おいしい　千葉　～ponの食べある記～

Calendar

工事中

(0)

席数に余裕をもったＬ字カウンターが、厨房をぐるりと囲っていた。石土間にじゃっかんのテーブル席、そしておなじ仕様の小上がり席。これだけ見ても、いかにも昭和のお店らしい雰囲気がある。下手な映画のセットより、リアルで確かな４０年代をかなえていた。

調味料類がなかなか繊細だった。甘口（とろみ）ソース、辛口ソース、しょうゆ、ごま塩、唐辛子、辛子とセンス良くそろえてある。

ロースカツ定食を注文した。供出までけっこう時間がかかる。やってきた品物を一目みて、正直これはタダモノではないと思った。ある意味、感動してしまう。

トンカツ本体が何だかゴツゴツしている。時代に逆行して、無骨そのものの風体・ビジュアルで押し通している。ゴジラの背ビレ（？あれは何というのか）のような余計なバリが、周りにたくさん付着していた。

訊くと。自家製の粗挽きパン粉を使用しているので、自然こうなるのだという。その恩恵は、実際食べてみてしっかり感じとることができた。

バリが最上の棘・突起物となって、食感の第一印象を決する。口当たりが、実にサックリしていてしなやか。軽やかサクサク。その上、豚肉は極上のやわらかさ。コロモを噛むと同時に、口の中でほどよくほどける。肉汁、そして内包していた油脂分らがほとばしり出て、口蓋内全体にまわり行きわたる。最上のジュワーが、気持ちいいくらいに広がっていく。

「とんかつを食らう」という重厚感に満ちた食イベントの一つが、よりいっそう荘重なる満足感で包みこまれる。

職人かたぎの部分があるのだろう。マヨネーズを所望すると、きっぱりと断られた。「てやんでぇ」という言葉は発しなかったが。それを意味するような口調でいわれた。

同系のよその店にあるようなサービスがあるわけではない。網の上にカツを鎮座させる気配りがあるわけではない。キャベツや味噌汁がおかわり自由なわけでもない。しかしここには、それを補って余りあるほどのコンテンツがたしかにある。

「美味しいとんかつ」ときかれて。今私が思い浮かべるうちの一つに、この店の逸品があることは、紛れもない事実なのである。

「とんかつ　三太」
住　　所：松戸市樋野口６０８－１
アクセス：樋野口交差点から古ヶ崎五差路にむかう途中左側　Ｐ（８台）　　　
電話番号：０４７－３６１－０８１４
営業時間：１１：３０－１４：００/１７：００－２０：３０/
定　　休：金曜日/
客　　席：カウンター１１席/テーブル４卓/小上がり４卓/
利用種別：個人向き/少人数向き/グループ向き/家族向き/
料金支払：あと払い/
メニュー：【定食】
　　　　　　ロースカツ定食１１６０/一口かつ定食１１６０/コロッケ定食１０５０/
　　　　　　（ライス大盛り１１０円増）
　　　　　【揚物単品】
　　　　　　豚ヒレカツ１０３０/ロースかつ１０３０/ポークソテー１１３０/
　　　　　　ミックス（一口かつ＆コロッケ）９１０/一口カツ８９０/
　　　　　　ロースカツ（小）８９０/クリームコロッケ６９０/
　　　　　【その他単品】
　　　　　　オムレツ６３０/生野菜６３０/ロースハム６３０/なめこおろし５００/
　　　　　　とりわさ４７０/柿の種２８０/
　　　　　【ご飯類】
　　　　　　ご飯２１０/ご飯大盛り３２０/ご飯軽め１６０/のり茶４５０/
　　　　　　豚汁３２０/なめこ汁２８０/豆腐汁２１０/新香２１０/
　　　　　【飲物】
　　　　　　ビール大６３０/ビール小４００/生ビール５００/黒ビール４４０/
　　　　　　清酒４００/冷酒７９０/オレンジ２１０/コーラ２１０/
　　　　　　ウーロン茶２１０/キリンレモン２１０/
評　　価：☆☆☆☆☆
　　　　　（味４．５/量４/サービス４/雰囲気４/ＣＰ４/駐車場４）

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう