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つまり、豊富な情緒経験をすると、様々なモノや状況に結びつく情緒的状態が中性化し、穏和な心でいられるようになります。これは、豊富な情緒経験による穏やかさです。私たちが、日頃穏和な気持ちでいられるのは、豊富な情緒経験を基礎としているからなのです。豊富な情緒経験による穏やかさですから、層の厚い穏やかさとなります。そのような層の厚い穏やかさは、少し嫌な経験をしたくらいでは崩れることはありません。少しの嫌な思いを凌駕する豊富な経験があるからです。ですから、心を安定化するためには、様々な情緒的体験を積み重ねることが大切なのです。
一方、情緒が弱くてあまり情緒経験をしていない状態で現れる平静さは、乏しい平静さであり、少しの嫌な経験や喜びの経験で動揺しやすい平静さとなります。何もなければ見た目には平静でいられるけれど、たいしたことのない出来事で、平静さを失ってしまう場合は、安心感の層が薄い平静さ、貧しい平静さなのです。多少の困難に出会っても、平静な心を維持するためには、日頃から豊富な情緒を経験して平穏さの層を厚くしておくことが肝要なのです。
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