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「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

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森の声

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2008.05.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今日は、ぷくぷくさんの
小学校のころは基礎を学ぶので、小学校の勉強がわからないと、ずっとわからないでいってしまうのでは、と考えていました。だからついていけるくらいのところではいたほうがよいかなぁと。それも余り気にしなくてよいのでしょうか。
というご質問に簡単にお答えします。

まず、中学の勉強の基礎は小学校の勉強ではありません。
それは小学校の勉強の基礎が幼稚園で先生が教えてくれることではないのと同じです。
いや、本当はそうなっていないとおかしいのですが、日本ではそのようにつながっていないと言うことです。それは、幼稚園から大学までを子どもの成長に合わせた一つながりとしてカリキュラムが考えられてはいないということです。

現在の日本の学校の教育システムは子どもを評価するための勉強が中心になってしまっています。その証拠に、点数という形で評価出来ないような内容の勉強は教えていません。また、本来評価など出来ないような内容のものでも、評価しやすい形に変換して教えています。カラオケで歌を点数化するようなものです。
そしてそれは、先生の評価、学校の評価のためでもあります。

また、入試で子どもを選別するためにも評価が必要です。日本の大人は自分の目と感性で子どもの能力を判定出来ないので点数という分かりやすい評価がないと不安になってしまうのです。ですから、「子どもの能力=点数」ではないのですが、無理矢理「子どもの能力=点数」ということにしてしまっているのです。

先日、お母さん達のワークで“お子さんの長所を教えて下さい”と聞いたら、“子どもの長所が分からない”と答えられたお母さんが結構いました。その中の一人が、「先生からのお便りなどに“お子さんにはこういういいところがありますね”と書いてあると、“ああ、それがうちの子の長所なんだ”と分かるんですけどね」とおっしゃっていました。



実は、 小学校時代は点数などでは評価出来ない能力を育てるべき時期なんです。 それは簡単に言ってしまうと“人間として人間らしく生きて行くために必要な能力”ということです。そして、それは学校を出てから必要になる能力です。
社会の中で自立して生きていくための能力、良好な夫婦関係、地域の人たちのとの関係、職場の人たちとの関係、そして子どもとの関係を築くために必要な能力です。
また、子どもが将来楽しい子育てをするための能力も小学校時代に育てるべきことです。

実際、社会に出てしまったら職場でも、家庭の中でも、子育ての現場でも皆さんの学歴や成績など全く関係がないでしょ。学校の外で問われるのは皆さんの人間としての能力そのものなんです。でも、日本の教育システムの中にはそういうものを育てるという発想がほとんどありません。だからみんな学校を出てから困ってしまっているのです。

そして、実は小学校時代にそのような人間としての能力を育てることこそが中学以降の学習の能力の基礎になっていくのです。

それは、
手を使って工夫することを学ぶこと。
本をいっぱい読む習慣を付けること。
仲間と仲良く協力し合う能力を育てること。
自分の考えや感じたことをきちんと説明出来る能力、また人の言葉にきちんと耳を澄ますことが出来る能力を育てること。

からだを動かすこと、学ぶことの楽しさをいっぱい体験すること。
みんなと一緒に助け合い、活動をする楽しさをいっぱい体験すること。
などなどです。

中でも 小学校時代に楽しく本を読む能力を育てることが出来なかった子は、中学以降の勉強には付いていくことは出来ません。これは断言出来ます。 中学二年生あたりから勉強に付いていくのが困難になってくるでしょう。(必死で勉強すればなんとか付いていくことは可能かも知れませんが・・・・苦しいでしょうね。)


どうですか、小学校の成績にこのようなものは含まれていますか。
含まれていないでしょ。
だから、小学校時代の成績なんてそんなに気にする必要はないのです。

ただし、あまり成績が悪いと劣等感と心の傷を作ってしまう恐れがあります。そうすると、中学校に入っても能力を発揮することが出来なくなります。
実際、幼稚園、小学校の低学年頃には生き生きとして素敵な子どもだったのに高学年になり、成績が気になるようになってくると能力はあるのに劣等感に囚われてしまってその能力を発揮出来なくなってしまう子が少なくないのです。
そういう子どもを見ていると悲しくなります。
そういう子の場合、その子の親も子どもの能力を成績で評価してしまっているのです。だから、能力があってもそれを劣等感につなげるばかりで、肝心の勉強につなげることができないのです。

だから、小学校時代の成績は人間としての能力にはあまり関係はないのは事実なんですが、実際には普通程度の成績は必要になるのではないかと思っています。
でも、くれぐれも子どもの能力を成績で評価などしないで下さいね。





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Last updated  2008.05.25 08:22:30
コメント(13) | コメントを書く


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Re:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
ものぐさ父  さん
同感です。東京のようなところに住んでいると受験をまじめに考えなきゃならないので、そのための勉強をさせることに疑問を感じながらも塾に通わせています。その一方で、こどもは遊ぶ時にはちゃんと遊んでいるようなので、まあ何とかなるかなとも。

ゲームは我が家ではできるだけやらせないようにしています。書かれているような手を使った遊びや工夫をしなくなるからです。熱中する気持ちはよくわかるのですが、今学ばなければならないことを優先させることが大切だと思っています。ゲームは安直すぎて何も学べないんですよね。

あと、好きなことがある場合にはできるだけそれをやらせてやることが大切かとも思っています。絵を描くのが好きだったら、絵を好きなだけ書かせたり美術館に連れて行ったり、恐竜がすきだったら博物館に連れて行ったり、図鑑を買い与えたり。そこが出発点になって読解力や思考力が身につくような気がします。 (2008.05.25 08:36:43)

長所が思いつかない  
kie.  さん
そんなお母さんは実際におられました
懇談で順番に長所を言う、という時があったのです
ただ、日本人としてはあまり長所を人にいいふらすのは恥ずかしい、というのもあるのかな、と思いますが、それとも皆さん本当に思いつかないのでしょうか

短所はたくさん思いつくけど…とおっしゃっていたので、短所と長所は必ずペアになっているのに…と思いつつ、あまり語るのもなあ、と黙っていた私です。

評価システムについて、私の実感としては学校は勉強の優劣を公表しなくなっていて、体育の優劣は一目瞭然であることから、体育ができるイコールすごい となっている気がする、と思います
勉強が出来て体育ができないのは子供社会では評価されません
勉強がどれくらいできるかも認知されていません(子供には)
それが少し残念だなあ、と思います。勉強が一番の得意、って子はいつも二の次にされているような…
それもその子の個性なのでは?と思います (2008.05.25 09:03:51)

Re:長所が思いつかない(05/25)  
ものぐさ父  さん
kie.さん
>勉強が出来て体育ができないのは子供社会では評価されません
>勉強がどれくらいできるかも認知されていません(子供には)
>それが少し残念だなあ、と思います。勉強が一番の得意、って子はいつも二の次にされているような…
>それもその子の個性なのでは?と思います
-----
私もこども時代にすごく不公平だと思いました。勉強ができることだって誇っていいことなのに、と思います。 (2008.05.25 11:57:44)

Re[1]:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
森の声  さん
ものぐさ父さん

>あと、好きなことがある場合にはできるだけそれをやらせてやることが大切かとも思っています。絵を描くのが好きだったら、絵を好きなだけ書かせたり美術館に連れて行ったり、恐竜がすきだったら博物館に連れて行ったり、図鑑を買い与えたり。そこが出発点になって読解力や思考力が身につくような気がします。
-----
そうですよね。
お勉強だけでは世界が狭くなってしまいますからね。
世界が狭くなったら勉強も楽しくなくなってしまいますよね。勉強はロマンの世界とつながっているから楽しいのですよね。
(2008.05.25 20:35:20)

Re:長所が思いつかない(05/25)  
森の声  さん
kie.さん
>勉強が出来て体育ができないのは子供社会では評価されません
>勉強がどれくらいできるかも認知されていません(子供には)
>それが少し残念だなあ、と思います。勉強が一番の得意、って子はいつも二の次にされているような…
>それもその子の個性なのでは?と思います
-----
そうですね。
“勉強だけが大切な価値観ではない”ということは、“勉強も大切な価値観の一つだ”ということでもあるのですからね。

たった一つだけの価値観を正解にしてしまうからおかしくなるのですよね。 (2008.05.25 20:37:57)

Re[2]:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
ものぐさ父  さん
森の声さん
>世界が狭くなったら勉強も楽しくなくなってしまいますよね。勉強はロマンの世界とつながっているから楽しいのですよね。
-----
(大多数の)女の子は、ロマンとは無関係かもしれませんが… (2008.05.25 23:30:38)

「国家」のための教育?  
rei_m さん
>現在の日本の学校の教育システムは子どもを評価するための勉強が中心になってしまっています。

これ、身も蓋もなく言ってしまえば、「国家にとって都合良く動いてくれる人材」を育成するためのシステムなのかもしれませんね。でも、その逆の「人間らしい生き方」をしていないと人は「生き辛さ」を感じてしまうのだということに、色んな人が気付き始めていますね。 (2008.05.25 23:36:36)

Re[3]:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
森の声  さん
ものぐさ父さん
>(大多数の)女の子は、ロマンとは無関係かもしれませんが…
-----
そうですね。
女の子の方が成績がいいのは、ロマンより女の子の方が生活力があるからかも知れません。 (2008.05.26 09:38:56)

Re:「国家」のための教育?(05/25)  
森の声  さん
rei_mさん
>これ、身も蓋もなく言ってしまえば、「国家にとって都合良く動いてくれる人材」を育成するためのシステムなのかもしれませんね。

もともと、現在の学校制度は富国強兵を目的として作られたものです。
(2008.05.26 09:45:23)

もし…  
nativemind  さん
>あまり成績が悪いと劣等感と心の傷を作ってしまう恐れがあります。
    ↑
時々、「僕、勉強苦手、できないよ」と子どもが言います。そんなときになんて言おうって思います。
「頑張っているのを知っているよ。いろんなことができるようになっていることに気がつかない?
ママは諦めないで頑張れる時間が長くなっていることに気がついたよ。」みたいなことを言っています。今はまだ小さいので気持ちはすぐに切り替えられていますが、周りとの違いや差を気にし始めたら、私の言葉はとどかなくなるようで不安です。 (2008.05.26 22:52:50)

Re:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
プクプク さん
丁寧なアドバイスありがとうございます。
大事なお話を伺えてよかったです。
いつも貴重なお時間をいただいていること感謝しています。 (2008.05.26 23:11:35)

Re:もし…(05/25)  
森の声  さん
nativemindさん
>時々、「僕、勉強苦手、できないよ」と子どもが言います。そんなときになんて言おうって思います。

本文の方でご返事します。 (2008.05.27 05:19:22)

Re[1]:「小学校の成績と中学校の成績」(人間としての能力)(05/25)  
森の声  さん
プクプクさん
>丁寧なアドバイスありがとうございます。
>大事なお話を伺えてよかったです。
>いつも貴重なお時間をいただいていること感謝しています。
-----
いえいえ、このような問題は個人的な問題であると同時に、みんなが悩んでいる問題なので、きっかけを頂いて感謝です。
(2008.05.27 05:20:50)

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