鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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2021年11月05日
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カテゴリ: 句会

19 回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ

新型コロナウイルス感染症の陽性者数はこのところ減少、緊急事態宣言も解除されましたが、原則自宅療養(自宅放置)という医療崩壊やアベノマスクという愚策の反省も総括もされず、リバウンドの危険性も指摘されています。いまこそ公助切捨てでない医療再建が求められています。


第19回鴎座通信句会は40名200句でした。
選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長・副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切26日)。          
鴎座俳句会 代表 松田ひろむ
〈第19回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
14銭湯にケロリンの桶黄落期
21月光の髪を乾かす手の遊び
68晩節の途中秋刀魚を裏返す
117二人なら新米二合たまご二個
135ひきだしに二千円札神の留守

特選187天高し日本の川に三兄弟/川目智子
(選評)特選にいただいた187「天高し」の句。三兄弟とは坂東太郎(利根川)、筑紫次郎(筑後川)、四国三郎(吉野川)である。もともとは「三大暴れ川」であったが、今は治水によって日本を代表する川の代表。「天高し」でスケールの大きい句になった。
14「銭湯に」の句。ケロリンの桶は全国の銭湯や公衆浴場で使用されている黄色いプラスチック製の湯桶。一九六三年に内外薬品(現・富山めぐみ製薬)の鎮痛薬「ケロリン」の広告媒体として提供され公衆浴場の定番として広く使われている。句は黄色い桶と黄落期の取り合せが妙。桶の軽やかな音がカランコロンと聞えてきそうだ。
21「月光の」の句。手の遊びとは乾かす時の仕草だろうか。月光に輝く長い(?)黒髪は妖艶に思える。想像を掻き立てる一句。
68「晩節の」の句。人間が避けて通れない生・老・病・死。秋刀魚を裏返すと具象化し、晩節などまだ先のことと老いを認めない作者に共鳴した。
117「二人なら」の句。仲睦まじい夫婦像が溢れ出ている。二を三回繰り返して韻をふんでいる所がポイント。そこに魅力を感じた。
135「ひきだしに」の句。二〇〇〇年(平成十二年)に発行された二千円札、現在ほとんど市中に出回っていない。神の留守との取り合せが軽妙。お札も出雲に行ったのだろうか。
185「蔦紅葉」の句。その通りの句であるが蔦紅葉により納得させられる。季語が効いている。

小髙沙羅(副編集長)選
58湿布くらい自分で貼れる後の月
74要介護より復活の秋の薔薇
93結婚するって本当ですかななかまど

162循環器センター黄落の真正面
188敬老の思いを届け名月に
95来世ではきっと他人に鳳仙花
(選評)特選にいただいた98「葡萄一房」の句。数独というパズルはいつから流行り出したのだろうか。夫も最近二つの新聞の数独にはまり、午前中はかかり切っている。夢中になれることは素晴らしい時間。解けたら葡萄のご褒美が微笑ましい。
58「湿布ぐらい」の句。湿布ぐらいといっているが、まだまだなんでも出来ることが分る。ただ季語の「後の月」が微妙な年齢を象徴しているのだろう。

93「結婚するって」の句。結婚という人生の節目。「本当ですか」が楽しいが、いま話題の方のことかも知れない。
162「循環器センター」の句。循環器と黄落との取合せが妙。また「真正面」は病にたじろがない姿でもある。
188「敬老の」の句。老いは自愛か他愛か。「名月‐届け」と言い切って清々しい。
95「来世では」の句。「きっと他人」といっているものの、鳳仙花の懐かしさを配してるので逆説のお惚気かも。故友に〈子の呼吸(いき)の笛のおさらい鳳仙花〉(工藤眞智子)もあった。

古川 塔子(顧問)選
60蛇穴に金のなる木があったはず
65鳳仙花飛ばそう人生最終章
74要介護より復活の秋の薔薇
108うそ寒の喋る自販機過干渉
122物言わぬ一日と記す秋黴雨
特選137政変は雑木紅葉の戦ぎから/金丸菜斗
144豚シャブのちょろちょろさせて冬に入る
(選評)特選に頂いた137の「政変」の句。政変というおよそ詩歌から想像もできない硬い言葉を上五に置いて、しかも「雑木紅葉の戦ぎ」への言葉の斡旋には感銘を受けた。紅葉であっても雑木である。その雑木の力とは庶民であろう。庶民の力による政変への期待である。
60の「蛇穴に」の句。蛇の皮を財布に入れて置くとお金に不自由しないという。句はお金がなくて困っていると確か「金のなる木があったはず」と思い出したのだろうか。それとも無尽蔵にお金があるような、最近のバラマキ政策への批判の一句だろうか。
65の「鳳仙花」の句。鳳仙花の赤い花で爪を染めて遊んだり、実が熟すとちょっと触れただけで種子が弾ける。花言葉は「触れないで!」しかも人生最終章、何か物語性のあるおたのしみ。
74「要介護」の句。介護認定がとれて秋薔薇に復活した作者の喜びを素直に感じる。秋の薔薇ぐらいがちょうど良いのだ。
108の「うそ寒」の句。この頃の電子音、家の中、外構わず嫌でも耳に入ってほんとにうるさい。とくに心が冷え冷えとした、うそ寒い日、おおきなお世話と一喝したくなる。
122の「物言わぬ」の句。今日一日一声も発していないことに気がつき、日記に記す。外は秋黴雨、こんな秋の一日があっても良い。
141「豚シャブ」の句。しゃぶしゃぶの動作を、ちょろちょろさせてと楽しい表現。鍋料理の冬へと誘う生活感のある句。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
39「この骨は喉仏です」鵙の声
58湿布くらい自分で貼れる後の月
特選61コロナ禍の小さき短き秋でした/金丸菜斗
65鳳仙花飛ばそう人生最終章
111色鳥やレシピにのらぬ隠し味
155彼岸花ところどころの白が好き
185蔦紅葉加齢の坂は一歩ずつ
(選評)特選にいただいた61「コロナ禍」の句。まったくその通り。コロナ感染者数に一喜一憂させられたり天候不順に悩まされたり、夏から秋への移り行く季節を味わう間もなく晩秋へときてしまった感じである。
39「この骨は」の句。親しい人の骨を拾うときいつも思うのだが、人間てこんな簡単に骨になってしまうんだと、最後に必ずこれが喉仏と見せられる。人間の一生なんて儚いものだ。かすかに聞こえる鵙の鳴き声に一瞬救われているのだ。
58「湿布ぐらい」の句。この人は多分家族がいるのだろう。けれど湿布ぐらいは自分で貼ろうと思っているのだ。一人者ではこうは言えない。一人で貼るのは当たり前なのだから。
65「鳳仙花」の句。残り少ない人生でも最後まで頑張ろうという気合を感じさせてくれる句。鳳仙花の弾けるさまがこの句を一層明るく元気にしている
111「色鳥や」の句。料理はレシピ通りとはいかない。得に煮物などは作る人の感である。その人の持っている感性とか長いあいだに培われた経験等々。それがレシピにはないのだ。小鳥たちも美味しい料理を待っているのだろう。
155「彼岸花」の句。彼岸花の白は高貴な感じさえする。赤の中に一本だけ白があったらそれはそれは目立つ。ある時バス停に一本だけ白の彼岸花が咲いていた。その風情がいまだに忘れられない。
185「蔦紅葉」の句。目には見えないが気がつけば年をとっている。それが坂一歩ずつなのだろう。普段まめに会っている人は全然感じないがコロナ禍で二年会わなかった人の変わりようを見て愕然とした覚えがある。蔦紅葉と加齢の対比が切ない。

鈴木 砂紅(招待)選
16母在らばぶっきら棒の走り蕎麦
74要介護より復活の秋の薔薇
78小鳥にも足音ありし落葉径
80摘み取る落葉松妻の項から
144葛根湯八十過ぎは秋思なく
146紅葉踏む森までアフガニスタンまで
特選193さびしんぼの寄せ算ならず芒原/高良和子
(選評)特選に頂いた193「さびしんぼ」の句。「淋しん坊」が何人集まってもやっぱり一人。生命力に溢れた芒の群生の中に個々の人間が立つと、そのひ弱さが一段と際立つ。人間の淋しさと愛おしさが心に残る句。
16「母在らば」の句。蕎麦打ちの上手な母の、笑顔よりもぶっきら棒な仕草が記憶にある。母の句でありながら甘さの無い詠み方に惹かれた。
74「要介護」の句。復活したのは作者の家族のようだが、薔薇が元気になったと読めなくもない。様々なドラマが見える。
78「小鳥」の句。足音で意表を突かれたが、案外よく見る光景である。小鳥の微かな足音を聞き取った作者の感性の鋭さ。
80「摘み取る」の句。夫婦のさり気ない情愛が「項」から見えてくる。
144「葛根湯」の句。なるほど卒寿を超えれば憂いも物思いも卒業に違いない。葛根湯が何だか可笑しい。
146「紅葉踏む」の句。日本の優しい森から過酷なアフガニスタンへ読者の視線を誘う。詩情ある時事句。

松田ひろむ(代表)選
19木道の一部複線草紅葉
準特選21月光の髪を乾かす手の遊び/古川塔子
特選39「この骨は喉仏です」鵙の声/宮沢子
準特選船95どぶろくや武甲の肚を発破音/川目智子
99小鳥小鳥待合室はドア開放
126口づけのマスクずらしつつと離る
151コスモスの迷路だったらすぐに行く
183生きるため神経を抜く菊日和
190親ガチャは栴檀の実と無関係
193さびしんぼの寄せ算ならず芒原
195来世ではきっと他人に鳳仙花
(選評)特選にいただいた39「この骨は」の句。骨上げは切ない時間、それが鵙の悲痛な声。句は喉仏に焦点をあてている。実は骨上のときに「喉仏」というのは喉仏ではない。喉仏は喉頭隆起という軟骨で火葬の際に焼けて残らない。骨上げで喉仏と呼ぶのは背骨の上から二番目の軸椎と呼ばれる部分。そのため喉仏は女性にも存在する。これは骨の形が座禅を組んでいる仏に似ていることから特別扱いされ「喉仏」と呼ぶようになった。
準特選にいただいた21「月光の」の句。女性にとって髪は命とも。髪と戯れている至福の時間。それが手の遊び。
同じく準特選95「どぶろくや」の句。武甲の肚が、ずしりと重い。どぶろくで、ずしりとsしっかりとした一句となった。
19「木道の」の句。尾瀬沼などの景だろうか。草紅葉がいかにもそれらしい。
99「小鳥小鳥」の句。(病院の)待合室は小鳥籠かも、ドア解放はコロナ禍対策。
126「口づけの」の句。マスクをずらすが実感だが、すぐに離れるのも切ない。これも現実にしっかりと向き合っている句。
151「コスモスの」の句。迷路といってもコスモスのそれは、明るい秋空の下かも。「すぐに行く」が軽妙。
183「生きるため」の句。神経を抜くことで生きられるという。これも一つの誇張法。菊日和で救われる。
190「親ガチャは」の句。親ガチャは流行語。ガチャポンから来た言葉。子供は親を選べないということ。栴檀の実との取合せが「栴檀は双葉より芳し」を踏まえているのだろう。
193「さびしんぼの」の句。「寄せ算ならず」とは個々のことだろうか。芒原の寂寥感。
195「来世では」の句。夫婦と言っても今生だけというのだが、夫婦のことは他人にはわからないことが多い。鳳仙花で可愛いままの妻だろうか。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位74 要介護より復活の秋の薔薇⑦                   松田ひろむ
二位68 晩節の途中秋刀魚を裏返す⑥                   小平  湖
三位18 文化の日行方不明のたまごっち⑤                 川崎 果連
三位39 「この骨は喉仏です」鵙の声⑤                宮  沢子
三位169ミサイルに首をすくめて鳥渡る⑤                 川崎 果連
六位16 母在らばぶっきら棒の走り蕎麦④ 村田和子
六位21 月光の髪を乾かす手の遊び④ 古川塔子
六位78 小鳥にも足音ありし落葉径④ 白石みずき
六位103すぐに出ぬ言葉さがして秋の暮④ 白石みずき
六位111色鳥やレシピにのらぬ隠し味④ 川目智子
十位1炊飯器お焦げを知らず文化の日3 川目智子
十位117二人なら新米二合たまご二個③ 小髙沙羅
十位122物言わぬ一日と記す秋黴雨③ 岡崎久子
十位162循環器センター黄落の真正面③ 木野俊子
十位185蔦紅葉加齢の坂は一歩ずつ③ 金丸菜斗
十位195来世ではきっと他人に鳳仙花③ 吉村きら

(第19回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1炊飯器お焦げを知らず文化の日 3 川目智子
2敬老日自粛の手足持て余す 0 中村ふみ
3芋の露胃腸にやさし日が差して 0 増田萌子
4踏切の音遠くより柿たわわ 1 荻野樹美
5青春の綻びに似て笑み柘榴 0 小平 湖
6鹿の恋記者会見が始まって0       松田ひろむ
7蹈鞴(たたら)を踏む木の間隠れの烏瓜 0 高良和子
8蟹股の小振りはどれも男郎花0     金丸菜斗
9白鳥の攫はれゆくや黒鳥に 0 飯島 智
10恋情に胸の塞がる石蕗の花 0 小柳 梓
11初紅葉はだかの心震わせて 0 岡崎久子
12一粒の霧細胞をすりぬけし1    後藤よしみ
13カレーパン割る大小を文化の日 0 古川塔子
14銭湯にケロリンの桶黄落期 2 荒井 類
15大安売りされてる曲がったままの茄子0 翠 雲母
16母在らばぶっきら棒の走り蕎麦 4 村田和子
17金木犀香をやぶり来るものは誰0    後藤よしみ
18文化の日行方不明のたまごっち5     川崎果連
19木道の一部複線草紅葉 2     安藤利亮
20糸通す針を妻へと秋の午後 1 安藤利亮
21月光の髪を乾かす手の遊び 4 古川塔子
22猫抱いて頭巾深々震度六 0     中村ふみ
23モナリザの山河いくたび紅葉なす0   後藤よしみ
24龍にのる黥面の漢天高し 0     近田吉幸
25息切らすリュックの横の野菊かな0 石黒宏志
26秋雨の秋のさ中に子が病んで0     増田萌子
27指揮棒を待てず厨に虫の声 1    須田正子
28衣被可も不可もなくこの道を0     津田文江
29其処此処に捨てられている紙マスク0 飯島 智
30木枯らし一号九十の夫と茶碗蒸 1 木野俊子
31無花果もぐ迷い人にはならぬよう 1 鈴木砂紅
32仏壇の祖母につげ口温め酒 2   栗原かつ代
33草の花母乳知らずの水子仏 2   白石みずき
34小萩露風を待つごと君を待つ 0 須田正子
35日向ぼこ背中合わせに干野菜 0 近田吉幸
36サンレミのささらほうさら秋の苑 0 森谷路子
37告白の後の空白小鳥来る    2     岡崎久子
38栗ご飯体重減らせ医者の言ふ 0 津田文江
39「この骨は喉仏です」鵙の声 5 宮 沢子
40たわわに跳ねて弾いて水引草 0 津田文江
41燕帰る火星にも水あるらしき 0 増田萌子
42一直線メタセコイアの薄紅葉 1   安原南海子
43一人では出来ない喧嘩曼珠沙華 1 吉村きら
44息かて窓を磨くよ小鳥来る 0 古川塔子
45肩凝りも腰痛もなく新酒酌む  0    白石みずき
46長生きの相で焼芋半分こ     0    小平 湖
47誰にでも青空のあり運動会   0    白石みずき
48風元の身じろぎもせずきりぎりす 0 古川和美
49静脈をおだてられても青蜜柑 1 森谷路子
50身の内を探られミイラ神の旅0    行成佳代子
51合歓は実にねむり旦に目覚めあり 0 飯島 智
52鵙猛るから期日前投票所 0    栗原かつ代
53竜胆やしばらくと声掛け合いぬ 0 荻野樹美
54村と町繋ぐ石橋柿花火 1    安原南海子
55丑の刻親の掻い巻き取り戻す 0 小柳 梓
56ケバブ屋のテント赤きを後の月 0 森谷路子
57ヨットハーバー琵琶湖入江の蔦紅葉0  安原南海子
58湿布くらい自分で貼れる後の月 2 鈴木砂紅
59万葉の談山神社初紅葉 0     近田吉幸
60蛇穴に金のなる木があったはず 2 小平 湖
61コロナ禍の小さき短き秋でした 1 金丸菜斗
62万歳のあとは散り散り花八手 2   行成佳代子
63三度目のワクチン恐い神の留守 1 中村ふみ
64夜学生ちゃらんぽらんと真面目いて0  石口りんご
65鳳仙花飛ばそう人生最終章 2 岩渕純子
66夫といふ嵩高なものそぞろ寒 0 高良和子
67鳩吹く風変異の株のしたたかさ 0 飯島 智
68晩節の途中秋刀魚を裏返す 6 小平 湖
69尼ひとりバスに乗り込む白い秋 0 宮 沢子
70竿の先飛行機釣れる鯊日和0    信岡さすけ
71自粛明け人這ひ出でて蛇穴に 1 高良和子
72 ぶな黄葉幹の頂透けて青 0 安藤利亮
73ちんちろりん男ころころ気が変わる0   吉村きら
74要介護より復活の秋の薔薇 7   松田ひろむ
75空低し襟掻き寄せて初時雨 0   行成佳代子
76研ぐものに五感いくさの月明り1     木野俊子
77グループホームの友О脚のまま冬二度0 高良和子
78小鳥にも足音ありし落葉径 4   白石みずき
79日短かMRIに身を委ね   0 村田和子
80摘み取る落葉松妻の項から 1 安藤利亮
81毬栗の割れて顔出す反抗期 2 磯部薫子
82ノーベル賞われにもありや好奇心 0 津田文江
83物は試しとたつた二日の秋遍路 0   百目鬼英明
84秋天の足元透けてかずら橋 1 近田吉幸
85翡翠をひらりとかわす銀の鰭 0 小柳 梓
86交換日記一文字残し夕化粧 0 吉村きら
87弧を描き行きつく先は青蜜柑 0 磯部薫子
88ゴッホにテオ子規には律が木守柿 2 古川塔子
89ハロウイーン南瓜のにらぬケーキかな0  斎藤 藍
90そぞろ寒サプリメントの飲み忘れ 0 川崎果連
91再検査結果待つ間のそぞろ寒 1   百目鬼英明
92狐火の先を行くのは八咫烏 0 小柳 梓
93結婚するって本当ですかななかまど2  石口りんご
94鈴虫の鈴浄土への道標     0 岡崎久子
95どぶろくや武甲の肚を発破音 1 川目智子
96心臓はカテーテルに委ねたる銀河 0 翠 雲母
97追い炊きの齢へ後の更衣   2 川目智子
98葡萄一房数独ひとつ解けたなら 1 岩渕純子
99小鳥小鳥待合室はドア開放 2 森谷路子
100カニカマと裂けるチーズの秋おしむ0  信岡さすけ
101縄文の遺伝子生きている辺野古 1 木野俊子
102木枯らしやスカーフ止めを手に取りて0 斎藤 藍
103すぐに出ぬ言葉さがして秋の暮 4   白石みずき
104霧出でど人の形に戻らざり 0   後藤よしみ
105お求めは何匹ですか鯛焼屋 1 村田和子
106鬼の子のいつから足腰の不安 0 古川塔子
107布袋腹弾けて笑う秋なすび 1 鈴木砂紅
108うそ寒の喋る自販機過干渉 1   栗原かつ代
109青春の夢に上書き十三夜 0 岡崎久子
110茹で卵つぶして新米よごしをり 1 中村ふみ
111色鳥やレシピにのらぬ隠し味 4 川目智子
112ほととぎす傷口はまだ塞がらぬ 0 小髙沙羅
113言の葉の浮いて沈んで神無月 0   宮 沢子
114胃カメラの闇汁の如喉麻酔 0 百目鬼英明
115天然の鯛と柚子入り笹巻と 0 斎藤 藍
116耳鳴りのささやきは何十三夜 0 増田萌子
117二人なら新米二合たまご二個 3 小髙沙羅
118肩パッド外した女猫じゃらし 1 鈴木砂紅
119新走り先史の森のツアー客 0   栗原かつ代
120温度差疲労お見舞いはラフランス 0 小髙沙羅
121重陽や花嫁同士上目して 0 安藤利亮
122物言わぬ一日と記す秋黴雨 3 岡崎久子
123青女来る赤いほっぺの津軽っ子 1 石口 榮
124松前帰る忍路(おしょろ)高島手土産に0 松田ひろむ
125今朝の秋一気に流すトイレかな 0   百目鬼英明
126口づけのマスクずらしつつと離る 1 飯島 智
127かわいいといわれエプロン秋の色 0 木野俊子
128洪水の轟音の中幾家族     0 荒井 類
129秋の夜の地震列島夜目鳥目 1   信岡さすけ
130栗飯やモノクロの夫栗を剥く 0 須田正子
131糸をつけ命の旅路雪迎え 0 磯部薫子
132明日嫁ぐ鞄の中に柿三つ 0 小平 湖
133泡立ち草いつかこの地に溶け込んで1  小柳 梓
134干柿の甘さほどほど総選挙 0 石口 榮
135ひきだしに二千円札神の留守 1 川崎果連
136熟柿吸う自然というを思いつつ 0 金丸菜斗
137政変は雑木紅葉の戦ぎから 1 金丸菜斗
138七曜に追はれ追はれてはや乾風 0 中村ふみ
139パトカーの右前輪や鬼やんま  0 荒井 類
140思い違いは誰にでも蛇穴に 0 石口 榮
141豚シャブのちょろちょろさせて冬に入る1近田吉幸
142紅葉かつ散る地球のどこかでテロ 1 石口 榮
143葉鶏頭平等な会だったらなあ 0   石口りんご
144葛根湯八十過ぎは秋思なく 1   松田ひろむ
145漆色生かすボウルに秋野菜 0 斎藤 藍
146紅葉踏む森までアフガニスタンまで1  後藤よしみ
147新松子旅の手足のもつるるも 0   安原南海子
148小春日や解散風の吹き募る 0 行成佳代子
149菊薫る父が命を捧げし時代(とき) 0 翠 雲母
150圧してくる冬木両手で押し返す 0 鈴木砂紅
151コスモスの迷路だったらすぐに行く2 古川和美
152夫を待つ雨の匂いと焼栗と 0 磯部薫子
153里山の鵙の一声ロスタイム 0 宮 沢子
154長き夜のジグソーパズル千ピース 0 石口 榮
155彼岸花ところどころの白が好き 1 古川和美
156穂絮飛ぶ姫神の恋謡ひつつ 0 村田和子
157東名・名神あわだち草のひとりじめ1 安原南海子
158一礼の石の鳥居や草紅葉 0 荻野樹美
159唐辛子今日は沢山入れたい日 0 石口りんご
160見おろせる鳶と目の合う秋麗 1 荻野樹美
161秋空や恋も空き巣も狙ひ撃ち 0 百目鬼英明
162循環器センター黄落の真正面 3 木野俊子
163真っ直ぐに生きてくなんて落葉焚く1 石黒宏志
164水引草手相に夢中だった頃 0 石口りんご
165瞑想か妄想か白曼殊沙華 0 栗原かつ代
166秋高し吾に貝殻骨二つ 0 須田正子
167時雨るるや栄一像の眼まで 1 岩渕純子
168手紙書く金木犀が二度も咲き 0 小髙沙羅
169ミサイルに首をすくめて鳥渡る 5川崎果連
170一日の栄えあればと白木槿 0 古川和美
171石榴割ればぽろり塞ぎの虫を吐く 0 村田和子
172秋晴や腰に手を当て瓶牛乳 0 津田文江
173胡桃割る非正規には明日がない 0 翠 雲母
174へなちょこのどこが天才かいつぶり1 信岡さすけ
175寮住みのLine呟き寒茜 0 行成佳代子
17雪迎え牛舎の牛がモゥと啼く 0 磯部薫子
177青空やのつぺらぼうの捨案山子 0 荒井 類
178秋の雲遺品整理がまだできぬ 1 翠 雲母
179朝寒の鎌倉大路足かろし 0 荻野樹美
180父と子のこころの表裏鵙の贄 0 宮 沢子
181青葡萄おとこの乳首愛される 1 松田ひろむ
182錠剤の一つ転がり秋深し 0 斎藤 藍
183生きるため神経を抜く菊日和 2 小髙沙羅
184鍋覆う花びらの山菊膾 0 石黒宏志
185蔦紅葉加齢の坂は一歩ずつ 3 金丸菜斗
186鈴虫に香り揺らいでコーヒーを 0 石黒宏志
187天高し日本の川に三兄弟 1 川目智子
188敬老の思いを届け名月に 1 古川和美
190親ガチャは栴檀の実と無関係 2 石黒宏志
190待合室の底冷だれの忘れ靴 0 増田萌子
191ばつたんこナウマンザウは化石ザウ0 荒井 類
192ひねもすや鵙も来なけりゃ孫も来ず0 吉村きら
193さびしんぼの寄せ算ならず芒原 2 高良和子
194秋蝶のこけつまろびつ光の環 0 森谷路子
195来世ではきっと他人に鳳仙花 3 吉村きら
196行き過ぎて戻りて仰ぐ金木犀 0 岩渕純子
197金の斧そしてぺろりと熟柿 1 信岡さすけ
198食卓にスマホのたうつ文化の日 1 川崎果連
199魂てらす十月桜昏なずむ 1 岩渕純子
200魚には魚のリズム秋高し 1 須田正子

(第20回鴎座通信句会)投句締切=11月26日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り





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Last updated  2021年11月05日 20時30分09秒
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