心の赴くままに

心の赴くままに

PR

Profile

kishiym

kishiym

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

cozycoach @ Re:徳川忠長 兄家光の苦悩、将軍家の悲劇(感想)(11/20) いつも興味深い書物のまとめ・ご意見など…
2012.05.22
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 徳川家広さん、徳川宗家19代目当主で、翻訳家、政治経済評論家です。

 ”自分を守る経済学”(2010年12月 筑摩書房刊 徳川 家広著)を読みました。

 経済の仕組みと現在へ至る歴史を説きながら日本経済の未来を展望して、身を守るためのヒントを提供しようとしています。

 具体的には、関が原からバブルまで日本経済400年の歩みを説き、日本経済が現在のように停滞するに至った歴史的理由とそこから導き出される近未来図を描こうとしています。

 徳川家広さんは、1965年に東京都で生まれ、父親は、徳川家18代目当主で、元日本郵船副社長、徳川記念財団理事長の徳川恆孝氏です。

 父親の仕事の関係で、小学校1年から3年までをアメリカで過ごしたそうです。

 学習院高等科を経て、慶応義塾大学経済学部に進学し、卒業後、ミシガン大学大学院で経済学修士号、コロンビア大学で政治学修士号を取得しました。

 今日の日本文明の原型は、江戸時代に形成されたと言います。

 古今東西の知識を集めた徳川家康のブレーン集団は、日本が二度と戦乱の世に戻らないようにするにはどうしたらよいかを考えて、幕藩体制の統治哲学を作りました。



 その後も、日本人は、東アジアにおける清の覇権の終焉や石炭火力エネルギーに依拠する新しい経済システムの浸透という危機に直面して、明治維新という政治と社会の根本的な変革を実現しました。

 その後、第二次世界大戦に敗北して、日本は生まれ変わることになりました。

 日本は超大国となったアメリカをモデルとしてモノ作りに励み、1980年頃国民全体が豊かな暮らしを得たと実感できるようになりました。

 その豊かな暮らしを、中国やインドを初めアジアの国々が獲得しようとしています。

 しかし、この豊かさは大量のエネルギー、特に石油に依存していますが、石油は必ず枯渇するものであり、近い将来、エネルギー価格が高騰し、世界の人々が今のように自由にガスや電気を使えなくなる日が来るでしょう。

 現在の日本は世界中のどこの先進国でも見られる先進国病にかかっていて、低成長、国際化、情報化、少子高齢化、子どもの学力低下などの問題に直面しています。

 これから日本で起こることは、明治維新や終戦と同様の、新しい環境に適応するための変化になるでしょう。

 その過程では、当然ながら、敗者も勝者も出ることになります。

 これからの10年間は、おそらく現在、現役の日本人の全員にとって、まったく経験したことのないような激変の時代になると思われると言われます。

 日本政府の財政破綻はもはや不可避であるように思われ、アメリカの世界覇権の終焉とエネルギー価格の高騰と、ほぼ同時に発生するものと思われます。

 低成長によって収入が落ち込む一方で、医療保険と年金支出、国債の利子払いと償還のために政府の支出は増加し続けます。



 財政が破綻すれば、今の豊かな生活を維持するのは難しくなります。

 そこで、いかにして自分を守るか、生活防衛のヒントを提供するとしています。

 予測がその通りになるかは分かりませんが、内容はとても興味深いものでした。

第1章 人間と経済
第2章 「分業のジレンマ」と国家の誕生

第4章 景気、景気対策、バブル
第5章 語られざる生産要素―略奪された富とエネルギー
第6章 関ヶ原からバブルまで―日本経済400年の歩み
第7章 平成「大停滞」の解明
第8章 これから何が起こるのか
第9章 何をすれば、自分を守れるのか






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2012.05.22 19:01:22
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: