仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2016.02.21
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カテゴリ: 東北
所さんの番組でやっていた。TV東京のやつなので、宮城県は再放送だろうが、それはともかく、日本全国隠し名物と銘打って、その地元でしか知られていない名物というのだ。出てきたのが、東北では大間の島海苔と、秋田の卯の花麺。

大変興味深いのは、地元でしか知られていない理由があることだ。例えば、他に取り上げられた「松阪牛のホルモン」の場合は、牛の本体部位は高値で取引され地元の人は滅多に買わないが、逆に内臓は新鮮さが必要で遠くには出回らないということだ。秋田の「卯の花麺」は、稲庭うどんの切れ端など、商品にならない部分を短く切ったもの。稲庭うどんそのものは讃岐の3倍するため、地元の人も買わないが、卯の花麺なら病気の際のかゆなどとして食されるという。

そして、大間の「島海苔」だ。TVでは、大間の先の無人島である弁天島にわたって、干潮の間に女性達が拾う。ウップルイノリというのが学名。海の漁は好調不調の波があるから、少しでも不漁に備えようと、昭和初期に女性達が始めたのだという。岩場についた海苔を拾い集め、丁寧に水の中で木枠で漉いて、家の軒先に干す。最近は温暖化で減少しているというが、アミノ酸が豊富で大変美味だという。

大間のマグロは地元大間ではほとんど売られない。外で高く売れるからであり、その点は、松坂牛や稲庭うどんと同様だ。もっとも、例えば観光客が大間に行けばちゃんとマグロを食べられるように、飲食店や宿泊施設などでは提供するだろうが(地産地消バンザイ)、経済の実際として大勢をみれば、そういうことなのだろう。

しかし、島海苔は逆に大間以外に流通しないのだそうだ。たまに土産物屋に並んでも、1枚千円ですぐ売り切れ。「隠し名物」のゆえんだ。

さて、3年前の下北の一人旅で、大間を訪れた。海藻関係では「つるあらめ」のラーメンを食べ、おみやげには「寒ふのり」や昆布などを買ったが、たしかに島海苔は見なかったと思うし、事前の「予習」でも知らなかった。

■そのときの記事です
秋田・青森の旅 連載を終えて (2013年7月5日)
海峡いさりび公園(風間浦村)と下北の道路交通 (2013年6月30日)
大間町を訪れました (2013年6月29日)

ただ、記事にも書いたように、大間から風間浦村に至る国道を走ると、随所で海岸の岩場に人が見える。何かを拾っているのだ。島海苔ではないかもしれないが(時期も違うだろうか)、何らかの藻類や貝類なのだろう。TVをみて、あの光景を思い出したので、画像のストックから引っ張り出して、掲げてみます。
(人物は小さく写っています。)

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最終更新日  2016.02.21 16:57:22
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