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2006年10月09日
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テーマ: 戦争反対(1190)
 風邪引いて倒れてた所に号外が舞い込んできた。

<北朝鮮>核実験を実施 中央通信報道 地震波も探知(毎日新聞)

【北京・西岡省二】北朝鮮の国営朝鮮中央通信は9日、地下核実験を実施したと発表した。実験の時間や場所など詳細は伝えていない。同通信は「科学的計画と綿密な計算で進められた」と成果を報じ、「放射能漏れはなかった」と伝えられた。日本や米国、中国、韓国など関係各国が情報確認を急いでいる。北朝鮮外務省は今月3日、「科学研究部門が今後、安全性が徹底的に保証された核実験を実施することになる」と宣言していた。80年代から浮上した北朝鮮の核開発疑惑は核実験によって現実のものとなった。核保有国としては、米英仏中露、インド、パキスタンに続いて8カ国目になる。国際社会は北朝鮮への制裁に踏み切るとみられ、北朝鮮の核問題は緊迫した局面を迎えた。
 韓国メディアは、同国国家情報院に入った情報として、北朝鮮の咸鏡北道(ハムギョンプクド)花台郡付近で午前10時35分ごろ、マグニチュード3.6規模の地震波を探知したと報じている。(以下略 毎日新聞)


 宣言だけでなく実際に核実験を行った北朝鮮だが、えらく米韓日も舐められたものだ。各国の対応としては、米韓日がすぐさま非難コメントを出したほか、中国、ロシア、イギリスまでもが素早い非難声明を出した。
 さて、これからの展開だが、アメリカホワイトハウスも安倍総理も「国連安保理が速やかな行動」を取ることを宣言しているが、その国連安保理を巻き込んだ速やかな行動とはいかなるものになるのだろうか。

 安保理決議と言えば、すぐさま軍事行動を想起するが、北朝鮮に対しても軍事制裁が行われるのだろうか。一口に国連軍組織と言っても、米国主導でなければ実質的な軍事組織になり得ず、そこに英仏軍がパートナーとなり、独伊その他小国がおまけとなって成立しているのが実情である。ただ、アメリカだけで成立するかというと軍事費、補給等の面でそうもいかない。また、国連という立場上、単一国家による部隊というのも体裁が悪い。単純に考えれば複数国家による連合軍が組織されるのが通例となる。
 そういう目で見れば、対北朝鮮に強硬姿勢なのはアメリカであり、国際情勢も比較的同調的である。第二次朝鮮戦争の勃発の可能性も考えられる。

 先の朝鮮戦争は東西冷戦の縮図という形で発展したのに比して、今回は中国、ロシアも俄に北朝鮮を擁護できない立場にある。いかにも、自由主義陣営側としては戦争に持ち込むチャンスがありそうにも思えるが、逆の考え方もある。先の朝鮮戦争は自由主義国家が赤に染まることを防ぐという大義が存在したが、今回の北朝鮮に対しては核拡散防止、拉致問題、偽金問題など国家が生死をかける大義にしてはいささか不足なものばかりなのである。ちなみに、イラクやアフリカ、パレスチナの問題には石油利権、旧宗主国利権なども絡んでおり、国家介入することに十分な意義が認められる。ところが、北朝鮮の場合、松茸、アサリ位のものだけなのだ。
 アメリカはそれでも大義を見いだすことが上手なので、理由を付けて戦闘状態に入ることが出来るかも知れない。問題はその他の国家の介入である。最も最短距離にいる韓国だが、現政権下において軍事行動に出る可能性はほぼゼロといっていいだろう。たとえ、米軍の強圧があったとしても国内補給程度にとどまるものと思われる。そして、我が日本だが言うまでもなく派兵の可能性はない。補給、後方支援に留まらざるを得ないであろう。となると、あとはどこの国が来る可能性があるか。アジアで目を向ければアメリカ色の強いフィリピンが最も最短距離にいるかもしれない。タイやカンボジア、インドネシアなどは中国の顔色もある手前、大がかりな派兵に応じる可能性は少ないだろう。ヨーロッパに目を向ければ戦力として期待できそうな国として英仏独伊蘭など数多いのだが、北朝鮮という土地柄の利権を考えると、何だかんだと言い訳をして派兵しないのがオチのような気がする。特に、独仏あたりは中国の利権問題が絡んでいるので、中国の顔色次第と言った感じになるのではないか。もちろん、中東、アフリカの面々は知ったこっちゃないのスタンスだろう。あるとすれば、パキスタンやコンゴなどが軍事教練目的で小部隊を送り込む程度か。それにしても、極東に兵を送り込むことに対してはあまりメリットを感じないだろう。
 そこで最も戦力として期待されるのがオーストラリアであろう。同じアジア圏(広い意味で)の国家として、また早くから北朝鮮に国交がありながらも非難声明を出していた手前、米軍に同調する可能性がある。


 北朝鮮はある程度ここまで先を読んでの行動ではないか、と推察する。韓国にさえ直接ちょっかいを出さなければ、国連は軍事行動には出ない。さらに経済制裁と言っても、戦国期の兵糧責めのようなことにはなり得ないし、国家の基幹をなす軍や党幹部への影響はさほど大きくないと踏んでいるのだろう。万が一、危機的な事になった場合は中国やロシア、韓国の人道的援助に期待すればいいのだから。国連や関連諸国の非難声明など馬耳東風を決め込めばそれで済むこと。
 こうして北朝鮮の牛歩戦術は実を結んでいくのだろう。今回の核実験騒ぎも喉元過ぎれば忘れていく。核実験前は核保有の有無が外交カードの切り札だったが、実験後は核実験をするかしないかがカードの切り札となり、明らかにワンランクアップする。戦闘できない関連諸国家をあざ笑うかのように翻弄していくのだろう。

 しかし、何をするかわからないのもアメリカ。いきなり攻め込むかもしれない。血を流すことが出来ない国家としては、アメリカ兵が血を流すことは身を切る思い。できれば、損失の少ない敵重要拠点のピンポイント攻撃あたりが望ましい所だが。
 万が一戦闘状態になったとき、我々日本人は戦時国の一員としての自覚を持たねばならない。遠いイラクの問題ではない、戦争当事国として責任が生じるのだ。ましてや、自らの血を流さない当事国というものがどういう事なのか、改めて実感せざるを得ないだろう。仁義、人道、大義。足をもがれて帰還する外国兵の姿を横目に、何を思うか。しかし、その心構えへの準備はまるでなされていないのが現実である。自分も含めて・・・大丈夫か、おい。

 それとも、北朝鮮に媚びでも売ったほうがマシか?





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最終更新日  2006年10月09日 20時08分50秒
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中国が動くかも  
素人改  さん
アメリカは限定空爆程度は考えているかもしれませんが、本格的な戦争には踏み切れないでしょうね。
それよりも、中国が動きそうな気がします。近いうちに事故もしくはクーデターで「親愛なる首領様」がいなくなり、中国の傀儡となる新しい指導者が生まれるのではないかと読んでいます。
多分、日本にとってもそれが一番良いシナリオだと思います。 (2006年10月09日 20時17分51秒)

まず  
 韓国の協力的な姿勢があまり期待できないところが問題でしょうね。
 本当は米軍が補給と制空権確保だけ動いて、地上戦は韓国が行うのがベストなんでしょうが。
  (2006年10月09日 23時40分54秒)

Re:中国が動くかも(10/09)  
kapon2  さん
素人改さん こんにちは

 そうですねえ。でも、中国が動くにはちょっと遅すぎたような気がします。これだけ、他国につけいる隙を与えちゃうと中国だけが指揮権を握ることが果たして許されるかどうか。それに、注目され過ぎちゃってやりにくいんじゃないかな(爆)。 (2006年10月10日 12時12分21秒)

Re:まず(10/09)  
kapon2  さん
ナナシィ1190さん こんにちは

 一番は韓国対北朝鮮というシナリオなんでしょうけどねえ。でも、実戦になったら逃亡兵が続出しそうです・・・韓国軍。特殊部隊以外は平和ボケ教育されてきた世代ですからねえ、まず戦力になりそうもありませんね。 (2006年10月10日 12時14分54秒)

核実験時計がまたゼロカウントに戻った日  
nekomata さん
とーとーやっちまった感がありますが、北朝鮮の切れるカードも残り少なくなってきた感じです。
彼らの目的は当然国家体制の維持と世界情勢の中で生存することなのですが、これはどうですかね…
これでいよいよ世界的に金融・貿易のルートが締め上げられ、兵糧攻めが加速するわけですから
それも食料ばかりかそれを買うための資金ルート・貿易流通まで止められた多角的兵糧攻めを。
自国の食料生産能力で自国民を養える能力のない北が対外貿易を締められてはデッドエンド。
人道支援とやらもアメリカに睨まれて止められ、牛歩戦術ができる体力も無くなりそうな様子…
日本国内の利用できそうな勢力、在日団体や護憲勢力の発言権もまた、自分で消してしまい
韓国大統領まで太陽政策の破綻を表明せざるを得なくなり、いよいよ厳しくなる北風の包囲に
北の首領様とその配下がどこまで耐えられるのか。
いよいよ破れかぶれになった時、はたして軍は暴走しないでおけるのか…
任期が残り少なくなったブッシュと愉快な仲間達がどうこれを利用するのか…
色々と興味深い展開です。 (2006年10月10日 20時57分20秒)

Re:中国が動くかも(10/09)  
素人改さん
>アメリカは限定空爆程度は考えているかもしれませんが、本格的な戦争には踏み切れないでしょうね。
>それよりも、中国が動きそうな気がします。近いうちに事故もしくはクーデターで「親愛なる首領様」がいなくなり、中国の傀儡となる新しい指導者が生まれるのではないかと読んでいます。
>多分、日本にとってもそれが一番良いシナリオだと思います。
-----
うーん、中国は(軍事的には)動かないんじゃないですかね。確かにメンツは丸つぶれだけど、果たしてそれだけで日本を利する行動を取れるかどうか。韓国も歴史上は一応同胞で、似たような境遇だから同じ理屈になります。
ただ、だからといってアメリカが単独で動くとも思えません。イラクで失敗し、イランが控えている状況で自国の利益を最優先させた場合、北朝鮮はその次でしょう。日本が集団的自衛権の保持を宣言すれば、状況は違ってきますが… (2006年10月10日 23時43分19秒)

Re:北朝鮮地下核実験に思ふ(10/09)  
snow さん
初めまして。最近時事を勉強し始めました。
やはりこの考えは電波でしょうか?
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/tsubuyaki12.html #北朝鮮のミサイル発射
実はここのところ少々迷っております。 (2006年10月11日 11時16分17秒)

Re:核実験時計がまたゼロカウントに戻った日(10/09)  
kapon2  さん
nekomataさん こんにちは

 金正日は第二世代なので、すでに世界的一般感覚からはほど遠い存在だろうと思います。外国人はもとより一般民の気持ちや道徳観など理解できていないでしょう。
 北朝鮮軍部はどうでしょうねえ。金正日派は軍部の中では一部のはずなので、実働部隊の指揮官が追従するかどうかが分かれ目です。高級幹部は意外と諸外国(民主国家)の実情を知っていて憧れているという話も聞きますからね。 (2006年10月11日 20時47分07秒)

Re[1]:中国が動くかも(10/09)  
kapon2  さん
コアラのリボン222さん こんにちは

 しばらくは経済制裁と海上臨検の状態が続きそうですね。もし、軍事行動に入ったとき、日本の取るべき立場は難しいですねえ。 (2006年10月11日 20時48分50秒)

Re[1]:北朝鮮地下核実験に思ふ(10/09)  
kapon2  さん
snowさん こんにちは

 覗かせていただきましたが、電波かどうかというと、うーん・・・。
 ただ、歴史の真実を探ると言うことは実に難しいことで、確かに歴史的瞬間には事実があるわけですが、時が経過した時点で言葉という媒体を通してでしか伝えることが出来なくなるわけで、その時点で絶対的真実というものは存在し得なくなります。最も近道は複数の一次当事者の言葉から、勘違いや捏造、想像を取り除いて客観的に解釈する作業なのですが、地道で膨大な労力を割かねばなりません。第三者の言葉や意見は言うまでもありませんが、真実に対する信憑性は著しく低いと言わざるを得ません。それを理解した上で、楽しんだり面白がったりするのは、それはそれでありだとは思いますが。また、事実にしてもそれを見る(語る)人の環境や立場によってもまるで違ったものになるのも、ある意味真実です。 (2006年10月11日 20時57分42秒)

Re[1]:北朝鮮地下核実験に思ふ(10/09)  
kapon2  さん
snowさん 続きです

 上の文章だとたくさん書けないのでわかりずらくなってしまいましたが、拙blogのこちらをご覧いただければニュアンスとしてはわかって頂けるかと思います。
http://plaza.rakuten.co.jp/kapon2/diary/200608280002/ (2006年10月11日 21時03分30秒)

Re[2]:中国が動くかも(10/09)  
kapon2さん
>コアラのリボン222さん こんにちは

> しばらくは経済制裁と海上臨検の状態が続きそうですね。もし、軍事行動に入ったとき、日本の取るべき立場は難しいですねえ。
-----
海上臨検は法律上難しいでしょうね。防衛庁長官も「周辺事態とまでは言えない」と言ってるし。
もちろん、集団的自衛権無しで軍事的協調行動はとれません。日本が動けるのは、国土に着弾した時だけです。その場合、先に日本に犠牲者が出る可能性がありますね。
少年の犯罪や子供を狙う犯罪が社会問題化していますが、そこでは「起きる前に防ぐ」事の必要性が問われています。これを国防に当てはめると、必然的に「再軍備→集団的自衛権の保持」となるんですけどねえ…
(2006年10月22日 10時06分05秒)

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