仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2011.05.01
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カテゴリ: 宮城
日本原産の野菜は実は少なく、ミツバ、ウド、セリ、フキぐらい。現在食べている主な野菜は外国から入って明治以降に広まった物ばかりだ。

キャベツ、タマネギ、トマトなどがそうだ。漬け物や鍋物に欠かせないハクサイも、英語で chinese cabbage とよばれるように、中国から来たが、栽培が難しいためか普及しなかった。明治8年に3株だけ中国から送られて東京の博物館に展示。うち2株が愛知県試作所に払い下げられた。うまく結球するよう工夫を重ねて、明治18年頃に「愛知ハクサイ」の栽培法を確立する。

明治28年頃日清日露で中国に入った仙台師団の将校が、中国ハクサイの種を持ち帰り、宮城県立農学校の沼倉吉兵衛が栽培して、宮城県の結球ハクサイの草分けとなった。ただし、ハクサイは同じ十字科植物のナッパ類と交雑しやすいため、3年も経つと結球が半分くらいになってしまう難点があった。

そこで、また新しく中国から種を取り寄せ、今度は仙台の種苗園が松島で栽培、ようやく優秀な種子がとれるようになった。それから急速にハクサイが普及した。大正も終わりに近い頃だ。

今では日本でいろんな改良品種のハクサイが作られているが、その主流は松島で初めに栽培された中国の芝罘(チーフー)の種で育成された「チーフー系」だという。

■藤岡幹恭編著『農業の雑学事典』日本実業出版社、1990年 から





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最終更新日  2011.05.01 08:28:23
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