趣味の漢詩と日本文学

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April 5, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
東湖送朱逸人歸 劉長卿
山色湖光併在東、扁舟歸去有樵風。
莫道野人無外事、開田鑿井白雲中。
【韻字】東・風・中(平声、東韻)。
【訓読文】
東湖にて朱逸人の帰るを送る。
山色湖光併(なら)びに東に在り、扁舟帰り去つて樵風有り。
道(い)ふこと莫かれ野人外事無しと、田を開き井を鑿(うが)つ白雲の中。
【注】

○朱逸人 朱放。字は長通。襄州(湖北省襄陽)の人。右拾遺をつとめた。(?……七八八?)
○山色 山のようす。
○湖光 湖の景色。
○扁舟 ちいさな舟。
○樵風 順風。後漢の鄭弘が、仙人の箭を拾った礼に、採った薪を船に載せて若耶渓を渡るときに順風を吹かせてもらった故事。
○野人 庶民。
○外事 世間のわずらわしい用事。
○白雲 雲は高い山の洞穴から湧きおこるものと考えられていた。
【訳】
東湖で朱逸人が帰るのを見送ったときの詩。
山や湖東に見、えてに帆を揚げ君は去る。君はおそらく言うであろ、官に仕えぬ者なれば世間に関わる雑事無しと、いやいやなかなかさにあらず、雲わく山の奥にても畑たがやし井戸を掘り生きて行くのは楽じゃなし。







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Last updated  April 5, 2007 11:51:20 AM
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