松木幸夫 ギタリスト的思考

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choco.yukio @ Re:曲の性格(11/27) remain-iihamaさん。 素晴らしいコメント…
remain-iihama@ 曲の性格  いつも楽しく読ませていただき  示唆…
choco.yukio @ Re:音楽(とギター)の見え方(10/30) remain-iihamaさん。 > ただ、最近の課…
remain-iihama@ 音楽(とギター)の見え方  私も全く同感です。  自身もかつては…
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ぽん太夫 @ Re:リサイタルの音源(10/07) >自分の演奏を聴くのは、とても大胆にま…
choco.yukio @ Re[1]:息が合わないと云うこと(09/15) あやさん。 コメントありがとうございま…

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Dec 8, 2009
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カテゴリ: 音楽
 若い頃の一時期、ドストエフスキーの最高傑作と呼ばれる「カラマーゾフの兄弟」を読み始めたことがある。本は、それ以前に気まぐれで古本屋で買った岩波文庫の古い本であった。だから文字が読みにくく、翻訳が分かりにくいと云った理由はほんの少しはあるものの始めの一冊を読み終わる頃には、既に気分は最高潮にうんざりして4冊程あるそれは、本棚の奥深くにしまい込んでしまった。

 同じようにホロコーストに関するドキュメンタリー映画である「ショア」も始めの1時間程は見たけれど、次第に飽き始めるために、やはり最後まで見続けることができなかった。

 クラシック音楽を聴き始めた頃は、例えばテレマンの曲であっても僅か数分で飽きてしまうために、ぼんやりと違うことを考えてしまうのである。

 何故、僕はそのように長いものを聴き続けることが、また読み続けることができないのだろうか、と真剣に考えたものである。

 翻って考えてみれば、日本の伝統的な和歌の形態は、たった31文字で表さなければならないと云う規則がありさらに俳句にいたっては17文字と云う決まりがあることに思い当たり、その結果、僕は日本人は、短いものにしか興味がないのではないか、それ故に長いものを見たり聴いたりすることが苦手なのではないか、と思ったものである。しかも水墨画や侘び寂びと云う、どちらかと云えばとても淡白な美しさをこよなく愛する民族なのではないかと考えた。

 さらに味わいに関しても我々は、昆布と鰹節を使った淡白なだし汁を好んで使うし、味覚自体もあまりこってりしたものを好まないような気がする。また、暴力、事件、事故、その他あらゆることに関して、彼らは我々の常識を遥かに超える程度のどぎつさがないと満足できないのだろう、ならば僕がドストエフスキーや、ワーグナーの楽劇を鑑賞する気にならないのも民族的な気質のためなんだろうと僕は納得したのである。

 ところが、日本にだって、長くて、こってりして、徹底的に味わい尽くすようなタイプの人が、しかも優れた人であればある程、その傾向が強いような気がしてきてならないのである。

 そこで僕は気がついた。

 僕が長い曲や、長い小説や、長い映画を最後まで鑑賞し続けることができなかったのは、つまるところ、僕にはそれを鑑賞し続けることができる程度の、知りたいと云う気持ちと、集中力が決定的に足りなかったと云うことが原因なのだと。



 と云うことは、我々の多くは、決定的に体力に問題があるのかもしれないと思うのである。

 身体を鍛えよう。





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Last updated  Dec 8, 2009 07:31:01 PM


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