仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2007.08.08
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カテゴリ: 宮城
平成の大合併で「町」「村」の数はだいぶ減った。現在宮城県では、22町1村である。

ところで「町」を「まち」と読むか「ちょう」と読むかは、自治体ごとに決められており一律ではない。例えば平成18年1月誕生と最も新しい「町」である美里町は「みさとまち」、その次に新しい南三陸町(平成17年10月)は「ちょう」と読む。これらは合併協議の中で新町名とその読み方を定めている。

今は栗原市となった旧栗原郡9町(ほかに1村)のうち、「ちょう」と読むのが6町、「まち」は栗駒、高清水、一迫の3町であった。後者の3町は町名が訓読みだから「まち」で自然なような気もするが、かといって築館や若柳も訓読みなのに「ちょう」と読むのだから、音読み訓読みで分かれているわけでもない。

海岸寄りに「ちょう」が多く山沿いが「まち」だとする俗説もあったが、そうでもない。いずれも合併で消滅したが、鳴子(ちょう)、北上(まち)の例をあげればわかる。また、東日本に「まち」、西日本に「ちょう」が多いとされるが、宮城県内では混在している。

そもそも明治の市町村制の施行の際は全国一律に「まち」と読ませたそうだ。これが戦後になってから、各町がみずからの地名と「町」の語を一体の固有名詞と考えて「Aマチ」「Bチョウ」などと呼び方を決め始めたということだ。

結局決め手がないので、もう「覚える」しかない。普通の人は別にどうでも良いけど、公の場での発言や放送関係は正しく読むべきだろう。昔、八木山の東北放送会館にレコードコンサートにお邪魔したことがあるが、アナウンサーのためなのだろう、壁に県内の町の読み方を整理した小さな紙が貼ってあったのを覚えている。

平成の合併(昭和60年代の仙台市の合併を含む)の前の県内61町の読み方を分けると、
 「まち」 23カ所
 「ちょう」 38カ所


青森や秋田のように、県内すべて「まち」なら、アナウンサーも苦労はしないだろう。宮城県の場合は、東日本に属するのに「ちょう」が多かったわけで(岩手県も同様)、ちょっと例外的とも言える。

昭和の合併で合成地名なども登場したため、自治体としての呼称を、明治以前から形成された共同体としての「まち・むら」と区別する意味で「ちょう・そん」と公称したのではないか、との説明もあり、なるほどと思う。

合併後の現在、22町の読み方は次のようになった。
 「まち」 12カ所
 「ちょう」10カ所

やっぱり拮抗している。





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最終更新日  2007.08.08 04:35:59
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