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カテゴリ: 好きな映画


「私は 覚えている」


★「世界の中心で愛を、さけぶ」の行定勲監督初期の「秀作」★

この監督は『GO』『世界の中心で愛を、さけぶ』などがメジャーになりましたが、個人的には、初期の作品群の方に、より愛着があります。

私が勝手に「裏」ベストに認定している『贅沢な骨』や、この『ひまわり』そして、『閉じた日』など、初期の作品は、荒削りなところがあるものの、原石の輝きのような「情熱」が感じられて、好きです。

本作品も、『贅沢な骨』と共通する「どこに行くのか分からない危うさ」が、逆に魅力となっています。


★物語の概要★

東京で暮らす輝明(袴田吉彦)は、恋人といる時、小学校の同級生だった真鍋朋美(麻生久美子)が、海難事故で行方不明になっていることを、TVのニュースで知り、驚きます。
と、いうのも、彼女は数日前、輝明の留守番電話に、なぜかメッセージを入れていたからです。



彼女は何のために、輝明にメッセージを入れていたのか?
また、なぜ釣りの漁船などに乗っていたのか?

結局彼女は、見つからないまま、葬式をすることになります。
輝明は、幾人かの同級生とともに、故郷へ帰って、彼女の葬式に出ますが、そこで彼女の恋人たちに出会い、話をするうちに彼女の死の前の行動が徐々に明らかになっていきます。

そして、それとともに輝明の小学校時代の記憶も蘇ってくるのでした。
そう…。「初恋」の記憶が…。


★「麻生久美子」との衝撃的な出会い★

この作品に惹きつけられた第一の要因は、「麻生久美子」

行方不明の「真鍋朋美」の過去が明らかになってくる段になり、画面に登場した朋美である、「麻生久美子」という女優を見たとき、「うん?」と、俄然この映画に、というか、この女優に目が釘付けになりました。(^^;

彼女の死の影を帯びたような影の薄さ、孤独感、哀しさ、どこか遠くを見る目つき、それでいて妙に引きつける存在感。
そういったものを彼女に感じ、「真鍋朋美」というか、「麻生久美子」をもっと知りたい、と思ったわけです…。




そして、もうひとつの要因は、「初恋」

誰の胸にも記憶がある、「初恋」の懐かしくも切ない、そして暖かい記憶を、瑞々しく美しい映像で浮かび上がらせた、という点に、惹かれました。

初恋の記憶は、時とともに、風化するのではなく、少しずつ形を変えながらも、より美しい形へと変容していくのかもしれません。
「記憶」とは、ある意味自分の都合のよいように、記憶をすり替えていく、というのはあるでしょう。
特に、初恋の記憶というのは、より美しい記憶に昇華していくように感じます。


そういった記憶のあいまいさも、作品のなかに、仕掛けとして取り入れつつ、誰もが共感できるような、普遍的な世界が、郷愁的かつ、思い入れたっぷりに描かれています。


★「ひまわり」という花の象徴★

小学校のエピソードで、真鍋朋美は、輝明から、「君はまるでひまわりみたいだ」と書かれた紙をもらって、彼女自身、自分にはひまわりなんて、ふさわしくないと思った、というのがあります。

確かに真鍋朋美は、小学校の時もひかえめで「ひまわり」という華やかな存在にはふさわしくありません。
ただ、輝明にとっては、やはり、彼女は、まぶし過ぎる「ひまわり」のような存在であったのでしょうか。

「ひまわり」とは、漢字で書くと「向日葵」と書き、「日」に「向かう」「葵」となります。

そういえば「葵」は、私の娘の名前でもあるので、思い入れはあります。
……と、そんなことはどうでもよくて、ですね。(^^;

勝手な解釈ですが、むしろ、朋美のイメージは、「ひまわり」というより、この「葵」の方が似つかわしい気がします。
ただ、どちらも太陽へ向かっていく花であり、そういう意味では、共通するものがあります。

いつも「日」である「太陽」という明るい方を求めて、咲こうとしている存在。

真鍋朋美は、大人になって、何人もの恋人を渡り歩くのですが、それも、「太陽」という「愛」を求めてさまよう姿、「ひまわり」や「葵」を象徴しているのでしょう。
そういう意味でも、輝明が「ひまわりみたいだ」と書いたことは、初恋の告白であるのと同時に、彼女の未来を的確に表していたことにも、なります。

それは、真鍋朋美だけでなく、むしろもう一人の主人公輝明(袴田吉彦)も、忘れかけていたものを思い出し、そして乗り越えていく物語である事を見ても、「ひまわり」を象徴しているのかもしれません。

そして、主人公ふたりだけではなく、この「ひまわり」という映画自体が、「愛」や「光」を求めてさまよう、若者たちの群像劇的な物語にもなっています。

初恋の記憶を叙情性たっぷりに謳い上げた作品は、せつなくなってくるメインテーマの音楽と、見事な共鳴音を響かせて、鑑賞者の「初恋」の記憶をも、喚起させて、「情感」に訴えてくる作品に仕上がっています。

『贅沢な骨』『ひまわり』は特に、行定勲監督初期の秀作として、おすすめです。

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Last updated  April 10, 2005 12:58:09 AM
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