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cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2012.05.15
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 日本航空(JAL)の2011年3月期の営業利益は1884億円、2012年3月期は2000億円規模となりました。

 予想を大幅に上回り、2年連続で過去最高益を更新しました。

 会社更生手続きを通じた巨額の債権放棄や不採算路線・大型機の廃止によりコスト削減が進んだほか、国際線の収益が好調に推移したのが主因のようです。

 ”JAL崩壊”(2010年3月 文藝春秋社刊 日本航空・グループ2010著)を読みました。

 経営再建中で連結営業利益が2期連続で黒字となったJALが、2010年に墜落したときのJALの現役・OBによる内部告発書です。

 国際線は、アジア、欧米を中心とし、国内線は羽田空港や伊丹空港、新千歳空港などを拠点に、幹線からローカル線まで幅広い路線網を持っています。

 1951年に、戦後初の日本における民間航空会社として日本航空が設立され、東京-大阪-福岡線が開設されました。

 1953年に日本航空株式会社法が公布、施行されました。

 1954年に、初の国際線となる東京-ホノルル-サンフランシスコ線が開設されました。



 1987年に、日本航空株式会社が廃止され、完全民営化されました。

 2002年に、日本エアシステム(JAS)と経営統合し、持株会社株式会社日本航空システムが設立されました。

 本書では、JALが苦境に陥った最大の原因はJASとの合弁であるといいます。

 JASは、かつての日本の三大航空の一翼を担っていた会社で、1988年までは東亜国内航空といいました。

 2004年に、株式会社日本航空ジャパンに商号変更し、日本航空ブランドの国内航路会社に転換され、2006年に、株式会社日本航空インターナショナルに吸収合併されました。

 合弁話が持ち上がったとき、JASは負債が3000億円~3500億円を抱え、放置していると倒産する可能性が大だったので、首脳部がなぜ合弁を決定したのか、合理的理由が見つからないといいます。

 しかし、合弁によって国内線のシェアで全日本空輸(ANA)を上回る55%のシェアを獲得したのも事実です。

 ただし、当初の国内線網の強化や余剰資産の売却など、合併効果による収益構造の強化、安定の目的は、合併以降の元JALとJASの社員の間の対立、サービス上の混乱、航空機の整備不良、反会社側組合による社内事情の意図的なリークなどの不祥事もあって、客離れを起こしました。

 吸収合併したJASの高コスト、低効率体制、イラク戦争以降の航空燃料の高騰、SARS渦などの要因が重なり、急速に業績は悪化しました。

 そして、2010年に、日本航空、ジャルキャピタルと共に、東京地裁に会社更生法の適用を申請し、2011年に会社更生を終了して民間企業に復帰し、商号を日本航空株式会社に戻しました。

 このような中にあって、著者は複数の日本航空客室乗務員で、これまでJAL社員として誇りをもって仕事をしてきて、これからも同じ気持ちで仕事に邁進していく覚悟だといいます。



 そして、この際、溜まりに溜まったウミを、きれいさっぱり出し切りたい。

 JAL崩壊の原因は様々な議論が繰り返されてきましたが、マクロの視点だけでなく、実際に社内で起きていた問題の数々は、なかなかリアルには伝わらなかったため、ミクロの視点から、悲惨な状況を招いたプロセスを綴ったといいます。

第1章 悪夢の始まりはJASとの合併―の巻。
第2章 わがままパイロットの「金・女・組合」―の巻。
第3章 「負け犬スッチー」と「魔女の館」―の巻

第5章 労働組合は裁判がお好き―の巻






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Last updated  2012.05.15 18:55:17
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