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2023.11.17
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カテゴリ: ライトノベル


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​​ 小説 「 scene clipper 」  Episode 31









あの後、南南食堂の大将が


「マリちゃん、もう許してやってよ、いつもの通り悪気はないんだし、リョウさんだし、ね」

という援護射撃を受けてリョウは店を出た。マリの手を取って・・・一度は振り払われたが二度目で許された。

そして二人して 環七の手前、杉並区 方南町方面に向けて歩き始めたのである。 ​​​​


「ん、入ってる。 C G 万(ツェ―ジュウゲー万=15万)か・・・上妻と二人で E 十万(ェージュウ万 ­ =30万)と・・・まあまあだな」

表に名前が出ない創作者のギャラはこんなもの・・というか名無しの権兵衛でいる内は文句なんて言えないのだ。

それでもリョウの場合、上妻のご両親が口利きをしてくれている関係でフリーのコピーライターの方の収入は安定しているとは言えないが

年に200から500万(幅は広い)はある。

なので苦手であり他には誰にも贈らないお中元もお歳暮も、リョウは欠かさず上妻のご両親にだけは贈らせてもらっている。


南南食堂で朝食を済ませた後、二人は10分ほど歩いて西〇信用金庫方南町支店のATMでリョウの通帳の記入を済ませた。


マリはリョウにぴったり身体を寄せて通帳を覗いていたのだが、意味不明なことを言うリョウの顔を眉間にしわを寄せて見上げた。


「ちょっとリョウさん、そのツェ―ジュウなんとかって何?」

「ああ、これはな・・・業界用語だ音楽業界のな・・・」

「説明を要すぞ私には」


リョウは辺りを見渡して待合の一番後ろのイスを指差してマリを座らせた。


「さっき食ったばっかだから、ちょっと座ろうぜ」

「OK・・・」


「音階ってあるだろ、ドレミファってやつ」

「うんうん」

「あれアルファベット表記だとどうなる?」

「・・・・・わかんない音楽の授業って退屈だったし」

「だよな、俺だってガッコで教わる音楽には興味無かった・・・」

「へえ、ライブハウスに浸るような人がね・・・」

「俺だけじゃないだろうけど、俺らビートルズで音に目覚めたから、それまではな」

「うん、それ分かる」


「・・・・・・・どこまで話したっけか」

「っとね・・・あ、ドレミファのアルファベット表記が何だとか言ってた」

「今度はちゃんと最後まで説明させてくれる?わかんなくなるから」

「あ、ごめん・・聞く・・・・けど、途中で相槌を打つてのはいい?」

「それはさあ、お前が理解できてるかどうか知るためにも是非やって欲しいことだな。良い悪いじゃなくて必要だと思うぜ」

「あ、分かった・・・うんそうだよね」


「・・・・・・・・」


マリが「え?」という顔して「え?」と言ったあと続けて言った。

「あれだよアルファベット表記、ドレミファの・・・」

「・・・わかってる・・・あれを、C・D・E・F・G・A・Bと表すんだ」


マリちゃんはいったん頷いたもののすぐさま首を傾げた。

「さっきリョウさんが言ってた言葉が出てこないよ・・」

「そうだな、うん確かに・・・音楽っていうとヨーロッパって思わない?特に作曲家っていうとバッハとかベートーヴェンとか この二人はすぐに思い浮かぶだろ?」

「何?突然音楽家の名前上げて・・・でも、うんそうね、その名前は私でもすぐに思い出すけど・・・」

「だろ、二人共ドイツ人だ。他にもドイツの作曲家って多いし、オーストリアだってほぼドイツ語圏、特に若い世代はドイツ語でって聞いたよ。 だからなんだろう、アルファベットをドイツ語読みするんだ。」

「へえー知らなかった」

「でな、Cはツェーと読み、Dをデーと読む。あとEはエー、Fは・・まんまエフ、でGはゲー、Aはアー、Bはべーと読む。ここまではいいかな?」


今度はマリちゃん頷きもせず、すぐさま首を傾げた。


「で、この7つの音階は1・2・3・4・5・6・7とする。これを金額に当てはめたんだな誰だかが・・」

「・・・・・・」けどなんとか頷いた。

「で、さっき俺の口座に振り込まれていたのは15万円だね。先ず10をツェージュウ、次に5は?・・・ゲーだな。それを続けて言うとツェージュウゲー万となる、ジュウはまんま十、単に日本語で言うわけ、分かるよね」

「・・・めんどくさいんだね音楽やってる人って」

「まあ、そう言えば・・・けどさあ、人前で15万円て口に出すとなんか生々しくないか?」

「うーん、まあそう言えばそうかな、と・・・」

「こいつ、人が一生懸命に説明してやったのに・・・」

マリが何か言い返そうとした時、リョウのスマホが鳴った。












何時もお読みいただきありがとうございます。
今日もどうぞ宜しくお願い致します。

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最終更新日  2023.11.17 16:30:10
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