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小さな棘の行方 南風一草刈りをしていて薊の棘が指に刺って、思わず「痛い!」と叫んでしまうことがあるすぐに刺さった棘が抜ける場合もあれば4、5日が過ぎて指先に刺さっている棘に気付くこともある棘が刺さっている内はやっぱり痛みを感じる針やピンセットで刺さった棘を抜けば痛みは立ちどころに消えるそれなら過去に職場や学校で刺さった棘や好きな恋人から受けた棘はどうか?無職の66歳になって最早所属する組織も、思いを寄せる恋人といった人も無くなってしまうとかつて感じた棘の痛みといったものも最早感じなくなってしまう指先に残った薊の棘がいつの間にか消えているように過去のしがらみ人生の途上で刺さった棘もすっかり消えて無くなってしまうこともある(詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2025/11/19
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亡くなった人の話 南風一亡くなった人は例えばボランティア活動の会合なんかにはもう顔を出さないけれどボランティア活動の合間の休憩時間なんかにはひよっこり仲間たちの口端に上ってくる「豪快で活動的だったな」とか「研修旅行バスの中では、朝からビールを飲んでいたな」とか「旧東海道筋を歩いて制覇すると言っていた」とか亡くなった人はいつも過去形で仲間たちの口端には現れ出るけれどもう決して「やあ」とか言って会合場所には顔を出さない亡くなった人の現れ方はいつでも誰でも決まっているかつて一緒に活動したボランティア仲間の雑談話の中に休憩時間の他愛無い雑談の中にひよっこり顔を出す亡くなった人の現れ方はいつでも誰でも決まっているそうして亡くなった人の話をする生者たちもいつかしら自分の知らない処で雑談の口端で話される側に回っている(詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2025/11/19
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一歩ずつ進むということ 南風一「掃除ごとき」と侮ることなかれ今朝太陽光パネルの掃除に行ってきた四日連続の仕事となった一日目は10メートルの長い竿を作って車のフロントガラスを拭くようなワイパーゴムを取り付けてパネルをせっせとなぞってみたパネル表面には柄杓や水鉄砲で水かけをしたが汚れは一向に取れないこれではダメだ二日目には長い竿の先端に茅箒を取り付けてパネルの表面を引っ搔いて汚れを取る方法に変更してみた今度は確かに苔とか白っぽい埃の塊に線状の引っ掻き傷くらいは付いたが表面の汚れは全く取れない今度もダメだった三日目には家の廊下を雑巾がけするみたいにパネル表面を雑巾がけする方法に変更したクリーニング屋のプラスチックハンガーを重ねて中にスポンジたわしを入れて袋状に縫った雑巾でヘッドを覆った雑巾がけの効果は抜群でパネルの表面を何度か往復させるだけで雑巾は真っ黒に汚れたパネル下の道路にはダンプカーや生コンカーが行き来して真っ黒い排ガスを吹き上げるので排ガス粒子や砂埃がパネル表面にべっとり付着したらしい一度や二度くらいの雑巾がけで10年以上に渡ってパネル表面に付着した排ガス粒子の汚れはそうそう簡単には落ちない四日目にも三度、四度の雑巾がけを試みたもののやっぱり頑固な汚れは取れなかった試行錯誤で掃除を進めるうちには徐々に掃除道具が改良・改善され有効な手立てを取ることも叶った小学生時代の図画工作や中学生時代の技術家庭の実技体験がこれほど役立つとは驚きだったまた数学の問題を解くように頑固に取れない汚れをどう落とすかという難題に対し一歩ずつ手を変え品を変え試行錯誤して進める面白さもあったかくして太陽光パネル表面の汚れを落とすという難問題に四日間果敢に挑戦したけれど完全には汚れを落とすことはできなかった掃除手段には無限の可能性があることを悟ったいやはや汚れは手強いなかなか一筋縄にはいかない(詩集の宣伝)「青春17切符+1」3月26日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング
2025/11/18
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