趣味の漢詩と日本文学

趣味の漢詩と日本文学

January 1, 2011
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カテゴリ: 国漢文
【本文】又おなじ中納言、蔵人にてありける人の加賀の守にてくだりけるに、わかれ惜しみける夜、中納言、

きみのゆく越(こし)の白山(しらやま)しらずともゆきのまにまにあとはたづねん

となむよみたまひける。

【注】
・おなじ中納言=藤原兼輔。平安前期の官吏・歌人。
・蔵人=天皇の日常生活に奉仕し、勅旨の伝達や天皇への奏上、公文書の書写、諸事務を行う役人。五位および六位。
・『古今和歌集』と『兼輔集』では、大江千古(おおえのちふる)に贈った歌とする。大江千古は、平安時代前期の官吏・学者。大江音人(おとんど)の子。官は従四位上、式部大輔(しきぶのたいふ)に至る。醍醐天皇の侍読をつとめた。(866……924年)
・越の白山=石川県白山市と岐阜県白川村にまたがる標高二千七百メートルの山。

【訳】


あなたが行く越(北陸道)の白山がどんな所かをたとえ知らなくても、あなたが任地に行くにしたがって、雪のやみ間に足跡を探すような苦労をしてでもお便りを差し上げましょう。

と歌をお作りになったとさ。






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Last updated  January 1, 2011 09:32:41 AM
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