものなので、個々の読者の役に立つかどうかは正直よくわかりません。しかし、この本は「あるベンチャー起業家の半生記」として見れば、大変面白いです。大学受験、NPO立ち上げ、雇われベンチャー社長、そして、オトバンクの創業と面白い話が目白押しです。起業に興味がある若い方には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
2010.06.20
次回の「ベストセラーBOOK TV」の収録ゲストに姜尚中さんがいらっしゃるということで、『悩む力』から2年ぶり、初の自伝的小説『母~オモニ』を発売前にいち早く頂いたのでさっそく読みました。【予約】 母 オモニタイトルどおり、姜 尚中さんのお母さんの一代記なのですが、最後は泣きました (;_;)別に泣かせようとして書いた本ではないと思うのですが、泣きました。内容の大半は、戦中・戦後の混乱期をどう生き抜いたか、という話です。私の祖父・祖母も奄美諸島から本土に出てきて、いろいろ苦労があったそうなので、それに重ね合わせてしまう部分もあり、泣きました。堅苦しくなく、とても柔らかい語り口の本です。ああ、いい本でした。
2010.05.30
月刊ビッグトゥモロウ誌での連載で、いつもクオリティーの高い原稿を書いてくださっているライター・佐口賢作さんが、最近本を出されたのですが、これがとても良い本でした。『ぼくのオカンがうつになった。』 佐口賢作(原作)・サトウナオミ(漫画)ぼくのオカンがうつになった。うつ病になってしまった母親と“ぼく”の激動の16年間を描いたコミックエッセイです。いまや誰しも身近にうつになった方がいると思うのですが、母一人子一人の母子家庭で母親がうつになる、という状況はなかなかハードなものがあります。夫が、妻がうつという場合は、言っても他人なのでお互い多少の遠慮はあるでしょうが、親の場合は、遠慮が全くないノーガードの打ち合いですからね。。。「悪徳商法にだまされる」「うつ病か老化か区別がつかない」など、親のうつならではの話が多くて勉強になります。ホント、他人事ではないですからね。
2010.05.24
読売新聞で毎月第2日曜に連載している「ビジネス5分道場」ですが、本日取り上げたのは『年収があがるしゃべり方。』(内田伸哉著 クロスメディア・パブリッシング)。 某大手広告代理店で働くコピーライターであり、かつマジシャンという方が書いた本です。年収があがるしゃべり方。今回は「人としてどうかと思う」などと、あまり褒めていなかったのがミソなのですが、Amazonの上昇率ランキングとかでは第1位を獲ってました。書評欄で本を褒めない、というのが逆に新鮮だったのかもしれませんね。
2010.05.09
「ベストセラーBOOK TV」(BS11 金曜20時~)スタッフにとってのゴールデンウィーク課題図書『銃・病原菌・鉄』上・下巻を読み終えました!識者151人が選んだ10年間でもっとも優れた本・第1位ということで、いまとても売れている本です。全600ページ強で最初は読みきれるかどうか不安でしたが、面白かったので一気読みでした!『銃・病原菌・鉄』というタイトルからではわかりづらいですが、簡単に言うと、「なぜ人類が栄えた民族と栄えなかった民族に分かれたのかを科学的に考えた」という内容。史学というより進化生物学や遺伝子学、生物地理学等の話が中心なので、大学で歴史学を専攻した私にとっても初耳の話が多かったです。最終的には「ユーラシア大陸は東西に横長だけど、南北アメリカ大陸は南北に縦長だから発展が遅れた」といった環境決定論的な話になるのですが、とにかく新鮮な情報が多かったので本当に面白かったです。本筋からはズレますが、人がいかに先入観に囚われているかとか、人類史的な世襲の意味とかを考える良いキッカケになりました。詳しくは近々「ベストセラーBOOK TV」で特集をいたしますので、お楽しみに。
2010.05.04
いま『時間と学費をムダにしない大学選び2011』(石渡嶺司・山内太地著)を楽しく読んでおります。別にいまから大学に行きたいとか、就職を探しているとか、そういうわけでは当然なく、本書の中にある「著者&業界関係者が厳選! 触れておきたい書籍・漫画」が勉強になるのです。世の中には本当にいろんなマンガがあるんだなぁと。裁判員の女神(1)女性裁判官が主人公、サブキャラが裁判員という異色の裁判マンガ。下町鉄工所奮闘記ナッちゃん 東京編(1)主人公は下町の鉄工所で働く女性。薬屋りかちゃん(1)主人公は調剤薬局で働く薬剤師、りかちゃん。などなど、いろんな本が紹介されているので、本好き・マンガ好きとしても大変勉強になります。
2010.05.03
京都から見て、琵琶湖は近い湖だからその国は「近江(おうみ)」、いまの滋賀県。浜名湖は遠い湖だから「遠江(とおとうみ)」、いまの静岡県西部。歴史好きなら常識のような話ですが、知らない人にとっては非常に「へぇ」な話だと思います。こういった絶妙なネタを過不足なく詰め込めるところが、後藤武士先生のヒットの所以なのでしょうね。読むだけですっきりわかる日本地理
2010.04.25
今週金曜の「ベストセラーBOOK TV」で斎藤広達さんが紹介する『ボトルネック』(米澤穂信)。広達さんに勧められて、昨日読み始めたのですが、めっちゃ面白かったです。「このミステリーがすごい!2010年度版」で作家別投票第1位を獲った米澤穂信さんの最新文庫作品。主人公は、家庭に問題がある中学生。その彼が死んじゃったと思ったら、自分が住んでいた街のパラレルワールドに紛れ込んでしまって……、というSFミステリー。オチはあまり好きなタイプではないのですが、全体的には大満足。主な登場人物は5~6人しかいないのに、これだけ謎を撒いて、よく回収できるなあ、と。あと、一応青春小説なのですが、かなーり精神的にドロドロしているので、それはそれで好みでした。「ベストセラーBOOK TV」に出始めてから、確実に面白い小説に当たるようになったのでとてもありがたいです。続いては、道尾秀介さんの新刊『光媒の花』を読んでおります。
2010.03.24
昨日の引き続き、最近ハマった小説の話。いま売上1・2位を独占している『ロスト・シンボル』(ダン・ブラウン)を読み終えました。上・下、合わせて700ページ強。長いだけでなく、話も『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』に比べ複雑になっているのですが、まー、よう出来てますわ。舞台はワシントン。テーマは、秘密結社フリーメイソン。訳者あとがきで越前敏弥さんが指摘しているとおり、「“フリーメイソン通”の読者も一驚したに違いない」と思います。都市伝説レベルのフリーメイソンの話の斜め上を軽くいってます。フリーメイソンを必要以上に煽ったり、矮小にしたりせずに話を作ることができる作家として力量は、本当に凄いなぁと。以下、ネタバレもあるので文字反転。パターンは、前2作と一緒です。突然呼び出されて、事件に巻き込まれて、時間制限内に暗号を解くために右往左往します。そして、またもや狭い所に閉じ込められて死にそうになります (^^;)犯人のオチが事前に読めちゃったのはちょっとね……。最後の最後も説明だらけでなんのこっちゃ、という感もあります。それらを割り引いても、ハラハラしながら最後まで読めました。ほんと、宗教と科学って好奇心をくすぐりますねー。
2010.03.21
仕事したり、家事したり、アニメを見たり、とそれなりに忙しい日々を過ごしているわけですが、本もそれなりに読んでいるわけでして。ビジネス書のほうは「読売新聞」や「会計人コース」、そして某雑誌の新連載で扱うのでここでは改めて書きませんが、小説のほうはここでちょっとご紹介。今年に入って読んだ小説でとてもハマったのが、まずは『親鸞』(五木寛之)。 ただの宗教小説じゃないっすよ。超エンターテインメントっすよ。私が大好きな吉川英治を髣髴とさせる冒険小説っすよ。親鸞の子ども時代から青年時代までの物語なのですが、出てくるのはお坊さんだけではありません。忍者のような人・殺人鬼・遊女・美少年・美青年・後白河法皇……。登場人物のキャラが濃いのが楽しいです。あと、裏テーマとして「親鸞がどのようにして女犯をおかしたか」という道程が要注目です。もちろん、天台宗・浄土宗・浄土真宗の勉強にもなります。『親鸞』を読み終えた直後に『葬式は、要らない』(島田裕巳)を読んだのですが、念仏の話などとてもスッと入ってきました。この2冊をコンボで読めば、誰しもが当分は「仏教」がマイブームになると思います(^。^)明日はまた別の小説をご紹介します。
2010.03.20
最近よく見かけるピンク色の新書の最新刊が、各書店で目立ってますね。『会社にお金が残らない本当の理由』岡本吏郎著(フォレスト出版)(原則、ビジネス書に推薦文を書かない)私が、帯に推薦文を書いております。「専門家が書きたくても書けなかった真実がここにある。」「絶対に負けられない戦いが、そこにはある」の雰囲気で考えました。私が携わっているといえば、こちらの本も『ビジネス書大賞 Biz-Tai 2010』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)書評ブロガーの一人として、ちょっとだけコメントしています。書評といえば、水野俊哉さんの『誰もが無理なく夢を引き寄せる365の法則』(きこ書房)が増刷を果たしたとのことで、「MY法則ノート」を頂きました。【絶対成功法則】が載っているノートです。いい目のつけどころですねぇ。(水野さんがつくっている、「ビジネス書評ブロガーマトリックス2010」にも注目)書評といえば、土井英司さんのこちらの本も。『アメリカCEOのベストビジネス書100』(講談社)面白いですよ。書評の書き方の勉強にもなります。500ページ超と分厚いので、まだ読んでいる途中ですが。先週、読売新聞の本よみうり堂「ビジネス5分道場」で私が書評したのは『生命保険のカラクリ』岩瀬大輔著(文春新書)保険という金融商品への理解は、日本人を理解するうえでも必須です。そうそう、「日本タイトルだけ大賞2009」で大賞を獲った『ヘッテルとフエーテル』マネー・ヘッタ・チャン著(経済界)ですが、いつの間にかこんな帯に!! 主催者冥利に尽きますなぁ。
2010.01.23
秋の読書大会 『容疑者Xの献身』 『幕末史』 『戦国軍師列伝』 『「場回し」の技術』 『数学が歩いてきた道』 ―――第37回・読書前感想文「ベストセラーBOOK TV」や読売新聞「ビジネス5分道場」などで取り上げた本以外にも、いろんな本を読んでおりますので一部をご紹介。―――――『容疑者Xの献身』(東野圭吾)ずいぶん前から家にはあったのですが、ずっと未読だった本。いわずと知れたベストセラーで「いまさら…」と思いましたが、読んでみてやっぱり良かったです。評判どおり面白いですね。このトリックは全然気付きませんでした。『幕末史』(半藤一利)斎藤広達さんから勧められてお借りした本。半藤さんの歴史話は講談のようでライブ感があっていいですね。勝海舟の高評価や孝明天皇の毒殺説など、半藤さんの主張も楽しく読めます。『戦国軍師列伝』(津本陽ほか)時代屋で買った14年前の本。竹中半兵衛、山本勘介、太原雪斎、黒田如水、本多正信、直江兼続、鍋島直茂といった軍師が主役の短編集。面白いのもあれば、そうでないのもあり。『「場回し」の技術』(高橋学)会議やセミナー・チーム・飲み会等でいかに場を回すか、というユニークな本。美崎栄一郎さんが取り上げられている、ということで読み始めましたが、千葉智之さんも出ていたりして、いろいろと勉強になりました。『数学が歩いてきた道』(志賀浩二)「PHPサイエンス・ワールド新書」というレーベルができたそうで、その第一回配本の一冊。古代ギリシアからの数学の歴史を読み聞かせてくれるのですが、文系にとっては難易度はやはり高い…。ただ、200ページの新書なので、なんとか読みきろう!という気にはなります。―――――
2009.10.09
夏の終わりの読書大会 『ストレスゼロの仕事術』『お金を稼ぐ読書術』 『いつの間にか相手の心をつかむ すごい!聞き方』 『ヒトがいない、カネがない、仕事がない 社長、ネットがありますよ!』 ―――第36回・読書前感想文この夏に読んだビジネス書を代表して、次の4冊をば。―――――『ストレスゼロの仕事術』(木村英一・著)仕事術であり、メンタルな本。仕事でストレスがたまっている方には、とてもおススメ。ちゃんとオチのあるマンガが入っている本って大好きです。『お金を稼ぐ読書術』(午堂登紀雄・著)33歳で3億円をつくった実業家、午堂さんの本。「カバンの中に本を複数忍ばせておく」とか「同時に20冊を並行して読む」とか「自己啓発本から早く卒業する」は、私も同感です。『いつの間にか相手の心をつかむ すごい!聞き方』(片山一行・著)名編集者・片山一行さんの本。聞き方だけではなく、出版界の話が豊富なので、業界関係者は読んだほうがいいですよ。『ヒトがいない、カネがない、仕事がない 社長、ネットがありますよ!』(吉田和彦・著)人気ブロガーであり、SEO対策で有名な印刷会社社長・吉田和彦さんの本。ネット本っていまさら感があるかもしれませんが、実体験が満載なのでめっちゃ面白いです。―――――まだ取り上げていない本が山のようにあるので、また続きをやるかもしれません。
2009.08.29
夏の読書大会 『会計学はこう考える』『いいことが起こり続ける数字の習慣』 『宇宙とつながる働き方』『儲かる会社に変わる「バランスシート革命」』 ―――第35回・読書前感想文この夏に読んでいる、読みかけている会計本をご紹介いたします。『会計学はこう考える』(友岡賛・著)会計史で有名な、慶応大学の友岡教授の新刊。一般向けに財務諸表論を語ってくれています。こういう会計本が、一般でも売れてほしいところです。『いいことが起こり続ける数字の習慣』(望月実・著)「会計のプロが見つけた 癒しの人生デザイン術」ということで、会計本というより、生活の仕組み本です。人脈の話もあるのですが、山田の名前もちょくちょく登場しています。『宇宙とつながる働き方』(天野敦之・著)『会計のことが面白いほどわかる本』の天野先生の最新刊です。「経済を回復させるたった一つの方法」というサブタイトルにもあるように、会計本ではなく、社会全体への啓蒙哲学書です。『儲かる会社に変わる「バランスシート革命」』(柴山政行・著)決算書を経営に絡めるのを得意とする、柴山先生の新刊です。「売上50%減少時代を生き抜くための解決策」として、けっこう実務の本格的なことが書かれているのですが、わかりやすい本作りになっています。さすがです。
2009.08.24
夏の読書大会『青春鉄道』『毎日かあさん』『そば屋 幻庵』『ザ・テレビ欄』 ―――第34回・読書前感想文この夏に読んだ本をいろいろ紹介します。でも、小説・ビジネス書以外です。そうなると、一風変わった本が多いです (^_^;)『青春鉄道』(青春・著)鉄道擬人化コミック。いろんな路線がイケメン青少年になってます。関東圏が中心ですが、鉄道事情をよく知っているとかなり笑えます。『毎日かあさん 4 出戻り編』(西原理恵子・著)「泣ける本」として名高い本。土井英司さんがマンガ本を薦めるのは珍しいな、と思って買った本です。西原さんの本は、常にベースに笑いがあるので好きです。『そば屋 幻庵』(かどたひろし/梶研吾・著)時代物マンガ。神出鬼没の蕎麦屋台、その蕎麦屋のおやじの正体は、実は元旗本で……という人情アリ、蕎麦の知識も身につくマンガです。『ザ・テレビ欄 1975-1990』(テレビ欄研究会 編・著)ただひたすらテレビ欄が載っている本。すべてが懐かしいです。欄外に昔の番組の紹介文があるのですが、こちらも面白いです。名著です。
2009.08.21
『一天地六の法則』(サンマーク出版)カカコトリ・著 ―――第33回・読書前感想文いきなり話を逸らせて申し訳ないのですが、「アマゾン・キャンペーン」って私自身はあまり好きではないんですよ。それはきっと2002年頃の「アマゾン・キャンペーン」初期の時代に、僕らがやっていた牧歌的なキャンペーンとは大きく変わってしまったからだと思います。僕らの頃は、多くの特典や1人で複数冊買うようなことは無かったですから。……ただ客観的に考えると、単なる懐古主義的なひがみなんですけどね (^^;)強者ならざる者の戦略としては、いまでもとても有効だと思います。さて、『一天地六の法則』は、そんなアマゾンキャンペーンの当代随一の仕掛け人でもあるカカコトリこと林俊之さんの処女作です。「処女作はだいたい当たり」という言葉もありますが、こちらの本も非常によくできている本です。朝礼ネタになるような、「1分間の深イイ話」が83コも入っています。「日の丸は左に一パーセントずれている」「なぜ、牛丼屋の看板はオレンジなのか?」など、フックの強い面白そうな話が多いので、興味があるものだけを読む、という読み方も楽しいと思います。「過去と他人は変えられない」ならぬ、「過去と他人は変えられる」という話が個人的に一番好きです。(↑ アマゾン・キャンペーンのコーナーに飛びます)
2009.08.03
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