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強い情緒を経験することで、心全体がその情緒に覆われてしまうことについて、不安を例にして考えてみましょう。強烈な情緒経験であれば、1回経験するだけでも、その情緒が心の働き全体に影響し、主となる情緒の性質を変えてしまいます。例えば、強い恐怖を経験した人は、何に対しても恐怖を想起することになります。このように生活全般にわたって現れやすい情緒によって形成される気分を主な情緒性と呼びます。その主な情緒性が性格を決定します。いつも恐怖心になりやすい人は、こわがりの性格となります。恐怖を抱きやすい性格です。
主な情緒性は、強烈な情緒経験によって生み出されることもありますが、普通の場合は、常日頃多く経験する情緒が、それになります。もし、ある人が、喜びを表しやすい人であれば、いろいろな場面やモノに喜びの感情が結びつくことになります。そうなると、いろいろなことに喜びが結びついていますから、特にどんな状況と限定せず、いつも喜びの感情を持てるようになります。いつもうれしそうな人、陽気な人となります。しかも、喜びの記憶が頭の中に多く蓄積されることで、恒常的な喜びの状態を生み出すことになり、明るい性格を形成することになります。
不安をいつも感じる人は、不安になりやすい性格になるわけですが、いかに不安が広がって行くかについて考えてみましょう。安心感が強い人は、何か嫌なことがあっても、すぐに安心感によって不快感が緩和され、安定した心の状態を維持することが出来ます。サボテンの針に刺さった経験を例にとって考えてみると、サボテンの針が刺さり、その時には痛さを感じても、心の安定は崩されず、その後は針の痛さを気にしなくなります。サボテンを見ても、特に嫌だとは感じません。情緒体験は、実体験時だけということになります。常識的判断も情緒が支えている 2025年11月26日
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