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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.01.23
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カテゴリ: カテゴリ未分類
私は、造形や遊びの場で子どもたちと関わっていますが、いま昔の子どもなら普通に出来たことが出来ない子どもたちが増えています。

針に糸を通す、コマを回す、ホッピングに乗る、輪ゴムをつなぐ、弓矢を飛ばす、けん玉で遊ぶ、ナイフを使う、ノコギリを使う、トンカチを使うなどです。

いま、子どもたちの生活の中にはこういう活動が存在していないのである意味で出来なくて当然でもあるのですが、でも、そういうものを教えようとした時に、子どもによって学び方や反応のタイプが分かれてきます。

1.教えなくても他の子のやっているのを見て出来るようになってしまう子。
2.目の前でやって見せ、ちょっと説明することで出来るようになってしまう子。
3.やって見せるだけでは分からないので、子どもにやらせてみて動きを修正してあげて出来るようになる子。
4.やって見せても、動きを修正しても、何回教えても出来ない子。

1番目の子は優秀な子です。勉強もできます。自分で考える力もあります。
でも、そういう子はあまりいません。



4番目の子はひたすらに自分のやり方にこだわり、いつまで経っても同じことを繰り返します。だから、いつまで経っても出来るようになりません。大抵、こういう子は“ぼくこういうの苦手”と言ってあまりそういうことをやりたがりません。
新しいことに興味がないのです。

今、2番目と3番目は普通の子、と書きましたが、でもここで訂正が必要です。
“昔は”ということです。
昔は、3番目くらいまでの子が普通でした。

でも、今4番目のタイプの子が普通になりつつあります。
1番目、2番目のタイプが希少になり、3番目と、4番目がドンドン増えています。
特に4番目がドンドン増えています。

丁寧に手取り足取り教えても、チンプンカンプンなんです。
“本当にやる気あんの”という感じです。

また、この3、4番目のタイプの子は他の子がやっていることに対して興味を示しません。“僕には関係ないや”という感じです。



普段から他の子のやっていることに関心を持って注意深く見ている子は、何かを学ぶのも早いです。でも、他の子がやっていることに関心がない子は自分がやりたいことだけで心が閉じてしまっているので新しいことを学ぶことが苦手です。
そして、いつでも“自分流”にこだわるのです。

先日、某所で某「子育て支援センター」の様子を聞かせてもらいました。
大勢、子どもたちもお母さんも集まっているのに非常に不気味な雰囲気を感じたそうです。
みんな「個」で遊んでいたのです。


お母さん達も同じで、大勢いても“関係ない”と言う感じで、ただ静かに座って見ているか、メールをしているかだけだったそうです。
子どもと遊ぶわけでも、近くにいる人と会話するわけでもないのです。
知らない人と会話することが苦手なのでしょうか。

小さい時から毎日そういう状態で遊んでいたら子どもの世界は閉じてしまいます。外の世界への興味関心も生まれません。興味関心が生まれなければ模倣欲求も、学習欲求も、行動欲求も、成長欲求も生まれません。“今のままの自分”、“自分流”で充分満足だからです。

子どもたちが異年齢の仲間達と遊んでいた時には、小さな子は何でも出来るお兄ちゃん、お姉ちゃんをあこがれの目で見ていました。
だから、お兄ちゃんのようになりたい、お姉ちゃんのようになりたいと、お兄ちゃん、お姉ちゃんのやっていることを一所懸命に見て、真似しようとしました。
だから自分で自分を成長させることができたのです。
そしてまた同時に、自分で自分を成長させることができる能力を身につけました。

でも今、子どもの周りにはそういうお兄ちゃん、お姉ちゃんがいません。
同じ程度の能力しか持っていない同年齢の子がいるばかりです。
だから、他の子のやっていることにあこがれを持つこともありません。

また、兄弟がいてもテレビを見たり、ゲームをしたりという遊びではお兄ちゃんもお姉ちゃんもあこがれの対象にはなりません。

お母さんも機械やスーパーに依存して家事をやっているだけなのでかっこよくありません。
お父さんにいたっては、テレビの前でゴロゴロしているか、自分の部屋でゲームをしている姿しか見ていないのでマイナスのイメージの方が強いかも知れません。

子どもの遊びは真似から始まります。
それは全ての遊びで共通しています。
からだを動かすことも同じです。

そして、その真似は“あこがれ”から始まります。
あこがれは“見る”ことから始まります。
“すごーい”、“かっこいい”というあこがれが子どもの心を目覚めさせます。

携帯電話に夢中になっているばかりのお母さんとズーッと一緒にいる子どもは何を見て、何にあこがれ、何を模倣しようとするのでしょうか。

子どもの心の世界が閉じないことを願うばかりです。





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Last updated  2008.01.23 11:45:39
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