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2025.09.20
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カテゴリ: ライトノベル


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小説 「 scene clipper again    1 7



​​「ちょっと待ってください・・・あれ?あの後どうなったんだっけか?」​​



腕を掴み、支える気持ちを送ってくれているマリの手に己の手を重ねて無言の礼を言い、青木氏を振り返り言葉をつなぐ。


「先ほどの事、親友に打ち明けた時も今のように・・・何と言いますか、意識が一瞬の間飛ぶという感覚になりました。思うに、あまりに不思議な体験なので、私の未熟な能力では判断が危ういから受け入れがたく、維持するのにも骨が折れるということなのだと思います。

あ、あの後ですが、本堂での読経が終わると、全て元通りになりました」


「ほう、そうか・・・先ずは君に害がなかったようで一安心」

「有難う御座います。・・・ですが、私の動揺と知人のそれとが、著しく重いと見て取れたのでしょう、知人の妹さんが」

「二人とも、なんだかボーっとして・・・そんなんじゃ帰り道車の運転、危なくて心配だわ・・・いいわ、私がお坊様に診ていただくようにお願いするから、いらっしゃいな」



「私が訳もわからず、きょとんとしているのを見て、知人が教えてくれました」

「あいつ、さっきは取り乱していたけれど、ああ見えて妙に腹の座ったところもあるんだ。お坊様というのは誰あろう、さっきの読経の第一声を調声(ちょうしょう)発音(はっとん)したご本人でね、このあたりでは生き仏のようにあがめられているんだ」


「俺たちがそんな人に会わせてもらえるの?」

「なんというか・・・あいつはあのお坊様に気に入られてて、『面白いおなごじゃ
の』とか言っていつでも会ってくれる。だから信者でもないのに今日こうして境内に入り散策まで許可してもらえた、そういう・・・おっと!なんとお連れしたみたいだぞ、あいつ!」



「おお、これは確か、この子の兄さんだったね。・・・ということは、迷える方はあなたかの?」 とリョウを認め、自ら歩みよって来た。



リョウの手前、数10センチのところで足を止めてじっとリョウの目を覗く

「不安で一杯、じゃな。驚くほど素直だから見やすい」

「・・・・・」


「その緊張をもたらした原因は、先ほどその目で見た世間に稀な光景じゃろう・・・

心配は無用。あなたは狂ってはいない。正常だ。自分の目を信じなされるがよい。ちと多用でな、これで失礼する」

「あ、ありがとうございました」


するとそのお坊様は振り返られて


「いつでも訪ねておいでなさい。話すことがありそうだ。わしは川合兼道(かわいけんどう)という。あなたの名は?」

「はい、小林 了と申します」

「記憶しました。何時にてもお訪ねあれ」



「そう言うと、静かに緩やかな小川の流れのようにすいすいと歩いて行かれました」



青木氏は腕を組み、さも愉快そうに笑って言った。


「うんうん、不思議だが君ならありそうな出会いじゃないか、実に愉快だ」


傍らでは、マリも嬉しそうに青木氏を見て頷いている。






いつもお立ち寄りいただき、有難うございます。

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最終更新日  2025.09.20 01:29:04
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