個人的には、この邦訳が出る前に、英訳版Jacques Le Goff(trans. by Arthur Goldhammer),Time, Work, & Culture in the Middle Ages, The University of Chicago Press, 1982 (Paperback edition)を入手しており、第四章、第五章、第九章、第十二章は英訳版で読んでいました。修士論文提出前に邦訳版を手に入れ、照らし合わせながら理解を深めることができたのは良かったです。最近更新が滞っていますが、また研究整理の記事を書く機会があれば、いずれこれらの論文にもふれることにもなるかと思います。
同じく、文献案内になりますが、1999年に、ガリマールGallimard社から、ル・ゴフの全集的な著作(Jacques Le Goff,Un Autre Moyen Age, Gallimard, 1999)が出ました。こちらも入手しているのですが、この著作には、邦訳が出ているところでいえば、『煉獄の誕生』、『中世の高利貸』、本書『もう一つの中世のために』、そして邦訳は出ていませんが、有名な論文集、L'Imaginaire Medievalの4冊の本に加え、いくつかの論文が収録されているという、まぁなんとも魅力的な本です。特に、その書物の最後の方には、笑いに関する二つの論文が収録されていて、興味深いです(…といいながら、まだ読めていませんが…)。 1700ページくらいありますが、たしか5000円もしなかったので、割とお買い得の本かと思います。 …それはともあれ、修士論文執筆のときは、先にふれた英訳を中心に読んで、このUn Autre Moyen Ageで原文のフランス語をチェックして、さらに邦訳も検討したのだったなぁというんで、ふれておきたかったのでした。
先にふれた、L'Imaginaire Medieval(英訳は、Jacques Le Goff(trans. by Arthur Goldhammer),The Medieval Imagination, The University of Chicago Press, 1992(Paperback edition))の邦訳も、ぜひ刊行していただきたいものです。
*英訳版Jacques Le Goff (trans. by Arthur Goldhammer),Time, Work, & Culture in the Middle Ages, The University of Chicago Press, 1982 (Paperback edition)の画像はこちら。