星とカワセミ好きのブログ

2023.03.01
XML
カテゴリ: メーテル
松本零士さんが描かれた銀河鉄道999号ですが、蒸気機関車「C62」がモデルになっています。

「銀河鉄道999 PERFECT BOOK 別冊宝島708号/監修:松本零士/宝島社」P81~84では、銀河鉄道999号と蒸気機関車「C62」を比較した記事がありますので、紹介します。

記事「銀河鉄道車両総覧」取材・文:千田陽。
ーーーーーーーーー
【モデル車両】
↓ p81 蒸気機関車「C62」

↑ 特急用蒸気機関車「C62」
動力   :石炭ボイラー
最大出力 :2163ps

全長   :21.4m
重量   :143t
(写真提供:椎橋俊之氏)

↓ p81 銀河鉄道999号

↑ 銀河鉄道999号
大銀河本線(地球発~プレアデス~オリオン経由アンドロメダ行き)
動力   :三連流体動力機関(超次元ボイラー)
最大出力 :200万コスモps
最高速度 :3000宇宙㎞/h
全長   :20.55m
重量   :210t


↓ p82 最速の蒸気機関車「C62」

↑Ⅽ62が誕生したのは戦後間もない1948年(昭和28年)。当時日本は戦後の物質難で、「マンモス機関車」の愛称で呼ばれた戦中最大の貨物用蒸気機関車Ⅾ52のボイラーを流用し製造されたのが、日本で最大最強の旅客用蒸気機関車Ⅽ62だ。鉄道の高度成長期を支える原動力となり、戦後の花形列車「つばめ」「はと」「かもめ」では、展望車、食堂車、2等車などからなる豪華列車を牽引し東海道を走り、晩年を東北や常磐線、北海道で締めくくった。昭和29年(1954年)12月15日にはⅭ62の17号機が東海道本線木曽川橋梁上で、日本の蒸気機関車最高速度129㎞/hを記録している。

ーーーーーーーーー
【ナンバープレート】
1948年に1号機が誕生してから最後の車両が製造されるまで14カ月。

銀河鉄道999のTVアニメ版ではこのナンバーが「C62-50」で、劇場版では「C62-48」となっている。
この前面部から999のモデル車両を推察すると、ナンバー取り付け位置が高いため、1,8,15,17,21号機が考えられるが、絵柄によって違うため特定は難しい。
さらに煙室(一般的に言うボイラー)かぶに斜めに設置された板、エプロン設備の有無などで整合が取れない。

↓ 蒸気機関車 C-62


↓ 銀河鉄道999号。


ーーーーーーーーーー
【砂撒き管】
急勾配の坂道などで動輪が空転するのを防ぐために、ボイラー上部に設置された砂箱から管を通じて、動輪の直前・後に砂を撒くためのもの。とくに雪国の峠道などでクルマ運転しているとみかける、路肩に設置された滑り止め用の砂箱と用法は同じ。999は管が3本。ボイラー外皮(ラッギング)に直接的に通っている。こうした配置は現実のC62にはなく、ディフォルメされた表現となっているため、現存のモデル車両特定はできそうもない。製造当初は砂撒き管2本で、後に3本へと改造されたこの写真のC62-1号機などはそのイメージに近いようだ。

↓ 蒸気機関車 C-62 (砂撒き管が3本に改造されている)


↓ 銀河鉄道999号 (砂撒き管が3本ある)


ーーーーーーーーーー
【キャブ部】
C62のキャブ(=キャビン)つまり運転席。これにも49両それぞれ微妙な違いがある。これは蒸気機関車が手作りの1品モノに近いうえ、使用される地域で使い勝手を向上させるため改造されていくからだ。キャブ後部のひさし(屋根端部)刑場のRや雨トイによっれ見分けるが、999は設定資料等を見る限り、そもそも屋根のひさしが短すぎ、モデル車両を特定できない。

↓ 蒸気機関車 C62



↓ 銀河鉄道999号



ーーーーーーーーーー
【テンダー】
テンダーとは、蒸気機関車で使用する石炭と水を積載し、主に機関車直後に連結される車両のこと。999ではなんらかの”機械”は設置されているのだろうが、要は機関車と客車を結ぶ通路用の箱となっている部分だ。さて、現実のC62は日本最大級のボイラーを持ち、石炭の消費量は膨大なものとなっていた。それを手で投炭していたのでは労力もかかりすぎ、効率が悪いため、メカニカル・ストーカーという自動給炭装置を新たに開発・導入し、2300kg/hの能力を確保している。

↓ 蒸気機関車 C62


↓ 銀河鉄道999号




ーーーーーーーーーー
【ボイラー内部】

↓ 写真は、実際のC62のボイラー内部。正確には石炭を燃やす火室を、焚口戸(投炭口の扉)から覗いたところ。




↓ 写真はストーカー(ボイラーに自動的に石炭を供給する装置)付近。焚口戸の位置関係がよくわかる。


↓ 石炭。
メカニカル・ストーカーを装備していても、手で石炭をくべられるようにはなっている。が、実体験から言うと、焚口戸を開けると熱くて熱くて、素人ではとても投炭できたものではない。実はこの機械、戦後GHQの指導により労働条件改善のため取り付けられたという経緯も。



↓ C-62 運転席。




↓ 銀河鉄道999号
上下左右、全ての壁面にところ狭しと並べられたメーター類。まさに松本零士氏の世界が凝縮した空間だ。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.03.13 06:54:30
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: