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にっぽん にっぽん にっぽん世界中でもっとも まれなポエトリーピープル武装を放棄したすっぱだか毛の薄い人種がごうしち ごう とうたなんかつくって 大陸間弾道ミサイルもなんのその怒りの気を殺ぐごうしち ごう と萎えさせるがあたま わるいのかいやいや そうじゃない領土の取り合いに加担しないユダヤ人みたいに金融のかわりといっちゃぁ なんだけど詩を取り交しまれな社会をつくりだしせまい国土に依存せず拾い物したポエトリーピープルがんばれ にっぽんごうしち ごう とうたっちゃえしち しちフリースタイルは現代詩うたっちゃえ うたっちゃえ坂本龍馬が新撰組を あいてにしないで かわいいねこちゃん こんにちはみたいに気を抜いて あたまわるそうそうなんだあたまわるいんかわるいんだにっぽん にっぽん にっぽんわるいんか あたまそんなに わるいんかぴーぷる じゃぱんポエトリーで世界を変える?ポエトリーが世界を変える?もっともてよ 自信もてよにっぽん にっぽん にっぽんポエトリーピープルまずは開放せよその閉じられた岩戸を開けよああ 分別するな分別するなごみなど分別するな分別などしなくても食っていけるさ食っていくだけならしなくても いいあたまわるいんかわるいんだそうおもわせておけばいいなによりも つらぬけよ世界の中でもまれなのだからポエトリーピープルその詩心が迷わずまとに当たるまで弾道ミサイルなんのそのすっぱだかでたちむかわずうたなんぞうたっているごうしち ごう とうたっている世界中から殺到するだろうじょうの国なさけの国国土はせまいがにっぽん にっぽん にっぽんあめりかの傘の下から顔出した最前列だなんとアホ面うたなんぞうたっている芸人ばかりがいるみたい芸は世界を 救うかどうか詩は世界をすくうかどうか詩は世界をもうどうしょうもなく詩は世界でただひとつの開放するための道具と なりうるのかどうかポエトリーピープルにっぽん にっぽん にっぽん
2008/12/09
このベンズに来ておれはなにやってんだ おれはなにか伝えるべきなにかをもっているのか伝えるということは結局どういうおれの心境なんだ伝えるということは詩じゃないのか詩じゃないよなじゃなんなんだおれはなんなんだおれは純粋かおれはほんとうか?まじかようって言われたジュテームさんにまじかよう純粋無垢かようおれは誰にも相手にされなくなっていく誰にも相手にされなくなっていくおれはおれはまじかようようようと韻を踏む韻踏めば結構救われるほんま救われるわ韻踏めばようようようほんま秋葉(アキバ)無差別殺人事件として片付けられねぇもん突きつけてくるわダガーナイフ突きつけてくるダガーナイフあ”あ”~~息苦しい空気がおれに悪意を持っている水がおれを狂わせている普段何気なく消費しているがなんだか憎悪されちまったみたいだ手のひら返しておれを敵視するんだまじかようようようと救われておれはあっは笑いをいつ取り戻すだろうかあっは笑いをおれは求めている確実にあっはあっはあっはあっはおれをわらかしてくれあっは誰か
2008/06/16
裁断1 裁断機の刃が紙の束を裁断するバッサリと裁断された詩集が真ん中から 真っ二つになった詩集が音(おと)を出すその音(おと)は作者の肉声ではなく紙の音(ね)だ疼いた虫歯を 抜いたそんな爽快感と空虚感で新たな朝を迎えたが空腹感というものはやっぱりあるものだいつもの朝のようにそ知らぬふりをして掃除をするあたまが重い裁断機のことが付き纏ってくる嫌われ者じゃないけれどいのちってこんなにも儚(はかな)いものなのか ことばが足りないもっとことばをどうにかしてことばをなんとかしてことばを交さなければバッサリと裁断されてしまうだろうか裁断2 裁断機で いきなり裁断された首を眺めて爽快な気分だしかし あの裁断機はどこに仕舞ってあったんだろうだれかが出してきていきなりだ首が なくなった 裁断3 裁断機で 裁断しちゃったあっは重い裁断機 持ち出してあいつを 乗せた眠っているあいだに首 に 刃あてて全体重をアームにかけて思いっきり裁断 しちゃったあっはぶっ飛んだ あいつ 首あっは首 ごろんと なった 裁断4 ことば が ないほど 鮮明裁断機そこに 存在しているされたものの断面がざわざわと 波だっている微かに聴こえる紙の音(ね)は 暗い殺虫剤で苦しんだ 断末魔の虫の声 みたいだ青空だ巨大な 裁断機振り下ろされる 鋼鉄製のアームの鈍色(にびいろ)刃先の ギラリことばを断罪する なんて! 裁断5 あっは裁断機 好き だぼくは 興味深々あっは裁断する行為ってぼくの存在をかけて体重かけて裁断ってぼくの趣味に 合うあっは裁断機その重量がぼくを励ますどどっと積み上げられた詩集の束どどっと積み上げられたことばの学校裁断機にかけちゃうあっは 好きだ裁断する行為裁断機の鋼鉄その重みあっはぼくは 好きだ 裁断6 受け取れないものの総称それをことば という裁断機が あるだから 裁断する快感が 奔(はし)る!!!!!受け取ってやれよなんて言えやしないぞくぞく快感が 奔る 奔る!!!!!にんげん 裁断機むしろ それが常態かならばことばを生み出すしかない あくまでも ことばで断罪する
2008/06/16
脱会してしまえそうすれば痕跡をなまえを消し去る葬り去る ことができるんだ脱会してしまえ熱い 滾る交歓は脱会のあと記号が失せ行間だけが その長い熱いなにかを虚しく記しているいのちを消すことがこんなにも 簡単にできるのならばいままでながいあいだ逃げようとしていたのはどんな意味があるのだろうかいのちうけとるのに何年何十年かかってそうして やっと端緒についたらなぜか そこにスイッチがあって押せばもうなにもかもゼロになるんだ脱糞 のようにいのち 転がり脱糞 のように置き去られ脱糞 のように無用の 生き死に脱会してしまえそうすればぼくは
2007/07/15
なんでこんなに鈍感なひとが増えちゃったんだろう?一生懸命に職務全うしようとしているそんな 命懸けで仕事している ひとをなんで 平気で 見過ごしちゃうんだよう!バカバカだよう!そんなに つまらないのかようあんたたちの人生そんなに どうでもいいのかよう!もっと 楽しめばいいじゃないさそうすれば わかるかもしれないじゃないかどうして そう いつも ビクビクしてるんだよう!なにが こわいんだよう!バカバカもう まったく鈍感なんだから寂しいよつまんないよそんな世界バカバカバカ
2007/02/08
ぼくらは高度経済成長の申し子甘えん坊なんだ物がどんどん溢れてもうあっぷあっぷしているんだだからちょっとやそっとでは満足しないんだいやわかっているよ言いたいことアメリカさんのお陰なんだっていうことわかっているさでもやめられないんだなぁ これが唐突ですが日本国憲法は 詩だと思う夢があってアメリカさんにおんぶに抱っこだったけれどおいしい生活できたんだそのおおもとなんだで 甘えてきてなにが悪いなんて 開き直っちゃうわけでもないけれど甘えてこれたってことすばらしいことだね なんて思っているんだいやわかるよでもねよく考えてごらんよぼくら人間は動物じゃないどこが違うかというとね甘えることで進化してきたんだ という事実甘えれば 甘えるほど進化してきたんだ動物じゃない知能が発達してきたのはなるべく か弱くて そうして未熟に生まれてきたからじゃないのかいいじめるなか弱きものをいじめるなよか弱きものが 人類の進化に貢献するんだよ最終的にはか弱きものがいて甘えることで社会や両親や そうして友達や会社や国や行政が進化していくんじゃないのかいだから勇気を出してそうして堂々と甘えるがいいんだよ甘えることができる社会が一番いい社会なんだよ福祉国家をつくりたいんならほんとうに つくりたいんならぼくらみんなが 甘えればいいんだよアメリカさんありがとうそして今後もよろしくねそうやって アメリカさんは国家として最先端を走っているじゃないかで ぼくらの課題はもっともっと甘えることなんじゃないだろうか甘えれば甘えるほど周囲は 愛 豊かになるんだそうだろうぼくらがベビーフェイスで笑いかければいいんだよそれが ぼくらの使命じゃないかいお互い 張り詰めて張り合ってもいまにも ブチ殺そうとする 大人たちにぼくたちは笑いかけそれだけで きっと気が抜けちゃうんだ気が抜けちゃった あとの世界はきっと 愛 しか ないんだお互いに まさぐりあって交尾するんだ 武器を捨てて交尾するんだベビーフェイスでね
2007/02/06
ことばを馬鹿にしちゃいけないよという超売れっ子詩人のBJだいちの警告を無視し自らをゼロクリヤーするとノートに書きつけていたぼくはその後数奇な運命を担うこととなってしまったんだ搾取されている!母は娘を見てそう思った半分に割られたレモンのようにそのレモンの柔らかい部分をレモン搾り器のガラスの突起にグサリと突いてグリグリグリグリパワーハラスメントした回されて回されて輪姦されて捨て去られた搾取されている!娘の搾り取られた汁をいっき飲みする男を母はいきなり 後頭部 一撃撃沈した男ざまあみろ更にまた 一撃 撃沈また更に 一撃 撃沈チーィーンと鐘が鳴って男は血で薄汚れた 顔半分 頭半分半欠けの異様な姿で真っ赤に笑いながらしんでいるそれでも 治まらず 母は全体重のせて男の顔面ぶっ潰すすり潰すごく潰す梅和えにして隣人の朝の食卓へ出している知らないほうがいいそのほうが陳腐じゃないことばを新たにつくるからその分もっと多くのヒトに受取ってもらえるから知らないほうがいいに決まっているんだでも馬鹿じゃダメだおりこうでいてそれでもっと 知らないでいて欲しいぼくは数奇な運命を担っているらしいだからねぼくはあらゆるおんなをあいしてゆけるかもしれないんだ超売れっ子詩人のBJだいちのようにね
2007/01/16
しゃべりたい しゃべりたい がたましいから 喉仏を通って声帯の肉を震わせ一方からこえが おとが発射され 発射され投げつけて くる くるがぼくは 受取るのが苦痛だ親しい仲でもイヤなときもあるそうやって生まれてから 恋をして追いかけて 追いかけて魔が差して 差し込んで騙し 騙され騙り 騙られとうとう 結婚し 子供ができ子供が育ちそれでもしゃべりたい しゃべりたい がたましいから 喉仏を通って声帯の肉を震わせ一方からこえが おとが発射され 発射され投げつけて くる くるが耳を塞ぎ こえを おとを遮り 遮り親しい仲でもイヤなときもあるそうやって 毎日 毎日発射され 発射され遮り 遮りこえを おとを投げつけ 投げつけこえを おとを遮り 遮りそうやって日々を 過ごし銀婚式をむかえ金婚式をむかえとうとう ふたりとも80歳を超えて しまったんだ超えて しまったんだ発射され 発射され遮り 遮りとうとう ふたりとも受取られることは なかったんだ最期まで
2007/01/06
にんげんがいるからヒトが集まるにんげんがいるからぼくの事業も成り立つにんげんがいるからぼくは自慢できるにんげんと知りあってにんげんと友情を交しそうしてにんげんと協力しあって生きていくそんな事業がしたいともに支えあってともにいのち育みあってともに繁盛していけるようなそんな事業がしたい
2007/01/06
営業で地方の商店を回っていてふと気づいた笑いながら年老いた商店主は もう辞めるのだから このまま何もせずに 死期を待っているような商品のない埃だらけの棚 ああ同じように商売一筋の父や母のこと思い出した都会へいってしまった子供たちを取り戻そうとは けっしてしないその父母の 覚悟にぼくは 応えよう いまこそ応えよう いまこそチィーン と朝の仏壇の鐘を鳴らして急いで 庭に出ておならのにおいを片付けるような しぐさ父の日課がぼくの周囲に漂う 日々これから ずっと 一緒 なんだぼくは妻を娶ることにした子供が 無性に欲しくなったんだ好きになった おんなのなまえ 書き出してみたそうして エレクトするのかどうか想像したぼくは 豊かなむねのたにまがすきだぼよーん とした Tしゃつのしたの豊かなむねのたにまがすきだ そうだ みかに手紙を書こうさっきから しゃべりどうしの母がとうとう ぼくを怒らせた きっと そうなったら こうなって あなたは こう思うはずだわ そうして おとうさんは きっと きっと すごく 喜んでくれるでしょう きっと きっと すごく むしろ そのほうが いいに きまっているわ きまっているわ生まれてはじめて ぼくは 母に逆らった 母に生まれてはじめて ぼくは おかあさん ぼくの 未来 奪い去らないで お願いだから 奪い去らないで おかあさん ねえ お願いだから
2007/01/06
2013年の11月、初冬を迎えた八甲田山は例年になく暖かだった。死の彷徨といわれたその場所に立って、BJは、思いのほかワクワクしていた。枯葉を撒き散らして、枝ばかりになった雑木林が、彼の今日の立会人だ。今から思えば10年前に書きつけたことばが、BJのいのちの継続を今日限りでお仕舞にしてしまうことになる。ことばの力をまざまざと体感させられた10年間だった。ピリオドを打つ。こんな考えになぜ惹かれたんだろう。彼は10年前を思い起こそうとした。社会的には、日本の人口が減少へ転じるちょっと前のことだ。年金問題が盛んに議論されていた。60歳でピリオドを打つ。年金に依存しない。そのために彼は死を選択した。あまりにも短絡的だと思うか。年金に依存しない生き方。彼は社会に甘えることに自らの判断で区切りを付けたかったんだ。なぜならば、生まれてからずっと彼は、両親や学校、会社に依存し更には甘えてきたからだ。いや彼は甘えることを決して否定しているわけじゃないんだ。むしろ彼は自らすすんで周囲に甘えてきたといえるかもしれない。彼は、未熟なまま生まれる赤ん坊が、周囲の大人や社会を進化させてきたというネオテニー理論を信奉していた。アンチエイジイングとも違う。いつまでも若さを保つなんていう利己的ともいえる考えとは全く違う。むしろ人類の全体最適化に貢献する。全く次元の違う考え方。幼形成熟。幼いこどものこころを純粋に維持したまま、そのまま成熟していくということだ。それは周囲に甘える行為の徹底化として表現される。その行為によって周囲の人々は愛を喚起させられる。更には社会システムにまで変更を要求させられる。人類の潜在的な能力は、まだまだ無限大まで拡大させられる。という進化論の一種だ。(つづく)
2006/12/30
2004年10月9日はテロップのように消えてなくなったけれどイイノホール楽屋での彼のことばはずっといまもぼくの世界と共振している場違いな格好建設現場からそのまま駆けつけたかのような作業着姿でとても詩人に見えなかった戦いの前で誰もが自分自身に集中している時間に彼はとてもうれしそうにこころ開いていたんだ髭を生やしぼくは気安いその態度にぼくも気安くなって声をかけたんだ戦いの前緊張の前 詩をどういうふうにつくっているの? 一体あなたは彼は詩をつくる切っ掛けを話してくれたそれは彼が40歳のときいまから21年前死ぬほどの大病を患った入院中に詩をつくりはじめた彼は死に直面してそうして詩に目覚めたんだ40歳にして朗読は彼の必然だったと思う伝えたいんだどうしても死に直面して気づいた真実を彼のうれしさを詩にして伝えたかったんだ釘を打つその行為に詩を見つけたのは世界で彼ただ一人だといってもいい毎日の仕事が実は実存なんだカフカ的なその詩そして死に直面しうれしがっていたんだ朗読したんだ釘を打つ ある日男は 打ちつけていたのは 自分の足を からだを 打ちつけていたんだ と釘を打つわが手を見た釘を打つぼくも釘を打っていたんだ夢に翻弄されないように釘を打っていたんだイエスキリストが磔になっている夢はぼくらの救世主かもしれない死に直面してもたらされるそんな夢が
2006/12/22
千年も万年も生きる必要なんかないぼくたちはその十分の一あるいは百分の一生きればもうじゅぶんなそのぼくたちの一瞬宇宙からの信号があって別の世界をお互いに垣間見たようだ太陽系の同じ仲間ぼくたちはお互いが重力で引き合って釣り合っているんだだからあなたがいないとだめなんだぼくはぼくたちは太陽系の一族としてあなたが必要なんだから泣かないで悲しまないであなたも同じ太陽系の一つの惑星なんだからでこぼこしていたっていい有毒ガスで覆われていてもいいぼくはぼくたちはあなたが必要なんだ千年も万年も生きていくつもりなの?そんなに長く回っていたって何も起こらないかもしれないよあなたが起こさない限りずーっと何も起こらないかもしれないんだよ太陽が破滅してあなただけが虚空に残るかもしれないよたった一行のテロップが流されそれであなたの生存が消え去ってしまう一瞬の後もう二度とメモリーが戻されないたった数行の生存が失われてしまっているんだいつでもどこでもずっとずっといつまでもどこまでも千年も万年もずっとずっと続いていくんだたった一行のテロップがもう二度と立ち上がってこない壊れたコンピュータのように宇宙からの信号があって別の世界をお互いに垣間見たようだ太陽系の同じ仲間ぼくたちはお互いが重力で引き合って釣り合っているんだだからあなたがいないとだめなんだぼくはぼくたちは太陽系の一族としてあなたが必要なんだから泣かないで悲しまないであなたも同じ太陽系の一つの惑星なんだからでこぼこしていたっていい有毒ガスで覆われていてもいいぼくはぼくたちはあなたが必要なんだ
2006/12/17
ことばを馬鹿にしちゃいけないよことばは世界を再構築するという伝説があるがぼくはあるコミットメントをしたおかげでとんでもないことになっているあとななねんでぼくは死ぬことをコミットしたんだするとどうだろうぼくの世界軸はとんでもない場所に移動してしまったんだ伝説はほんとうだったんだとんでもない場所ってどんな場所か時代はさかのぼりぼくは誕生前の卵子と精子になり男と女に別れ別々の家系に育ち別々の祖先にもどり武士道の精神に帰省しそうしてとんでもない場所に至ったんだぼくひとりがぼくひとりでリスクを引き受けぼくひとりがぼくひとりで使命を全うするそういうぼくが遍在しているのでイジメているやつはいないというよりもその必要がないイジメから立ち上がるために多面的な視点を手に入れたんだぼくがコミットしたその日まではぼくは簡単には死ねないんだ可能性を追求する手綱をぼくは決して緩めなくなったんだ死をコミットしているもんだからぼくは追い詰められて死にいたることもないんだばくは追い詰められないしぼくはぼくでちゃんと決めているんだからぼくは千年も生きたくはないんだからぼくはコミットメントしたんだからとんでもない場所にいるぼくは原始の成虫になって今を照射しているんだからその日がくるのをぼくは楽しみにしているんださてぼくはどんな使命を全うしてきたんだろうかとぼくとぼくとそしてもっとぼくとぼくらと全うしてきたんだろうかとその瞬間をぼくは待っているひそかに楽しみにしているんだから
2006/12/15
これから運動会がはじまるというたくさんのひとびとがトレーニングパンツ穿いてしゃがんでいるロープで仕切られた会場でブチころしてやるとひとり呟きながらぼくは犯人捜しをしていた中核都市の主要駅でぼくは帰るために大きな荷物や雑多な荷物を抱えていた子供一人入っているかのような円筒型のスポーツバックひとつと薄茶色のチェック模様の入ったビニール製のキャスターバックとそれになんだかわけわからない雑多なものをぼくは出発ぎりぎりまで切符を買っていなかったみどりの窓口へいって切符を手に入れてもどってみると荷物がないああすっかり忘れていたんだ切符だけに囚われて荷物のことをすっかり忘れていたんだあの荷物の中には特に薄っぺらなキャスターバックにはキャッシュカード数枚と免許証と現金20万円ほどと手帳ととにかくぼくの所有する考えつく限りの全財産が入っていたんだ入っていたんだ失ってみるとずいぶんとそれらのものどもに執着していたことがわかるほんとうはぼくが生活しているから手に入ったものばかりだというのにブチころしてやるそう呟いてふと思っていた犯人を見つけてブチころしたらぼくもまともに生きて行けないだろういやむしろ死んでもかまわないという気持ちもあったんだブチころしてやるぼく諸共にぼくは血相を変え中核都市の駅前がなんの都合か運動会場に変貌してひとびとはみなトレーニングパンツスタイルでなんと身軽な格好よそのひとびとのひとりひとりを見定めながら失われたぺらぺらなキャスターバック捜してる犯人捜ししている血相を変え届け出るにもそれらしき窓口も消えてしまった馬が走ってきた表彰台が置かれてある役員用のテントが張られているそれでも窓口はないぼくはもうどうでもいいから血相を変えブチころしてやると呟きながらトレーニングパンツ姿のひとびとのなかであっちこっち走り回っている運動会場に変貌した中核都市駅前広場でぼくはブチころしてやると呟きながら
2006/12/10
文語でしゃべるとききっとあなたは隠し事している文語は口語じゃないから変にきどって聞こえるがぼくは騙されない文語で書くべきときに口語で書かれることがあるそんなときはきっとほんとうのことが知りたいんだたとえ傷つくのが怖いとしても口語で書かれるときはそうなんだぼくは騙されない口語を口で伝えることがなくなった文語は廃れたしかし口で文語が話されるときがあるぼくは騙されないもう二度とこんなことに騙されない誰かが昔言った口語の時代は寒いとぼくはこういいたい口語と文語が交互に入れ替わっちゃったみたいだとなぜひとは面と向かうことを避けるのか交互に入れ替わっちゃった時代はさみしい
2006/12/09
生活っていうことばを分解してみれば生を活かすっていうことになるぼくの生を活かすっていうことどういうことなのかなあいのちを削るということでもなさそうだ見た目は同じかもしれないけれどぼくの生は十全に完備していてそれで部分的に削っていくのかなあそれともぼくの生は未熟でどこかで活かされるのを待っているのかなあいずれにしても生活ってしてみなけりゃわかんないよね世間知らずって言われるかもしれないけれどぼくには生活感がないがつがつすることから遠いんだぼくの生はきっとどこかで燃焼されなければならないと思いこんでいる節があるさっきから気になっていたんだがたんりょくっていう言葉漢字で胆力と書くんだがふとぼくは胆力があったんだと気づかされた胆はきもとも言う魂胆のたんでもあるきもだましいは魂胆の並べ替えでこころという意味になるきもはまた内蔵のことでもある胆力があることに気づかされぼくは生活に馴染んでいたんだ短距離走のことを思い浮かべてもそれは違うんだむしろ持久走といって欲しい胆力があるんだぼくは胆力があるからぼくは生を活かしてきたんだそう考えようぼくは内臓のことでもあるんだ胆力!胆力!たんりょく!
2006/12/09
ああ時間に遅れてしまったあわてて大学関係者に話しかけそうしてぼくのブースが確保されていることを確認し構内をぼくのブース探して歩き回ったけれどよく聞きもしないで思い込みで探しているのだった見つからないどうしても見つからないそうこうしているうち街に出ていた街角の交差点から巨大な懸垂幕が大学の校舎の屋上に架かっている箱物は地方に行くとあちらこちらにあるけれどさびしいったらありゃしない中身がすかすかでさびしいったらありゃしないサーカス団やちんどん屋がいまはあんまりみかけなくなったいかさまみたいででも箱物よりは断然いい肉感だ感じるんだサーカスの天幕みたいに大学の外観だなんだかそわそわしてきたぞぼくのブースは相変わらずみつからないちんどんという響きはいいそれで食っているという証明に屋号をつけるちんちんどんどんちんどん屋ぼくのまわりには箱物がはびこっている薬漬けみたいなもんだなサーカスが見たい饅頭食べたいサーカス見たいラムネ飲みたいちんどん屋来ないかなちんちんどんどん来ないかなほんとにほんとに来ないかなブースを探しているぼくは時間に遅れてしまったんだなにを陳列するつもりだったんだろうぼくはサーカスのちんどん屋見つからないいまだにぼくは
2006/12/07
ぼくのからだ全体が卵型した薄い膜で包み込まれ無重力空間に揺らいでいる同じ空間に母も薄い膜で包み込まれ揺らいでいる見知らぬ子供も揺らいでいる「やっと入り込めたんだ」ぼくは呟いたいままですこしもわからなかったことが一気に氷解したんだ時々揺らぎはぼくと母とを結びつけ形を大きくさせたりまた変形させたりする母から産み出されて数十年が経ちやっとこの無重力空間に入ることができたんだ明確な思想というものはないけれど明確なイメージはあるんだその安堵とゆらぎはまるで揺りかごの中にいるようだベビーフェイスの三十女がいて「普通に振舞えばいいものを・・・」女子高校生の制服を着る「売り出す必要なんてないのに・・・」鋼鉄でできたパイプが林立するその場所でぼくは揺らいでいるんだパイプとパイプの交差したその空間で自在に変形と収縮と膨張を繰り返して揺らいでいるんだことばによる粘着力ではとうてい辿りつけないだろうこの無重力空間においてぼくは揺らいでいるんだ
2006/11/28
ぼくは掃除機のホースを握って人々のことばを吸い取っている紫の幕で覆われたたぶん桶、柄杓置き場がある広い境内のあちこちに人々が円座になって熱心に聴いているやんちゃな若者が紫の幕の向こう側を邪推していることばの美を意図してことばとことばを配置するそのレトリックの表現は永遠に作者の存在ではないたとえ偶然に孤独が立ち現れたとしても作者から程遠い虚構かもしれない騙される方が悪いんだいや良いとか悪いとかじゃないんだ悲しみやうれしさや怒りや驚きが表現されても作者そのものの存在からみれば些細な出来事かもしれないんだ墓場だしかし温かい日差しがあってさらに青空!広い境内にぼくはあちこちに円座になった人々を見た紫の幕の向こう側は桶や柄杓のかわりにことばがあった墓場だ表層のことばを聞き流しているとストーンサークルができているだけなんだぼくは掃除機のホースを握って人々のことばを吸い取っていく意図しないことばの圧倒的な奔出に出会ってぼくははじめて作者の存在に気づく意図のない姿勢によってぼくははじめてあなたを知ることになるあなたの倫理に触れることになるぼくは欲しないことばの美や立ち現れる感動をぼくはあなたの存在と触れ合いたいだけなのかもしれない桶や柄杓置き場かもしれないその紫の幕の向こう側がとても気になるやんちゃな若者が邪推しているその片隅でぼくはまたさらに邪推している人々の円座にぼくは近づいてみる円座の中心では何をやっているんだろう純粋な好奇心がぼくを揺り動かすんだ性善説が通用するためにはその本人にも知られざる部分にぼくが気づかなければならない紫の幕がぼくにそう応える
2006/11/25
ぼくはゆるすことにしたんだぼくはゆるすきみにむかってはっきり言ったんだ話を聴かないきみ自己主張ばかりのきみそして約束を忘れ酒を飲んでぼくのことを馬鹿にしているきみきみはぼくの息子だ馬鹿息子それでもきみはぼくの息子だなんとか気づいて欲しいんだきみはきみ自身がこの世の中で一番偉いと感じているんだろうけれどそれは伝わっちゃうのさぼくはきみの父親だものきみはぼくを最大級で馬鹿にするけどぼくは悲しくなっちゃうんだきみと一緒になにかしようなんてとても思えないそれはたぶんぼくだけじゃなくきっときみ以外のすべての人々だろうなんてね悲しいんだこころを籠めているかどうかすぐわかるんだわかるしこころ籠めてないきみなんかとうてい誰も信じてくれるわけなんかありゃしないんだなんで気づかないんだようぼくは悲しくなっちゃうんだとってもとっても悲しくなっちゃうんだようゆるすその言葉は漢字で「聴す」とも書くんだだからぼくはきみをゆるすほんとうにきみは投げやりなのかどうなのかもしほんとうならばその原因はなんなのかとても気になるしそういうきみのことが信じられないんだなんでそんなことになっちゃったんだ信じられないゆるすだから聴きたいきみの生きているプロセスをトコトン聴いてあげたい聴いて聴いて聴いてあげたいんだゆるすよともかくそれがスタートなんだからゆるすよそのうえでどうしちゃったんだきみよぼくはきみといっしょにやっていきたいんだよう馬鹿にして馬鹿にしてぼくをコケにしてそれでもいいからいっしょにやっていきたいんだよう悲しいよきみが偉そうにしている姿悲しいんだよう何とか言えようなんとかしろようなんとかして気づいてくれようぼくは見ていられないんだきみが逃れようとしてウソで塗り固めこころを失いもう生きるのなんかやめちまえと思っているんじゃないかと悲しいようぼくはきみを見捨てたくないんだきみは気づいてくれないけれどぼくはきみを見捨てたくないんだ見捨てたらぼくも終わるそう感じているんだいっしょになにかやりたいんだだからきみよ気づけよほんとうに気づけよ遅くはないんだから気づけよ
2006/11/16
吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇーことばで呼吸するんだぼくたちは吐いているときいっしょにことばも出ていくんだ丹田から息に掴まってことばも出ていくんだ吸っているとき沈黙があってあなたがことばを聴いているんだあなたが受取ってあなたが反応してくれているんだ吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇーあなたのもとにことばが届くんだことばが届くのを見届けてながらぼくは息を吸うんだあなたはぼくのことばを受取って吸って吸って吸い込んでから反応するんだあなたの丹田で反応するんだ吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇーそのあなたの様子がまたぼくを励ましてくれる激しくときにはえろちっくに励ましてくれるんだことばで呼吸するんだ激しくときにはえろちっくに吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇーぼくたちはまったくおんなじ空気を吸ったり吐いたりしているんだいつのまにかふたりはおるがすむすにとうたつしていてことばでいったいになっていたんだ吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吐いてぇー吸うってぇー吐いてぇー吸うってぇー
2006/11/06
蛸のように柔軟に構えろそして烏賊のように透明になっておまえを照らせそして照らせおまえの世界の端から端まで大洋を泳ぐ鯨のように考えるんだぼくのあたまのなかは複雑系の典型として異常気象状態になっている宇宙から観測するためにぼくは鼻の穴から気象衛星を打ち出したいまぼくのあたまの周回軌道に小さな衛星が回っている回っているにんげんって不思議だな心臓がぼくのなかでバックンバックン言っている胃が痙攣的にビクビクしていて腸が天然のようにのたうちまわっているじゃないかそのグロテスクなはらわたどもを臍が見事にカバーしているぼくはプロの勉強家なんだ偉いだろうぼくの職業は勉強家ですエヘンとてもじゃないが勉強じゃ食えない仕事せーよ
2006/11/03
市場の前のりんご国道は信号待ちのりんごトラックで混雑しているりんごだりんごだつがるのりんごラッシュだはじまったんだ閑散としていた市場の前の国道がりんごになったりんごりんご裏に回れば広い敷地いっぱいに出荷のためのパレットが碁盤のように並んでいるりんごだりんごだここから全国各地へ出荷するんだりんご国道
2006/11/03
深夜の市場に満載のつがるりんご積んだトラック着いた市場の普段はだだっ広い敷地もいまは真っ盛りのりんごの集荷だ木製パレットの真新しい匂いするりんごの集荷だいまかいまかと待ち受ける集荷場真新しいパレットパレットパレット目の前を横切ろうと大型トラックが巨大な胴体を深夜の国道に登場だ登場だ登場だ見てみろよこの艶やかな赤どっしりとした丸いかたまり見てみろよりんごだぜおれたちが育んだりんごだぜ集荷だ集荷だこの地で一番の集荷だ集荷だなによりもかによりもりんごだぜりんごだぜ
2006/11/02
IJIMEは、共同体での自己存在確立の一つの方法となっている。なぜならば、現在においては、絶対的世界観が失われ、人々は、複雑怪奇な世界の混沌のなかに放り出されているからだ。人々は、相対的世界観の優劣によって、共同体における存立基盤を獲得せざるを得なくなっている。IJIMEは、同じシーソーに乗っていることが前提になっている。そうでないと無効となる。別々のシーソーでは、共同体から一方がはみ出してしまうため相対的優劣が生み出されないのだ。そこで、IJIMEに対しての処方箋は、シカとせよ。ということになる。シカとされることをIJIMEと捉えるのではないんだ。シカとされることに傷つくということは、同じシーソーに乗っていることを自ら証明していることになる。よって、追い込まれることになる。そして自殺に至る。IJIMEに対しての最大の防御は、逆手にとっての攻撃が有効である。つまりは、自らアウトサイダー(シーソーから降りる)になるのである。あるいはディソシエイション(自己分離化)するのである。更に最大の自己武装は、外的圧力に屈して自殺に追い込まれないために、自ら死ぬ時期を決めておけばいいのだ。つまり自己の死については、自分がコントロールでき得ることを自他共に表明しておけばいいのだ。(究極の自己分離化である)IJIMEに遇う人は、大抵純粋なこころを持った人である。そういう純粋な人のところに悪魔的な重石がその人以外のすべての人々(共同体を同じくする人々)から運びこまれてくるのだ。シーソーは、純粋な人だけが、下方へ落ち込んでいき、その他の人々すべてが上方へ浮き上がる。だから、一気に飛び降りてしまえばいいんだ。そんなシーソーからね。そのあとはきっと悪魔的な重石が、残された人々を轢死させるだろうよ。いずれにしろ、現在は、相対的に自己を優越化しなければ共同体で存立できなくなっているんだ。そういう時代だからこそ、IJIMEが頻発している。そういう時代だからこそネオテニーな人間は、自己を賢明にも分離化し、客体化してみせる。ネオテニー性はIJIMEのターゲットになりやすいかもしれないが、それを逆手にとって、絶対的世界観に存立することも可能なのである。唯一、彼だけがね。だからあえて声を大にして言おう。IJIMEに遇ったら、その機会をうまく利用せよ。利用して、自らの絶対的世界観を構築せよ。きみは、そういうチャンスに恵まれているわけなんだ。だから、同じシーソーに居続けるな。飛び降りろ。負けるな。間違っても追い込まれて、死ぬな。勿体無いぞ。
2006/10/17
どこまでも続く広い草原のみどり小高い丘そして見上げるほどの巨木澄んだ空気と匂い土の香り大地の柔らかさ岩石の硬さそれら大自然の無限性がぼくのこの小さな胸の中にあったんだじぃーんと 熱いもの 感じたそしてとなりのケー君と それを 分かち合ったんだきみも ぼくも無限大を 持っているじぃーん じぃーんじぃーん じぃーん持っているんだ
2006/09/17
オキロもうじき又夏がやってくるお前の顔お前のうなじお前の叱られた背中が今はっきりと僕の前によみがえるお前はたった二年程勤めただけだった僕はもう十八年も勤めてるそして今僕は自分の仕事や又自分のでないいろいろの仕事思い出しているオキロお前は死んでいたお前のウソに僕はほとほと愛想尽かしていたんだお前は自分じゃ気づかないふりをしているけれど僕にはわかっちゃうんだただその場を取り繕っているだけなんだとオキロお前はお前自身に立ち向かえよ格好悪いお前を見据えろよ現人神をまっこと自分のものとせよオキロお前を仲間として見捨てられないんだだあれも相手してくれないお前お前を本気でものにしようとしてくれないそんなことをあてにしちゃいけないんだオキロお前はお前自身で立ち向かっていけお前の立ち姿はきっとすんごく美しいぞだからウソはつくな自分を偽って着飾っちゃダメなんだしかしオキロもうじき又夏がやってくる新しい無限に広い夏がやってくるそして僕はやっぱりお前に関わってゆくだろう新しい夏をむかえ 秋をむかえ 冬をむかえ春をむかえ 更に新しい夏を期待してすべての新しい仕事するためにそしてすべての僕の関わりにお前が自ら答えを見出すために
2006/09/16
ぼくはくしゃみした20億光年の時を経て気がついたこと麻原彰晃の第四女さんは医者になってひとびとのいのち救うこと切望しいのち使う覚悟決めた目の前で電車に轢かれそうになったひとを救うために自らいのち投げ捨てて行動したきみはあっと言う間にいのち使った難易度の高い外科手術を前にして患者のきみは外科医のぼくにいのち預けたぼくはきみに誓った医師のいのちかけてきみのいのち救う真剣にいのち使うそういうこといのち使うということをめったにないことなんかにしちゃだめだなにげない普段からいのち使っているきみはきょうなんのためにきみ自身のいのち使うのかいつも考えているのかだれかほかのひとをこころから喜ばせたいそのためにぼくはぼくの最善のいのち使おうぼくはくしゃみしたきっとどこかでぼくとまったくそっくり同じこと思ったに違いないんだきみは20億光年の時を経て
2006/09/15
現場からの中継です農家の裏庭で作業着を着た人間の死体を発見しました周りは血の海で土が真っ黒に澱んでいます死体はまるで誰かが肉だけを吸い取ったかのようです引き千切られた作業着の袖手の先は失われ腕は骨と僅かに残された肉だけです首から先はありませんぼくは血で真っ黒に澱んだ土を跨ぎました頭から上が妙に冷たく感じ出しましただんだん闇夜が近づいてきます恐さはありませんしかしなんだかあちらこちらに人間の死体がありそうな予感がします戦争でもないましてテロでもないただ闇夜がまわりを取り囲んでいるようです
2006/09/06
真っ白な外壁のマンションその外階段で恋人たちが日光浴をしている男も女も階段に並んで腰掛けている内部は不思議に巨大なマンションだ中央通路交差広場では数人の女たちが鋼鉄の物体を囲んでなにやら打合せをしているぼくはそれらの人々を避け迂回しながら外部へ向かった友達がいるんだ平屋建ての真っ白な家に妻と住んでいる友達は爺と言う爺はぼくを駐車場まで連れてきて帰りはこの車を使えばいいと言ってくれた白い4WDワゴン車だ爺の家に着いた爺はぼくを慰めてくれたぼくの片方の足を持ち上げ爺は自らの股に挟み込んできつく きつく締めてくれたんだもう片方もやって貰う最中爺の妻が眼を逸らしてくれているのがわかったなんせぼくの下半身は丸裸だったんだからね帰るときもういちどマンションの迷路を抜けなければならなかったマンションはかなり成長していて外階段も随分高くなっていた先程の恋人たちも随分上のほうの階段に腰掛けていた女が上半身乳を出して日光に当てている両乳首が黒々とスイッチのように押されるのを待っているぼくは駐車場についた白いワゴンが隙間なくズラッと並んでいるどれがどれだかわからない錯覚のように一瞬消え去り二台が残ったその一台にキーを差し込み捻ろうとしたがすでにエンジンは鳴っていた見知らぬヤンキーが乗っているんだしまった危うくぼくは引きずられるところだったんだふともう一台を見るとそこにも誰かが乗っていたぼくは爺の車が失われた広い駐車場でただ呆然と歩き回っていた
2006/08/27
空虚の臨床医学的解明をしたからといってぼくはどうなるものでもないんだこのぼくの空虚はぼくという哲学的世界のひとつの構成要素にすぎないんだ岬に行っても山頂に行っても愛するひとに会っても友人に会っても埋められないどうしても埋めることなんかできはしないんだ詩もそうだぼくという空虚はいまここにあるこの空虚どうしたらいいんだろう誰か教えて欲しい神様から授かったこの空虚を消費し尽くしたいんだからこの空虚このむなしさをぼくはどうしたらいいんだろう様々な会話が埋め尽くしても美しい花々を抱え込んでもぼくはこのむなしさ空虚を失ってしまうことができないんだ遠いむかしぼくが大いなる野望を懐いていたとき忘れていただけなのかもしれないんだぼくにこの空虚が必要不可欠な要素なんだということをぼく以外のほとんどすべての人々が喜んで騒ぐとてもファンタジックな場所ですらただ一人ぼくだけが感じ取るこのむなしさこの空虚っていったい全体なんなんだろうってねこのむなしさからこの空虚から逃げないで味わい尽くしたらそのあとどうなるんだろうぼくは味わい尽くしたらね
2006/08/21
まっくらな土の中でぼくはまっしろなミミズのような消化器官になっていた先っぽの筒をぬうっと突き出して暗黒を蠕動するのだからだの中は透き通っている明るい空間だぬうっと突き出してぼくがすすむその跡に空間ができるぼくという空間ができているんだぼくの一瞬の軌跡がちゃんと残っているんだだからちゃんとしていよう一瞬一瞬ちゃんとしていようあいつはダメな人間だかなわんおっさんだという声が聞こえるもう訂正はできないんだこの軌跡はぼくの生きている証なんだからちゃんとしていようこころにぼくは彫刻刀で刻みつけているんだから失敗はあるさあって当たり前なんだだからって自殺なんかするなよ失敗はぼくにとっては必然性なんだから蠕動する消化器官なんだから他人の評価を気にするな評価したあとの後味って薄気味悪いよ正しさを自分で認識する行為なんか後味悪いよまっくらな土の中をぼくはまっしろなミミズのような消化器官になっていた蠕動する消化器官なんだ一瞬一瞬刻み込んでいるんだそれがぼくなんだそうして土の中に空洞ができているんだぼくが生まれてからずっと続いているんだぼくが刻み込んだ軌跡が土の中にできているんだ一瞬一瞬ちゃんと生きてきたんだそういう軌跡なんだ気にするなまっくらな土の中でぼくはまっしろなミミズのような消化器官になっていた先っぽの筒をぬうっと突き出して暗黒を蠕動するのだからだの中は透き通っている明るい空間だぬうっと突き出してぼくがすすむその跡に空間ができるぼくという空間ができているんだ
2006/08/12
殺戮しちゃったよ大量にガスで皆殺しにしちゃったよ生まれたばかりの小さな生き物体長約1ミリの羽があってそうしてたぶん世界を持っているはずのたくさんのたましいの起源をぼくは汚いものを見る眼で台所の排水溝の蓋の裏のべったりと湿った中の羽の生えた生まれたばかりのたくさんの小さな生き物汚いもの見る眼で一気に毒ガス噴霧しちゃったよしちゃったしちゃったあとになんでなんでそんなことしちゃったのかかんがえちゃった汚いもの見る眼で小さな生まれたての生き物みんな殺戮したなんてことしたんだなんてことだからねぼくは聖人なんかじゃないんだ汚いものは汚いかどうかわからないのに殺戮しちゃったんだぼくも汚いものかもしれないのに誰かにとってはきっと小さな生き物にとっては巨大な汚物かもしれないぼくが生きている意味は誰かの栄養になることならば食べられる名誉があると思っていたんだでも汚物ならば生きていく意味が見つからない汚物じゃなく肥やしといって欲しい小さな生き物よ大量殺戮された生まれたての命よ申し訳なかったと思う殺さなくてもよかったんだぼくが飼育していてそうしていやになったから捨てたようなものだゴメンナサイ小さな命よぼくが殺すのはぼくが生きるための必要最低限じゃなきゃダメなんだまたぎがそう伝承しているそして自分の命より山を大切に思い感謝して授かるんだ自分の命もたぶん誰かの授かりものになればいいんだ巨大な汚物になっちゃいけないんだ肥やしに なれ!ぼくよ
2006/07/08
綱渡りみたいだ今日の細胞が今日生まれ今日のうちに死んでいく綱渡りみたいだポンプは送り続けている動いているいつまで送り続けているのだろうかわからないが点検すれば故障箇所があるかもしれない今日の細胞が今日生まれ今日のうちに死んでいく明日がやってくる保証はないんだぎゅーポンぎゅーポンどぎゅーんどぎゅーん大量にしかし一生懸命流れているんだこれはぼくにはどうしようもないくらい一生懸命に流れているんだだから綱渡りみたいなんだぎゅーポンぎゅーポンどぎゅーんどぎゅーんぎゅーポンぎゅーポンどぎゅーんどぎゅーん
2006/06/24
あなたはニコニコしながらそこに立っていたぼくはあんまり変だからちょっと怪訝そうな顔をしたあなたはあんまり気にせずずんずん入ってきたそうしてあなたはうれしそうに話した ぼくは 懐かしくてここに来ました 居ても立っても居られず どうしても来たくて ここに来ました ぼくの少年時代に 懐かしい思い出として あなたたちのこの商いが ぼくには忘れられない記憶として 残っていますニコニコとあなたは自己開示しはじめあなたのバイブレーションがぼくに共振しはじめぼくはぼくであなたのニコニコがぼくをゆすぶりぼくはあなたを認めたああ 笑顔とその効果よぼくは強烈にあなたのことが好きになったのだああ 強烈に
2006/06/19
ニコニコと笑いながらぼくは階段を登ってきたそうだ床屋の主人は散髪中にそう話してくれたえーと思ったぼくは笑っていなかったただぼくは気分がよかっただけだ髪でも切ろうかなどと考えその床屋を目指して歩いたしかし床屋の主人ははっきりと証言したその証言方法は気分だった安心感を持っておだやかにぼくに話してくれたんだぼくは認められたような感覚になったぼくはたぶん幼い子供のような表情だったんだろうそれがぼくの顔だ床屋の主人にぼくは委ねたそうして気がつくと髪はさっぱりと散髪され整髪され更に気分はよくなって笑いながらたぶんそこを後にしたんだニコニコと
2006/06/18
ぼくは蝋燭だ溶けていく蝋燭だたおやかに燃えているしなやかに溶けていくぼくはこの蝋燭を消費するためにこの世に生を享けたのかもしれないならば いっそ燃えてしまうのだいっそ思うが侭燃えてしまうのだぼくは燃えている溶けているぼくは蝋燭だ消費するそのためにぼくは金銭を使う消費するそのためにぼくは命を使う使うためにぼくは 存在している消費が すべての良きものを 生み出す貯蓄は 恐れだ不安だだから 閉じこもる蓋をする弊害が出現する ゴジラのように消費せよ トコトン消費せよ 惜しむな決して 惜しむな 惜しむな惜しめば 機会は 永遠に やって来ないだろう 惜しむな消費せよ
2006/06/08
ぼくの父はウクライナで結婚したぼくはウクライナ人だ日本人じゃないことの可能性があったんだ運命ぼくは父に運命を握られていたんだそうして父も運命日本陸軍の兵士として出兵した戦った負けた抑留させられたぼくはウクライナ人で日本のことは実はあんまりよくわからない言語はウクライナ語を使っている父は祖国に帰りたいと思っているぼくは父が異国のひとだと思っていなかった運命ぼくがウクライナに生まれウクライナ語で話すことウクライナチェルノブイリの原発もウクライナにあった肥沃な土壌に恵まれているウクライナ石炭や鉄鉱石も豊富なウクライナ運命だぼくが日本に生まれ父が帰還し戦争が終わって日本語を話しているぼくは日本人になっている運命だ父よ母よぼくは運命を生きているそうじゃないか運命を生き感じているんだ父よそして母よ
2006/04/23
八戸の猟師町半纏を着てみさわを遠望している婆を連れ戻したいと思った日に焼けた顔婆の顔はかわいい無性に連れ戻したい取り戻したい誘拐したいしたい婆をかわいい婆を引っぺがしてみさわへ連れ戻したい
2006/04/17
寺山修司さんを捜しにぼくは青森県みさわに行ったんだにんげんは生まれてきてから逝きはじめるんだその途中で立ち止まったり放蕩したりして逝きはじめるんだにんげんは逝きはじめるんだそう誰もが逝きはじめるんだだから寺山修司さんは逝ってしまったんだその足跡をぼくは追ったいくつものいくつもの劇場空間の遮光された地面に寺山さんの机があった引き出しをあけるあった!あったよここにぼくが忘れかけていた革命があった!あったよぼくたちが100年後に気づくかもしれないそんな愛があったよ
2006/04/16
紳助・竜助の竜助が死んだ戦友だったふたりぼくたちのまわりも同じようなことはよくある日常生活も戦争も程度の差だ弾に当たれば死んでしまう才能や地位やお金のあるなしじゃないんだ死ぬときは死ぬそれが戦友だだからいっつも真剣そのものそのときしかないんだふたりがともに力あわせていけるのはアホボケカスそれは名誉なことふたり同時になのかどちらかひとりなのかそれはすべて不確定要素だからこそ協調体制が必要なんだアホボケカスその気持ちその気持ちの裏側に戦場があるんだ優秀であればいいそんなことは決してないんだアホでもボケでもましてカスでも戦場では仲間だそうして弾に当たれば誰でも死ぬそういう世界なんだここはだからその一瞬を生きろ力強く生きろアホボケカス名誉なことじゃないか生きろその一瞬を力強く
2006/04/03
ぼくは寂しくないなぜならぼくは愛せるから愛されなくても全然平気さぼくは愛することができるんだから仕事しよう手を抜くな仕事しようぼくは愛することができるんだから仕事しようしっかりと仕事しよう
2006/03/29
愛されていないなんて嘆くな愛されていないなんてなんて鈍感なんだおまえはもう充分に愛されていてそうして幸せなんだただ気づかないだけなんだおまえがおまえだけが気づかないだけなんだだからおまえよ愛されていないなんて嘆くなおまえの周りにはたくさんの人々がおまえと同じように嘆いている愛されていないなんてことはないんだおまえがそれを証明するんだおまえが嘆いている人々を愛してあげるんだたくさんの人々がいるじゃないかおまえよ愛してあげるんだそうして力になってあげるんだ愛されていることをおまえが実証するんだそれがおまえの使命なんだだから嘆くなおまえの前にはたくさんの人々がいるおまえに愛されることを求めているたくさんの人々がいるおまえはただ自己撞着していただけなんだおまえは愛されることをあまりにも求めすぎていただけなんだやめようよつまらない生き方役立たない生き方おまえには愛する人々がいるじゃないか
2006/03/25
シャロンの脳に世界中の人々の意識が集まっている個人のもの じゃないんだシャロンの脳じゃないんだ自分の脳じゃないんだだからぼくのものじゃないんだだからぼくは使うぼくの すぐ近くの人に人々にあなたにぼくの 所属している部隊にシステムにシステムの外に脳の進化の 場所があるわけじゃないんだすぐそこその場所その場所で 何を感じたかぼくのものじゃ ないぼくの脳だからぼくは使うぼくを含めた システムにそして あなたにこれを 愛 というのだろうか愛 は外側にあるわけじゃないんだ脳が 気づいているぼくの脳がぼくの脳じゃないその脳が 気づいている愛せよ と
2006/01/07
KOCH-SCHUTZ-STUDER(コッフ-シュッツ-ステューダー)from Switzerland フリージャズとダンスのインプロビゼイション。は直観力と人間存在の相乗効果。ハンス・コッホがプログラミングしたビートをスライドさせ、サックスはサンプラーで歪められる。チェロ奏者のマーチン・シュッツがメロディアスな旋律を出すが、突然。ガクッと首をうなだれ、脱力した。かと思うまもなく、パーカッショニストのフレディ・スチューダーが反応して、たたみかける。煽る。侮る。シュッツが、エレクトロニクスのボリューム。ギコギコ。いじる。触る。guitarの尾松泰樹の煽りで。ダンサー長谷川哲士と三好直美が。激しく。絡み。スピード上げていく。ステージの上は、エロスとリズムと交錯する時間の逆流も起こるかもしれない。ほどなま温かくそしてへんげする。へんげする。色めく。艶めく。果てる。数秒後。奈落に。落ちる。セッションだ!
2005/10/10
たくさんの浮かれる男たちが、トラックに満載になっている。こんな光景は、めったに見ることができなくなった。経済が発展して、男たちは大人しくなった。愛媛松山。神輿を運ぶトラックと出合った。早朝から、ここ松山では、ケンカ神輿が、男たちを浮かれさせている。実に異常な事態だ。しかし、魅力的な、男の世界が、ここにある。
2005/10/08
あんた食肉(じきにく)したんやろしたんやろといわれるのは 覚悟の上あんたしたんやろしたんやろそうあんたがしかねないことしたんやろしたんやろとあんたおいらに いってるけれどおいらあんたに すべもなくしたんやろしたんやろおいらあんたのきもちをばうけとってさてどうするかどうするこうするうけとってどうするこうするうけとってをばおいらの所為にしたくもなるわなおいらの所為にしたくもなるわさどうするこうするしたくもなるわさ
2005/10/06
いきなり おまえはスター気取りで ラップしている ラッパースター気取ってんじゃねーよてんじゃねーよいきなり おまえはマイクで MC 気取ってんじゃねーよてんじゃねーよてんじゃねーよねーよ
2005/10/05
バックヤードでぼくは絵を描いていた設計図を描くように慎重に慎重に描いていたフォワードでなにが起こっているのかぼくにはぼくの想定でしかなかった他人事というのだろうかお客様意識というのだろうかただ応援するだけ意識というのだろうかぼくの想定は極めてぼくに都合よくできているんだ極めて都合よくできているからぼくには皆目見当がつかないんだフォワードでなにが起こっているのかぼくはバックヤードの個室にいた個室には鍵がかけられているその安心に支えられ絵を描いているうーん まだまだ完成には程遠いぞうーん まだまだと思ってフォワードを見ると誰かがバックヤードに向かってくる向かってくるがズボン下ろしながら向かってくるが鍵を見て あきらめたようにまた戻っていくぞ戻っていくぞ不安が去来するふと 鍵を見れば開いているではないかぼくはズボンを下ろしたまま開いているではないか明るいフォワードからぼくは丸見えだぼくは丸見えのままズボン下ろしたままま いいやと そのまま 丸見えを味わっていたんだ絵は完成したそろそろ帰るかと 去来した ときなにかが変質した帰るか?このまま?帰るのか?なにかが変質しただれがフォワードを維持するんだこの便所おとこ!自分だけよけりゃいいのか!便所おとこ!自分だけ排泄できれりゃいいのかよう!急激な不安に駆られフォワードへ出た瞬間場面は暗転していた照明はすべて落ち天井もぶかぶか今にも崩れそう床はどろどろがらんどう洞窟状態まっくらけ車が突っ込んでガソリン垂れ流しいまにも引火爆発寸前ただぼくの絵だけが無傷だった飾ってあったスタッフの女性にぼくは聞いたちゃんと聞いたぼくはちゃんと聞いてちゃんと伝えたいそういう思いでちゃんと聞いたけれど彼女はバイクがずらずらやってきてもうどうしようかと思ったもうどうしようか思ったそればかり肝心なこといわないバイクじゃなく車だろう車がいつどうやって突っ込んできてフォワードがこんなになっちまったんだ天井ぶかぶか照明全壊床どろどろその辺ちゃんと教えてくれよう頼む教えてくれよう教えてくれよう教えてくれよう教えてくれよう
2005/09/25
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