森へ行こう(心とからだと子育てと)

森へ行こう(心とからだと子育てと)

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

「楽しさ」を意識し… New! かめおか ゆみこさん

Profile

森の声

森の声

2008.06.03
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
ダージリンさんが


と書いて下さいましたが、その“殴り書き”も息子さんにとっては能動的な意志の現れで、立派な表現だったのでしょうね。

私にはかめおかさんをふくめ“表現”の専門家の友人が何人もいます。その専門は演劇だったり、舞踏だったり、絵画だったり、彫刻だったりしますが、一様にみなその専門外でも自分の表現というものを大切にします。つまり、どんな時でも自分の能動的な意志で発言し、行動するのです。絵を描いたり、踊ったりする時だけ能動的になるわけではありません。(学校の先生は扱いにくかったでしょうね・・・)

それはつまり、それがどんな表現であろうと子どもの表現能力を育てたいと思うのならまず、“能動的な意志”そのものを育てるところから始める必要があるのではないかということなんです。芸術家と呼ばれる人たちは、その能動的な意志を表現する手段として絵画や演劇や舞踏というジャンルを選んだに過ぎません。つまり、ジャンルに分けられた様々な表現は能動的な意志の結果であって、その原因ではないということです。
ですから、その能動的な意志を普通のサラリーマンの仕事の中で表現している人もいるでしょう。また、主婦や子育ての仕事の中で表現している人もいるでしょう。そして、そういう人はどんな場合でも創造的に仕事をするのです。

だからこそ、全ての子どもたちに“表現共育”が必要なのです。自分の能動的な意志に基づく表現は人間らしく生きたいと願う全ての人に必要な能力なのです。表現能力は芸術家と呼ばれる人たちだけに必要な能力ではないのです。

シュタイナー教育では教師に芸術的な授業を求めていますが、それも同じです。それを、芸術を多く取り入れた授業と勘違いしている人もいますが、そうではないのです。教師が能動的な意志の現れとして授業を進めようとすると、自然と芸術的になっていくのです。そして、そういう授業は芸術と相性がいいのです。でも、授業の中にどんなにいっぱい芸術を取り入れても、教師に能動的な意志がなければ子どもの能動的な意志を育てることは出来ません。感性も育ちません。
それはどんなにシュタイナー教育に似ていてもシュタイナー教育ではないのです。シュタイナー教育は方法によってではなく教師の精神によって支えられるのです。

そして実は、その“子どもの能動的な意志”を育てるために必要な活動こそが“遊び”なんです。


その世界の中には歌も踊りも演劇も文学も実験も研究も冒険もみんな含まれているのです。それが子どもの遊びの世界なのです。だからこそ子どもは遊びの世界の中で人間としての基礎を育てることが出来るのです。

遊びの世界では表現しない子は遊ぶことが出来ません。 “おにごっこするもの この指とまれ”と呼びかけるのも、また群がってその指にとまるのも、“いーれーて”と言うのも、立派な表現なんです。そこでもじもじしてしまう子は遊ぶことができないのです。誰からも強制されないのにみんなと仲良く遊ぶのも能動的な意志の現れなんです。

おままごとも、基地づくりも、木登りも能動的な意志の現れです。ですから、そこには一人一人の表現があります。その表現を大切にすることから表現共育は始まるのです。

ただし、テレビゲームはそのような意味では“遊び”ではありません。“現実”との関わりがないからです。 能動的な意志は“現実”と関わる時に必要な働きなのです。心の中の世界と現実世界をつなぐのが“意志の力”なのです。
ですから、能動的な意志の力を育てることが出来ない子はなかなか心のドアを押して外に出てくることが出来なくなってしまいます。

最近、表現教育という名目で“技術としての表現”を教える活動は盛んですが、どんなに表現が上手になっても、能動的な意志が育たなければ“自分らしい表現”はできません。
確かに、そのような表現も“道具”としては役に立ちますが、場面限定的であり、生きる力とはつながらないと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.06.03 07:07:47
コメント(4) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: