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2006.02.08
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電話が終わって、事務所に戻ってきた大谷明は、中の雰囲気に圧倒されたのか、眉間にしわを寄せた。
「どうしたんだ?みんな」
大谷が心配そうに言った。

「犯人から・・・電話があった」

「なんだって!そっそれで?なんて?!」

「社長いるか・・・って。いないと言って、圭介のこと聞いたら・・・・切れた。」

「・・・・」

「大谷さん、どうしたらいいかな」
すがるような目で七星亮太は言った。


「・・・・警察に電話してください。あっ、僕がしましょう。」

「え?で・でも」
きっとよくあるTVドラマでも思い出しているのか、三井健二が当惑しながら答えた。

「犯人は大路社長が事情聴取されていることは知らない。犯人は大路社長と交渉を望んでいる。・・ということは、ここに社長がいないと困ります。警察もその辺のことはわかるでしょう。結局は警察もここに来るのですから、万が一でも社長が逃げ出すことは出来ません。問題はないと思います」
そういうと大谷は受話器を取り上げ、電話をかけ始めた。

「なあ、どんな声だった?」
沖山誠二が興味ありげに聞いてきた。

「男だとは思うけど・・機械のような声だった。ほら、よくTVで音声変えてありますってあるだろ?あんな声だったよ」

「じゃあ・・圭介かもしれないな」
穴吹秋が冷静に分析した。

「お前、まだ・・」


「・・・・・可能性だ」
同じ話を再開させたくないらしく、秋は早々に話を切って、本を片手に事務所の隅へ向かった。

「・・・・・よろしくお願いします」
丁度、大谷が電話を切った。
「すぐに段取りして来てくれるそうだよ」

「とにかく次の電話が鳴るまで、警察には早く来て欲しいね」

「警察からしたら、ここで脅迫電話を待ちながら、大路社長の事情聴取もでき、更には事務所も調べることができる。最高に出血大サービスだな」
誠二が皮肉たっぷりに言った。

事務所の空気が少しだが和んだ。

つづく。

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最終更新日  2006.02.08 21:10:44
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