趣味の漢詩と日本文学

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April 7, 2007
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カテゴリ: 漢詩・漢文
舟中送李十八(一作送僧) 劉長卿
釋子身心無有分(一作紛)、獨將衣鉢去人群。
相思晩望西林寺、唯有鐘聲出白雲。
【韻字】分・群・雲(平声、文韻)。
【訓読文】
舟中にて李十八を送る(一に「送僧」に作る)。 
釈子身心分つ(一に「紛」に作る)こと有る無し、独り衣鉢を将(も)つて人群を去る。
相思し晩に西林寺を望まば、唯だ鐘声の白雲より出づる有らん。
【注】

○釈子 僧。釈迦の教えにしたがい、みな本姓を捨てて仏姓にしたがうのでいう。
○衣鉢 袈裟と鉄鉢。禅宗の始祖達磨が弟子に正法眼蔵を伝えるとき、証として授けた。
○西林寺 この名の寺は各地にあるが、最も著名なものは、江西省九江市の南の廬山の西北麓に在り、東林寺と相対する。
【訳】
舟の中から李十八を見送る。 
たとえ僧侶になったとて我らとかわらぬ身と心、きみは独りで衣鉢もち憂き世に背を向け去ってゆく。
夕暮れさびしく君思い遠く見やるは西林寺、唯だ聞こえるは鐘の音、雲の峰から響くだろ。





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Last updated  April 8, 2007 11:46:56 AM
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